映画「否定と肯定」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「否定と肯定」


13日(水)に見てきました。


デボラ・E・リップシュタットは歴史学者。自著の中で、デイヴィッド・アーヴィング
というイギリスの歴史学者がヒトラーを擁護しホロコーストはなかったと言って
いることを非難した。
アーヴィングにイギリスで名誉棄損の訴えを起こされたデボラは、裁判をする決意
をした。ホロコースト否定論者との示談に応じるわけにはいかない。

ということで、アメリカからイギリスでの裁判にやってきたデボラが、何かと
様子の違う英国の裁判、弁護士たちの弁護方針などにも立ち向かう映画。
彼女もユダヤ人である。ホロコースト否定論とかネオナチの台頭とか、この映画の
舞台は1994年から2000年くらい。実話ベースとのことなんだけど、私は覚えて
なかった。ネオナチとか問題になってた頃があるなあとうっすらとは思うものの、
知らなかった。

アンドリュー・スコットが弁護士を演じていて、クールなインテリ眼鏡でまたもう
すごく素敵だった~。
英国の裁判の様子とかなんか複雑そうだった。弁護士一人じゃなくて、調べる
専門みたいな人と、実際法廷で弁論述べる人と別々にいるのね。
裁判は陪審員を入れるかどうか事前に合意とって選べるのかあ。
法廷劇らしいなと思ってて、イメージとしてはアメリカの、陪審員に激しく
情感訴えて味方につけて、っていう弁護士の熱演みたいなのを思っていたけれど、
だいぶ違った。

うんざりするほど時間かかってるし物凄い地道な下調べめっちゃしてるんだなあ。
アーヴィングの日記、20年分も、あれ全部読んだのか。著作も。ちょっとした
講演なんかの資料も全部。全部。凄い精査したんだろうなあっていうのが、
伝わってきて、愚かな間違いに絶対負けないっていう弁護士団の意地を見た。
でも、仕事ですから、って、クールなんだよな~。かっこいい。映画でもその
作業現場が映し出されるわけじゃないけど、膨大な積み重ねやってきたんだろうと
わかるので、若手の子たちも実に頼もしく見える。

ホロコーストを問う裁判で、ホロコーストの生き残りである証人をたてよう、
自分も証言したい、というデボラに、アンソニーたちはいつもNOを言う。
感情的になっては相手のつまらない揚げ足とりに巻き込まれるだけ。何より
サバイバーである人を侮辱しあげつらうような言葉を浴びせるに決まってる
アーヴィングと対峙させるべきではない、というきっぱりとした姿勢が素晴らしい。

アーヴィングというおっさんが実にナチュラルに差別主義者で、まったく無自覚に
見える感じで人種差別女性差別発言をまき散らす。インタビューに答えて、
そのアホ臭い答えに記者がドン引きしてるのに平然としてる。図太いやつ、
という以上に、こいつホントに思考のアップデートがゼロなのかという感じ。
だからって許されるもんじゃないんだよ。悪気はないよ、ちょっとしたジョーク
だろ?っていうその、当たり前なつもりの軽いジョークが、人種を、女性を、
笑いものにし虐げてきた歴史を強調し強化していく。
それはもうやめろ。
と、この映画の時点、2000年でも認識されてるのに。
今現在の日本でもまだまだ依然としてあるよね。じじい市長が不適切な発言やら
行為やらしでかしたりしてるよね。セクハラパワハラ差別発言は本人はちょっとした
ジョークのつもりで言うんだよね。周囲にドン引きされてることに無自覚に。
ああいうのさあ、本当に無自覚なわけ? 許されると思ってるわけ???

本人が、本気で悪意ないつもりでヒトラー信奉しているのなら罪に問えるのか
どうか、という疑問が裁判長から出たりして。

思想信条の自由というのは確かに誰もが持ちうる権利。
でも、嘘やでっちあげを主張するのはダメ。自分の意見への説明責任を果たさない
のはダメ。
デボラたちが勝利をおさめたけれども、アーヴィングの考えを変えることは
できないんだよね。裁判に負けたのに、負けたと認めないままな感じ。
この裁判そのものは20年ほど昔の出来事だけれども、今現在の問題として
見応えのある映画だった。


最初は弁護士団の方針にや英国スタイルともいうべき遠回りな感じに納得できない
という風だったデボラが、少しずつ理解しあっていく様も見事でした。
クールだけど、熱い。とてもかっこよかった。

私は英語にまったく詳しくなくてわからないんだけれども、それぞれの個性、
役者のキャラづくりとして、多分喋り方とかニュアンスをすごくくっきりさせて
いたのではないかなあ。みんなの喋る様がすごくよくってうっとり聞きほれた。

現実から遠くない、手堅い作品だと思うけど、ちゃんと面白くて、見てよかった。
そしてすごく、今、現在社会についても、考えさせられた。なんも変わってない
ようで暗澹たる気分にもなったけど、でもよい方に変わってきてることもある、
あるはずだ。世界がよりよくなると、よりよくしていこうと、強く思った。


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映画「オリエント急行殺人事件」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「オリエント急行殺人事件」


8日(金)に見に行きました。字幕。

ケネス・ブラナーの製作・監督・主演、さらに豪華オールスターキャストってことで。
すごく楽しみに待ってました。

私はクリスティをほとんど読んできてない。古い映画も見てない。テレビドラマ
では見たかなあ。さすがに有名すぎて犯人のネタは知ってしまっていました。
でもそこはあんまり気にならない。この有名作品、古典的作品を今どういう映画に
するんだろう。予告の感じめっちゃかっこよさそう~。

始まりは嘆きの壁。それもまたタイムリーでびびる。トランプ大統領のせいで
今また最も危険なことになってる感じだよね。こういう、狙って得られるわけじゃ
ないタイミングを得るっていうのは強いなあ。

ポワロの口髭が、テレビドラマで馴染んでるデヴィッド・スーシェよりもずっと、
古い映画よりもずっと大きくていっそ滑稽なほどなのに、見てるとちゃんと馴染む
ので凄い。
バランスにこだわり、正義には白か黒かしかなく、美食家。ディケンズを読んで
大笑いしちゃったりするケネス・ブラナーのポワロは変人だということを強く
印象付ける。始まりからなんか先読みして事件解決する、ポワロという人物を
紹介し押し通す始まりで、結構コミカルだなあと思った。

そしてオリエント急行へ乗り込むことになったポワロ。シーズンオフなのに満室です、
とはいえ、なんか鉄道関係の偉い人の口利きで列車に乗り込むポワロ。
それぞれ乗客たちの紹介というか、人間模様を映し出しつつ列車は動き出す。


あらすじで言えば、かつて幼い女の子を殺した男が逃げて正体を隠していたのを
見つかって、その被害者一家に関わりある人々に復讐され殺される。完全犯罪と
なるはずだった、一見バラバラ無関係に見える乗客全員による犯行。
たまたま居合わせてしまった名探偵ポワロ。
雪で立ち往生となった豪華列車の中で、推理に苦しみ、乗客の素性を知るに至り、
殺された男が殺されて当然の男だったという事実と、しかし殺人という犯罪、
に板挟みになるポワロ。
善と悪二つしかなく、その中間はない、と冒頭断言していたポワロ。
警察に適当な見通しを話して乗客たちを見逃すか、告発するか。
その、苦悩。

基本的には密室劇でしょうと思っていたのだけれども、カメラワークとかすごい
凝ってるし、豪華列車が動き出し、街並みや壮大な雪山の中とロケーションも次々
変わる。ケネス・ブラナーポワロはちょっとしたアクションもこなす。
それでいて、乗客それぞれと対峙する会話劇でもある。
飽きさせない工夫とか今の映画であるテンポとか、とても面白かった。

セルゲイ・ポルーニンが出てる、って知って楽しみに見にいった。
妻を愛する喧嘩っぱやい伯爵なのね~。出番は多くないけど、登場が派手だった!
すごい華麗な飛び回し蹴りっつーの、あれ、すごいよね~。さすがジャンプが
得意なダンサー!かっこい~美しい~!きゃ~^^

容疑者乗客ずらり、と集まった画面の見栄えが物凄くて、ああ、この豪華さ、
豪華列車、それでもただただ愚かで深い悲しみの人間、という画面の圧が凄い。
豪華キャストでよかったね、と思う。
過剰さもこの作品ならではと思う。

翌日に、テレビで1974年の映画をやってて、それも見た。同じ話でも違うなあ、
と見比べられてよかったな。そのうち本も読もう。

ケネス・ブラナーポワロはまだ続くようで、次は「ナイルに死す」らしい。
そこへ続くのね、って感じの終りだったので、最初から複数やるぞーってこと
だったのかね。クラシカルに正統派、かつ現代風味、監督の個性で蘇るクリスティ、
って感じなのか。多分次作の方が紹介的なもの済ませたってことでもっと面白く
なるんじゃないかなあと期待する。


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映画「婚約者の友人」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「婚約者の友人」


6日(水)に見に行きました。これ2016年の映画かな。でも日本公開は
どーなんだろうと思ってた所。今月やっと近くの映画館でやってくれてるので
見に行けました。ありがとー。

監督フランソワ・オゾン。製作国フランス・ドイツ合作。原題「Frantz」

舞台は1919年。アンナは婚約者フランツを戦争で亡くしていた。フランツの
両親と暮らしていて、墓参りに行く毎日。まだ戦争が終わってまもなくらしい。
ある日、フランツの花に薔薇の花が供えられていた。フランス人の青年がきていた
らしい。後日その青年の姿をみかけた。
彼は一度フランツのうちへ訪ねてきたが、最愛の息子を奪ったフランス人を憎む
父によって追い返されてしまう。
だが、フランツの戦前にパリで知り合った友人かもしれない、ということで、
招き、フランツとの思い出話を聞かせてもらうことで、アンナたちに久しぶりの
安らぎのひと時が訪れた。
アドリアンという、フランツと同じ24歳の青年と親しくなるうちに、アンナにも
笑顔が戻る。
だが、アドリアンは秘密を抱えていた。
彼は、本当はフランツの友人ではなく、戦場でフランツと対峙し殺した兵士だった。


と、そんなこんなで、戦争という時代背景。ドイツとフランスという国の違い。
最愛の人を亡くした恋人、家族。
モノクロで始まって、ドイツの小さな町での様子はいかにも寂しかった。
それが、アドリアンがやってきて、フランツの思い出を語り描かれる時には
カラーになるのね。そのうつくしい世界。モノクロの世界もとっても美しいの
だけれども、カラーにふわりと変化する様はほんとうに、ああ、哀しみにくれる
家族の中に少し明るい優しい感情が動くんだなあとほっとするうつくしい演出。
あと音楽が流れる時と。
アドリアンはヴァイオリン奏者だったし、アンナはピアノが得意。
終盤、アドリアンを探してアンナがフランスへいって、アドリアンのお屋敷に行くと
今夜はうちでミニコンサートなの、とかね。
あー。
戦争の哀しみとはいえ、フランツんちはお医者さんだし、アドリアンんちは
お屋敷だし、上流階級って感じです。
とてもとてもメロドラマだと思う。
アンナの物語なんだね。

戦争で婚約者を亡くして沈みこんでいた彼女が、新たな出会いを得て、小さな町、
家を出て、フランスへの旅に出て。
互いに惹かれていたけれどアドリアンには実は幼馴染の婚約者がいて。
家族が望むままにその娘と結婚するという。アンナは、身をひくしかなくて、
でも、パリでしばらくは暮らしていくんだろうなあという感じのラスト。
しかしねえ。
これまた暫くしたら第二次世界大戦始まっちゃうんでは。と、ツライ気分になる。

とても美しい世界の中でのゆれる女性の自立、という感じ。
結局しかし、一番のヒロインは、メンタルよわよわなアドリアンくんで、愛されて
しまう美貌の青年で、まあねえ。こういう坊やもいるんだろうねと。

アドリアンを演じているピエール・ニネくんが、もうほんと、モノクロでも
カラーでも素晴らしく美しくて、可愛くて、儚げで、仕方ないな。こんなに
綺麗な子だもの、って、素晴らしい納得感。

ニネくんのTwitterで何度も見かけるたびにずっといいなあ綺麗だなあ見たいなあと
思っていたので、身に行けてよかった。フランス語、ドイツ語の響きも堪能。
満足しました。

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映画「ジャスティス・リーグ」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ジャスティス・リーグ」


字幕、3D、IMAXで、昨日23日見てきた。


スーパーマン亡きあと。世界から希望が消えたかのようだった。
そんな中、バットマンは一人今夜も戦う。人の恐怖に引き寄せられてくる化け物が
現れていた。
アマゾネスの島で守られていた、箱、が目覚めようとしていた。
太古の世界で恐ろしいパワー、エネルギーを生み出したマザーボックス。あまり
のその力を封じるべく、3つに分かれたそれはアマゾネス、アトランティス、
人間が封じて守ってきていた。
だがステッペンウルフという恐ろしい敵が現れ、マザーボックスを手に入れて
地球を支配しようとしていた。
バットマンは超人たちを集め、力をあわせてこの危機に立ち向かおうとしていた。

DCのシリーズについて詳しくはないし、スーパーマンもちゃんと見てないなあと
思いつつ、まあ多少はなんだっけ、ってわからないことがあっても気にしないで
充分面白く見たよー。
バットマンVSスーパーマンは見ててよかった。
ワンダーウーマンも見ててよかった。
アクアマン、フラッシュ、サイボーグは今回からの新人たちで、多分今後、
それぞれが主役なのが作られていくんだろうね? 登場の時にざっくり紹介は
あって、一応なんか背景いろいろありそうだな、っていうのもわかって、
とにかくジャスティスリーグ、チームになるぞっていう始まりな感じがして、
そこそこユーモラスで、キャラクターの魅力がほんっとよくって、とっても
とっても、みんな可愛いぞみんなかっこいいぞ~好き~~~!!! ってなる。

なんか、バットマン、スーパーマンがいなくちゃダメだ、ってそんなに自分を
責めないで。きみもがんばってるじゃん。超人たち言う事聞いてくれなくて
タイヘンだよね。って、もうほんと、バットマンのスーパーパワーって金持ちって
ことだよね、基本的に人間だもんね、ツライ、ってなって、もーすごくよかった。

アクアマン、ワンダーウーマン、そして復活を遂げたスーパーマン、って、
んで敵のステッペンウルフもなんか化け物だし、もう神々の戦いなわけで、
タイヘンよ~。
そんな中でもスーパーマンが桁違いに強かった。すごい。

昔ながらのスーパーマンイメージっていうのが私の中にあって、なんかこう、
機関車止めたり墜落しそうな飛行機もって降ろしてくれたり、宇宙人が地球に
きちゃったらなんかいろいろ環境違うからスーパーマンになっちゃった、って
いう、あの、月に行ったら重力が違うからスーパ―ジャンプできるぞ~みたいな
感じのイメージがあるんだけど。なんか、違うね。桁違いの強さの神だね。
まーそうだっけ。地球人の中にあって一人愛と正義と希望の象徴なんだっけ、
神だっけスーパーマン、そーだっけかなあ。。。と不思議に眺めてしまった。
でもともかく、ヘンリー・カヴィルの、素晴らしい筋肉!肉体!綺麗なお顔!
神!!!!かっこいい!!!スーパーマン美しい!!! ってうっとりでした。
好き。素敵。愛で目覚めちゃうよね~いい子だよねえ。
スーパーマンの復活を眺めて眩しそうにするバットマンベンアフよ。可愛いよ。

ほんっとにキャスト全員素晴らしく可愛くてかっこよくって最高で、その中でも
特に、フラッシュの可愛さが際立ってましたね!!!
でもこれ、マーベルの、新人スパイダーマンくんと同じ感じの位置で。そりゃもう
みんなに可愛がられちゃうしかないなっ。
背負ってるものは物凄く辛そうなんだけど。母親が小さい頃に殺されて、その
犯人は父親。でも父は無実だ、と、信じていて面会に通ってて。バリー・アレン
はどういう事故でだか光の速さ?で動ける力を得ていて、フラッシュになってる。
頭脳も抜群。あのフラッシュスーツは手作りかな。アメリカンなヤングヒーローは
頭もいいんだよねー。そもそも超人じゃねーか。
まあともあれ、友達がほしい、って、簡単に金持ちおっさんについていっちゃ
駄目でしょアレンくん、ハラハラ、って、見てるこっちの庇護欲をかきたてる
可愛すぎるフラッシュ。あのキャラってエズラくんにあてがきにしてるのか、
どーなのか知らないけど、ほんっとエズラくん可愛くて綺麗で素晴らしい~。
単独主演作られるとしたら、複雑な生い立ちとかしっかり感じられると思うし、
エズラくんの演技力ならどんなに期待しても外れはないって思うし、もっと
フラッシュをたっぷり見たいなあ。
そんでアルフレッドにいっぱいおやつ食べさせてもらってるシーンを、ね、
是非っ。

サイボーグも、父との関係が複雑そうで。
超人ヒーローっていっても人間ベースだと家庭に問題抱えてたりして、そういう
弱さから強さを求めるみたいなことになるのかなあ。

エンディング中のおまけには、スーパーマンと速さ競走するフラッシュで。
みんなでブランチ、になるのかなあ。可愛いなあ。チーム仲良くなって欲しい。
そして最後には、ルーサーが釈放されてたような。
ルーサーって、ええっと、誰だっけ、って一瞬悩んだけど、あれだ。ジェシー・
アイゼンバーグね。バットマン対スーパーマンの時ちょろちょろしてた悪い奴ね。
で、また、悪人チームを作ろじゃないか、みたいに画策しようとしてた。
てことでまた戦いは続く、ってことですかねー。今後もすごく楽しみです。

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映画「ローガン・ラッキー」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ローガン・ラッキー」


19日、日曜日に見に行きました。
ソダーバーグ監督、映画監督復帰!みたいな話題でしたね。そこんところに私は
特に思い入れはないんだけど、そのせいかどうか、キャストがゴージャスなのに
なんか地味そうな舞台、って感じが面白そう、見たい見たいって待ってました。

ローガン家は呪われている。と、弟ローガンは自説を持っている。
兄、ジミー・ローガンはかつてラグビー選手で将来有望スター選手のはずなのに
膝を痛めて今は工事現場の重機操作もクビになる始末。冴えない暮らし。娘が
いて溺愛しているが離婚していて会える日は限られている。
弟クライドは従軍して地雷で片腕を失った。上等とは言えない酒場でバーテンを
している。妹メリーは美容師。口うるさい客の髪をセットする毎日。
冴えない田舎町。
冴えない暮らし。不幸のどん底ってわけではないが貧しくてなんのあてもない毎日。

その町にはモーターレース場があった。ジミーが、工事の時に知った金の動きを
きっかけに、レース場から大金を奪う計画を立てる。
兄弟だけでなく、金庫を爆破できる男が必要だった。
ジョー・バング。今は刑務所にいるが、彼ならどんな金庫も破れるはずだ。
ジョーに面会にいって、協力をもちかけて、計画は動き出した。

ジョーがダニエル・クレイグなんだよ~。凄腕の金庫破りかと思いきや、なんか
田舎のおっさんだった。すごい。そうだよね捕まってるんだもんね。
でもそれなりにちゃんと頭いい、仕事はやり遂げるタイプって感じで、出所後の
囚人服じゃない普通の服(とはいえダサいただのシャツとズボンて感じなんだけど)
着てると、まーやっぱそれでもかっこいいなダニクレって惚れてしまう。
囚人服ベビーちゃんもちゃんと可愛かったんだけど。ボンクラ弟たちも必要だ、
って計画に引き入れて、でもボンクラ弟たちだから、イラっときたりしながらも
ちゃんとお兄ちゃんしてる感じとか、すっごい可愛い。バング兄弟も実に
アホ可愛くてよかった。

ジミー、チャニング・テイタムおにーちゃんと、クライド、アダム・ドライバーな
ローガン兄弟、でっかいのにダメ子どもな感じのある仲良し兄弟で、普段は
そっけないけど当たり前に家族で、他人と喧嘩になったら二人そろって容赦ない
のとかすごい好き。

全体的に、脚本すごい上手くて犯罪計画、娘ちゃんが子どものミスコンに出て
がんばるとか父親としてがんばるとか、ジョーを脱獄させてまた戻して、
せっかく金獲ったのに返しちゃってどういことだよ!!??? ってハラハラ
したり、ほんとうまく見てる私は転がされて楽しんだ。
金が盗まれた、でも戻された、ってことで足りなかった分は曖昧うやむやに
保険で補填されてレース場はまあいいか、と落ち着いて捜査に乗り出していた
FBIは決定打を得られないまま打ち切られる。
犯行に協力して、一度はジミーに裏切られたと思ったメンツも、結局はそれなりの
分け前を得てまあいいかってなって。
ローガン兄弟もなんとなくちょっと余裕がある感じに終わる。

エンドロールで、何かを奪われたのはあなた(観客)だけ、って感じに出たけど、
ほんと、結果としてはおしゃれ犯罪でみんなよかったねみたいな感じ。
楽しかった!

しかし、こう、すごい上手く楽しい映画に仕上げてるけれども、アメリカ社会の
問題、みたいな、今、という感じも盛り込まれてて。
地方で腐ってる平凡な男たち女たち、町そのもの、っていう感じ、なー。
白人男性でもまるっきり辛い、みたいな感じ。
普通に真面目にがんばろうとしてるのに全然何にもうまくいかない感じ。
結局仲間うちでこういうのもやっちゃうっていう、めっちゃローカルな狭い世界の
昔からの知り合いで昔からの悪やってる感じ。
ものすごい閉塞感だったなあ。
でもそれをこういう風にユーモア、コミカル、スカっとする一瞬の幻影に
仕上げてるのすごい。

冴えない田舎の冴えない中年たちを演じてるの、でもだってダニクレだの
アダム・ドライバーだのチャニング・テイタムだの、なんかいろいろとちょい役
でもゴージャスだったりしてさー。
メタ的にはめっちゃめちゃ豪華っていうのがまたシニカルな感じがして、すごい。
刑務所内暴動での要求が、私あんまり詳しくなくてちゃんと知らないけど
ゲームオブスローンズの本を続きを図書館に入れろ!ってバカバカしいような
ことだったりしてさ。多分いろんな今のアメリカの流行りものとか言い回しとか
いっぱいな感じ。どこまでドラマのどのくらいメタなのかとか複雑そうな気がする。

まあでも、難しいこと考えてもいいし、考えなくてもいいしという、すごく
ゆるく、でもうまく組み立てられてる、映画の夢だったわ。何回でも見たい。
好きだ~楽しかった~。

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映画「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」


13日(月)に見に行きました。
ホラーみたいだし怖そう、でも、面白そうな気がすると思って。
キングの原作は読んでないし昔テレビドラマだったとかいうのも知らない、
なんかピエロが怖い、子どもたちがタイヘンそうというくらいで見ました。

雨の日。
まだ小さいジョージーは兄ビルに紙で舟を折ってもらって、それを道路の脇の
流れに浮かべて一人で遊んでいました。排水溝に落ちてしまった紙の舟。
覗きこむと、そこにはピエロが。最初は親し気にお喋りしたピエロ、ペニーワイズ
と自己紹介した「それ」は、ジョージーの腕を嚙みちぎり、ジョージーを引き摺り
こむ。
行方不明の子どもが多い町、デリー。
ジョージーが行方不明になったことに責任を感じ探し続けようとしているビル。
12歳くらいな子どもたちなんですかね。
学校ではいじめらるタイプ、ルーザーズな子どもたちの夏休み。友達で、仲間で、
それぞれの家庭にいろいろ問題ありそうな彼らが友達のため、自分たちのため、
「恐怖」に立ち向かう物語。

ペニーワイズがさああ~。とにかくあの手この手で現れて、その登場とか不気味さ
とか、コミカルさとか何もかも怖いよ~ピエロ~赤い風船~~~;;
私、ホラー苦手なんだよね。うう。何度かびっくりして、ひっ、ってビクって
椅子の中で後ろにのけぞっちゃう。まあ、怖がらせる映画だもんね。正しい反応
しました。ひ~;;

ちょっと不気味なひと夏の冒険、という点では確かに「スタンド・バイ・ミー」的
なテイストでした。子どもだから。大人の支配のうちで、自分でなんとかする
ことができる範囲ってすごく限られてる。
それぞれの家庭があんまりよい家庭ではないなあという、どんよりと辛い感じが、
そうくっきりではないにせよ、重くあって、これ、彼らこの夏の後も人生わりと
ハードモードなんじゃないかな、って、思って、映画終わってもなかなか辛い
気分のままでしたね。
ベヴァリー、特に辛い、って感じた。酷いよね。
でも彼女もまた恐怖に立ち向かったから、きっと、彼らはなんとか、立ち向かって
生きていくんだと思う。
ペニーワイズは、一応、眠りにつかせた、って感じかなあ。あれやっつけたって
ことではないんだろう。27年後、というのがまた映画になる、らしいね?

そもそも原作だと多分その27年後の大人な彼らと子ども時代のお話とが両方
描かれてるものらしい、ね?
いろいろ設定も違うみたい、らしい。ん~。そのうち本も読もうかなあ。んー。
多分すごく面白いのだろうけど。

子どもたち、一度はバラバラになりながらも、それでは「それ」の思うつぼって
ことで、ちゃんとまたペヴを助けに行こうって立ち上がるのは凄いなあ。
そういう、いやちょっと、ええっと、そんな??? 行く?? そこでまたそう、
そんな行き当たりばったり的に行く?? って思っちゃったけども、まあ、
行かなきゃ話にならないな。

子どもたちにとって、まともに相談できる大人が誰も居ない。自分たちだけで
なんとかしなくちゃ、って思い詰めてる感じが悲しいけどよくわかって、
それはよかったかなあ。

ビルがお兄ちゃんで、ジョージーを亡くしたことを苦しんで悲しんで、でも
親はもう忘れろみたいな感じだし、まあそりゃ親としても苦しく悲しい中で
余裕ないんだろうけど、でも、ビルのことも、守ってやってよ、って辛い。

しかし一つの街で、あんな狂気があるのに、大人は誰も気づかないのかよー。
というかまあ、そういうのも「それ」「恐怖」が街を支配してるってことなの
かなあ。これ大人になった彼らがもう一度ペニーワイズと対決して、今度こそ
勝つのだろうか。そしたら、町のどんよりさも少しはマシになるんだろうか。

少年少女たちの、今、この時の物語、という、思春期青春物語って感じも
すごくあって、ホラーで怖い怖いグロイばかりってわけでもなくて面白かった。
ペヴとビルの淡い恋、みたいなのは、個人的にはなんか、それは別に、って
気がしたけどさ~。ペヴはあれで死んでなかったの、そうなの??ってびっくり
しちゃったぜ。ぷかぷかしてたのに。いやあ。ん~。
ぷかぷかしてた、他の犠牲者たちは、どうなったの。どういう風に、あの町は
決着をつけたんだろう。本読めばわかるのかなあ。うーん。

ともあれすっごくびびって怖かったけど、見にいってよかった。
映画館音響でホラーだと、怖さって倍増なんだね。。。あちこちから、音が、
怖かった。基本的にホラーを見にいったりは、あんまり、しないから。すごい、
楽しみました。

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映画「ノクターナル・アニマルズ」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ノクターナル・アニマルズ」


8日(水曜日)に見に行きました。

監督トム・フォードですってよ。ってことで期待して公開待ってました!
といっても、私は何にもトム・フォードについて詳しくはないんですが。
すっばらしく男をうつくしくさせるスーツを作る人ってイメージ。「シングルマン」
もまだ見てないという。円盤買ってるのに。

さて。
期待の監督二作目とのこと。
始まった瞬間から圧倒される。
デブ、という一言ではすまない、たっぷり巨体な女たちが真っ赤なきらきらの
中で踊ってる。これは、どういう、こと?
どうやら主人公スーザンの、ギャラリーのオープニングパーティらしい? と
わかる。芸術家なのね。
スーザンは立派な家に住み夫婦ともに成功者として暮らしているようだ。
そこに一つの荷物が届く。
元夫、エドワードから小説のゲラ刷りだった。夫は出張で不在な夜。その小説は
ある一家が夜通しのドライブ中、たちの悪い男たちに絡まれて酷い目にあう
話だった。

その、小説の中の出来事は、家族を奪われた夫が一人の刑事と共になんとか犯人を
追いつめ復讐しようとするもの。
生々しく描かれている、虚構世界。
で、スーザンはエドワードとの出会い、短い恋、結婚を回想する。
上流階級育ちのスーザン。母に反発していたものの、結局母と似たような暮らし
を選んだスーザン。エドワードの作家としての才能を信じて認めることが出来ず、
見栄えよくエネルギッシュな今の夫を選んだスーザン。
だが夫は浮気中。会社の業績も思わしくないような現状。

スーザンは小説にのめりこみ、読み終わり、もう一度エドワードに会おうと約束
をする。
だが、待ち合わせの店にエドワードは来ない。一人待ち続けるスーザン。

一つの映画だけれどもさらに小説の物語が入り込んでて、結構衝撃的に辛かったり
して、そこにのめりこんでいく感じとかなかなかの怖さだった。
しかしこれ、監督が意地悪という気が、すごく、する。
若く愚かだった彼女を許さないんだなあ。
復讐、の、物語。
こんな残酷に、というか、こんな意地悪なんだ、っていうのが、とてもよかった。

ほんっとに、どのシーンもどの瞬間も最高に完璧に絵になる。緻密に作り上げ
られた美の世界。よれっとした刑事も姿も最高のよれよれ具合なんだよな~。
かっこよかった。

エイミー・アダムズ、スーザンの赤毛もステキだったし。
ジェイク・ギレンホールドがなあ~~。こわい。すごい。ナイーヴな素敵男子
であり、情けないパパで復讐に走る男でもあり。すごい上手いんだなあ。こわい。
アーミー・ハマーが見栄えのいい夫役でね~。出番ちらっとだけど、ほんと
見栄えのいい夫だよね~~~。素晴らしい。
見終わって映画館から出て、ようやく、息が苦しかったんだ私、って気づく、
すごい映画でした。

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映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」

3日(金曜日文化の日)に3D、IMAXで見た。

マイティ・ソーのシリーズをちゃんと見たことないと思う。だけど、今作は
アベンジャーズに繋がる重要な、だとか、ちょっとコメディテイスト? だとか、
ケイト・ブランシェット様が敵だー!ってことで楽しみにして行きました。
一応、神様一家の兄弟喧嘩とからしいな? という程度の認識です、ソー。

父、オーディンが行方不明、なのを、ドクターストレンジが探して連れてって、
というか送り出してくれる。これ、ドクターストレンジのエンドロールの時に
見てたから、おお~ベネたんもすっかりマーベルの一員ね、って楽しく見た。
ベネたんストレンジ、本編の時より貫禄ある感じだったなあ。まあその出番は
ちらっとでした。

アスガルドにヘラ、死の女神がやってきて、それがソーのお姉ちゃんってことで。
オーディンの後を継ぐのは私だ、みたいな感じ、だっけ、なんか、アスガルドを
支配していく。
ソーもロキも時空飛ばされちゃって、なんか、キラキラしたおっさんの支配してる
星で剣闘士になれって感じ。ロキはちゃっかりとりいってる。
ジェフ・ゴールドブラムがやってるのね、グランドマスター。すごい派手でテキトー
で、めっちゃ楽しかった。好き。
戦いの場に引き出されたソーの前に現れたのはハルク!荒れ狂うハルクを前に
やあ友達だろうっていうソーとか。楽しかった。

まー、なんだかんだあって、味方も出来て、アスガルドに帰ることもできて、
ヘラと対決~!しかし死の女神、強すぎる。アスガルド、滅んじゃったよ!
でもソーたち、民を救い出すことは出来てから、アスガルドは場所じゃなくて
民なのだ、って、みんなで地球へ移住していくみたいな感じでした。
これが、また、アベンジャーズに繋がるって感じなのかな。

大体そんな、オーディンは亡くなり故郷が滅びる、って、大惨事なことなんだろう
けれども、この映画全体のテイストはすごい、軽くて、お、おお?なんかそんな、
大変でしょ?いいの??って感じ。
私、シリーズよく知らない、実はアベンジャーズについてもあんまりよく知らない
って感じで見にいっても、十分楽しく見られてよかった。
ソーとロキの兄弟げんかもな~。めっちゃ可愛い^^
しかし神様一家の喧嘩とかで世界滅びかけちゃうんだからヤバい。家族、仲良く
してくれマジで。そんでまた地球でなんかやらかすんでしょう。ヤバい。

「移民の歌」ですか。予告の時からかっこいいなあと思ってましたが、ほんっと、
すっごいかっこよくってよかったー!満足した。

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映画「ブレードランナー 2049」


*ネタバレ、結末まで触れています。

映画「ブレードランナー 2049」

10/29(日)に、3D、IMAXで見た。


その前に、前作の時間2019年の後から、この2049までの間の出来事って
ショートフィルムがウェブ公開されてましたね。私はそれ、見ないで行きました。
前作も直前の復習はしなくて行ったのだけれども、まあ見てなくても個人的には
大丈夫、って思った。

けども、今日、ショートフィルム見てみたよ。
アニメは「大停電」でいろんなデータが失われたっていってやつ、の事件の断片
を描いたもの。これもまたすごく前作踏襲したシーンがあるなあって感心した。
なるほどこういう事件があったことが背景にあるのね。
「ネクサス・ドーン」はジャレットレト出ててゴージャス気分。ウォレスが
従順なレプリカント作っちゃう宣言みたいな感じ。凄い。これはさすがの雰囲気。
天使。。。めちゃめちゃかっこよかった。
「ノー・ウェア・トゥ・ラン」はほんと今作直前。あの農場やってたおっさんが
見つかっちゃう。だからKがきたのか。

てことで、背景が多少はわかりやすくなるので、ショートフィルムも見てよかった。
まあ長くなるしあんまりがっつり描く余裕はないってことなんでしょうけれども、
こういう、ウェブ公開で番外編あるよっての、どーなのかなあ。まあ、親切な
気もするけど。


で。
2049は上映時間3時間近く。長い。正直、長くて眠気が、って瞬間寝たとこも
ある。けれども、ほんとうに、本当に本当に、この長尺でもとことん凄まじく
隅々まで圧倒的にうつくしく、物凄い、ブレードランナーな世界だった。
どのシーンとっても完璧に絵になる。IMAXの巨大さで見られてしあわせだった。
音も。ほんっと、音を浴びて酩酊する。すごい、「世界」だった。

一度失われたレプリカント。タイレル社は滅びたが、新たにウォレス社が従順な
レプリカントを作り上げていた。レプリカントのみならず、ヴァーチャルな技術
や農業、産業なんかでも圧倒的に支配力持ってるのかな、ウォレス社。
かつての生き残りレプリカントと狩る、ブレードランナーもまたレプリカント。
Kは淡淡と仕事をこなし、ヴァーチャルな恋人と暮らしている。
ある時、謎を知ってしまう。
かつてデッカードと共に消えたレプリカント、レイチェルが、出産していた。
レプリカントの子どもが、いるのか。レプリカントは繁殖という奇跡を手に入れ
たのかどうか。
Kは謎を追ううちに、デッカードの隠れ家へたどり着き、自分の記憶、心、魂に
ついて苦しむことになる。

Kは実はレプリカントの子どもなのか? と思わせておいて、違うわ、女の子よ、
ってあっさり残酷に告げられる。
この、ほんと、レプリカントに魂はあるのか。心はあるのか。それは「本物」
なのかどうか。というね、哲学なんだよなあ。
結局は人間とはってことだし、生きるとは、ってことだし。

ウォレスや、タイレル社もだけども、人間はついには神になりたいのか。
リドリー・スコットってことでこの前のエイリアンコヴェナントでもそーだった
けれども、人間が命を生み出し、その命が繁殖していくことになれば、人間は
神と等しくなれるのかどうか。ってのがテーマの根底だと思う。
Kは懸命に生きていたし、レプリカントに心は宿っていた。
生きている。みんな誰かのために、というのはむしろ人間よりも人間らしく
生きてる。
ホログラムな彼女と娼婦(?)を重ね合わせてセックスするのも生き物としての
欲動って感じかなあ。幻同士のセックスという、なんて、苦しく切ない変態なのか。
物凄いなあ。
つくりものこそが理想の中に生きてる、って感じ。

デッカードは年老い、それでもやっぱり強くかっこよくって、物語のキーマンで、
みんなが彼を取り合う、姫ポジションでまたもうすごい可愛いったらありゃしない。
娘って誰だろうと思ってたら、あの記憶作り出す博士なのね?
自分の記憶をKに植え付けた? 無自覚? ちょっと娘関連のことが私には
きちんと把握できなかったんだけど、見逃したことがあったかなあ。
そして、デッカードを送り届けて、Kは、あれは、雪の中で死ぬ、というラスト
だったのかな。死ぬ、とまでは私は思わなかったんだけども、あれはあのまま
眠るように死ぬってことなのかなあ。んんん。見逃してることがあるのかな。
雪の中で眠る、ということに、したい、私は。

ブレードランナーの、まさに続編で、35年を経て、ってことで、それってでも
ハリソン・フォードがしっかり現役で渋く俳優やってるからこそってことでも
あると思う。スターウォーズといい、なんか、凄いなあハリソン。かっこいいよ。
可愛いよ。
こんなにも素晴らしく「世界」が出来上がっていて継承されているというのが
まず何よりの驚きだし、そんな中でまた今作の圧倒的な美しさは感動だし。

蜂、養蜂の巣箱があったのが個人的にうあーってなったりもして。何だろう、
養蜂って西洋人的にはなんかやっぱ夢と浪漫なのか。暗喩的だったりもするか。
一匹の女王に生み出される新たなコロニーって感じはレイチェルとレプリカント
の繁殖と見立てていいのかな。
レプリカントにも命が続いていく。
人間は、神になったのか? 神と成りうるのか?
相変わらず詩的で哲学的で、SFで、凄い。
また見に行きたい。落ち着いてもっとよく見たい。好きになるしかないよなー。


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映画「アトミック・ブロンド」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「アトミック・ブロンド」


23日に見に行った。

ベルリン、東側で諜報員が殺された。活動中のスパイのリストがKGBに奪われる。
その遺体とリストを回収すべく、現地のパーシヴァルと協力するようにと、
ロレーンはベルリンへと発つ。
到着早々、迎えにきたのは敵側の男たち。一旦は車に乗ったものの、ロレーンは
男たちをぶちのめし、遅れてやってきたパーシヴァルと合流した。


ベルリンの壁崩壊の頃が舞台で、冷戦が終わる、というざわざわした中での
騙し騙され、誰が味方なのか敵なのか、本当の狙いは何なのか、がっつりスパイ合戦
で、おおお??? って一生懸命見たけど、ちゃんと理解できたかどうかは
自信ないなあ。英国の裏切り者サッチェルってロレーンだった、の、か? で、
でも彼女は本当はCIAなのか。ん~。多分、多分、ほんとはCIAってことだと思う。

パーシヴァルがなあ。お前は一体何なんだ。英国諜報員だったのが現地でずぶずぶ
になっていって、って感じなのかなあ。でもあの壊れた感じすごいよかった。
すっごいアクション!!!って感じの宣伝だったけれども、それはもちろん凄かった
けれども、スパイものとして、ポップだな~クールだな~とはいえ、かなり暗い
重い冷たい感触も感じさせてくれて、ル・カレ風味もあるんじゃないの~と私は
勝手に思って、好きだった。
ジェームズ・マカヴォイね。かっこいいなあ。クレイジーなの凄い素敵。

音楽もね! あの頃のヒット曲いっぱい~。知ってるのも知らないのも。すごい
かっこよくって、ずーーーっとこの映画流していたいって感じ。映画館音響で
聞けて良かった。Bowieもあったさーもちろんだな~ベルリンだもんね~。
えーと最初に、ガソリン~なやつ、ラストにアンダープレッシャー。はあ。やっぱ
最高かっこいいわ。

で。
なんといってもアクションが!すっごい!!!
シャーリーズ・セロンが主人公なわけですが。「ジョン・ウィック」のアクション
やった監督?チーム?らしくて、ロレーンの戦いっぷりが、ガッツガッツリアルに
痛そうだしでも強いしかっこいいしすっごい痺れる!!!
私は詳しいことはわかんないながらも、ガッツガッツぶつかり合うし、手近なもの
ぶん投げて殴りかかって、ロープ?つーかホース?でぶんぶんやりあったり、
銃を使えばがっちり弾確認したり取り替えたり、すごい細部までかっこいい。

ロレーンのくるくる変わるファッションもステキだし~。
フランス諜報員な女の子、ソフィア・ブテラって「キングスマン」や「ザ・マミー」
の彼女だよね。彼女とロレーンのビアンなラブラブシーンもすごいよかったし。
全編見どころだらけ。すごい。
ずっと完璧に絵になるシーン。
最初、女性版007みたいな宣伝文句とか、ん~?そそられないなあと思ってたけど、
見に行ってよかった。満足した。

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