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 『狼の王子』(クリスチャン・モルク/ハヤカワポケットミステリ)


*ネタバレします。


 『狼の王子』(クリスチャン・モルク/ハヤカワポケットミステリ)


 ダブリンのすぐ近くの町、マラハイド。郵便配達員は、とある家で第一発見者となる。
 その家には一人の女性が住んでいた。一人の女性、だけと思われていたそこには、監禁されたあとのある、二人の女性が発見された。三人の死体。さらにもう一人監禁されていたと思われる痕跡。この家で、一体なにがあったのか。

 なんとなくタイトルに惹かれて手に取って、著者はコペンハーゲン生まれ、話の舞台はアイルランド。最近の私にはとってもそそられる~と思って読みました。2013年刊の本。
 
 えーと、最初に家の住人として知られていたのはモイラ叔母さん。監禁されていたもう少し若い女性は、フィオナ・ウォルシュ、ロイシン(ロージー)・ウォルシュ姉妹。もう一人いたのはイーファ・ウォルシュ。ロージーと双子。
 密かに投函されていた、フィオナとウォルシュの日記を、郵便局員のナイルが発見して、事件が物語られる。

 で、日記が始まって、いやでもこれ、監禁されてヤバイって時に書いた、事件の真相の日記、でしょ? あまりにも文学的
 すぎない?? って思いながら読みました。

 ウェストコークの町で教師をしていたフィオナ。かっこいい真っ赤なバイクに乗って現れた、物語を語って旅する男、ジムに出会ったことが悲劇の始まりだった。一目でどうしようもなく惹かれてしまうセクシーな男、ジム。
 バーで、遠いあるいは近いどこかにあったお城、その王子と狼の物語を語るジム。町の人、あらゆる女たちを虜にしていく。
 だが、ジムは渡り歩く先々で女を殺していっているのではないか。

 ってな感じで、フィオナたちはジムに疑いを持ち、ジムは姉妹の叔母、モイラに取り入って結婚するとかになり。姉妹に余計なことをするなと脅すジムはイーファをレイプ。フィオナたちはジムを殺す。
 証拠のないまま時はすぎるかに思えた、けれども、モイラは姉妹の犯行の証拠をつかんだ、と呼び出して、監禁し、殺すことを企む。

 って合間に、ジムの語った狼と王子の物語もあったりする。その昔話みたいなお話は、実はジムと兄弟の物語でもあって。ナイルは日記を読んでハマってその昔話と思われていたジムの物語の場所を探し当てる。
 そんなこんなで、凝ったつくりの小説だなと思う、けど、凝りすぎててちょっとなんか、散漫な気がしたなあ。私は最初期待したほどには熱中はできず。やっぱなんか、被害者の日記、ってわりに切迫感みたいなのがないーと思うのが、乗り切れなかったかなあ。

 一人助かったのはイーファ。
 一応、関係者、というか、ジムも姉妹も叔母さんもみんな死んじゃってるから、警察沙汰になって事件解決めでたしめでたしって感じでもないのが、すっきり終わった感じがしないのかもしれない。
 ナイルだけは、日記を読んで真相を知った、ということなんだけど、それでいいのかー? これを元に漫画とか描く? ナイルはイラストレーターというか、絵を描く人になりたい、今はちょっとダメ人間なんだよなあ。
 ジムにもどうにも魅力が足りない、と、私は思って。まー、セクシーハンサムガイってことなので、もしもすっごい最高ハンサムな俳優とかうまくあてはまったらいいのかもしれないな。
 おわり。

 

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