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映画 「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」


*ネタバレします。


映画 「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」


 大学生のギャッツビーとアシュレー。付き合ってまもないカップルだ。アシュレーは地方出身。学生新聞の取材で、憧れの映画監督に取材できることになった、マンハッタンで!と大喜び。ギャッツビーはマンハッタン育ちなので、じゃあ一緒に行って彼女が取材を済ませた後の週末は地元を案内して素敵なところ沢山案内してあげる、と、デートプランを練る。
 一緒に楽しい時間を過ごすつもりだった二人の、すれ違いの物語。


 主演ティモシー・シャラメってことで昨日の初日見に行ってきた。都会っ子で金持ちの家の次男でポーカーで気軽に大金儲けちゃうギャッツビー。頭よくて本沢山読んでて物知りで風変わりで若者らしくモラトリアム、鬱屈しながらも自負心は強くて、親に反発して、でも金持ちであることにはあぐらをかいてるギャッツビー。シャラメたんだもの、あの顔の良さでうっとり。ピアノを弾いてちょっとだけ下手くそに歌を歌って。凄くよくしゃべる。モノローグも喋る。ずーっとティモシー・シャラメの姿、声、演技を堪能できてステキすぎる。

 アシュレーを演じてるのはエル・ファニング。ジャーナリスト志望で、巡ってきたチャンスに浮かれてはしゃいで、美人だけどちょっと素朴さが心配になる危なっかしさもチャーミング。素晴らしく可愛い、んでも酔っ払って変顔も存分に披露する、あ~~~若くて可愛い子で心配、ああああ~~目が離せない、そりゃおっさんたちこういう子に側にいて欲しいってなるよねええって最高に名演技。

 ジュード・ロウ、最初わからなかった。妻が友人と浮気してる脚本家役ね。全然かっこよくない役で面白かった。ディエゴ・ルナが誰もがきゃーきゃーいうセクシー俳優役ってのも面白かった。
 そんなこんなで素敵なマンハッタンの街のあちこち~とか、舞台は現代のはずなのにクラシカルな雰囲気とか、楽しめるところは沢山あった。

 けど、なんか、うーむ。

 ウッディ・アレン監督、有名だし人気だなと名前は知ってても今まで私はちゃんと作品見たことがなかった。みた事ない、と思う。監督の名前とか普段あまり意識してないから自分でもよくわからないけど。多分自分の好みではないだろうなーと、なんとなく見てない気がする。そもそもヘテロの恋愛ものに興味ないのだ。


 で、今作は。me too運動のひとつで、監督の過去にちょっとなんか、どうにも私には判断つかないけどまあ、ごちゃごちゃあったんだなーと。主演の二人は出たこと後悔してるというかギャラは寄付したようなニュースを知ってしまってて。本国では公開見送られた作品なんだよなあ。日本でしれっと公開されて、見に行っていいのかなあ、と、結構悩んだりもして。
 でもやっぱり、見ると、キャストみんなステキで演技堪能できてすごくよかったんだけど。

 そんなこんなの先入観が私にあったせいとかもある、の、かもしれないけど。
 アシュレーがおっさんたちにあちこち連れまわされたり飲まされたり都合のいいミューズ扱いされたりするのを見るのが、すごく危なっかしくて辛いと思う。
 アシュレーが浮かれてはしゃいで、ギャッツビーの気持ちとか思いやれない愚かな女、って描かれてるように見えて、ひどいと思う。なんとなく、地方出身で浮かれてる可愛いだけの女、って描かれてるように見えて、意地悪だなーと思う。アシュレー本人が進んで連れまわされていったわけだけど、そういう描き方がね、意地悪~と思う。

 結局、ギャッツビーはアシュレーと別れて、地元の、元カノの妹にいっちゃう結末。都会の排ガスが僕にはお似合いさ、みたいに卑下してみせる風でありながら、自分のステキなデートプランがアシュレーのせいで全然うまくいかなくて許せなかった心の狭い男って感じ。まーアシュレーが映画スターの新たな恋人みたいにテレビに出ちゃったのを見たら傷つくっていうのもわかるけど。結局、地方の女より地元で、地元ってつまり大都会で金持ち仲間のお家柄で話が通じやすい、シニカルだけど実は自分に恋してたらしい女の子がいい、って感じ。
 アシュレーがもし自分の取材よりギャッツビーとのデート優先、ギャッツビーが案内してくれる場所にいってニコニコと、わあ凄い、あなたって素敵、こんな素敵なデートありがとう夢みたい! みたいに言ってくれてたら、別れなかったんじゃないかな~って思わせるのが、つまらない男って感じ。

 都会育ち、金持ちたちのスノッブさ、みたいなのがシニカルでおしゃれ、みたいなノリの作品に見えて、私には無理~と思った。もうそういうの楽しめる気分じゃないよ。私が田舎育ちで金持ちでもないから余計、ってこともあるだろうし、もともと好きでもなんでもない監督への先入観を持ってしまってから見たのもあるだろう。
 うーん。けどやっぱ、私が好きになれるような映画ではない気がするかなあ。軽やかな若い男女の恋のゆらめき、みたいなの、私は楽しくないからなあ。
 ウッディ・アレン監督ファンの方からは、これは上出来な方のウッディ・アレン監督作品、みたいな好評があるねえ、と、感想眺めたけれど、私にはわからなかった。やっぱ私には合わないタイプの監督なんだろう。

 でもほんと、ちょい役のキャストも主演二人の演技、姿もとってもとってもよかったので、登場人物として好きになったりはしなかったけど、見られたのはよかったよ。

 

 

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