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『パーフェクト・クォーツ 碧き鮫』(五條瑛/小学館文庫)


*ネタバレします。


『パーフェクト・クォーツ 碧き鮫』(五條瑛/小学館文庫)


 ソウルで情報漏れの調査をするべく赴いた坂下冬樹。韓国側の洪と組むことになる。
 ハニートラップをしかけた女、アヤラを追う。同じころ、本社では大物を釣る準備をしていた。意図せず二つの軸が交差する、マレーシア空港。ターゲットにされたキバノロ。ヨハン。事件は冬樹の目の前で起きた。


 『スリー・アゲーツ』から続く、『パーフェクト・クォーツ 北の水晶』ではエディと葉山、その同じ時期、坂下は何をしていたのか、の物語。
 アヤラってハニトラしかけた彼女、どーなの、と気になっていたので、その辺読めてとても満足。
 って、『スリー・アゲーツ』、この前読み直したけど、あれって20年くらい前に出てたの。まあ、それぞれ単体で読める一冊ごとだけれども、連なる小説が。こう、20年を経て出て、読めて、感激……。アラヤ、あなたのことが気になってた思いが私にずっとあったんだね、と、思う。別にずーっと考えてたわけじゃないけれども、この前再読してふむふむと思ってた所に、こう、読めて本当によかった。
 
 結局ヨハンは死ぬ運命。というか現実がね。北の水晶 と同じなわけだし。だから、坂下たちは間に合わないとわかりながら読んだのだけれども。それでもドキドキの緊張感はすごくあって面白かった。政治っつーか上層部で話はついてたみたいなことが今作ではもっとあからさまな感じ。現場の人間はたいへんだなー。


 一番大筋としては、坂下と洪がアヤラを追うこと。途中の道筋も面白かった。丹念に情報拾っていくのなー。洪と坂下の緊張関係というか、洪も大変だな~とか。
 んで、洪は葉山くんのことちゃらちゃらちらつかせるのがね~。坂下くん、そんっなに葉山くんのことラブだっけ? つか、葉山くんのほうからもマメにメールが来るし~電話くるし~。坂下が気乗りしないまでもなんか流れで遊ぼうとするタイミングで葉山くんからの電話きて未遂、ってなるのがもうううう~~。なんなんだこれ。薄い本が厚い公式が最大手なやつ???? とびっくりしてしまう。
 まあ、北の水晶 の時もそうだった……。エディと葉山くんの、嗚呼……。ご褒美ありがとうございます……。

 それに! 今回、ついにというか、葉山くんの母のほうの様子がちらっと。彼女を描いた絵が出てきて。それを落札したのがサーシャだった~。びっくり~。マジか。
 サーシャ、は、まあ、そうか。ロシア方面だから伝説の白雪姫に興味持つか。そうか。
 骨董屋でくつろいでいるサーシャのシーンにうっとりでーす。好きでーす。あーーー。サーシャも葉山くんが欲しいわけか。全方向にモテモテな葉山くん。やべえ。凄い。

 五條さんの作品世界って、ほんっと血とか遺伝子とか、家族の絆みたいなのが最重要ってなってる。裏切りと陰謀、非情の国家諜報の世界だから大切で信じられるのは家族だけ、ってなるのは、まあ、そうなのかなあとも思う。
 一方、すみれとかサーシャには身内的なものはもう何もなくて、ただ夢に情熱をかける、みたいになってる。
 血のつながりなくても、家族的な絆は持てる、かも。でも。


 サーシャはさあ、でもこの時期っていつなんだろう。亮司とは出会ってるのどーなの。そんなに葉山くん気にかけてていいの。革命のほうとはどーゆー物語の時系列になってるんだろう。
 革命の方の事件のあれこれ、エディや葉山くんは把握してんのかなあ。してないのかなあ。別世界なのか。そーでもないか。わからない。いつかわかるような話があるんだろうか。

 構想としては、というか作者の手元には? 頭には? 次作があり、さらに大陸編となる、らしい。書いてるのかなあ。読めるのかなあ。出して欲しいし読みたいすごく読みたいめちゃ読みたいお願いします!!!!!
 って思うけど、普通に商業出版してくれないと読めないし、作者が出す気にならなきゃ仕方ないのだろうし。
 また20年待つのかなあ。私そんなに生きてないかなー。もう私が読めることはないのかなあ。わからないけど。ふっと出るといいのにな~と願っておきます。

 

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