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映画 「マーティン・エデン」


*ネタバレします。

映画 「マーティン・エデン」


 イタリア。主に船に乗る仕事をしているマルティン。ある時、チンピラに絡まれているらしき青年を助けたところ、彼の家に招待される。豪邸、富貴層のその家で、助けた子の姉、エレナと出会った。
 小学校の途中までしか行っていないマルティンだが、本を読み、自分でも詩や小説を書き始めた。エレナにふさわしくなりたかった。何度も原稿を返却されても書き続け、ついに採用される。


 アメリカの作家、ジャック・ロンドンの半自伝的小説の映画化、だそうです。イタリアになってるけど。時代は第二次世界大戦の前、くらいか。社会主義が流行りつつあり、イデオロギーの対立とかある感じ。
 正直私はジャック・ロンドンって知らないし、あんまり、なんか、よくわからないと思うけど、それでも見てよかった。

 王道な物語だよね。貧しい青年とハイソなお嬢様との出会い、恋、許されない恋。情熱だけでは乗り越えられない生活の違い。
 エレナのために、上品なお食事とかしようとしてても、結局そこには馴染めなくて決別。
 作家として成功をつかんで、お金に不自由なくなって、けれど満たされない。エレナが会いに来たけど、今更。荒れるしかないマルティンが悲しかった。海を見つめている時、戦争が始まると叫ぶ男がきて。
 海に向かって歩き、泳ぎ出すマルティン。
 最後は、あれは、自殺?? それとも新たな出発なのかなあ。

 ちょいちょいイメージフィルムみたいになるのが不思議だった。昔の映像挟んだりしてるらしい。そもそも撮ってるのが16ミリフィルムなのか? 画面の質感が昔の感じで不思議だった。その時代、そこに生きている人を撮って見せてきてるみたいだった。イタリアで生きてる人たち。

 主演、ルカ・マリネッリ。前にNetflixで「オールド・ガード」を見て名前覚えた。かっこよくって~。あれもすごくいい作品だったし。
 今作、去年のベネチア映画祭で男優賞とったそうです。なるほど。さすがの迫力、熱演だった。すっごいかっこいい~。
 
 パッと見ただけで、モテるってわかる見映え。貧しく粗野でも、本が好きで恋きっかけとはいえ、ひたすら読んだり書いたりする情熱才能がある。教育を受けてないってバカにされても、一人で学び、書き続ける根性~。
 社会主義のなんだかんだは私にはいまいちはっきりわかんないけど。集会での演説、すっごかった。イタリア語、まったくわかんないけど、勢いとリズムがすごくてひきこまれる。見惚れる~~~。素敵すぎる。

 作家になって金持ちになって、でもどうしようもなくやさぐれてる姿もまたかっこよかった。セクシーだ~。
 ルカ・マリネッリ。うまい人だなあ。覚えた。

 

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映画 「トランセンデンス」


*ネタバレします。


映画 「トランセンデンス」

 

 ウィルとエヴリンは夫婦で科学者。人工知能、量子コンピューター等駆使して人類の未来のための研究を進めている。
 研究のプレゼンテーションをしに出かけた先で、反テクノロジーのテロリストにウィルが撃たれた。いくつかの研究施設で同時に起きたテロ。多くの研究者が殺される事態に。幸いウィルは軽傷だったが、銃弾に仕込まれていた放射性物質だかなんだかの毒で治療の手立てもなく長くてひと月半の命だと告げられる。
 エヴリンは、チンパンジーの脳をコンピューターにデータとしてうつすことに成功していた他の研究者の功績から、ウィルの脳をコンピューターにうつそうとする。
 エヴリンのために協力するウィル。二人の次に頭がいい、と、夫婦の友人のマックスも手伝って、ウィルの脳はコンピューターの中で目覚めた。
 ネットワークに接続し、自分でさらなる進化をしていくウィルのAI。だが、それは人類を支配下におさめる試みではないのか?

 2014年製作。スーパーの前でワゴンセールやってたDVD買っちゃった。
 暴走するコンピューター、という古典的な話だな、と思うけど、ハイテクっぷりが進んでいる。多分公開当時、ジョニデの映画だ~と思って見に行ったと思う。面白そうなSF! と期待していったけど、期待したほど面白くないなと思った気がする。

 今見ると、そんなつまんなくはないと思った。マックスってポール・ベタニーだ~とか思ったり。何よりキリアン・マーフィ目当てでの見直し。見に行った時にも多分かっこいいとは思ってた、けど、やはり沼った今見直すといっそう楽しい。

 前半は結構しっとり抒情的な感じとか、ハイテクやりつつも落ち着いたなつかしさみたいな世界で、地味にデータをとってアップロードしてみて、とかそれなりに丁寧に作ってる感じがある。エヴリンが盲目的にウィルをコンピューターに、ってなってるのが、なんかまあちょっと、ねえ、落ち着いて?? 人の話も聞いて? ってなっちゃうけど。彼女も物凄く優秀な科学者でしょう? いくら愛に狂ったとはいえ、そんなに~? と思ってしまう。
 で、後半になると、AIウィルがストーカー男みたいでもうヤダ、ってなるの。ねえ、そこまで行く前に気付いてくれ。わりと最初からヤバイっしょ。
 どーもキャラクタがてきとーだな~って感じがしてしまう。

 ナノテクとかがほとんど魔法だな~とかも。あんなに魔法みたいなことができる??? ナノテクってそんなに魔法??? 最初の方の感じがわりと現実と地続きのテクノロジーっぽい所から始まったので、進化? の描かれ方に私はついていけなかった。まあ、何が本当らしいかとか、私にテクノロジーのことは何もわかんないのだけども。うーん。

 そしてまあ、なんとかAIウィルをシャットダウン、できた、かな。でも電気とかいろいろ世界的にテクノロジー方面ボロボロになってしまったのです、みたいな。冒頭に戻る。事件そのものは5年前から3年前あたり、ね。世界、タイヘンだなあ。
 一応、文明警鐘みたいな映画だったのかなあ。

 前半の、なんかシャイだったりやつれていったりするジョニデは素敵です。

 で、キリアン・マーフィが演じているのはFBI捜査官。ハイテク担当みたいな感じ? モーガン・フリーマンが演じてる博士と協力関係にあって、関わっていく。クールで有能な感じ。AIウィルとエヴリンの施設に行ったあと、あれは軍隊作ってる、と博士と同じく理解して、FBI、政府側の保身はかりつつ、テロ組織を利用してAIウィルを破壊する作戦実行。
 とまあかっこいいんだけども、なんせキャラクタの扱いが背景的。一応これ、ウィルとエヴリン夫婦の愛の物語、でもあるのかなあ。壮大なことになりそうなんだけど、焦点はエヴリンかな。
 FBIで軍も動かしてるのに、なんかちょこっとした感じ。秘密作戦みたいなこと、か。うーん。
 ま、キリアンがやっぱかっこいいステキと見直せて楽しかったです。

 

 

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映画 「ダブリン上等!」


*ネタバレします。

 

映画 「ダブリン上等!」


 レジの女の子を口説いている男、が、甘い言葉で急接近、かと思いきや、いきなり殴る! 男はレジから金を奪って、大騒ぎの逃走!

 ってなかなかインパクト強い始まりだった。
 2003年製作。アイルランド・イギリス合作。最初に出てくる男、レイフを演じてるのがコリン・ファレル。一応主役? 主役なのかな。メインキャストではある。

 原題は「intermission」。休憩とか幕間みたいなことね。人生の合間、みたいなことかなあ。DVD買って積んでたのを見た。

 街のあちこちのいろんな登場人物がバラバラとあれこれしてる、人生、が、だんだん絡み合って、はじける、みたいな。群像ドラマ、かー。

 レイフはチンピラ。一匹狼のちょっと過激暴力的刑事。スーパーの店員やってるジョンとオスカー。仲良し。ジョンはデイドラという彼女がいたのに、試すつもりで別れ話して、ほんとに別れちゃって6週間。スーパーの上司にうんざりしてる。しかも禿た中年男ともう付き合い始めてると知って大ショック。バス運転手のミックは突然ガキが石を投げつけてきて、事故る。証言を信じてもらえなくてクビに。デイドラの妹サリーは以前男にひどい目にあわされてから男不信。ニンゲン不信。禿の中年男は銀行員で、結婚してて14年連れ添った妻を放り出してデイドラにでれでれ中。

 そんなこんなの人々の人生~。ままならぬ人生~。みんなクセが強いぞ~。

 暴力とか無茶苦茶さとかに、最初は、は??? なんだお前ら??? てびっくりしながら見ていたんだけど、どんどん可笑しくなって笑っちゃって、楽しく見終わってしまった。
 アイルランド版トレインスポッティング、って感じもちょっとしたけど、この映画は若者だけじゃなくていい年した大人もだいぶ無茶苦茶してる。一応メインは、レイフと、ジョンとオスカーとデイドラ、あたりかな。だからまあ、若者たちだけど。

 コリン・ファレルもアホチンピラやってて可愛かった~。17年前の映画だものねえ。若い。可愛い。
 そしてキリアン・マーフィ~かっわいい~~~(*ノωノ) ジョン。デイドラのこと好きなくせに気持ちを言えないヘタレ男。キレるし。彼女に文句言う時、ちょっと声がひっくり返る感じになったりして、ああ~~~若者よ。可愛いなあ。喋り方もほんと可愛かった。好き。

 レイフとミックとつるんで、銀行マン脅して金を奪う計画、で、人質にする彼女がデイドラと知って、計画にのっちゃう。酷い奴~~~~。でも彼女を傷つけるな、とかはいってたけどさ。
 一応、最後の最後には頑張って、結婚してずっと一緒にいたいって、きみも同じ気持ちなら。どうかな。って言って、めでたしめでたし。レイフは刑事におっかけられて結局死んでしまった。オスカーはサリーとくっつくだろう。ミックは車椅子の王になった、かな。銀行マンは妻の尻にしかれまくりになるみたい。
 一応、大体はハッピーエンドだろうか。無茶苦茶な感じではあるけど。見終わった時の気分は楽しかったな~ってなる。それはすごくいい映画な気がする。

 私は主にキリアン目当てで見たので、うっわ、若い。20代後半のキリアンかあ。可愛い。可愛い。うわ~可愛い。とにかくずっと可愛くて参った。
 片耳ピアスしてる~。なんかひょろっとしてる~。うっかり熟年があふれてるクラブ?に行ってしまい、熟女に口説かれてうんざり顔とか~。上司にキレたり。ヘンな顔ゴムマスク被っての強盗もどきとか。ゴムマスクの下から見えるあの綺麗な青い目がたまんないっす。はー。あの目だけで気づかれちゃうだろ~。女の子に素直になれないヤング。可愛い。彼女が残してったブラを発見したらやっぱ匂いを嗅いでしまうとか~。ダメ男子だった。すごく可愛かった。まあこの映画、ダメ男子しかいないんだけど。

 あとなんかすごく謎でひかれてしまったのが、ジョンとオスカーがブラウンソースっていうのをなんにでもかけてて、ついには紅茶にまで入れて、美味しいっていってたやつ。
 ブラウンソース? HPソースとかいうものらしく。王室御用達とか? らしい。バーベキューソース的な感じらしく、多分、ポテトだとか、料理ものにかけるようなもの、みたい。それを紅茶に、かなりたっぷり入れてた。そしておいしいって。レイフがつい、つられてやってみると、悪くねえな、から、うまい、ってなって。強盗計画でデイドラの前でもそれちゃって、デイドラがそんなことするやつって。ジョン? となるの。ヘンすぎる好み、だからってことは、多分そんなの入れた紅茶はマズイんだよね……でもなんか、あれ見てると美味しいの??? って思って、美味しそうかも、ってなって、試してみたくなる。
 いや多分絶対マズイだろう。だろうけど、美味しいの??? アイルランドや英国ではきっと試してみた人がいっぱいいるはず、と思ってしまった。わかんないけど。つい、ちょっとググっちゃったもんな。どっかで買えないかなと。すごくそそられるシーンだった。ブラウンソース、紅茶に入れるのはともかく、試してみたい……。面白かったな~。

 

 

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映画 「麦の穂をゆらす風」


*ネタバレします。


映画 「麦の穂をゆらす風」


 1920年代のアイルランド。医者であるデミアンはもうすぐロンドンへ旅立つ所。親しくしていたうちへ挨拶に行った。そこに国防軍がやってきて集会禁止とわめき、一人ずつ名前をチェックしていく。並ばされたミホールは英語での名前をいう事を拒否して、殺されてしまう。どうしようもなく見ているしかなかったデミアンたち。
 目の当たりにする祖国での英国側の横暴。旅立つための列車を逃したデミアンは義勇軍に加わって、英国からの独立のために戦っていく。


 2006年製作。カンヌでパルムドール、最高賞とったこの作品、キリアン・マーフィー主演だし、見ようとは思っていたものの、結構辛い映画なんじゃないかなーと思って、ためらっていました。んでもDVD買っちゃった。
 私はアイルランドの歴史についてほとんど知らなかったので、IRAとは何かとかあんまりわからないんだけれども。
 いくつか、小説読んだり映画見たりもあって、なんとなーく、苦しい歴史があるのだなとか、ゲリラ戦、とか断片的には知りつつ。
 この映画を見て、英国支配下から逃れたい、自分の国を取り戻したいという根本が少しはわかった気がした。もちろんこれは映画だし。あんまり説明してくれないタイプの映画だし。少しわかった気がするというのもおこがましいような気もするけれど。

 ケン・ローチ監督。巨匠と名高いし、パルムドールとってるわけだし、名作なんだろうなというのはわかってた。けれどやっぱり実際見てみないと、自分がちゃんと見られるかどうかわからないわけで。これは、本当に面白かった。
 面白いって、そういう言い方でいいのかためらってしまうけれど、でも、うまい。面白い。すごく引き込まれてすごく辛くなって、すごく好きになる。見てよかった。

 国家という大きなものがありながら、描かれるのは局所戦。小さな村で、顔見知り友人同士の仲間たち。そしてテディとデミアン兄弟。
 二人は両親を亡くしてる。テディが兄、神学校から帰ってきたらすっかり男になっていたよ、ってデミアンは言う。そして今は義勇軍のリーダー的存在。デミアンは村一番の優秀な子で、医者で、期待されてて。ロンドンで世界一の病院に勤めるんでしょう、と言われてた。でも、行かないで、ととめられる。医者が必要だしあなたが必要だ、と。

 デミアンは、捕まった時に、テディをかばって自分がそうだ、って言っちゃうほどに、いつも、兄にはかなわないと、小さな弟の気持ち、兄への尊敬崇拝の気持ちを持っていた。義勇軍に加わって、最前線に行く。
 戦争、とはいえ、義勇軍は貧しく、武器を英軍から奪うための作戦とかしてる。待ち伏せて不意打ちだとか、ゲリラ戦しかできない。
 匿ってもらってた家を英兵が家探しにきて、女たちがひどい目に合わされるって時に、銃は持ってても弾がなくて、隠れて見てるしかないってシーンがあって。あまりにも辛い。酷い。

 裏切り者がいる、とわかって、処刑もしちゃう。領主はまあ、悪役かなとは思うけど。体制側だろう。んでもそこで雇われてたクリスは、白状しろと詰め寄られたら言っちゃうだろと思う。辛い。クリスを処刑、引き金を引いたのはデミアン。幼馴染だったんだって。それでも、裏切り者を許すわけにはいかないから。ちゃんと埋めてやる。母親に遺書を書いたか? ときいてやる。でも、母親は字が読めないから。伝言を伝えてる。

 この戦いはそれだけの価値があるのかな、とか、もう心が何も感じない、とかぼろっとこぼすデミアンを見るのが苦しすぎる。恋人がいてハグするけど、デミアンの心が死んでいくのが辛い。

 ついに、英国と講和条約が結ばれるんだけど、国王に忠誠をとか、北アイルランドはイギリス領のままとか、納得できない派と、自由領だ、と喜ぶ派に内部分裂してしまう。
 テディとデミアンも対立することに。
 テディは軍として。デミアンはゲリラ戦を続ける方に。デミアンをひきとめる兄に、もう12歳の子どもじゃないって言うの、辛い。あんなに兄を崇拝してたのに。おにーちゃん大好きっこで、おにーちゃんも可愛い弟、自慢の弟って思ってるはずなのに。

 最後には、武器の捜索現場で大事な仲間の死に動揺して捕まったデミアン。武器の隠し場所を言えば助かると説得するテディにデミアンは、クリスを殺したのは自分なんだよ、と言う。仲間のことを喋るなんてできない。その資格はない、ってことなんだなあ。この独房で向き合う兄弟のシーン最高だった。

 暗い中。無言で動かないデミアン。テディの説得で、クリスのことを言うときだけ伏し目がちだった瞼をあげて、テディを見つめる。キリアンのあの青い目がこのシーンで際立つ。最高すぎる。美しくて凍りついている青い瞳。かすかに涙が浮かぶ透き通る青。最高すぎるんだよ。

 テディが処刑の号令をかける。仲間を、弟を殺す号令。死体になったデミアンを縛った縄を解きながら泣くテディ。

 この戦いは。
 それだけの価値があるのか。

 内戦だとか、国の分断だとか、今もある問題ではあるんだけど。私はあんまりわかっていなくて、考えられなくて。この映画を見てわかったというわけじゃないけれども、支配と抵抗って一面的じゃなくて、ほんと難しい。辛い。人道的であってくれ、と願うくらいしか……。でも。……どうなんだ。
 どんな戦争だって嫌だ。どんな争いも。どんな人殺しも。嫌だ。でも支配されるのも嫌だ。難しい……。

 ケン・ローチ監督は英国人で。英兵を残虐に描きすぎ、とか批判も国内であったりしたらしい。その辺はどうなんだろうな。私にはわからないけど。英兵、あまりにも高圧的で嫌すぎる奴らだったけど。いつゲリラ襲撃受けるかわからないとか、殺されるかもと常に思ってる状態なのかなあと思うと、狂ってるくらいの精神状態でしかいられないのかなあとも思う。わからないけど。
 義勇軍側もそうなんだけどさ。

 映画の冒頭は、フィールドホッケー? か、なんか、してる若者たちのシーンで。ゲームで楽しい時間もあったりした、普通の若者たち、が。戦いに行くんだなあと。切ない。
 また景色が綺麗で。とても。とても、緑が綺麗で。草っぱらとか、樹木とか。アイルランド、緑の島ともいわれるとかいうのわかる気がする、緑のうつくしさで。
 緑の中で。
 草地で腹ばいになって、戦闘訓練して。すぐ任務に放り込まれるのなー。辛い。

 本当に、見応えありました。見てよかった。


 特典映像として、撮影風景とかインタビューとかありました。ケン・ローチ監督、脚本を撮影する分、前日とか当日朝とかに渡すらしい。役者の演技、興的に撮るんだって。たいへん。でもみんなそれでよかったみたいに言ってた。すごいな~。
 キリアンのインタビューもあって、来日インタビューなんてのもあって、来日してたのか! わあああ~~~という気持ち。ぐはー。可愛い。2006年てちょうど30歳くらいか。んあ~可愛い。素敵。はー。すごくいい。

 カンヌのパルムドール受賞知ったのは、フランスで家族で休暇してて、テレビもラジオもなく、電話を受けて知ったって。どういう休暇??キャンプ?? まーラジオもテレビも見ないってことなのかな~。なんかすごくらしいと思う。
 監督の撮影はどんな風? っていうのを丁寧に答えてて、でも途中で、あーあんまり詳しく言うと監督は嫌がるかも、って笑って、ちょっとざっくりめに言い方変えた感じがキュートだった。すごく、監督のこと尊敬してるんだろうなあ。
 出演決まったのは、たまたま監督の知人と知人で(?)監督に会いにいって、話して、いくつか演技してみせて、決まった、らしい。人脈~~~。でもまあ当然って感じはする。アイルランド、コークという地方舞台で、キリアンはそこ出身なんだって。そしてあの演技できる俳優がいるわけだもの。使うでしょうねえ。
 いろいろと大満足でした。DVD買ってよかった。

 

 

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映画 「窮鼠はチーズの夢を見る」


 *ネタバレします。


映画 「窮鼠はチーズの夢を見る」


 大伴は可愛い妻がいていい会社で働いていて、都合のいい浮気相手もいる30歳くらいの男。ある日、大学の後輩だった今ヶ瀬が仕事帰りの大伴を待っていた。7年ぶりくらいの再会。
 今ヶ瀬は探偵会社で調査員をやっていて、大伴の妻から浮気調査の依頼を受けていた。きっちり押さえられている証拠。離婚したくない大伴は、調査で何も見つからなかったことにしてくれと頼む。
 今ヶ瀬の要求は、金ではなくカラダ。キスだけ、という約束に大伴は応じた。

 BLの大人気漫画、らしい、原作を私は読んだことがなくてちゃんと知らないのですが。BLじゃなくてちょっと大人向け少女漫画? レディコミってわけでもないのか。でもなんかロマンポルノか?? ってなセックスシーンがっつりあって、男女でも男同士でも、それは原作もそうだったってことなのかな。
 2006年くらいのコミックらしい。ちょっと古臭い気がしたのはそういう感じかなあ。よくわからない。ともあれ、映画は映画として。

 異性愛者であることを疑いもしなかった大伴は、学生時代から熱い思いを寄せていたらしい、けれど打ち明けられることはなかった今ヶ瀬との関係をずるずると続けることになる。
 流されやすい、というか、モテることが心地いいんだろうなあ。自分を好きな人がいるのが好き、みたいな感じだろうか。
 妻が好き、といいつつ、迫ってくる女の誘いは断らない。自分から何かを言い出さない。人当たり良くてかせぎもよくて、いい夫であるのに、妻は情の薄い大伴より別の男を選んで離婚した。
 ずるい男。
 いつも相手に何かを言わせる。自分を好きな相手に任せて、モテて流されやすい俺、という淡々としたずるい男、大伴先輩。

 今ヶ瀬は一目ぼれしの大学時代からずっと、7年、8年、想い続けて、偶然の再会から今度はぐいぐい執着をあらわにしていく。可愛い後輩の立場、フリをしながら、流されやすい大伴のずるさに苦しみながらも離れられない。

 んもお~~~~素直になれよーーーー。
 とはいえ、素直にみんな自分の都合ばっか考えてる感じ。見事に出てくる人物、誰のことも好きじゃなかったわー。
 特に、女性キャラクター、ほんと見事にヤな感じの、あ~BL漫画のつまんない女子キャラ、って感じがした。ほんとの原作はもうちょっと深いのかねえ。でも映画ではほんと、あ~~~BLの世界のモブ扱いなペラい女子キャラ、って感じだったなあ。

 主演の二人、大伴先輩の大倉忠義さんてジャニーズで関ジャニの人なのね。今ヶ瀬は成田凌。若手注目株みたいな人な気がする。私はあんまりよく知らないながら、人気者なんだろうなというのはわかる二人が、あんなにがっつりセックスシーンやるとは思ってなくて、びっくりした。セクシー、さは、まあまあ、かなあ。
 BL漫画で読むと萌えるであろうシーン、やっぱ、生生しく見るとちょっと困っちゃう感があったなあ。喘ぎ声、無理しなくていいよ、と、いいたいような。
 でもほんときれいな絵のような、ムキムキ鍛えたわけでもないつるんとした生身の二人の姿を見ることができてよかったです。

 でもリアルかっつーと、あんまり、リアルでもないような。なんかそういうぐずぐずダラダラな、くっついたり別れたりのカップルっているのかなあというリアルではあるんだろう。
 けど、映画、映像として映し出されてる世界が、あ~なんか、なるほど、漫画の実写化、という感じ。ま、漫画の実写化なので、そりゃそうなのでしょう。
 おしゃれ映画、ってわけでもなく。生々しい感じはありつつ、画面のリアルはあんまりない。微妙。なんか、どーも私にはおさまりが悪い印象だった。
 
 時々、シーンとして、あ、いいな、というのもあったのでよかった。
 いつも今ヶ瀬が座ってた椅子に、女が座ってるのを、おいで、と優しく呼んでおろさせたり。大伴先輩、自分の恋心を決めるまでにめちゃめちゃ時間がかかるんですね。

 きのう見た「マティアス&マキシム」も、ゲイではなかったのに友達との関係が友情ではすまなくなってどうしようぐらぐら、ってところは同じ、ではある、んだけどん~~。まあ比べられるものじゃないかな。

 大伴先輩が、今ヶ瀬と別れた後、わざわざゲイバー行ってみて、やっぱ違う、みたいに泣いちゃうのは、なかなか。あんなマッチョタイプしかいないようなお店にいくから~。でもなんか、そう、俺はゲイじゃない、今ヶ瀬のことを好きになってしまっただけ、お前だからだ、みたいな感じは、なかなか。まー。そうか。そうだなと思う。そういう風にしか思えないところなんだなあ。

 結局、婚約までいった岡村さんと別れ。今度こそ一人になって、今ヶ瀬が戻ってくるのかどうかわからないけど、待つ。という感じで終り。
 不思議とすがすがしいラストだけど。今ヶ瀬くんはまた戻ってきちゃうのかなあ。今度こそ本当に大伴先輩はふらふらせずに一緒に生きていけるのかなあ。今ヶ瀬くんは安心できるのかな。安心するのが怖いって自分からぶち壊しちゃいそうな危うい子だからなあ。戻ってきてもまた不幸になるのでは。でも、今度こそ? わからないけど、二人がちゃんと生きてしあわせになってほしいと思った。よりを戻しても戻さなくてもさ。

 一応、くらいのつもりで見に行ったけどでも見に行ってよかったな。いいところもいまいちなところも、どーなんだと思いつつ面白かったです。

 

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