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映画 「SKIN スキン」


*ネタバレします。


映画 「SKIN スキン」


 白人至上主義を訴える集会。そのイベントで、女の子三人が演奏する所で野次をとばす奴をボコるバブス。女の子たちの母、ジュリーと親しくなり、次第に今の自分に嫌気がさしてくる。

 1日に見に行った。
 ブライオン、バブスっ呼ばれて。実話ベースなんだな。
 少し前に、この映画のもと、というか、短編があって、それがサイトで公開されていたのを見たのでした。もっと小さい男の子のストーリー。一見優しい両親に育てられてて。けれどその親はレイシストで暴力的。そこから起きる悲劇。20分あまりの中ですごく衝撃があって、長編も見ようと決めた。
 長編撮る前のプロモーション的な短編だったのか、資金集めのためだったのかの短編で、短編映画賞みたいなの受賞したりしてるみたい。今作は、同じテーマではあるけれど、短編とはまた別。モチーフとかはあったけど。

 最初の所、選挙運動だーみたいに言ってたと思う。アメリカでもやっぱり、なんか謎の泡沫立候補とかあるものなのかな。よくわからないけど。レイシストというか、カルトというか。パパ、ママと呼ばせている人物たちは、一見優しい。行き場のない少年たちを拾って集めて、食事や住処を与えて、育てて。でも実際行っているのは支配。洗脳。レイシズム。自分たちをバイキングとかいってたから、北欧系なのかな。

 ブライオンは犬を飼ってて、名前はボス。最初はボスを撫でてもいい? って女の子と知り合って、そして母であるジュリーと恋に落ちる。あれはなんだかな~一目ぼれなのか。ジュリーは大柄な女性で、人間的に豊か、って感じがある。心が。健全に清く正しいって感じではないのだけれども、子どもを大事に思っているのは確か。そういうのにもひかれたのかなあ。

 描かれている世界は、貧しく閉塞感どんより。酒、ドラッグ。黒人たちを排除したいというのを鬱憤晴らしにしてるように見える。容赦なき暴力。どうしようもなく未来が見えない。
 
 そんな中、ブライオンはジュリーと出会って、娘たちとも親しくなって、束の間の幸せ、喜びの時間があった。でも、ファミリーへの裏切りとみなされて、彼女たちを傷つけるような脅しをうけて。ジュリーには、いつまでもレイシズムや暴力と縁を切れないことをせめられる。
 
 FBIへの協力と引き換えに安全を手に入れようとして。けれど怯えて。何もかもなくす覚悟になって数年。やっと入れ墨を消すことができて、ジュリーたちと再会する。
 レイシストからの転向を助ける人たちがいるんだなあというのも、また、すごい。ブライオンの入れ墨除去手術、レーザーで焼いていく感じ? の費用を出してくれる匿名の資産家がいたのね、とか。
 ボロボロに酷い相手にでも、更生のための手助けの道もあるのが、ほんと凄い。

 途中、新たに拾われた少年が悪い方向になってくとか、犬が殺されちゃうとか、ほんっとひどくて辛い。重い。厳しい。ブライオンがしてきたことも酷いし、されたことも酷い。そんな彼と愛し合って、でも絶対に娘を一番大事にするジュリーが強い。善良で素晴らしい母親ってわけじゃないけど、愛が深いんだなあ。

 最後に、本人の姿が出て、ほんとにあの入れ墨が少しずつ消されていったのかーとわかる。立ち直ったんだな。死ななくてよかったな。更生したからいい人なんだ、って単純にはとても思えないけれど、でも、生きていけばいろんな道がある。

 この頃ほんと、教育の大事さを思う。おかしな思考にしか触れることができなかったら、別のことが想像すらできない。知らないことは考えられない。何が正しいのか、は、一概には決められないし、正しさだって時代によって変わってしまったりもする。だからこそ、いろんな知識を、ものの見方を、考え方を、なるべく広く公正に知ることができる教育が必要。マジで、大人はさあ、子どもを守ろう……。

 重くて辛い映画だったけど、ちょっと笑っちゃうようなとこもあったし。ジェイミー・ベル、熱演だった。見に行けてよかったです。

 

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