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映画 「ウルフウォーカー」


*ネタバレします。


映画 「ウルフウォーカー」


 17世紀。アイルランド、キルケニーが舞台。街にはイングランドから護国卿がやってきて、森を切り開き狼を追い払い開拓していこうとしていた。
 ロビンは女の子。父を手伝ってハンターとして一緒に森へ行きたい。けれど、父は危ないから家にいなさい、城壁から外に出てはだめだという。お前を守るためだよ、と、ロビンを町に閉じ込めようとする。
 けれど、一人森へ行ったロビンは、大事な鳥、(鷹?)のマーリンを誤って傷つけてしまう。マーリンは狼とともに現れた少女に連れていかれた。マーリンを追って森の奥深くへ行ったロビンは、伝説のウルフウォーカー、マーリンの傷を治してくれたメーヴという女の子と友達になる。メーヴのママの魂がかえってこないのを、森で待ち続けてるメーヴ。

 メーヴに噛まれたロビンも眠ると魂が狼の姿になって森を駆け回ることができるようになっていた。
 城に囚われていたメーヴのママを助けようとするロビンたち。人間たちは、森を焼いて狼を退治しようとした。

 

 「ブレンダンとケルズの秘密」「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」 につづくケルト三部作、とのことです。私は前のは見てない。


 ウルフウォーカーという伝説があるらしい。人と狼の融合? 狼の妖精さん?? 治癒の力があって、狼たちのリーダー。もののけ姫みたいだなと思ったけど、ウルフウォーカーは、人間と自然の対立、もだけど、少女二人の成長物語。

 ロビンは、ハンターで護国卿に使える父についてイングランドからきた、よそ者の女の子。父に大事にされているものの、本当はうちで家事するより、森へ行って父を助けたい。母親はいなくて(死別したんだろうと思う)父を大事に思ってるけど、狼と出会って親離れしていく。
 メーヴは母と狼たちと暮らしてる森の子。魂が抜けた母の側で待ってる。ロビンよりは小さい女の子って感じ。なので、ロビンが姉のようにふるまって、あなたのためなのよ、って逃がそうとしたり閉じ込めようとしたりする。それって、父がロビンのためだよといって町に閉じ込めようとしたみたいだった。
 対称的な二人の女の子。二人だから、強くなって力を得て、一緒にしあわせになるんだよ。もののけ姫とか違うハッピーエンドだった。

 ただ、ママが助かって帰ってきて、父も狼になって理解示して、人の町から離れて、父とママがそろってロビンとメーヴは姉妹みたいになって、っていうファミリーの形に納まったのが、なんか、ん~そうなるか~とちょっと、んん~と思った。両親そろって家族みたいな形におさめなくても。でも、まあ、他人、異種族、だったそれぞれが、理解しあい寄り添って家族になる、というのは、いいことかなあ。けど、結局みんなウルフウォーカーになりました、なんだよな。
 人間ともののけ姫、と別れて、それでも時々あって仲よくしよう、っていったもののけ姫の方が、ひろいような気もする。んー。ま、いいけど。

 あと、悪い人間、というのがイングランドからきた人間、だったのが、ちょっと、お。うう。と、なんか複雑だった。アイルランドを支配しようとするイングランド、という構図が見えて、うーんーそうだなあ。アイルランド、辛い、という気持ちがちょっとわく。難しいよなあ。
 人間側としても、森を切り開いて生活の場を広げたいっていうの、まあ、そういうなんやかんやの事情はある。でも、森を守れ、というのもわかる。難しい。
 とってもファンタジーだったけど、やっぱり複雑な歴史背景みたいなのもあるなあって感じがして、単純によかったね、では終わらない気持ち。最後、ロビンたちは仲良くしあわせそうに旅立っていくみたいだったけど、あれは森を出ていったのかなと思ったし。
 イングランドの支配とかまだあるだろうし、森は否応なく開発されていくだろうし。複雑~。難しい~。そんなこんなも面白かった。

 ビジュアル、動き、すっごくかっこよくって、綺麗で、すごくオリジナルな感じだった。テンポよくて全然飽きる間がない。森のうつくしさ、町の冷たさ。メーヴたちの丸っこさ、狼のシャープさ、人間の硬くごつごつした感じ。パッとそれぞれの特徴がよくわかって、隅々まで行き届いてる~。
 見に行ってよかったです。大満足。

 

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