映画 「インターステラー」


*ネタバレします。


映画 「インターステラー」


 15日に見に行きました。IMAXで。リバイバル上映ありがとう~。ノーラン祭りは全部行けた。よかった。

 近未来。異常気象続き、人類は食糧難のさなか。生産できる農作物は限られており、生きるのに精いっぱいで、科学や文明は大きく後退している世界。
 クーパーはかつて宇宙飛行士だったのかな。パイロットでエンジニア。墜落事故を起こして以来、父の農場で農作業をするしかない日々。息子と娘がいる。息子はいい子に育ってる。地に足をつけた生活をしていきそう。でも10歳の娘、マーフはクーパーに似て科学とかに興味あるらしい。学校では月面着陸などが教科書から削られている中、アポロ計画の話なんかをして問題児だからってクーパーは先生に呼び出されたりする。
 
 部屋に幽霊がいる、というマーフ。本棚の本が落とされたり、砂嵐の埃が規則的なコードを表していたり。幽霊がモールス信号を送ってる? いや、バイナリ信号だ。
 とかなんとかで、暗号をといたクーパーとマーフは、示された座標の場所へ行く。そこは、隠れたかつてのNASAの施設だった。
 土星の近くにワームホールが現れていて、そこを抜けて別の銀河へ行けるという。
 人類の未来のために、移住できる惑星を探す計画が進められており、クーパーはパイロットとして宇宙へ旅立つことになる。
 おいていかないで、と泣くマーフと別れて、人類の、何より子どもたちの未来のために、先行した科学者たちの信号から、移住可能の見込みがある星をめざす。


 壮大なSF。けど根本は家族愛なんだよね。私は、公開当時(2014年かあ)見に行った時には、あんまりそう好きでもなくて。リバイバル上映では、当時認識できてなかったティモシー・シャラメ、ヤングな息子演じてるのを見よう~って思いました。
 でも今見直すと以前見た時よりずっと面白く感じられた。初見では、おおおおお~?? なんだどうなるんだ、って振り回される感じが、二度目三度目鑑賞だと結末までわかってる分落ち着いて見て面白いのか。

 なんかね、ガチガチのSF、って思って見てたのが、途中、愛よ。みたいになるのが、は????? って混乱しちゃうんだった。でもまあ、そうか愛か。と、今の方がちょっと落ち着いて見られたな。
 重力が強いと時間が伸びるとか、いまいちやっぱわからないんだけど、まあ、そういってるからそうなんですねとこれも丸のみ。
 クーパーの、行きて帰りし物語だなあ。そしてまた旅立つ。物語づくりとしては王道なんだなというのもよくわかる。

 あと今作の萌えキャラは柱の塊みたいなロボットちゃんたち~。形状変化も面白くて、やっぱよかった。好きだった。相棒~。

 そしてやっぱりマット・デイモンが、ダークサイドに落ちてるのが可哀相で。火星ではジャガイモつくって正気を保ったのに;;と違う映画を連想してつらくなっちゃうよねー。

 10歳の頃のマーフを演じてるマッケンジー・フォイが、ほんっと美少女かつ賢そうで最高だなあとかも改めてよかった。
 あとやっぱマイケル・ケインが。ノーラン監督ほんと好きなのね。この壮大な計画たてた教授で、でも、死の間際に、嘘だったんだ、って告げていくの、あまりにもあまりにも酷くて凄い。人類の英知の権化みたいに穏やかな人格者みたいな雰囲気持ちながら、現人類は見捨てて遠いどこかの星にもっていった受精卵たちの人類の繁栄、未来を託す、プランB。
 実際移住可能な惑星があるかどうかも確証はないわけで、プランBだって夢物語だけど、プランAがいけるはずっていう嘘で娘までも欺いてクーパーたちを送り出すの、良心的な悪魔みたいな所業。
 何もしないよりはほんのわずかでも希望を託す、ということなのか。でもなー。

 そもそもこの世界、で、食糧難だから農業以外に知識、学びを排除してるっていうのが無理筋過ぎると思うんだけどどうなんだろう。実際もう死の未来しかないってなると目の前の食糧のことしか考えられなくなるのか。けど、子どもたちにせっかくの科学やなんかを教えてないと、希望もひらめきもなくなるじゃん。かろうじて反逆児的なクーパーとマーフがいてよかったね、というか。まー。だから主役になるわけだけど、んー。

 でも今、教育とかどんどんないがしろにされつつある気がする日本よ……て気分で見ると、なんか……。異常気象とかもいっぱいだし。この映画のリアルがフィクションのリアルじゃないリアリティに思えて、たいへん……。
 教育は大事;; できるだけ沢山の人間に教育してみなきゃ、天才になれるかどうかわからないものね。人類の英知がこれからも受け継がれて、ごく一部の天才が現れて人類の未来を切り開いてくれますように……。

 

 

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映画 「TENET テネット」


*ネタバレします。


映画 「TENET テネット」


 IMAX字幕で見てきました。初日! 多分皆見てなんだかんだ言いだしそう~と思って初日初回!
 読んだ本、見た映画の感想メモ書かなきゃがあるけど、また後で。とにかく今日の公開を待ってた! ので、本日見た感想メモメモ。

 とある任務で偽装テロの中、味方を助けにいく男。だが敵に捕まって、情報をもらすまえに自死を選んだ。
 しかし、目がさめる。あれはテストだったという。そして巻き込まれたのは、第三次世界大戦を止めるための任務。弾丸が銃に戻ったり、落としたものが手に戻ったりする奇妙なエントロピーの逆転現象を知らされる。だが情報はほとんどない。憶えておくべきキーワードは「テネット 主義」。
 男は、逆転する弾丸の製造元からある武器商人を割り出し、さらにロシア生まれのもっとヤバイ武器商人に至る。

 と、えーと。
 これも公開延期になって、けれど予告とかなんとかさんざんに煽られて待ってました。クリストファー・ノーラン監督最新作。ノーラン監督祭りでIMAXで「ダークナイト」「ダンケルク」「インセプション」「インターステラー」と見てきたわけです。今日のもIMAXで見てよかった大満足。映像!!! 音!!!!!!!!!! たまらんね。

 時間の逆行、とは。というのが謎っつーか、物理学とか? なんかそういう理論的なこととか難解と評判ですが、まあその、そうですね。インセプションもインターステラーも、メメントも、時間の映画だったなーと思う。ノーラン監督って時間が好きなのかな。時間、伸びるとか。
 で、今作では逆行だって。まあ正直、理屈的なことはざっくり作中で説明されてたのを聞いても、そんなん私にわかるわけはないので、作中で言ってた感じみたいなのはまあ、わからないなりに、ふーんそうなんだ、と思って丸のみで納得。根本的にバカである私は、SFやミステリ見たり読んだりしててよくわからない理屈とかあっても、ふーんそうなんだ、と、軽く流れで流して見て楽しめるタイプ。わかったのかと言われるとわかってはいない、けれど、そうなんだーと思って楽しむことは全然大丈夫。
 なので、なんだろう、なんか理屈言ってるのが気になっちゃう人には難解なのかなあ。そんなすごくいっぱい説明するわけじゃないし、さらっとセリフで言うだけだから、ふーん? くらいでいいんじゃないの。

 で。
 主人公の男、名前とくになし、なんですね。ダンケルクの時と同じようなものか。ただそこにいる主人公。protagonistという名前、つか役名、だったらしい。主人公、だって。
 作中でも、俺が「主役」なのでは? とか、俺が「主役」だ、といってた。ジョン・デビッド・ワシントンて、デンゼル・ワシントンの息子ねー。ブラッククランズマンも見たんだな私。彼と一緒になって、おおお? どうなってる? と巻き込まれた気分で見て正解なのでは。
 そして後半、最後に、お前がまさに主役で黒幕かよー! と、思う、と。

 んでも、黒幕って。なんだろう。タイムループみたいにしてたの? けど最後にインドの武器商人おばちゃんを殺した、殺したんだよね? そこで、ミッション完了って言ったと思うから、そこに至る、で、「時間からの脱出」したってことなのか。
 あの謎のアイテム、隠し通したってことなのか。うーん。

 目覚めた後に、電話してやってきたニールってのと相棒になっていくんだけれども。ロバート・パティンソン演じる、クリストファー・ノーラン監督の分身みたいな感じのやつねー。何でもやってくれていろいろ手配つけてくれて、超便利相棒なの。すごいな。というか、何者?
 何者? というのは最後の方に、本当は未来の、というか過去の?? 主役にやとわれたんだよ、って言う。ニールにとって「美しい友情」なんだって。うう~うるる~。泣かせる。ニールは出会った時には訳知りだったわけですか。
 そして、ニールのリュックのキーホルダーかなんか? あの、あれ、なんか私、日本の五円玉に紐つけてる縁起物みたいに見えただけどさ。あのリュック、って、ちょっと前に見かけた死体だった??
 主役くんは、あれに気づいて、多分、ニールは死ぬってことなんだと、たぶん、わかったんだろうと思ったんだけど。

 それって、すごい、凄く物凄く、たいへんなことじゃないか。
 ニールを雇ったのが主役くん、つまりいずれ俺のために死ぬけどやってくれ、って雇ったわけでしょう? それ、すごい。多分ニールはそれを明かされてはいない、かな、でも、うーん。察してるのかな。それでも、あんなにも全面的に協力してお役立ち相棒として一緒に戦ったわけでしょう?? 愛か……。美しい友情はあまりにもあまりにも特別じゃないか。愛か……。

 つか、これまでノーラン祭りでもさんざん見てきた、冒頭6分だかの特別映像。オペラ座でのテロのシーン。最初に助けたあの男がニールだっけ? 私が人の顔認識がいまいちなのでわからない。仲間だったってことか。黄昏に住む人、友はいない、ってなあの合言葉。それが象徴してるのか。主役とニール。二人以外に友達はいないのか?? うるる;;

 ってかニールって何者。元々は主役もニールもCIA関係ってことなのかなー。
 ニールが途中で応援呼ぶとか、最後の方の兵士いっぱいみたいなのも、CIAと米軍関係みたいなとこなのか。
 最初のテスト、ってとこで、テストに合格したのは主人公一人だ、って言われてけど、あの応援部隊とかは何なの。
 主役くんが時間行ったり来たりの中でどっかで仲間とか増援したの??
 最初にテストだ、とか言ってた、逆行する銃弾とか研究解析してたのは、CIA関係??

 やはりわからないことが多いかー。いやでもその辺そもそも説明すらなかった気がするので、なんか、わかんないけどニールは応援部隊とか呼べるんだなーって感じで丸っと納得するしかないのか。パンフとか読めばわかるのかなあ。けどパンフ買わないんで……。まあ、ま、いっか。

 途中、英国情報部に情報求めに行って、マイケル・ケインが偉い人やってたわ。さすが。そして、もっといいスーツにしろ、みたいなこと言ってて、お、「キングスマン」っすか、と思って笑っちゃった。

 そして。
 エリザベス・デビッキがヒロイン、というか、なんか、運命の女? なわけです。主役くんは、ロシアの武器商人の妻であり、今はもうすっかり愛はないものの、弱みを握られ、息子を奪われないためだけに離れられない彼女を何かと助けるの。
 最初は彼女を通じて武器商人に接近、って利用するつもりだったけど、なんか途中、彼女を守るために! みたいになっていったわ。あ、悪いロシアの武器商人はケネス・ブラナーが演じてた。地図にない街、ロシアで地下核実験してる場所で生まれた、みたいな男。
 自分がもうじき死ぬから、人類道連れにしてやる、的な。

 しかしこの頃の悪役って、結局人類が悪いんだ滅亡させてやる、って感じだねえ。まあねえ。地球にとって一番の害悪って人類って感じがするもんねえ。増えすぎた命は消去だ、みたいなことになるのかねえ。でもそれをお前に決められたくないわー。

 で、その、エリザベス・デビッキ。キャットって役名? キャットはまあなんてったってエリザベス・デビッキだから、圧倒的に美しい。そして息子を愛する母でもある。


 しかし、それ、そんなこんな丸ごと「ナイト・マネジャー」なのでは。ル・カレ原作でトムヒ主演でドラマ化したやつ。ワタシ見たからね。原作とは時代が変わってるとはいえ、かなり面白かった好きだったよ。
 ノーラン監督、あれ見て、いいじゃん、デビッキちゃんをまんまあれの感じで使おう! って思ったんでしょうか。めちゃめちゃナイト・マネジャーだ~~~ってずっと思っちゃった。まあいいけど。
 しかしエリザベス・デビッキは複雑だったのではないのかなと、勝手な想像。あれ、この役のこの感じ私ちょっと前にやったな~~って思ったりしたんじゃないのかな~。でもお似合いですし綺麗でファッションもステキで、目にゴージャスでありがとうでした。

 そもそもがスパイアクションものっぽく、007みたいなのーとかもね。
 飛行機事故らせちゃうぞ、ってのも、ダニクレボンドのカジノロワイヤルで、ボンドがぎりぎりであれは止めたけど、こっちの映画では飛行機本物を倉庫につっこませちゃうぞ!! という。確かに。CGではなく本物をつっこませて爆発! 壊れる! 燃える! ド迫力!!!!! って、すっごいよかったっす。IMAX音響で聞けて最高だった。

 
 時間の逆行とか、自分が自分と戦う、とか。謎の組織、謎の黒幕が実は自分、とか。SFアニメっぽいような、なんか、やっぱ、実写のド迫力、リアルで、ガーンと漫画みたいなことやってる~というわくわくが面白い。ノーラン監督、映画好きなんだな~~~と思う。
 世界を造るのが好きなんだなあ。
 映画監督って、そうか。世界を造る神なのだった、と、つくづく思います。やっぱりノーラン監督作品ってノーラン監督が主役。俺が見たい世界を造る。って感じでホントに造り上げてしまうから凄い。

 シーンの展開は断片的で早い。けどその分たっぷり余白があるので、妄想のしがいもあるわ~と思う。主役くんがどうやってニールを雇ったのかとか、どう、どうなの。もえる(*ノωノ) なかなか非情になりきれない、でもならざるを得ない、みたいな主役くんと、雇われて主役くんのために全力つくしちゃう、けど、なんかへらっとした感じのニール、可愛いかよ~。

 はー。
 やっぱりせめてあと一回は見に行って、結末まで知った今、最初から隅々まで見ていきたい。映画ってすごいなー。

 

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映画 「ポルトガル、夏の終り」


*ネタバレします。


映画 「ポルトガル、夏の終り」


 女優のフランキー。家族旅行といって、シントラにみんなを呼ぶ。息子、現夫の娘、つまり義理の娘、とその娘。前夫、前夫の現恋人も一緒。友人のアイリーン。ヘアメイクの仕事をしている彼女をフランキーは気に入っている。できれば息子と結婚することにならないかと、思って呼んだ。
 美しい自然。ゆっくりした時間。フランキーは余命宣告を受けていた。


 ポルトガルのシントラって、町そのものが世界遺産らしい。きれいだった。緑の山も。海も。街並みも。フランキーは有名女優みたいで、あなたのビッグファンです、っていう人が何人もいる。街を歩けば、もしよかったら姉の誕生日パーティに、乾杯だけでも、と誘われたりする。80歳の姉の誕生日パーティ。
 そこの会話の感じからするに、フランキーは癌で、一度は克服したものの、今、再発していてステージがあがって、余命わずかってところなんだろうなとわかる。

 自分の死後、家族に幸せに生きて行って欲しい。そのためのおぜん立てをするつもりのフランキー。でも、それぞれいろんな事情があって、そううまくはいかない。
 だってみんな大人だもの~。それぞれの事情を、ママに言われたからってハイめでたしめでたしにはできないよねー。
 
 きれいな景色。そこにいる普通の人々。まあ、女優とかその家族って普通とはちょっと違うかもだけど、まあ、でも、彼らの普通。死が近いということは劇的なことかもしれないけど、でも、どんな人にも必ずあることで、まあ、普通のこと。
 殊更なドラマチックさはなくて、静かで、つい、寝てしまう……。映画館涼しくてこのごろぐったりしてるからさあ。
 とはいえ、すうっと一瞬寝てしまう気持ちよさって最高。
 そして映画の穏やかさも最高。みんな大人だ。大人だから、ちゃんとして、でもちゃんとしてなくて、なんだかんだみんなうまくいかなかったり、それでも思いやりをもったり。

 大袈裟なところがなくて、ナチュラル~。ふわーっと引き込まれる。
 フランキー、結局なんもうまくもいかなったかな。でも、最後、山にいって、夕日を見て。少しだけ微笑む彼女はとてもきれいだった。

 この最後のシーン、ずーっと遠景で撮ってるんだよね。山のぼり、海と夕日の光になっていく景色。人は小さく遠くて、家族がそろってなんか喋ったりしてるのかどうかとか、あんまりはっきりわからない。
 下手なドラマだったら、キャストそれぞれのアップとか会話とかなんなら和解とかで涙を流すみたいなシーンだと思うんだけど。こんな引きで撮ってただただ景色の中の人々、で、終わるんだなあ。とても素敵だった。

 主演、イザベル・ユペール。きれいだった。可愛かった。
 監督、アイラ・サックス。「人生は小説よりも奇なり」の人なんだーと気づいて見に行った。あの映画もとてもよかった気がするし。熟年ゲイカップルがついに結婚を、ってところで起きるドラマの映画だったよね。

 人生、という感じを見せてくれる監督なのかな。人生、って思った。人生は終わるなあ、と思った。終わる時まで、人生は続くんだな。
 特にこの夏、死を近く思う時だったから。
 人生って。
 自分がもういい年になってるから。死が近く、近しい人を亡くしていくばかりになるんだろうなと思うから。そして多分私も随分死が近くなってきているんだと思う。
 そんなことをしみじみ思ったりした。そう思わせてくれる、いい映画だったな。見に行ってよかった。

 

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映画 「インセプション」 (二回目)


*ネタバレあり、かな。

映画 「インセプション」 (二回目)


 昨日、18日にもう一回見に行ってきました。IMAXで見られるならやっぱもう一回っ、と思って。
 うっかり前よりの席にしてしまったのだけれども、おかげで視界全部がスクリーン。IMAXの映像で、音で、インセプションワールドを満喫! ぐおおおおおお~んと街が折れ曲がって被さってくるのを堪能!
 ものすごいドアップにでっかくキャストの顔を凝視! あんなでっかくなって見てもみんな綺麗な顔をしてて素晴らしい。かっこいい~すごい~。

 少しは落ち着いてみるつもりだったのに、やっぱりずっとコーフンして見てました。面白い。

 ダニクレボンドの最初、「カジノロワイヤル」が2006年なんだね。なんとなく、007っぽ~いアクション大作~と思った。雪山の所とか特に思ったわけだけど、わりと最初から、なんか赤茶けた街の狭い路地駆使しながら走り回ったり、勝手な思い込みだけど、007っぽーい、派手かつごちゃごちゃとしてるシーンいっぱいで、特にダニクレボンドからの007が大好きな私は、わくわくがいっぱいでした。こんなこと行っておきながら、私が実際にダニクレボンドを見たのは「スカイフォール」からで、あとからカジロワとか見たので。「インセプション」を公開当時見に行った時には知らなくて、あんまりわからなかったんだな。
 そういう面でも、今リバイバル上映してくれてよかった。楽しい。私が。
 ダニクレボンド的な007っぽさと、ノーラン監督ならではの時間、夢の映画。面白い。

 キャストもねー。みんな大好きになってるけど、その10年前の可愛い姿が見られて幸せ。みんな! アクションがんばってる! きゃ~~~(*ノωノ)

 ノーラン監督は世界を造る。そんな中、「インセプション」は世界を造るのはもちろん、アクション娯楽大作!って、キャラもえもたっぷりさせてくれるサービス満点の映画だな~。一つの冒険のために集まるチーム、とか、ふらふらしちゃう不安定な心とか、もえポイント満載。めちゃめちゃサービスされている、と、改めて気が付きました。
 最初一回見た時には、おおおお??? 夢?? 三段階? もっと? で??? みたいな方が気になっちゃうもんね。ほんと、見直すことができてよかった。めちゃ楽しい。大好きです!

 

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映画 「インセプション」 


*ネタバレします。


映画 「インセプション」 


 リバイバル上映始まった~。てことで昨日、14日(金曜日)IMAX見に行きました。
 2010年製作。公開10周年なんですね。十年、十年も前か……。公開当時は、デカプリオ~きゃ~、とか、渡辺謙さん~おお~ほんとにメインキャストで凄い。かっこいい。なんて感じで見に行った気がする。もちろん今も大好き。デカプリオやっぱ素敵だよ~きゃ~(*ノωノ)。
 でも今回は! キリアン・マーフィとトム・ハーディ目当てだ! きゃ~~~~~(*ノωノ) 好き。好き。昔ももちろんかっこいいなあとは思ってたけど、しっかりちゃんと認識できてなかったと思う。そうか。十年という時の流れよ……。


 夢の中、つまり人の深層意識に入り込み、情報を盗むコブ。では逆に深層心理に望む情報を植え付けてしまう、インセプションができるのではないか。無理だとされているが、コブならできると見込んで、ライバル企業の後継者に、自ら会社を潰すよう仕向ける依頼をするサイトー。
 父の死の直後のロバート・フィッシャーを、眠らせ、コブたちのチーム、+サイトーは、夢の中へと侵入する。


 多分十年ぶりにまともに全部見た気がする。テレビでやったっけ、そういうのを見た事あると思うしブルーレイ買ったけど、見直してない。夢と時間、記憶の物語、という印象だったけど、がっつりしっかりアクション大作だった。特に雪山のシーンとか、すごく007っぽいな~って楽しんだ。重力どうなってんだがわかんないすごいホテルでのアクションとか。いや、実際セット作ってホテルの廊下の方を回転させてるとかのメイキング見たことあるけど、それでもなんか、どうなってんだよとびっくりする。凄い面白い。

 当然ながら、夢の設計の練習~と、リアルな街がぐにゃり~と降り曲がったり、爆発したりの、驚異の映像を、IMAXで見るのは最高。またスクリーンで見られてよかったー! 
 アリアドネちゃんの好奇心が強すぎてハラハラする。
 夢の中のモルは、コブが投影してる影なんだよね? それにしても怖すぎる。モル絡みはすごくホラーテイストだと思う。というか、この夢と現実が曖昧になって夢の中に囚われたままになっているのではないかという不安、全部が夢なのか、という不安、ホラー映画な気がするよねえ。こわくて悲しくて不思議で面白い。

 最後の、夢から覚めてると確認するためのコマが揺らぐところで終り、になる、にくい〆方は、私はやっぱり、めでたしめでたしで、終わったんだと思う、多分。生きて帰ってくるために、コブ、すっごく頑張ったじゃん。報われて欲しい。。。


 そんなこんなでやっぱり隅々まですっごく面白かった。
 そして登場人物たちがみんないいキャラで素敵~! もえる~!

 やっぱり私はキリアン好きなので(*ノωノ) ロバート坊ちゃまが、攫われちゃうし薬で眠らされちゃうし、夢の中で脅されたり守られたり死にかけたり縛られたり、あああああ~もうううう~~タイヘンだった。
 誘拐か? ってなった時、またか。もううんざり。みたいなロバート。あの、狙われて危ない目にあうのに慣れてしまってる感、うんざりしてる感、慌てず騒がず金なら出す、って感じがすっごいもう、あああ~。お坊ちゃま。タイヘンな人生じゃん。
 そしてそんな中、無事に大人に育ってよかったね、って思う。んでもやっぱまたこう狙われて、自分の意志に勘違いさせるように情報植え付けられちゃうんだよ。可哀相;; ロバートがんばれ~。
 お坊ちゃまだからなんか素直で、なんかすぐ騙されちゃうし、信じちゃうし。ほんとロバートくんが心配だったよ。キリアン可愛すぎるでしょ。。。はー。好き。
 
 トムハはイームス。夢の中でロバートの身近な人間に成りすまして騙し、情報を植え付ける役目。下調べの段階でしれっとロバートの仕事の取引の場にいたり、レポート作ったりしてたなあ。夢の中に引きこんでからも大体イームスがロバートを連れまわす感じで、ああああ~~~トムキリーっ(*ノωノ) という妄想がはかどる。好き。

 雪の病院の階層で、ロバートが撃たれて、死ぬかもって危機で、心臓蘇生のあの機械、パッドはったりするのイームスなんだけど、なんか、セーターの中に手を入れてって感じで肌見せないんだよねえ。サイトーが撃たれたところもそうだったけど、あれは、普通、というか、よくある感じだと、バッと服はだけて傷を確かめ、とかじゃない? かたくなに肌を見せないのは、ノーラン監督の好みなのか。けど見せないがゆえのエロス、って、もう~~っ(*ノωノ)もえる。

 そして最後には無事目覚めて、飛行機から降りてって時にはみんなしれっと他人。イームスの方は夢の中の冒険わかってるけど、ロバートの意識には残ってないんだね。無意識、深層にはある、のだろうか。でもそれは夢だから、意識はもう出来ないのか。夢をふと思い出すみたいに、なんかタイヘンなことがあった気がするけど、あれは夢か、みたいに思うこともあるのかなあ。
 あのあとロバートはどうするんだ。サイトーの思惑通り、会社継がずに潰すことになるのかなあ。よかれと思って、自分は自分の道を。会社はもうどうでもいい、みたいになるのか。ロバートの今後が心配だよ……。

 サイトーは、リンボに落ちて老いていて、帰ってこられたけれども、魂は老いてしまっていて。ということだよね。若い身体に戻って、ちゃんと約束覚えていてコブが自由になるよう取り計らう電話をかけたけど。老いた魂に、またビジネスの野望みたいなのはあるんだろうか。サイトーの今後も心配だよ……。

 自在に夢で世界を造る。これって監督の世界かなあと思う。映画の中に自分の夢の世界を造ってる。ノーラン監督って、神だなーと思う。自分の世界を造ってる。
 それでも十分エンタメに面白く見せてくるのが凄い。

 さんざんに予告見て煽られまくってるんですけど、「テネット」、どんな世界が造られているのか、すごく楽しみだ。

 

 

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映画 「ダンケルク」


*ネタバレします。


映画 「ダンケルク」


 IMAXでリバイバル上映ですねー。公開時にも二回、か、な、多分、行ったけどまた行ってきた。
 2017年製作かあ。ついこの前って気分だけど3年前か。。。

 海岸に追い詰められた英、仏軍兵士。英国兵士たちは撤退の船を待ち、海岸に長い列を作っていた。負傷兵を運ぶことで列を押しのけていくトミー。だが、船は敵の戦闘機に撃沈されてしまう。
 海を渡れば故郷に帰れる。救いの船は、なかなかこない。

 史実ベース。でも戦争の大局ではなく、徹底的にその日、その時、目の前の名もなき兵士たちを描く。もうわかってる映画なんだけど、やっぱりずっとずっと緊張しまくりで、見終わるとぐったりしてしまう。生き延びた兵士。だけど、まだそれは戦争の渦中、苦しみは続くということ……。それでも生きてよかった。それでも、生きられなかった、海に沈んた兵士たちよりよかった。よかった、んだよな。それでも。

 命をわけたのは偶然。それは感謝なのか。その後の兵士たちの人生は誰にもわからない。

 三つの時間軸がある。初見の時には、空、海、海岸からの脱出の三つがあるから、というのがスピットファイアによって見えるまでわかってなかった。もうわかってて見て、残酷な対比にも思える。
 飛行機ならほんの一時間。小舟でも一日足らず。けれその距離、海を越えることが、陸兵たちにはどれほどの困難であったことか。
 ずっと、トミーの焦燥とともにあったから、帰って列車に乗った彼が束の間とはいえ眠れたのは、ほっとした。けど、辛い。

 名前のあるドラマは、ムーンストーン号で、あの小さな船が出航するとき、ジョージが登場のシーンからしてもううるっときてしまうよね。
 沈んだボートの残骸に一人取り残されていた兵士にも。登場の時からうるうるくる。
 キリアン・マーフィが演じてて、大好きなわけですが。
 トミーが海に流されてる時に会った時には、普通にまともな兵士だった彼が、Uボードに沈められる恐怖、仲間みんな死んでいなくて、あの海に一人残って、やっと、救われたけどまたダンケルクに戻るってなってパニックになるのは仕方ないし。その孤独と恐怖を思うと本当に辛い。でも物の弾みとはいえジョージが犠牲になるのが、あまりにも辛い。

 たくさんの犠牲。
 生きて帰ってきたことを大喜びで迎えてくれる人たちは善良だと思うけど。希望はある。救いもある。歴史の決着を知っている。連合軍が勝つんだ。でも、戦争は。

 エンドロール前に、ダンケルクの戦いで人生を変えられた人に、みたいな献辞があったと思うんだけど、そう、戦争は、人生を変えられてしまう、狂わされてしまう事。その端的な、象徴的な、出来事を描いた映画だと思う。

 空軍はさー、どうしたってもう最高にかっこいいけどさ~~~。トム・ハーディだもの~~~。
 地を這い、海に、砂に、重油にまみれて溺れかける地上を軽々と超えていくスピットファイア。素晴らしいエンジン音。かっこいいよ……。
 
 何度見ても隅々まで面白くて困る。すごい好き。描かれたことも、描かれていない余白も余韻も。好きだ。

 

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映画 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」


*ネタバレします。


映画 「コンフィデンスマンJP プリンセス編」


 資産10兆円を超えるとも言われる、フウ家。当主レイモンドが他界。三人の子どもがいるものの、残した遺言は、誰も知らなかったもう一人の子ども、ミッシェルに跡を継がせるというもの。年齢も性別も不明。謎の子ども、ミッシェルの偽物をでっちあげ、ダー子たちはフウ家のお宝を狙って潜り込む!

 てことで、映画第二弾ですね。前の映画、ドラマシリーズから引き続きのゲストキャストもいっぱい。ちょいちょいチョイ役に豪華ゲストもいっぱい。いっぱい、かな。テレビバラエティ的なノリが強くなってる~むむ~、というつまんなさもありつつ、でもやっぱり相変わらずの、ダー子、ボクちゃん、リチャードの三人組が核にいるので、ま、映画化っていうお祭りでお遊びだ、めいっぱい遊んで、大事なとこだけ大事にする、という仕上がりでしょうか。

 プリンセス、とは、隠し子ミッシェルに仕立てあげる、コックリと呼ばれる女の子。詐欺師の娘、母を亡くして、知り合いの間をたらいまわしにされ、ろくに学校も行ってない、ケチなスリの手下をさせられていたのを、偶然見つけたダー子が救い出して仲間にした女の子。
 殴られたり、邪魔にされたり、教育も受けてないから何もわかってないダメ扱いされていた子が、ダー子たちのたくらみに乗って、お嬢様教育を受ける数か月が、夢みたいにしあわせで、と泣く。怖くない、と。

 おおむねバカバカしく楽しくコンゲームなんだけど、こっくりの偽物から成り上がってくのも、そんなアホな~というベタさなんだけど。
 まともな大人にちゃんと育てられなかった子ども。貧しさの中でどうしようもなく生きる場所のない子ども、という、結構実は日本でも今ある問題なんじゃないのか、という所が描かれているものだと思う。

 勿論、楽しくバカバカしくドラマならではの、嘘やろ~そんな都合よくいくかよー、って感じで彼女は救われるわけだけど。

 楽しく騙して金儲け! な、ダー子もボクちゃんも、ほんとは見捨てられた子どもだったっぽい、というのが背景にあった、よね。たぶん。ドラマの終りの方。あれがホントか嘘か、は言われないまでも。だから、こっくりちゃんが本当にフウ家でやっていける、と見極めたら、ダー子は彼女を本物にしてしまった。

 詐欺師は嘘を売り、嘘を信じさせ、自分でも信じる。何にでもなれる。嘘でも偽者でも、本物になれる。ほんとの覚悟があれば。

 当主レイモンド。実は、ミシェルなんて隠し子はいなくて、二年前の香港で、たまたまあの時のダー子たちが、架空の後継者がいるってことにして、群がってくる詐欺師の中から優秀なの選んじゃえばいいのよ、なんて雑談を聞いてたことからアイデア得て、遺言を残したのだーってことだった。そんなバカなw
 でも、執事、つか、フウ家を生真面目に支えるトニー、柴田恭兵ね、トニーがちゃんと選んで、一番見込みがある人間を後継者にすればいい、という、その企み、なんだね。トニーは密かにたくらみ打ち明けられていたのかどうかが、わかんないけど。言ってなかったのかなあ。どうなの、レイモンドじーさんよ。北大路欣也が演じてて、かっこいいお茶目じーさんみたいだったけど。
 子どもたち、誰も見込みはない、ってことだったのか。それとも、莫大すぎる家を継がせるのは難しい、という親心でもあったのか。わかんないけどなあ。でも偽者ちゃんが本気で跡継ぎになったことで、兄弟たち、自分のしあわせを得ることができそうっていう。なんか結果オーライ。めでたしめでたしでしたね。さすが映画。

 ほんっと盛沢山に次々たっぷりキャスト出てくるけど、それぞれそれなりにちゃんと見せてくるのすっごいよね。
 脚本のどんでん返しも、最後の最後までたっぷり仕込んでるよね。
 さすがにもうだいぶパターンはわかってるし、と思いつつも、あ、お、お、まだあった、と、エンドロールの間もそのあとまで、楽しかったです。
 エンドロールでさ、つかこうへいの脚本? 生瀬さんいたっけ?? って思ってたら、エンドロール後のおまけだったw 鎌田行進曲風味だったw アホかw

 長澤まさみダー子はほんっと最高。すごく可愛いかっこいいステキで面白い。東出くんもまあ、なんだかんだ騒動ありつつ、でもやっぱボクちゃんはボクちゃんでこの役はほんと好きだなあ。

 ジェシーを演じてる三浦春馬。この映画、もともとは5月公開予定が、コロナ禍で伸びて、今になって。その直前での自殺のニュースでほんとうに驚いてショックだった。映画の中にジェシーはいて、三浦春馬、前作見た時に、あ~ハンサムであることをちゃんと開き直って演技できるかっこいい俳優になってるよな~楽しい~と思っててすごく好きだったので。今作でもジェシーがいて嬉しいんだけれど。でも、やっぱり彼の姿を見ると悲しくなった。とても悲しい。演じ続けられなかったのかなあ。
 でもジェシー、いいキャラだし。素敵だったよ。よかったよ。好きだよ。

 波乱万丈ありますね。いい作品だしいいキャラいっぱいだから。ちょっと少し間おいてほしい気はする。同じパターンで立て続けには、今ちょっともういいのでは。数年後、また楽しく派手に、花火みたいにドラマ見せて欲しいな。ダー子たちよ、永遠に~。

 

 

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映画 「エレファント・マン」


*ネタバレします。


映画 「エレファント・マン」


 19世紀末のロンドン。エレファント・マンとして見世物になっている青年がいた。医者のトリーヴスは異様な姿の彼を医学的に調べ、学会で発表する。
 酷い扱いを受けていた彼をロンドン病院の一室に住まわせ、保護するトリーヴス。最初、話すこともままならず、知能は低いと思っていたが、ジョン・メリックという名の彼は、聖書を読み込んでいて暗誦することもできるのだった。
 恐ろしい見た目でも、落ち着いて話しができるようになると、ジョン・メリックの事が新聞記事になり、人々の興味をひく。女優や、上流階級の人々もジョンに面会にやってくる。病院の下働きの男は酒場で金をとって、酔客をジョンの部屋へ案内して見世物にした。
 一度はまたサーカスに連れ戻されたジョン。だが、あまりにひどい扱いに、同じく見世物になっていた仲間がジョンを逃がしてくれる。
 心ない人々に追い詰められながらも、ロンドンへ戻ってこられたジョン。またトリーヴスや女優にに友人として劇場へ案内され、素晴らしい舞台に感激して。しあわせを感じながらしずかに眠りにつくジョン・メリック。横になって眠ると、多分命を落とす。穏やかな自殺を選んだラストだったのだと思う。


 1980年製作で、40周年記念、リマスター版? 4K修復版? とのことで、リバイバル上映になっている。昨日見に行けた。
 デビッド・リンチ監督。見たかったんだよー。
 実話ベースの物語ですが、やっぱなんかリンチ監督。工場、煙、機械音が鳴り響く。「イレイザーヘッド」を連想した。
 リンチ監督、フリークス好きだよね。
 
 エレファント・マンことジョン・メリックを演じていたのはジョン・ハート。特殊メイクなので顔とかあまりわからないけど。うまく喋れないなりに、ジョンはちゃんとジェントルマン、という感じが素敵で。
 でも複雑だ。知性があって、聖書を読み込んでいて、詩や美しいものを愛して窓から見える教会のミニチュア模型を作ってみたりする、芸術的な人物だったから大事にされて、愛される、のか。彼がもしもっと知性がない、紳士なふるまいができなかったら? 大事にはされないのか。また放置されてしまうのか。見た目のグロテスクさを、上品に見つめる人々は、でもサーカスで見世物にされてた頃の観客と何が違うというのか。

 医者に看護婦長が、先生も見世物にしてます、って忠告したり、医者自身もそのことに悩んだりもあったけど。でもサーカスで見世物になってる時よりはジョンはずっと幸せそうで。上品ぶった人に会うのも、医者を友と呼ぶのも嬉しそうで。それはそれでよかったんだろうなあ。殴られて檻に入れられてるよりずっといいのは確か。でも。

 医者を演じていたのはアンソニー・ホプキンスでした。若い。ま、そりゃそうか。四十年前。四十代なのかな。モノクロ映画だけれども、医者の瞳は綺麗な青に違いないって思ってひきこまれる。当たり前ですが名優。ジェントルマン~。
 最初の方は、ジョンの姿をなかなか映さない。ジョンを見る医者の顔のアップとかが綺麗ですごい。アンソニー・ホプキンスってかっこいいんだよなあって改めて思ったなあ。

 ステキな医者と向き合う、大きなこぶや歪にひきつった顔のジョン。でも、友情なのだ、と。
 でも、どーなの。それは本当に友情? ただの利用でただの同情?
 ジョンが素直に喜ぶたびに、見ていて、ああ、見ていていいのかな私、と考えてしまう。けれど、友情であるのも本当だな、とも思えた。医者もジョンのこと結構好きになった感じあった。

 ジョンを見世物にしてた親方さあ。父親だったのかな。ジョンのこと酷い扱いしてるのに、宝物、と詠んで執着がすごかった。見世物にして金儲けだ、ってことだろうけど、でも、それ以上に執着があった感じがして。どうなのかなあ。わからないけど。

 実話ベース、ってことでなんか記録とかあるのかな。ちょっと気になる。けど。うーん。難しい。人権とは。とか難しいよなあ。殴られたり檻に入れられたりは論外に酷いとして、けど、見世物、という手段で金を稼ぐしかないっていうのは、それは、うーん。
 今見ても凄いし、多分今後も凄い。リンチ監督だなーってのもあるし、深いヒューマンドラマでもある。見に行けてよかった。とてもよかった。
 

 

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映画 「悪人伝」


*ネタバレします。


映画 「悪人伝」


 チャン・ドンスはヤクザのボス。警察にも賄賂使ってシマを仕切っている。チョン・テソク刑事は、正義感溢れる、というか、悪人を懲らしめたい欲が強すぎる感じの型破り刑事。ドンスのシノギの邪魔をして、ドンスから警察の上官に文句がいってチョン刑事叱られるという構造。
 
 車にわざと追突して、降りてきた相手をめった刺しにして殺す事件が発生した。チョンはこれまでにも似た事件があり、連続殺人犯がいると主張するが、上司はとりあってくれない。
 だがその連続殺人犯がドンスを襲い、反撃されて、殺せず逃げた。怪我から回復したドンスは、ヤクザが刺されたなんて、メンツ丸つぶれで周囲から人が離れかけていた。このままには出来ない。犯人を見つけ出して殺す。共通の敵のために手を組むことにしたドンスとチョン刑事。互いに信用しない、利用だけして出し抜くことばかり考えてるコンビが、パターンを超えて次々人を殺してゆく殺人鬼を追う。


 マ・ドンソク主演! で、バーン!とドンソクのアップ。強い。
 私はあんまり知らないながら、顔とかインパクトあるよねーとなんとなく見た事ある感じで。「神と共に」の時に、あの見た目に反してヨワヨワでコメディか、つーのがドンソクを認識したところで。今作では、しっかりがっつり、見た目通りに、こてこてにヤクザだった~! ボスー! 兄貴~~~!!!!
 忠実な飼い犬的な若いのがいつもついてきてて、可愛いの。でもそいつ躾を超えてボスのためにぎゃんぎゃんしちゃうから、困ったもんだ、って顔するドンス兄貴もまた最高だった。
 途中、サイコパス追っかけててやられちゃうんだけどね;; ボスに、あっちです、追ってくれ、と促して息絶えるんだよー。マジで命がけにボスへ忠誠誓ってたんだね;;

 ドンスの暴力っぷりもすごいけど、でもなんか憎めない可愛げもある。雨でバス待ってる女子高生に傘を貸してあげたり。あれってトトロのシーンっぽくしたんだよ~ってことなのか。
 でもそのバスにはサイコパスやろーが載ってて、あとからニュースで、その子が殺されたことを知る。キレて、でもそれでこの近くに犯人はいる、と追い詰めていくことになる。

 もとになる事件があったそうだけど、そこから着想をえたフィクションってことなんだと思う。実際の事件がどのくらいこんな話なのか私にはわからない。大幅にフィクションであろうと思って、エンタメだなーって楽しんだ。

 なんといってもマ・ドンソクが! とってもいいので。ヤクザだ~。親分だ~。暴力ガツガツ大迫力。けど部下にはちょっと優しいとこ見せたり、チョン刑事が襲ってきた敵対ヤクザをついに殺してしまった時にうろたえてるのを、あとは任せとけ! と追いやったり。兄貴だ。チョン刑事、破天荒刑事だけど、やっぱ実際自分で人を殺してしまうというのは初めてだったのかもしれない。任務ではないし、相手悪い奴だけどでも、って、そういう初々しさもよかった。その時兄貴がフォローしてやったのステキすぎる。

 まったく信用しないバディもの、って、面白かった。カーチェイスだとか犯人捜査網を刑事たちとヤクザたちが共闘していくわくわくとか。話の展開もうまい。
 いっときの利害関係だけ。それでも、サイコパスやろーを捕まえて裁判にかけると、実際物的証拠が乏しくて、罪を逃れてしまうのではないかという恐れが。どうでもいいけどドンスんところに車でつっこんで行って、ドンス車ではねて犯人とっていくチョン刑事、ヒドイ。ドンス兄貴、あれまたひどい怪我しちゃったんじゃないの~。
 で、ドンスのいろんな犯罪も明らかになって、ドンスは身を隠すことに。それでも、チョン刑事と取引して、証人として裁判に行って証言をする。なんせ襲われて生き延びた、生き証人だから。

  ドンス兄貴の肉体を堪能させていただきました(*ノωノ)

 サイコパスやろーが、一応、不幸な生い立ち、みたいなことはちらっとあって、なんか哲学かぶれしてるやつ、みたいな、口のたつ多分頭いいサイコパスやろー、ってのはわかるけれど、殊更に動機とか犯人にも同情してしまう深いわけが、みたいなことにはほとんどしてなくて、とにかくもうこいつはダメだヤバイ、ってのがよくって。

 最後、ドンスは刑務所に行く。でもそれはチョンとの取引のうちで、先に私刑判決出ていたサイコパスやろーと同じ刑務所に行くのだった。刑務所の中、今度こそドンスは犯人を手に入れる。ケリをつけようじゃないか、とにやりとしたドンスの顔で、終わった。
 すごい~~~。
 面白かった。かっこよかった。みんな悪くて、ヒーローじゃない。刑事さえも、清く正しいわけない。まさに悪人たち。エンドロールの時、役名ではなく、ギャングスタ―。コップ。デビル。って三人が出たの、かっこいい~。

 ハリウッドでリメイク決まってるらしい。どうなるんだろう。この面白さをまた違う味わいで作れるんだろうか。マ・ドンソクがやるんなら見たいなあ。ま。期待しないで待っておこう。

 

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映画 「リトル・ジョー」


*ネタバレします。


映画 「リトル・ジョー」


 新種の花を作っているアリス。同僚のクリス。話しかけて愛情かけて、手間暇かけて育てる花は、しあわせな気分になれる香りがする。新種として発表するため博覧会に間に合わせなくてはならない。
 息子のジョーと二人暮らしのアリス。こっそり持ち出した新種、リトル・ジョーと名付けているそれを、息子のジョーにプレゼントする。
 リトル・ジョーは香りに特化し品種コントロールをするため、子孫を残せない設計にしている。同僚のベラは不自然だと批判的だ。花が咲き、花粉が飛ぶと、その花粉がアレルゲンになるのかどうかチェックが必要。うかつにリトル・ジョーの香り、花粉を吸ってしまったクリスやジョーは、どこか少し、違った人になったのかもしれなかった。


 ホラーっていうほどでもなく、じわじわとなんかおかしい、という感じ。世にも奇妙な物語 でありそうな。「ブラック・ミラー」でありそうな。
 リトル・ジョーの花粉のせいで、脳に悪い影響があるのか。悪い? しあわせな気分になる影響? しあわせとはなんなのか、とわからなくなる。

 人が変化する。息子は成長して母親になんでもかんでも話さなくなる。父と暮らすことを選ぶのは悪い? しあわせ? どっちがまともなのか、何が本当にいいことなのか、わからなくなる。

 リトル・ジョーは子孫を残せないように設計された人工の花。その反動で、花粉を吸った人間を操って、リトル・ジョーの事を最優先に考えて、育て広げていくように仕向ける。そんな作用を起こすウィルスなんてあるだろうか?

 これ、製作は2019年なんだけど、今見ると、温室で厳重管理の花のために、消毒、手洗いをマメにやってたり、花粉の安全性が不明だからマスクをしろ、だとか、コロナ禍のニューライフだなあ今だなあと思ってしまう。マスク隙間なくちゃんとしなさいよ、ってハラハラしちゃう。花粉避けたいんじゃないのかよー。

 主演のエミリー・ビーチャムはカンヌの主演女優賞をとったそうで。ほんとこの、周りが変わってしまった、という疑いや不安定さとか、けれど結局リトル・ジョーのせいだったなんて馬鹿げてたわ、なんて開き直ったり。激情の熱演! みたいなことではなく、静かで、でもなんだか少しずつ変、という感じ素敵だった。

 ベン・ウィショーくん目当てで待ってたんだ。クリス、アリスと同じく優秀な研究者ではあるけど、これといってかっこいいでもなくすごくいい男でもなく。ふつーの男やってるのもステキだった~。けど、リトル・ジョーの花粉吸って、なんかこいつ実は? みたいなつかめない感じもすごく好き。さすが。
 実はこいつ、というかクリスはやっぱリトル・ジョー大事で勢いでアリス殴ってしまったりもして。あーやっぱお前は~~~ってなった。

 アリスが、カウンセリングかなんかに通ってて、途中、アリスの方が変なのか? とも思うんだよね。人は変化する。子離れできないアリスの問題なのでは? と。
 ベラの疑いは、彼女がかつてメンタルがダメになって一年くらい休職してたからなーって目で見られて、あんまりまともにとりあってもらえない。ベラの疑いに引きずられてアリスも、ってなるけど。ベラは追い詰められて転落事故。その辺はちょっとホラーだったかなあ。

 結局、クリスに殴られて気絶したアリスのマスクをクリスがとってしまって、アリスもリトル・ジョーの花粉を吸って。みんなリトル・ジョーの花粉を吸って、みんな、リトル・ジョーを大事に育てます、という世界になっていくよ、って感じの終り。
 そ、そうか~。リトル・ジョーに負けたのね人類。

 最後、アリスがおやすみ、と花に話しかけると、「おやすみママ」 と囁きが答えて、終わった。リトル・ジョーの意志、リトル・ジョーは会話もできるようになっていくのかな。人類は花の下僕に……。でもそれで花を大事にしながら他はまあ普通に人生やってって幸せな香りって感じてハッピーでいられるなら。それは、それで。いいの、かなあ。
 じわじわと。なんだかわからなくなる。

 カラフルで、パステルカラーがあざやかな世界。リトル・ジョーの赤がひと際、あざやか。鮮明で、キツい。
 音楽が、雅楽とか入ってた? オリエンタリズムってゆーかエキゾチックっていうかの感じなのだろうか。ああいう音の感じって。アリスがテイクアウトしてくるのも多分寿司だな? とか、ベトナム料理とか、アジアンな感じだった。ミステリアス~って感じなのかなあ。

 上映館が少なめで、見に行けるかどうか心配だったけど、行けてよかった。満足しました。

 

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