映画 「ミッション:インポッシブル フォールアウト」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ミッション:インポッシブル フォールアウト」


 3日(金曜日)に2D,字幕で見てきました。
 午後に行こうと思ってて、まあ平日だし、と思っていたら、わりとどんどん予約が埋まっていってたので行く前に念のため私も予約して行った。夏休みとはいえ。初日にみんな見たいものなのかと思う。勿論私も初日に見たい見るぞ!って行ったわけです^^


 前作、ローグネーションのがっつり続編。あれから二年、ということだけれども、レーン、イルサと引き続きのキャスト、IMFのハンリー長官と引き続きのキャスト登場。の中、ブラントくんがいないじゃないかーというのが寂しいわけですが、ホークアイでもある彼はIW関係の撮影のやりくりが難しかったり(MIの脚本がクランクイン時点で33ページしかできてないみたいな、撮影と脚本と同時進行的なものらしい……いやそれでこの話成立させるんだから凄い。凄すぎる。どういうことだよ……)という大人の事情的なものらしくて、まあ、登場がなかったのは寂しいけれども、あっさり冒頭で死ぬ起爆剤みたいなことにならなくてよかったなと思う。


 イーサンがジュリアとかつて結婚の誓いを交わした夢から始まる。愛し、結婚し、でもジュリアは身を隠して別の人生を歩むしかなかった苦い思い。
 今度のイーサンへのミッションは、プルトニウムを奪い返すこと。テロリストの手に渡る前にイーサンたちが買い付ける。だが、そこでルーサーを盾にとられたイーサンは、ルーサーを助けることを優先して核を奪われてしまう。
 爆弾は二つ作られた。それを奪い返す。CIAから、イーサンの動きを見張るためにウォーカーというエージェントがイーサンにつくことになる。
 裏切りの疑い。仲介者。ソロモン・レーンを巡る争い。そして、核爆弾が仕掛けられたのはカシミールの医療キャンプだった。世界の人口の3分の1が暮らす地域の水源が汚染される。そして、そのキャンプには医師としてジュリアと今の夫も参加していた。

 そんなこんなで、前作の続編であり、シリーズ集大成という感じがすごくしました。ジュリアとの結婚とかその後離ればなれに、というのはこれまでちょっと軽く描かれてきてたと思うんだけれども、あーこんなにもイーサンの心に深く深く深く重く大事な出来事だったんだなあと改めて見せられた。ジュリアを愛してたんだねえ。まあ、愛してたよね。結婚したって浮かれてたイーサンは完全にバカップルだったもんな。
 てことで、ジュリアが終盤にはちょっと任務を手伝うようなことがあったりもして、そして、最後には、今私はちゃんと幸せに生きてる、暮らしてる。あなたは居るべき場所にいて。私も居るべき場所にいる。という、ほんと、イーサンを今も愛して大事に思っているし、けれど今の生活もちゃんと幸せにいるよ、という言葉をイーサンに贈って、そして、イーサンは許される、という感じなんだね。

 イーサン・ハントは超人で凄腕スパイ。それは間違いないんだけれど。シリーズ進むにつれて、たった一人で戦うスパイじゃなくて、人とのつながりとかチームを得るとか、そういう変化があったなあと思う。特にゴースト・プロトコルあたりから。はっきりチームプレイになったと思う。
 今回はほんと、原点に立ち返る、から集大成って感じで、イーサンこそが裏切り者なんじゃないのかという味方であるはずのCIAからの疑いからの孤立、と、でも少数精鋭信頼できる仲間がいるんだよ。すごいよかった。

 ちょっと、イルサが、イルサと、イルサのことをイーサンも実は大事、みたいなのが、ルーサーの言によるとちょっとラブロマンス的雰囲気になっちゃって、そこは~それは~~別にロマンティックにしなくてもいいのに~と思ったね~。まあ~んん~。あと仲介者のホワイトウィドウにパーティ会場で近づくとか、突然キスされるとか、イーサン、モテてました。ちょっと007風味。というかこれもまあ原点に返る、かな。スパイはハニトラもしますよ~的な。まあでも一応、あんまりべたべたでもなかったので、まあ、まあそっか、という感じ。

 そして今回もベンジーがめっちゃ可愛い~^^
 ベンジーを守る、ってまた言ってたよイーサン。でも方法は今考えてる、とかさ。ベンジー今回は前作ほどの出番はないにしても、ちゃんと軽さくれてほんっといいキャラ。可愛い。イルサにも守られてたよ~~カワ(・∀・)イイ!!

 イルサが、やっぱまた英国様のせいで関わってくるんだけれども、なんかちゃっかりいつのまにかイーサンとチームに合流してるな~というのが、可笑しい。車にさらっと同乗してるけど誰もつっこまないのかーそうかー。
 ベンジーの危機に、自分も囚われて拘束されてるのに、むぎゃーって怒髪天をつく!って感じでガンガン攻撃に転じていくの最高かっこよかった! ベンジー守られてる~^^
 イルサは仲間のいないイーサンのよう、というのは前作で言われてたことだけれどもイルサもまたイーサンの仲間になり、チームになり。で、今度こそスパイ稼業から離れられるかなあ。でもなあ。あんだけ優秀で、本人もイーサンチーム好きになってる感じだからなあ。次があるとしてまた登場しても不思議じゃないって感じ。

 そして! ヘンリー・カヴィルさんですよ。CIAの殺し屋。ウォーカー。仕事だから悪く思うな、ってさくっと人殺すタイプね。最初はイーサンのお目付け役、とはいえCIA職員なわけですが、中盤からは、やっぱお前が裏切り者か!ってことで、終盤のヘリアクションとか悪~い感じですごくよかった。最初の方の、予告でも見てた、トイレでの肉弾戦な~!かっこいい!凄い! つか、あの時、ウォーカーとイーサンと二人がかりで頑張って戦った敵の人すっごい強いな!ってびっくり! 面白かった!!!
 カヴィルさんはもちろん肉体美最高だし、顔もハンサムかつ可愛い目だったりもして、いや~も~ほんっとに画面にいるだけで眼福。トム・クルーズとの体格差も最高。可愛くとぼけたり、裏切り者とバレてからも平然とすましたりしてるのも最高~。
 スーパーマンだもんね、とか、アンクルの時はちゃんとCIAだったもんね、とか、そういうキャストのイメージからの重ね合わせと、でもバレバレにお前が裏切り者だろ~~っていうのがわかるのと、ほんと面白かった。
 
 イーサンの物語なんだな、という感じが強く出てた。イーサンの夢から始まるし。途中も、潜入任務の中で警官殺しをしなくてはならない、というイメージとか。イーサンの内心、イーサンの夢が何度か出てくる。
 超人スパイとしてのキャラ、から、ほんと、チームになってきたここ数作で見せられてきた、ベンジーからの無茶ぶりに困ってしまうイーサンとか、やべーよ痛いよ危ないよ~って顔しつつやっちゃうイーサンとか、ほんと、人間らしくなってるんだよねえ。
 
 今回、撮影中に足先だっけ、骨折、というニュースを観客である私は知ってて、あ~このシーン、って思いながら見たり。宣伝でもそれすごく利用してたし。トム・クルーズ=イーサンってことをバンバン宣伝してて。
 そして、トムの自分でこなすアクション凄すぎる、というメタ視点と、作中でのイーサンの姿と、ほんっと見てるこっちが二重写しに重ねてしまう。
 凄すぎるよね。今回も、カーチェイスは勿論、バイクでもヘリでも!崖からのぶら下がりやクライミング。勿論肉弾戦。これでもかこれでもかこれでもか!!!と、アクション山盛りてんこもり。よくそんなの思いつくなあってことだし、よくそれトム、やってるな???マジか??? ってねえ。ほんっと凄い面白かった。かっこいいことこの上ない。

 そして無事世界の危機はぎりぎりで回避されました。今回、ハンリー長官が亡くなってしまう、ということはあったけれど。
 イーサンは、目の前の仲間を。目の前の一人を、世界の危機より先に助けようとしてしまうという、それが弱みであり、強さであり、という描かれ方。だからこそハンリー長官は信じたけれど、でも、悲劇は起きる。ルーサーを助けたけれども長官はダメだった。いつも、いつも、完璧ではいられない。
 ジュリアを愛していて、でも彼女の人生を奪ってしまったのではないか、というイーサンの苦しみは癒された。ジュリアは幸せに暮らしていると。
 そして、イーサンはボロボロに傷つきながらも生き延びて、仲間からのお見舞いで笑ってしまって、笑わせるなよ痛い、って笑っちゃって。すごい幸せなエンディングだった。

 シリーズ集大成だと思うし、これで一区切りついたのではないかと思えるし、トム・クルーズにこれ以上のアクション追及されてもむしろ怖いわやめて、っていうか。シリーズがこれてひとまず終りになってもいいくらいに漫喫満足した。
 モブっていうか、仲介者の手下のやつらとか兄とか? そういうちょい役の男たちがやたらいい体の個性的ハンサム揃いで、おお~~なんかサービスいいな~ありがとうトム~って思っちゃった。
 そしてレーンは英国様に引き渡されて、でも今回も死ななかったわ。まだ続くのかなあ。うーん。
 ともあれ、あらゆる場面が本当に隅々まで素晴らしくかっこいいし信じられない凄いアクションの連続だし、なおかつけっこうしんみりじっくりイーサンの心に思いをはせたりもできるわけで、ほんっと凄いな。面白かった。やっぱりトム・クルーズ大好き!^^

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映画 「ジュラシック・ワールド 炎の王国」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ジュラシック・ワールド 炎の王国」


 14日(土)に2D、字幕で見ました。
 クリス・プラット主演になっての2作目。三部作なんだっけ? これ、どうするんだどうなるんだ、という終りだった。どうすんだよ……。

 ジュラシック・ワールドの島での事故、事件? から三年。クレアは恐竜保護の活動をしている。島の火山活動が活発になり、恐竜たちは再び絶滅の危機にあった。
 恐竜たちを保護して、安全に暮らせる土地を提供したいと、ロックウッド財閥から申し出があり、クレアはその話に乗る。ブルーを是非とも保護したい、という要望に応えるため、クレアはオーウェンに島へ来るよう頼んだ。
 トレーラーで暮らし、自分でキャビンを建てようとしているオーウェン。始めは拒否するものの、やはりブルーのことを持ち出されると無視できなかった。
 島へ向かうと、すでに恐竜保護、恐竜の捕獲の用意が整っている。ブルーを見つけ出すことができたものの、オーウェンの制止をきかず、麻酔銃を容赦なく打ち込む傭兵たち。
 恐竜の保護、というのは名目で、ロックウッド財団を密かに牛耳ろうとしているベンジャミン・ロックウェルの目的は、恐竜を競売にかけて大儲けしようとすることだった。
 そして、ブルーの遺伝子を使って軍事利用のための新たな恐竜を生み出そうとしていた。

 しょっぱなから、雨の島、よくわかってない下っ端が恐竜に食い殺されるとか、モササウルスが海へ~逃げちゃった~とか、ほんと全編クライマックス! いきなりもうタイヘン。大変だよどうするんだよーということの連続でずっと面白い。
 
 恐竜映画で、ホラー映画。怪物映画、かなあ。フランケンシュタイン的なテーマでもある。
 森の奥の石造りのお屋敷。地下の秘密設備。病身の老人。孫娘。メイジーちゃんが、可愛くてよかった。しかし彼女も実はまたクローンなのだ、とかどさくさに紛れて明かされてて、マジか??? と思う。メイジーちゃんもまたなんか自分に疑いを持ってた感じで、クローン、私と同じ、って、ラスト、連れてきてしまった恐竜を死滅させるか、解放するかの選択で恐竜たちを解き放ってしまう。そこ、それ、そんなあっさり恐竜ちゃんと同化するかな??と、まあ、まあ、話のご都合かなーと、それだけは気になった。

 相変わらず人間ときたら。恐竜の遺伝子ハイブリットしたってろくなことにならないでしょ~~。いつも手に負えなくなって大惨事でしょーがーーっ、と同じ過ちを繰り返してる。特にウー博士、か、お前、お前な~。いつもいろいろ遺伝子混ぜて最強の恐竜生み出そうとするんじゃないよ~。
 前作ではインドミナス・レックス。今作ではインドラプトル。ラプトルちゃんメインで、手が器用とかより凶暴とか訓練でターゲット定めるようにできるとか。
 でもインドラプトル、いつから作ってた? ブルーの遺伝子が必要だ、とかいってて捕獲してきて、その後なんてわけはないし。プロトタイプだっていってたから、いろいろ試作はすでにやってて、あとブルーの遺伝子もってきてもっといいやつ作るぞ、ってことだったのかな。ひどいぞ。

 今回もオーウェン大活躍! すっごいかっこいいよステキだよ~クリス・プラット~!!!
 オーウェンがラプトルたちを躾けた、訓練できた、ということがかなり重いテーマなんだなあ。赤ちゃんラプトル姉妹を育てて訓練しようとしてる所とか、そんな中ブルーがちゃんとオーウェンのいう事きくようになって他の姉妹も従わせるとか、そういう過去のビデオ記録があった。ブルーたち可愛い~! オーウェンも可愛い~! パパ~!むしろママ~!ってすごくほんわかシーンのようでもあり、でも、それで軍事利用ができるぞ、ってなってくのが実に、辛い。前作でもそういう感じだったけれども、今回もブルーが狙われてラプトルで新種を、ってなったのって、オーウェンが訓練を成功させたからなんだよなあ。辛い……。ブルーとの信頼関係が、周りによって奪われていく。
 それでも、ブルーはオーウェンを覚えてるし、オーウェンと通じ合うことができる。
 ラスト、オーウェンがブルーに一緒にいこう、っていうと、ブルーは檻を見て、首を振る。前作とは逆なんだな。前作ではブルーはオーウェンに従っていきたい、という風だったのをオーウェンがダメだ、自由に生きろ、って島の奥へ放す感じだったけれど。今回はオーウェンが一緒に、っていうけど、オーウェンはともかく人間を信用なんかできない、と、ブルーは去ってしまう。
 こんなに、恐竜と人間との絆に泣かされるとは~。

 今作では、これまでパニックであり襲い来る脅威であった恐竜という「自然」が、キャラクターという風になってたと思う。前から、Tレックスとか、そのラプトル姉妹とかはキャラ立ちしていたけれど、今回はもっと、いろいろと恐竜たちがキャラクターとして描かれていたなあと思う。
 島に残される首長竜?とか、切ない。モササウルスは最後にもまた悠然としててこわいしサメ映画と競合しちゃうのでは。
 
 マルコム博士がまた登場するんだって。ということでどんな風に? と楽しみにしてたのです。出番そのものは少ない。最初と最後に議会だか評議会だか、なんか、そういう場で意見を申し述べるという感じ。座って喋ってるだけ~。でも、最初からシリーズに登場しているキャラの重みでありこの時間経過を眺めてきた男というか。人間の過ちを目の当たりにして生き延びてきた男というか。ほんと、渋くてやっぱいい。
 マルコム博士の演説はもともとの原作の小説から半分くらいもってきたものだよ、みたいなインタビューがあった。遺伝子操作、キメラ、神の領域に手を出して、手に負えなくなった人間、ということで。
 街に、人間の世界に恐竜はいる、もう、生きている。パークに閉じ込めておくことはできなかった。愚かな人間。自らの脅威を自ら呼び込んでしまった。共存の道を探るしかない。
WELCOME、ジュラシック・ワールド、と締められるのよ。恐竜がいる「世界」になったんだということかー。
 これ、次回作もあるとのことで、で、で、どうするんだろう。恐竜たちと生きる世界の道はあるのか、どうか、って感じになるのかなあ。

 監督はJ.A.バヨナ。私は他の作品見たことないのだけれども、ホラー、サスペンス演出がさえわたる、みたいな評判の方らしい。
 実際、お屋敷でメイジーちゃんとか、オーウェンたち、恐竜から逃げる、おっかけられる、隠れる、ああ~後ろうしろーっ、とか、とってもホラーだった。
 第一作目へのオマージュは当然あるわけで、恐竜から隠れながら逃げる、あの緊張感、恐怖、ほんっと、ほんっっっとに、私も一作目見た時にはすっごい怖くて震えたの思い出した。そうだよ圧倒的で怖いんだよ恐竜映画。
 面白くって大満足! 次も早く見たいよ~。

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映画 「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」


 11日(水)見に行きました。原題「Battle of the Sexes(性差を超えた戦い)」だそうで。セクシ~じゃないよ。性差の問題。

 1973年に、実際行われたテニスの試合なんですね。知らなかった。
 女子テニスのトップ、ビリー・ジーン・キング。彼女は男子に比べて女子の賞金が少なすぎることに抗議して、女子テニス協会を立ち上げる。なんとかスポンサーを見つけ、ツアーを行い、女子プロの地位向上を目指す。

 という、プロテニスのお話であり。ウーマンリブのお話であり恋のお話であり、それぞれみんな、ひとりひとりの人生。でも軽やかで面白かった~。
 
 ビリー・ジーンに勝負を挑むのは、かつての名プレーヤー、ボビー・リッグス。テニスの殿堂入りしてる、でも今はギャンブル依存でカウンセリングにかかり、妻に愛想をつかされそうな55歳の冴えないおっさん。
 ボビーは、お騒がせ男としてマスコミに登場しては人気者みたい。というか、ビリー・ジーンのこととかボビーのこととか、この試合のこととか、有名でみんなわかってることなのかな。あんまり説明するつくりではなかった。でもちゃんと、なんかこういう人、なんかこの、こういう人生なんだろうなあというのはすごく伝わってくる。
 ボビーは、女子テニスや女の権利とかをバカにした言説で煽りまくって、試合をしようとする。最初はそんな見世物みたいな試合に応じないビリー・ジーンだけれども、恋のことで調子崩しちゃって決戦に負けて。で、女子トップのマーガレットとボビーが試合をしたら、ボビーが圧勝。
 女子は女子の中でならいいけど、所詮男にはかなわない、という風に兆発されまくる。

 ボビーもヒドイやつなんだけど、憎み切れない感じはあるんだよねえ。ギャンブル依存から抜け出せない。注目されたいし勝ちたい。自分はたいしたやつだと思われたいし自分でも思いたい。そういうおっさんの悲哀みたいなのも感じるし。悪人ではないよな、という感じ。息子の父であるし。前妻との息子なのかな? ラリーと一緒にテニスやるぞ!とか、まだ小さい息子とは本気で遊ぶ。でも金持ちの妻に頭があがらず、冴えない毎日が辛い、という感じ。人気も実力もあるビリー・ジーンと男女テニス対決を思いついて、また注目を浴びたくて、ってことなんだろうなあと思う。

 ビリー・ジーンはボビーと対決することになるけど、本当に厄介なのはジャック。ジャック、は、テニス協会のお偉いさん。上品そうな紳士然としてて、でも女性の権利だとか首長に耳を貸す気は一切ない。32年間夫婦円満だよ、というけれど、寝室と台所にいる女が好きなだけ、という、ナチュラルに無自覚に当然のこととして女を同じ人間とは思いもしないで見下している権力者、なんだよねえ。そしてこういう男は今も当たり前のようにいる。
 もう40年?50年前の出来事の話なのに、今も解決にはいたっていない問題。

 ビリー・ジーンは、勝負を受ける時、どっちが上という問題じゃない、ただ同じように敬意を払ってほしいだけ、という。
 本当に、だって、男子の試合も女子の試合もチケットのセールスは変わりない、ならば受け取る賞金額も同じにしよう、って、その考えの何が悪いってゆーんだか。

 ビリー・ジーンは結婚してて、その夫がパッと見はただ見た目がその当時のマッチョイケメン風ってだけの男かと思ったら、実はちゃんと有能でしかも本当に優しさのある夫だった、という感じなのね。テニスにかけてる彼女を支えるいい人だった。
 ビリー・ジーンが美容師のマリリンと恋におちて、という時にも、彼女の本命はテニスだから、僕たちはライバルってわけじゃないといったりする。ちょっと悲しそうで。いい人だな……。

 マリリンと出会って、ああ好きになってしまった、という感じはとっても初々しくて可愛かった~。エマ・ストーンだもの。眼鏡を外したらなんて綺麗な目、と見とれるしかない。自由にふるまって人生切り開いていくような彼女でも、同性愛のタブーにはまだ抵抗できない、という時代も切なかった。

 プロなんだよねえ。テレビや写真に写る時にはしっかり笑顔を作るんだよ。プロスポーツの世界、というのも垣間見えて面白かった。
 女子テニス協会作る、っていうの時に啖呵切った時にはノープランだったけど、ちゃんとスポンサー見つけてきたりで成立させたあのー、お友達?仲間?の彼女すごいやり手なのでは。そしてそのスポンサーがフィリップモリスだっけ。みんな~うつる時には煙草吸って~吸って~って感じなのも、ああ時代が違う、という感じ。面白い。

 テニスウェアのデザインをして、テニスウェアに色をもたらした彼とか。アラン・カミングが実にチャーミングな味方だった。ゲイなのね~。テニスウェアが白だけ、という時代だったみたいなんだけども、この時から変わったってことみたい。今、ウィンブルドンだけはウェアは白ってまだ厳格に決まってるみたいだけど。オシャレカラフルなウェアでみんなが楽しめばいいじゃない、って感じ、いいじゃないの。

 多分世界は、少しずつ、良くなってきている。きていると、思う。願う。でも、まだまだ変わってないことも多い。まだまだ、絶望。でも、希望。ちゃんと立ち上がって戦った人がいること。
 
 最後の試合シーンはかっこよかったし感動した。最初、ろくに練習もせず、栄養剤だかなんだか飲みまくりで、ふざけた調子でスポンサーのご機嫌うかがいのボビーが、だんだんまともな試合をしようとしてきた。馬鹿にしようとしてた女子の実力が思っていたよりずっと凄いということ。そして互いに本気で試合したこと。
 それでもあんなぼさっとした感じでいた55歳のボビーが試合したというだけでもかなり凄いねえと思うけど。
 試合後、ボビーも、勝ったビリー・ジーンも、それぞれロッカールームでひとりになる。アスリートは孤独だ、という感じがした。プロで。有名人で。戦う人。とてもよかった。
 
 見終わってちょっとぐぐってみたりした。ビリー・ジーン・キング、ほんとに凄い成績残しているし、いろんな活動をしていて素晴らしい。
 それぞれみんな、それぞれの人生。抱えているものもみんな違う。ただ、お互いに敬意を払って。本当に必要なのはそれだけのことなんだよ。男と女どっちが上か、という戦いなんか必要ない。上でも下でもない。ひとりひとり、人間。同じように敬意を払って。
 面白かった。見に行ってよかった。
 


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映画 「パンク侍、斬られて候」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「パンク侍、斬られて候」


1日(日)に見に行きました。


 「芥川賞作家・町田康が2004年に発表した異色時代小説」が原作ですね。監督、石井岳龍って石井聰亙なのか~~と、後から認識した。そうだっけ。そういえば。

 主演、綾野剛始め、全キャストが物凄い、振りきれてるやりきってる、すっごいな!
 予告見てるうちに、どうにも気になってしまって見に行って、見終わって、何この映画???ってなって、でも見に行っておいてよかった、という満足感。

 えーと。私は原作を読んでいないので、どの程度原作通りなのかわからないです。なんか、ええと、とにかく。一応は時代劇。藩が基本って感じなので江戸時代くらい? 
 主人公は掛十之進。凄腕の剣客、かな。腕は立つ浪人。小さな藩に新興宗教の腹ふり党がもうすぐやってくるぞ、藩が無茶苦茶になるぞ、対策をした方がいいぞ、と、自分を売り込みます。が、家老の対立、権力闘争に巻き込まれ、実は腹ふり党なんてもう消滅してたとか、なんだかんだで、やらせを行ったら手に負えなくなり、猿の大将が助けてくれるけど、結局復讐で十之進は殺されるのであった。
 みたいな。

 あらすじなんかもまとめられない。なんか、何がどうとか、あんまり、気にしない、というか理解はできないので、ただただスクリーンで事態が転がっていくのを眺めてきました。
 キャストがさー、みんなすっごくよくて惚れるしかない。可愛い。かっこいい。可笑しい。クレイジー。みんな、よくやりきってるなあ。俳優って凄い。
 映画、も、映画、映画って。一体。こんなテンションでよく一本完成しましたって作るなあ。凄い。

 時代劇だけれどもがっつり現代の風刺。というか猿とか。宇宙? んんん?? まあ……まあいっか。いろいろとほんと見応えはあった。満足した。けどわかんないよ。楽しみました。
 本を、読もうかなあ。ついにこれ読む時がきたかなあと思った。

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映画 「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」


 6/30(土)に、IMAX、2D、字幕で見てきた。

 銀河のどこか。ギャングたちが勢力争いしている中、まだ若いハンは下っ端として働かされていた。それでも、キーラという少女と共にここを抜け出そうとチャンスをつかむ。
 だが、ぎりぎりの瀬戸際でキーラは捕まり、ハンは一人、帝国軍へ志願する形で脱出に成功した。志願する時の名前として、身寄りがない彼を受付の男はソロという名前を付けて登録した。ハン・ソロ。パイロットになって銀河を駆け巡る夢をもった青年。
 帝国軍の戦場でベケットという男の一味と知り合い、軍から脱走する。ドライデンというギャングにエネルギーコアを引き渡す約束をしていたが、列車強盗は失敗。代わりに、別の星で今度こそ、と約束して旅立つ。ドライデンはかつて離れてしまったキーラを愛人にしていた。お目付け役、といしてキーラも同行。
 ギャンブルでミレニアムファルコンを手に入れ、捕らえられた牢獄でチューバッカと出会う。
 エネルギーコアを奪い合ったのは帝国に反乱する一味だった。ハンは彼らの仲間にはならず、一人、アウトローの道を行く。

 えーと、なんか本国では評判よくないらしいとかなんとか聞こえてくるけれども、見れば全然普通に面白くてクラシカルなギャング映画というか西部劇というかの、しっかり面白かったです。
 まーそりゃね~、ハリソン・フォードのハン・ソロが大好きなので、なんか、やっぱ、なんか、違う、という気はする。けれども、なんか、まあ、こんな感じかな、なるほど~っとも思う。勢いと成り行きでひょいひょい行動していく感じはとってもいい。可愛い。チャライ~w 
 チューバッカとは殴り合いからの一緒に脱出、とか、ギャンブルで船をゲット、とか、まあなんていうか、さもありなんというお約束の定番っぽい。
 キーラとの別れと再会とか。ドロイドがキャラ立ちしてて面白かったなとか。何かと、意外性でびっくりってことはないかなあ。
 けど、ベケットとの裏切り対決は面白かった。よかった。

 わりとお気楽に見るつもりだったけれども、結構シリアスで辛い所もあり。ドロイドちゃん、壊れちゃった。けど、システムそのものはミレニアムファルコンと同化した、ってことでいいのかな。ランドと恋? って感じの所はいいのか。ランドとは別れちゃうことになるじゃーん。まあ、いいか。後に再会は出来るものね。

 そう。今作は、ハン・ソロとチューイはピンチになっても絶対大丈夫、ミレニアムファルコンも大丈夫、という結末への安心感がある。後の物語に続いていくんだもの。
 最後の最後、キーラがもっと親玉がいるっていってた相手に連絡すると、ダースモールとホログラム通信だった~!そこが、SW世界らしさ、かな。ハン・ソロたち別にフォースの使い手とかではないからね。
 反乱軍の資金源がハン・ソロのおかげでもあるのか~とか、またいろいろ歴史の流れつきあわせて考えていくのも面白いかも。
 キーラは、そんで、どうなったんだろう。どうなるんだろう。そこがなんか、まだ続くって感じがしたけれども。まあ、ダースモールの下でまた何か働かされるのかなあ、と、悲しい余韻。ハン・ソロは後にレイア姫とくっつくわけだしなあ。

 退屈する暇なんてなくて、次々話進んで、面白かった~。単発で娯楽大作として見て十分大満足だと思う。むしろあんまり I know とか言わなくていいのにと思う。サイコロのお守りみたいなやつ? こんな最初から持ってるよってことなのね。でもほんと、別に無理につながりを作らなくてもな~、という気は、する。けどまあそうもいかないか。SW世界がまた一つ増えた広がった繋がった、楽しいねー。

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映画 「君の名前で僕を呼んで」 (4回目)

*映画、本のネタバレ、結末まで触れています。


映画 「君の名前で僕を呼んで」


 昨日、4回目見にいってきた。近くにきたので、また。一応、これで最後にする。早くブルーレイ出てほしい。見たい。何回でも見たい。

 で、もうどうでもいい心のままの好きを書いておく。見ればみるほどエリオとオリヴァーの世界にただただうっとりしてハマる、溺れるなんだよ。何回見ても満足感最高だし、そしてまたすぐに見たいとも思う。ことに、夏真っ盛りになりつつある青い空のこの頃になってきて、いっそう。
 昨日は映画の後、暑い~と思いながらも歩いて歩いて、伊勢佐木町モールから関内へ、馬車道いってちょっと一休みして桜木町から帰ってきた。暑かったよ、バカ。で、その勢いで本屋に寄ったので、こう、積んである英語のペーパーバックもつい、買ってしまった。1398円+税、ってお手頃価格。ま~そんなもんか~。洋書ってなんかもっと高いイメージだったけど、ほぼ買ったことないから意識してみたことなかった。絶対読めない読まない、と、思うのに、なんか。眺めようかな、って思ってしまった。ぱらっと見たら、一度翻訳読んでるから、なんとなく、わかるところもなくはない、感じ。時々眺めよう……。

 見ればみるほど、どんどんオリヴァーにはまってしまう。本も読んだことだし、エリオ視点を強く思うから、オリヴァーに恋してしまうのは仕方ない。アミハマちゃんだし~~。
 
 オリヴァーの方が、苦しさはある、と、思うんだ。エリオは、真っ直ぐに恋して愛して、別れて、という、苦しさ切なさたまんないんだけれども、あの環境、まさに理想郷なあの家庭で、パパもママも、友達も、エリオを愛してる。エリオは恋の傷は受けたものの、生きることには傷つかないと思うんだ。
 オリヴァーは、エリオよりは大人で、ずるい大人であると思う。実はなんだかんだ二年続いている彼女が本国にはいるんだ、とか、結婚するんだ、とか、そういうの、何もないふり、ふりというか、そういう本国でのこと、自分のことは何も言わないで、あの夏のバカンスにいた。キアラとひと夏あそんじゃう、みたいなこともやっただろうなと思う。
 エリオと恋におちてしまわなければ。ちょっとしたお楽しみのひと夏の旅行、って感じのつもりでイタリアにきたのだろう。もちろん教授のアシスタントをして。自分の論文、本、のアドバイス受けて、ちゃんと勉強も重ねて。
 オリヴァーはとてもインテリジェンス。スマート。賢い以上の人だよ、と、パパもエリオも言ってる。本当に、頭良くて、自分を律して、羽目を外す分にもこのくらい、という風に、生きてきたのだろうなあと思う。父に知られたら矯正施設行きだ、と最後にちょっといってたように、親の期待とか世間の期待とか、相手や世の中にちゃんと自分を合わせることが出来るし、その中で適度に自分も楽しんできたのだろうなあと、思う。それでちゃんとうまくやってきた。きっと、このまま人生うまく乗り切っていける。
 ただ、エリオと恋におちてしまった……。

 本によると、あの夏の後、オリヴァーはちゃんと人生うまくやっていって、はた目にはたぶん何一つ不満のない素晴らしい人生を築いていってるみたい。ちょっとした愚痴や喧嘩や悩みはあるだろうけれどもそれはもちろん、誰にでもあるような、こと。
 あのイタリアの夏の思い出、も、それって人生の宝、みたいな、切なくも甘い思い出ってことで自分の心の中だけに大切に秘めていることとして、人生うまくいってる、って感じかなあ。ほんとずるい大人。

 でもそんな風に、ずるい大人として生きるしかない、というのも、たまらなく切ないことである。賢いから、自分の心のままに生きるなんてしない。
 だってエリオのようには恵まれてない。夢のように美しい景色、両親の中で育っていない。
 本当に本当に、オリヴァーにとってもあの夏はあまりにも特別でかけがえのないものだったんだと思う。うまくやっていかなきゃいけない本国から離れて、やってきたら思いがけない理想郷だった。エリオと出会った。互いに恋におちた。

 映画の中で何度か、オリヴァーは立ち止まり、振り返って、あたりのを見回す、というシーンがあるなあと、昨日は心に残った。この旅を、この夏を、この世界を、何一つ忘れない、という風に、オリヴァーは周りを見る。エリオは別にそんなことしないんだよねー。エリオはそこに暮らしてる男の子だし。見つめるのはオリヴァーのことばかりで、オリヴァーしか見てなくて。オリヴァーは初めて自分の心のままに踊ったり恋したりできたこの場所、この瞬間を、心に焼き付けているんだろう。
 終りがくることはわかっている。エリオも最初からわかってるとはいえ、オリヴァーのほうがもっとずっとわかってる。ずるい大人だものな~~~。

 後悔して欲しくない、苦しめたくないんだ、ってオリヴァーはエリオに言う。エリオは、うん、誰にも言わないしって答えて、そんなことじゃない、ってオリヴァーは返すんだけど。あれって、エリオは、なんでそんなこと言われるんだろう、あ、同性愛ってバレたくないんだよな、って感じなんだと思うけど、オリヴァーが言ってるのはこのかけがえのない恋を自分がどんなに大事に思ってるか、この恋そのものが奇跡のような幸せなんだっていうことをエリオにもわかって欲しい、んじゃないかな。だからエリオが望まないなら自分はすぐに身を引くし、という感じ。初めてセックスしたあと、オリヴァーのほうがめちゃめちゃ不安そうで、可愛くて可哀想。
 エリオも、やってしまったけどどうしよう、って混乱しちゃうのもわかるし。それでオリヴァーが本当によかったのか?って確かめたくなっちゃうのもわかる。やりたい、って勢いだけじゃなくて、心から望んでのことか、という。
 それを何度も確かめるようにゆっくり進めていくのもよかったし、欲望のままに!って勢いもよかったしーっ。ときめきすぎて見ててしにそうになる。何度も見てるわかってるのに、あの初めての夜、その、朝のメモの交換からの一日中、見てるこっちがドキドキしすぎてたまんねーわ~~。

 あの秘密の泉、泉かな? あそこへエリオがオリヴァーを僕の特別な場所に案内して、とかもう可愛くてたまんないし。草原で初めてのキス、からの、エリオの勢いと、それを受け止めながらダメ、って止めるオリヴァーの、余裕ありそうででも絶対内心無理―ってなってるだろーって自制が、ほんっと、すごい。
 オリヴァー、エリオよりはずっとずるい大人とはいえ24歳よ。若僧よ。ダメだよ、って、よく何回もとめられたなあ。えらいなあ。さすがスマート。
 でも~あんなにエリオがぐいぐい、ぐいぐいぐいぐい、あなたが好きだあなたに恋してるキスしたいキスして、今すぐやりたい、って、言葉はなくても目で、態度で、ぐいぐいぐいぐい、あんなに美青年にせまられて、耐えられるわけないよねーっ。

 君の名前で僕を呼んで という、オリヴァーの願いはエリオの願いにもなって。オリヴァーにとってエリオって、かくありたい子ども時代、青年時代、って感じだったのかなあと思う。うまく賢く、自分を律しながら振舞ってうまく生きてきた自分だけど、エリオのように心のままに愛されてただ愛されて育ってきたかった、という、感じかなあ。エリオにとっても最初癪に障るって思ったけどそれって最初から気になる存在あまりにも完璧に見える眩しいオリヴァー、って感じ、かなあ。最初は、多分オリヴァーにそう言われて、単に二人の秘密って感じのうれしさだったと思うけど。
 でも二人ともにとって、あまりにもかけがえのない恋だった。それは、その後の長い時間を経てもなお、あまりにも特別な。完璧な、夏だった。

 本のラストもね、この「君の名前で僕を呼んで」で締めくくられていて、本当に素晴らしいの。この、二人にとって、互いが互いでなくてはならないという、心からの恋。

 夢で、理想の世界だった。完璧な夏の恋だった。早くブルーレイとか出てくれ。見たい。まだ永遠に何回でも見たい。エリオとオリヴァーの永遠が、映画の光と影に閉じ込められている。映画って最高ですね;;

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映画 「ALONE アローン」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ALONE アローン」


 昨日、20日(水)に見に行きました。アーミー・ハマー主演。
 砂漠で任務遂行中の兵士二人。しかしターゲットを狙撃することができず、任務失敗。徒歩で近くの村まで6時間。歩いているうちに、地雷原に入り込んでしまう。
 わずかに先を行っていた相棒は地雷を踏み抜き、両足を吹き飛ばされる。駆け寄ろうとしたマイクもまた、地雷を踏んだ。脚を動かせば爆発する。動けなくなったマイクは救援を要請するが、一番近くで任務中の部隊は戦闘中。救援が来るのは52時間後と告げられる。
 52時間。脚を動かすことなく耐え続けられるのか。


 と、これって予告見た時から出落ちな感じで、その特殊状況でのひとり、を、いかに見せるかってことなんだろうなあと思って。アーミー・ハマーにかなりはまっているので新宿まで見に行った。公開が少ないよ~。
 上映時間106分。90分くらいにもっとぎゅっとしてもよかったかも。
 
 予想してたのは、一人耐えて救援を待つ間にこれまでの半生を振り返って、悟りの境地みたいになって、救援が間に合うのかどうか、みたいなことなんだろうなあという映画。で、まあ大体そんな感じかな。
 動けないし眠れないし、朦朧として幻覚とか見ちゃって過去のトラウマとか? 父との確執、恋人とうまくやっていけるのか自信がないみたいな感じとか。

 ちょっと意外だったのは、最初にふっとばされる同僚くん。さっくり死ぬのかと思っていたら、足なくなって、でも生きてて、彼が無線機もってて、マイクが必死で、がんばれ!モルヒネだ!無線の電源入れろ!がんばれ! みたいになるシーン。ううう怖い。痛そうすぎる。辛い。
 任務失敗っていうのも、マイクは狙撃手なんだけれども、ターゲットをようやくやれる、という時に、結婚式にやってきたんだ、新郎新婦にあたりそうでダメだ、みたいな感じで失敗するんだよな。マイク、あんま凄腕っていうわけじゃなかった。いや凄腕なんだろうけど、プロの軍人、非情に任務遂行、っていうタイプではないのね。メンタルぐにゃぐにゃ。
 救援を求めるのも、なんとかしてくれよ、って頼るばかり。
 でもそういう、別に超人じゃないそれなりに訓練積んでるけど普通の男、であるところの彼が、生きのびることができるのか、という。

 まー結局は、ボロボロと朦朧としながら一歩踏み出したら、地雷と思ってたのは地雷の代わりに空き缶埋めてたの、っていう。幻覚とかいろいろに何度も、動け、って励まされてたのって、さっさと動けばよかったのでは、という感じかなあ。でも半生振り返って生まれ変わるって感じとしては、死に直面した時間が必要、という感じでもあり。生まれ変わった自分として、ラスト、恋人に跪いて、あの地雷踏んでた時と同じポーズね、そうして、きっとプロポーズですねという結末に至る、と。

 死んだはずの同僚に励まされたり。現地の村人のおっさんが通りかかってくれたり。おっさんは、一応リアルな人間、だよな。その娘が水をくれたのは、幻覚か。
 夜になると狼みたいなのに襲われたり。砂漠みたいな所だけど狼とかいるのかなあ? 襲ってくる獣、というのも幻覚かなと思ったけど、怪我したり朝になったらやっつけた獣の死体があったりした、あったよな? なんか、そんなこんなの、幻覚なんだかこの映画の中のリアリティラインなんだか、曖昧な感じが不思議で。面白いようなつまらないような。どうなの、と、迷いながら見た。

 とにかくアーミー・ハマーが! ぼろぼろになっていくのを見つめることが出来る映画。かっこいい~。可愛い~~。アーミー・ハマーを坊主頭にしてくれてありがとう。可愛い。ベイビー。で、そんななのに帽子かぶらなくていいの?って心配しちゃったわ。まあ帽子どころじゃなくなるんですけど。
 手足が長くて素晴らしいスタイルなので、片膝ついてじっとしてる姿も素晴らしく見栄えがいい。顔のアップがどんなにドアップになっても耐える顔のよさ。ボロボロになって唇かっさかさになって、痛ましい。すごいげっそりやつれていってたけど、リアルにキツイ時間過ごしたんだろうかねえ。画像いじってるってこと? なんにせよほんとボロボロになっていくのたまんないわ~好き。
 兵士なのに、どんどん無防備になっていって、なんか水だかなんだかよくわからないもの飲まされるのも無抵抗だったりして、ハラハラしちゃう。可愛い。べいべー。
 フラッシュバックではきれいなアミハマちゃんも見られるし。
 見に行けてよかった。

 で、これを見て、砂漠辛い、ってかさかさに疲れた後、続けて「君の名前で僕を呼んで」を見ました。勝手にアミハマちゃん二本立て~。北イタリアで潤った。何度見ても、見ればみるほど、素晴らしい;; 
 そして今日は「ジャコメッティ 最後の肖像」のブルーレイ買ったのでまた見た。これもほんっと、芸術とロマン、で、さらっと軽やかで素晴らしい。個人的アミハマづくしで幸せです。

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映画 「ゆれる人魚」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ゆれる人魚」


 近くにきてくれるの待ってました。昨日、6日に行ってきた。
 2015年、ポーランドの映画。日本公開は2月だったか。

 舞台は1980年代のポーランド。
 水辺で遊んでいたバンドマンたちが人魚の姉妹を見つけて、(人魚たちに見つけられて、かな)自分たちが出演しているナイトクラブへ連れてきたところから始まる。
 クラブのオーナーはシルバーとゴールデンという人魚少女姉妹を出演させてショーの目玉にする。たちまち人気者になる姉妹。
 人魚たちは人間を食べる。人間界にいるために、それを我慢していたゴールデンだったが、男を食い殺してしまう。
 バンドマンの青年のひとりと恋におちてしまうシルバー。でも彼は彼女を魚としか見てくれない。彼のために、下半身を切って人間の下半身とくっつける手術を受けるシルバー。でもセックスはうまくいかない。
 青年は別の女性と恋をして、結婚してしまう。
 結婚式の夜。朝までに、青年を食べなくては海の泡になって消えてしまう運命のシルバー。でも、彼女は彼を殺すことができなかった。
 泡と消えたシルバーを哀しみ青年をかみ殺すゴールデン。彼女は水の中へ帰っていった。


 と、そんなこんなで、基本的には人魚姫。大人のおとぎ話。ゴールデンとシルバーの二人の感じがなんだかとってもt.A.T.u.を連想させる~と思った。私がt.A.T.u.好きだったからかなあ。あの、ロシアの二人組少女歌手。いっときのあだ花だったなあ。でもすごく、よかったんだよ楽曲。
 それはともかく。
 少女期ならではの、美しさ残酷さ、ピュアでエロス。そんな耽美的映画かと思っていたけれど、なんか、すごく、歌う。ポップというかロックというか。ミュージカル??? と思うほどに、いっぱい歌ってた。耽美的だけれども、思ってたほどではなかったねえ。
 バンドマンたち、歌手、オーナーも、なんか、人魚であることは、びっくりはするけど別にそれはそれとしてあっさり受け入れて商売ネタにしたりしてて、人魚とは? と、思ってしまったり。

 魚な下半身切って、あれ、死体の女の子の下半身切ってってことかなあ。入れ替えくっつけ手術も、すごい、雑にざっくり上手くいくの。あの医者とか、何者よ。すごい。
 くっつけたものの、もう大丈夫かとセックスしたらまた下半身血塗れになっちゃうって青年はひいてしまうーとか。あれって処女の象徴? うーん。まあ、単純にグロテスク感かな。
 人魚、の、下半身魚部分の造形が、なんていうかこう、きれいな魚じゃなくて、ウナギ?ウツボ?ナマズ? なんかそう、ぬるっと円筒形な、なんか、ほんと、ぬるっとじめっとして魚臭くて気持ち悪いんだろうな~ってすごく伝わってくるの。グロテスクさが、おとぎ話じゃない~。綺麗で可愛い少女たち、の、下半身。ほんと奇妙なバランス。

 人を食べる、ということも、もっともったいぶるというか、もっと禁断のって感じかと勝手に思っていたけれども、わりとあっさりめに、あ、喰うね、って感じ。血塗れグロテスクさはあるけれども、そういうもの、という。
 いろいろと、んん~? 思ってたのと違うな~~? って不思議だったけれども、気になっていたし、こういう感触の映画なのか、と、見にいけたのはよかった。満足。

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映画 「デッドプール2」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「デッドプール2」

1日(金)に見に行った。
ライアン・レイノルズが来日してのプロモしてくれたり、毎度ながら公式のツイッターアカウントも面白く、楽しみに待ってました^^

 さて、しょっぱなからクライマックスだった!
 適当な感じで悪い奴らやっつけたりしているデッドプール。しかしある時やっつけ損ねた奴が、ウェイドを襲いにきて、最愛の彼女、ヴァネッサがとばっちりで殺されてしまう。
 なんで!
 こんなヒドイことってある!?
 てな感じのオープニングが007風味で、えっ??? マジ??? 彼女こんないきなり死んじゃう??? つか007風味~きゃ~、ええええ??いやいやいや、こ、これ、どういうテンションで見ていいのかわからないっ。

 最初からカオスに放り込まれる。どうやら本当に彼女は死んじゃったみたい。二人でこれから子どもつくろう。きっといい人間になれる、っていってた矢先の事で、ウェイドの落ち込みは自殺試みるほど。でも不死身のスーパーパワーだから死なない。爆発でそーとーバラバラになってたっぽいけど、それでも死なないのかあ。どうなってるんだろう。
 まあ、そんなこんなで落ち込んでるんだけれども、Xメンな仲間にひっぱられたりで、ちょっと立ち直りかける。
 ミュータントな力を持つ少年が暴れる所を救いにいったり、な、所で、未来から腕が機械のゴツイ男がやってきて、少年を殺そうとする。ってこういう感じは「ターミネーター」ですかね。
 山ほどいろんな映画とかいろいろのネタがある、ありそう、だけど、私には到底全部はわかんない。わかるのはニヤっとするし、わかんないなりにも、なんか面白い。カメオ出演の豪華さとかもわかんないけど、まあ、なんか遊んでる感じはわかる。
 
 そんなこんなで、少年は何故狙われるのか。ウェイドはヴァネッサを失った傷心から、子どもを救わなくちゃって思ってがんばっちゃう。ヴァネッサに謎の壁越しに出会うあの感じは、「インターステラー」かな。
 本当に本当に、ウェイドは彼女が好きで、大事で、彼女と子どもつくろう~って言ってた言葉を頼りに、少年をなんとか救わなくちゃってなってて、健気なんだよなあ。
 しかし謎のマシンマンは強いから仲間集めよう~とか、まあ、何かとやっぱドタバタ。可笑しい。スーパーパワーのメンバーを集めてXフォース!ってあのポーズは「ブラックパンサー」だよねえ。そのパワーもなんか微妙~だったり、別にパワーはないただのおっさんとかも採用されてたり。あっという間にみんな雑に無駄死にしてたり。ビル・スカルスガルドがいるぞかっこいい~!って思ったら、ほんとダメ、さくっとゴミの中だった(泣)。可哀想可愛い。
 マシン男が少年を狙う理由は、今この時に人殺しを覚えてしまった彼が後々、なんの罪もない人、男の家族を殺したりするように暴走してしまうから。家族が大事。家族をつくろう。家族になろう、って、ほんと、これもファミリー映画だ。子どもには見せられないけどw

 相変わらず無駄にお喋り、無茶苦茶でひどかったりなんだけれども、俺ちゃんなりの筋は通すっていうか、俺ちゃんの善良さみたいな所がちゃんとあるので、無茶苦茶なりに感動するんだよなー。
 スーパーパワーが無効化される首輪みたいなのがあって、それはめて収容所送りになると、ウェイドは癌患者でしかない、という切なさ。自分でもヴァネッサがいない世界なら死んじゃってもいいって思ってる。そういう、純情さみたいなのもなあ。可愛い。

 なんかあの、巨大な悪い強いヤツ、みたいなキャラが私はわからなくって、でも原作から知ってる人には人気なのか。マシン男は敵じゃなくなり、なんとか少年を救いたい側になる。
ウェイドの願いはなんとか叶って、少年は自分を虐待していた施設の校長を殺しはしなかった。
 でもタクシードライバーのドーピンガーくんがさくっとひき殺してたw まあ、悪いヤツは報いを受けます、か。

 タイムマシンのおかげで死ななかったデップ―ちゃん。デップ―を助けて自分は未来へ帰れなくなったマシン男。ケーブル、ね。彼は、どうなの。今後仲間になるのかな? 原作は知らないもので。。。
 ネガソニックちゃん、ユキオちゃんのビアンカップル、公開前にやっぱ日本では話題だったけども出番はちょっぴりだったねえ。でもまあ可愛かった。ネガソニックちゃんは天才なんだっけ、タイムマシンを直してくれたし。
 そして、過去の過ちを正す! ってデップ―はもちろんヴァネッサが死んだ所へ戻って彼女を助けるよねえー。ついで、って感じでグリーンランタンに主演しようとしてるライアン・レイノルズを殺すw グリーンランタンを私は見たことないんだけど、こんなにもネタにされまくりで、むしろ今見たくてしょうがないわ~。どんだけひどいんだろう。。。
 そして! ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンもちらっと登場! その昔のXメンの時のデップ―を見た記憶がないので、それも見直したいよな~。俺ちゃんにつられまくるわ。

 公開になるぞーっていう盛り上がりから、期待して、期待通りしっかり面白くて、すごい。
 楽しかった。感動もしちゃうし、アホらしくもある。ライアン・レイノルズがんばって、そして楽しんでるんだろうな~って思う。この、メタになる感じ、まさにデップ―なんだろうと思う。観客巻き込みまくり。これからも楽しませて欲しい!

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映画 「ファントム・スレッド」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ファントム・スレッド」


昨日、30日(水)見に行ってきた。近くでやってなくてちょっと遠出。


アカデミー賞でノミネートも沢山、衣装デザイン賞受賞、ですね。ダニエル・デイ=ルイスがこれで引退という話もあり、話題作、だと思うのになんであんまりやってないの。
監督、ポール・トーマス・アンダーソン。お名前は知ってる、と、思うけど多分見てない。

 1950年代、ロンドン。美しいドレスを作ることに完璧さを求めるレイノルズ・ウッドコック。彼の仕事場。家。彼を仕事に集中させるため、周りを仕切る姉、シリル。全てがレイノルズの求めるままに静謐に美しく整えられている。
 レイノルズはドレスを作るインスピレーションにミューズを必要とするらしい。だが独身主義者。モデルが彼の愛を求め彼を煩わせるようになり彼が飽きると捨てられる。ファッション界の巨匠って感じかな。
 そんなレイノルズが別荘へ出かける途中、寄ったレストラン。ウェイトレスをしているアルマと出会う。アルマを気に入り、ドレスを作り、彼女を迎え入れるレイノルズ。彼女の存在が、静かなレイノルズの暮らしをかき乱していく。

 さすが、次々作られていくドレスや、キャストの衣装も舞台も、素晴らしく美しい。美しい映画なんだろうなあと期待した以上に素晴らしい。そして不穏。
 レイノルズの朝の身支度から始まるのね。もうほんと、ダニエル・デイ=ルイスを愛でる映画。セクシー。彼のストイックさ。神経質そうな、気難しい、支配欲。危うい。静かな朝食のシーン、そこをかき乱すミューズとなる女。アルマの前の彼女も、甘いペストリーを進めて機嫌を損ねるし、アルマが来た当初も、トーストにバターを塗る音とか、なんか、何かとガチャガチャうるさくて、レイノルズの機嫌を損ねる。
 彼は要求の多い男。怒鳴り散らすというよりうんざりと無関心と不機嫌というやり方で人を従わせようと、人が従って当然と思っている男。すごい、嫌だ。それでも、美のカリスマなんだよなあ。貴族や王族も顧客に抱える。美しいドレスを作る。それは単に衣装ではなく彼の作品。彼のアート。ドレス職人であり芸術家であるレイノルズ。
 アルマは、始まりこそシンデレラストーリーに浮かれていたが、次第に彼のドレスを着るだけの人形でいることに我慢できなくなる。ここで、これまでの女は捨てられる一方だったのだろうけれども、アルマはしたたかだった。毒キノコをレイノルズの飲み物に入れちゃう。

 マジかー! で、殺す、ではないんだよね。なんか、なんか、何これ。
 そのタイミングが、ベルギーの王女の結婚式ドレスを仕上げる前日くらいで、倒れたレイノルズのせいでドレスにはダメージ。縫子さんたち徹夜で一部やり直しすることになる。なんでこんな大事な時に実行するのアルマ!?酷い!
 静かに規則正しい暮らししてたらしいレイノルズは病気でダメージうけまくり。へろへろ。医者は断るけどアルマが側にいてくれることに感じ入ったのか、翌朝結婚申し込む。
 レイノルズ~!その女はやめておけ!きみの判断は今正常ではないのだよ!と映画に向かって突っ込みたかった。
 まあ、新婚当初はラブラブだったけれども、またアルマの存在はレイノルズの暮らしの不協和音。アルマの求めには応じられないレイノルズ。
 で。そんで、早速倦怠期かもう駄目かって所で、またアルマはレイノルズに毒キノコを料理して出す。レイノルズが嫌いなバターたっぷりで作ったキノコオムレツ。それを、それを、それをわかっていながら、食べる、レイノルズ。
 死ぬかも。死なないわ。
 そんな、二人。

 アルマが医者にちょっと回想風に語ってる感じで、あれ、でも、多分最後はまたお腹壊してるだけで死んでない、んだろう、たぶん、死んでないよね? 
 そしてレイノルズも、彼女の存在が仕事にも人生にも害悪、って思いながら、あのオムレツ食べるんだなあ。
静かで自分の思い通りの生活を、かき乱すアルマ。静かで、自分の思い通りの生活はもう死んでるようなものだ、って感じか。アルマの不快さに、魅せられていく。こわい。

こういう風な愛の姿の映画だとは思ってなかった。こわい。すごい。いやあ。すごく嫌だけれども、そこへ行くのか、というのを茫然と見送った感じ。美しく完璧な世界の不協和音を堪能。当然のように高慢な姿も、かき乱され衰えていく姿も、苦悩も嫌悪も愛も、いろんなダニエル・デイ=ルイスを見られて最高だった。見に行けてよかった。


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