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ナショナル・シアター・ライブ2020「プレゼント・ラフター」

 

*ネタバレします。


ナショナル・シアター・ライブ2020「プレゼント・ラフター」


 16日に見に行ってきました。
 ほんとは多分7月頃に公開予定だったのが、延期になって10月に公開になった。のを、私の都合がつかず見に行けなかったの。すっごく見たかったのに~と悲しんでいたら、吉祥寺オデヲンである! てことで、ひっさしぶりに吉祥寺へ。夜遅くなるので、頑張れば帰れると思ったけど、せっかくなので一泊で遊んできました。

 
 スター俳優のギャリーは、アフリカへ長いツアーに出る予定。その旅立ち前に起きるドタバタのコメディ。
 主演、アンドリュー・スコット。好き~大好き~なので見たかったのです。

 ギャリーは40歳になり、もう若くない、禿げるかも、人気も落ち目かも、そんなこんなをくよくよ悩みながらも、気軽なセックスで遊び、一夜の恋を嘆いては別れる。そんな彼に、マネージャーも、ずっと前に別居してる妻も慣れっこ。長年の仲間もいて、悪く言えば腐れ縁、良く言えば安定の信頼の中にいた。
 ギャリーの熱狂的なファンや、仲間の夫が一度寝てみたかったずっと好きだっただとか、ギャリーへの誘惑と面倒事がいっぱい降りかかる。
 愛されてていて、でも孤独なスター。そんな中年男のひと時を見せてくれる舞台だった。


 舞台を映していて、手前に少し客席も見えたりして、その続きにスクリーン見てる自分たちもいる感じ。笑いや反応を共有する感じで、私も思わずちょっと声出して笑ったり、息を飲んだり、すごく楽しかった。
 
 舞台で演じてるアンドリュー・スコットは、大仰で激しかった。コメディだからっていうのもあるよね。体が、あー生きて広がる体がすごーい。なんかすごい長セリフを、わーーーーーーーーーっとまくしたてる所があって、客席から拍手とどよめきがあったような。圧倒される。それはギャリーの叫びだし演じてそこにいる俳優の声と体。ああ~舞台ってかっこいいなあとつくづく思った。
 私はスクリーン越しに見たのだけれど、こ、これ、この、この生身のアンスコちゃんを目の当たりにっ、この舞台見に行った人は目の当たりにして感じたわけですよねえ。心底羨ましい。

 モテモテで愛されてるのに、スターは孤独。という、まあ、よくあるっちゃあるシンプルなストーリー。身近な人ほどつれないような。でも本当にずっと寄り添ってるのは誰、みたいな。
 
 半ばで、ジョーという色男にギャリーが誘惑されて、いやいやいやいや、みたいになりつつ、ジョーの口車にのって、あ~~~と躊躇しつつ、おちるシーンがありまして。あのセクシーさ、メロメロ身悶えで悶絶の最高さでした。あーーーーーっ、駄目でしょーーーーーーっダメだけどでもそうなるよねーーーーーーーーーーーーっ!!!!!
 はあ。いいものを見た……。

 話の展開も、前半で広げた枝葉が後半、ぱきぱきはまっていく感じがふふって笑えてうまくて面白かった。
 ギャリーだけじゃなく、ほんと、周りの人々のキャラも良くて。みんな我儘で勝手だなーって思うけど、なんかでも、あ~なんかそうか~そうかもなあ~やっぱギャリーが好きでおかしくなったりも、あ~するかも~うむ~~~~。って、みんなどうにも愛してしまう。みんな勝手だな! ギャリーたいへんじゃないの。私がギャリーを守ってあげる! と、まんまと私も思って、ギャリーの迷惑なファンになってしまうのでした。好き。

 そんな愛されてしまう困らされてしまうギャリーだな、って、納得するアンドリュー・スコットの演技なのでした。好き。声も喋り方も大好き。ほんと可愛くてかっこよくてセクシー。
 一見、パッと見ただけでハンサム!てなるわけじゃないのに(ごめん)見てればみてるほど好きになるセクシー。いいなあ。素敵だなあ。見に行けてよかった。
 
 ラスト、ギャリーはうまく折り合いつけて、幸せに生きて行ってほしいよ、と願った。なんか、飛び降りて自殺しちゃう???ってハラハラしたけど。暗転。でも、しあわせになってほしいよ、ギャリー。
 もともとの脚本はけっこう昔のものらしく、現代にアレンジしました、とのことで。同性愛も当たり前にありになってるのが現代風にしたってところだったりするのかな。なんか結構若さにこだわる、みたいなことは、やっぱ現代でも海外でもああいう感じってことなのかな。オリジナルとの違いなんかは私にはわからないけれども、名作がちゃんと今も愛されて演じ続けられていくのはいいよなあ。
 お芝居、また見に行きたいな……。いつか英国で見たり、できる、かなあ。どうだろう。スクリーンで見られただけでも嬉しいけど。
 いつか。
 いつか、ね。

 

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