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『鳥肉以上、鳥学未満。』(川上和人/岩波書店)


『鳥肉以上、鳥学未満。』(川上和人/岩波書店)


 ニワトリの話。
 ニワトリ、食べますね。ニワトリ食べつつ、その部位、骨、働き、進化の話とか、みたいなことを丁寧に、かつ面白く書いているエッセイ。

 雑誌連載だったそうで、一つ一つ短いので、ふむふむ~とか、おいしそう~とか思いながら、ちょっとだけ勉強になった気分も味わいました。風呂読書でちまちま読んでいた。
 ごめん、へらっと読んでいたので、何が勉強になったとかはあんまり残ってない。

 でもなんかケンタッキーフライドチキンを食べる時、骨、骨だな。なんてちょっと思ったりはする。ニワトリの体の部位だな~と思う。
 焼き鳥はこの頃全然食べに行けてないけど、はーん、なんか部位、あるよね。という気持ちにもなった。

 楽しく読みました。
 全然身になってなくてごめんね。

 

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『極夜』(カーモス)(ジェイムズ・トンプソン/集英社文庫)


*ネタバレします。


『極夜』(カーモス)(ジェイムズ・トンプソン/集英社文庫)


 カリ・ヴァーラはキッティラ警察署長。フィンランドの北の町。スキーリゾートはあるものの、小さな田舎町である。
 妻のケイトはアメリカ人。スキーリゾートの総支配人の仕事があり、妊娠している。
 ある午後、カリは死体があると呼び出しを受けた。被害者は黒人で映画女優のスーフィア。雪の上に放置されたその死体は酷く傷つけられている。性犯罪。差別によるもの。証拠はたっぷりあった。犯人と原因を探ってカリは捜査はすぐに完了できると考えた。


 本国では2009年の作。読んだ文庫は2013年刊。

  フィンランドが舞台。で、冬、一日中太陽の出ない世界だった。辛い。この冬の憂鬱がつのる今、何故私はこれを読もうとしてしまったのか、自分を悔やんだよ。うう。辛かった。終盤は悲惨がどかどか重なってきて、こわすぎて辛すぎて読み終わらなくちゃいられなくてやめられずに読んだ。はー。大変だ。

 昔、一方的にカリから離れて離婚された妻の、今の夫、結婚はしてないけどカリをすてて走った先の金持ちの男が容疑者で、いきなり人間関係の狭さとごっちゃごちゃが大変。
 小さな警察署だからあんまり人員もいなくて、カリ、めっちゃ関係者なのに捜査から外れられない感じ。自分も外れたくなさそうだし。
 
 他にも浮かび上がってくる容疑者、クズだし。ひどいじゃん。
 フィンランド。オーロラの街。北欧、福祉先進国。素敵な暮らし、のイメージとはまるで違う、人々は暗い冬を飲んだくれてやりすごし、たいてい鬱とハイで病気だったりカッとなって人を殺したりしてる。嘘ぉ……。
 いやまあ、もちろん。警察小説ですしミステリですし犯罪ものですから。人殺しの話ですから。北欧、夢の国みたいなわけないよねー。というか、人間社会である以上、誰もが幸せな夢の国なんてあるわけないよねー。わかってるわかってる。特捜部Qだって、デンマークにも犯罪はあるとか思いながら読むわけですし。

 にしても、極夜のどんよりっぷりは凄い。
 これがフィンランド、とは思わないけれども、多少は、こういうところもあったりするんだろうなあ、社会の一端を見た気にもなって、面白かった。いやおもしろいとかじゃないけど、面白かった。

 人種差別だとか性犯罪とか、いろんな偏見やヘイトクライムが、ある、という前提の中で描かれていく。これが多様性かなあと思う。わりと日本だと、そんな、差別だとかそんなに深くあるわけじゃない、っていうなあなあ感、見えないことにしてる感があるのが多い、ような気がするんだけど、ある、という認識であることがまず最初だよなあ。

 あるから正すように努力するんだよ。

 カリの、子どもの頃、妹を亡くしたトラウマとかあったり、アメリカ人の妻とのコミュニケーションギャップだとか、パーソナルな部分がたっぷり描かれて。別れた妻とのことも。
 警察仲間の息子が、実はそそのかされて犯行を犯したってわかって、あまりにも辛い。自殺してしまうし。
 別れた妻も殺されて。しかも焼き殺されて。そしてそれは仲間のヴァルテリの復讐によるもので。辛すぎる。

 無理でしょー。辛いでしょーーー。
 それでも、事件は解決し。妻と家族と、クリスマスを迎えるのよ。タフだ。そして、一日のうち、ほんの少しでも、陽が出るようになる、と、喜ぶのよ。凄い。

 外の気温がマイナス四〇度だとか、マイナス三二度で、「暖かくなってきた」って書かれていたり。北極圏の冬、怖すぎる~。凄いわ。
 読んで、物凄く鬱々となってしまったけれども、読んでみたのはよかった。けど辛かったよ……。

 

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