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映画 「ダークナイト」


*ネタバレします。


映画 「ダークナイト」


 10日(金曜日)に見に行きました。IMAXで。再上映。ノーラン監督の次作、テネット記念??

 2008年製作。公開時見た時、あまりに凄くて怖くて面白くて、ガチガチに体すくんで固まって集中して見入った気がする。ぐったりした。
 もう展開はすっかりわかっているけど、今回も見終わってなんだか疲労困憊。ぐったりした。さすが。IMAXの迫力で見られてしあわせだ。巨大スクリーンの中にいるような。音が身体に響くよー。最高。

 三部作の真ん中ということもあってというかなんというか、ブルース坊ちゃまのあやうさが際立つ。ジョーカーに何度もルールに縛られていることを嘲笑されて、実際バットマンはダークヒーローとはいえヒーロー。彼なりの正義感。ジョーカーを私刑にはできない。怒りに任せて殴ることはしても、轢き殺すとかしない。捕まえて警察に渡す。法の秩序。あんな、ゴッサムシティでありながら、だからこそ、か。腐敗や裏切り者がいるって思いながら、ゴードンを信じて、今回の場合ハービー・デント検事を信じてゆく。

 このもどかしさがな~~~。辛い。

 BBCシャーロックのように、こいつが悪いからこいつ殺す。ってことをできない。シャーロックが恐喝王殺した衝撃、その時すっごくこのダークナイトのバットマン思った衝撃。正義とは? ヒーローとは??

 このジョーカーはバットマンに執着することが楽しくて、悪に世界を落とすことが楽しくて。嘘も本当もなく、金が欲しいとか一見理由がありそうででもどうでもよくて、世界が燃えるのを見るのが好きなんだ、という、それ。
 雑なメイク、くずれまくったメイクの顔が本当に怖い。こちら側の話がまったく通じないから。

 先読み能力も凄くて、何もかもがバットマンたちのうわてを行く。そーだよなあ。警察やバットマン、事件が起きてからじゃないと動き出さないもの。ジョーカーに心酔してすげえってなってついていく下っ端になりたいという気持ちになる。そして気まぐれやちょっとのミスですぐ死ぬ雑魚キャラになるんだな私……。

 そんなジョーカーの思惑に唯一勝ったのが、フェリーで爆弾の起爆スイッチを押さなかった、互いへの思いやりを持った市民たち、という構図も凄い。強烈なカリスマ。けれど無名の市民たちが、負けなかったこと。希望だった。

 ノーラン監督って、なんかこう、世界を造るのが好きなのかなあと思う。魅力的な登場人物たちがいるけど、その個々人の心のひだとか描いて見せるというよりは、そういうのは観客が思い入れしてそれぞれ感じてね、って委ねてる感じで。映画の中に監督が神となって造る世界、を、緻密に成立させることに熱心みたい。なんとなくの勝手な印象だけど、人物についてはあくまで配置、みたいな。監督は、神。次のテネットの予告とか特別映像とか見ても全然どういうことになってんだかわからない。不思議。神の思惑ははかり知れない……。

 今作にもスケアクロウ、キリアン・マーフィーが最初にほんのちょこっと出ていて、きゃっほ~と思って見た。一応そこそこセリフもある。けど、ほとんどずっと麻袋被ってて、なんか、なんで。それわざわざスケアクロウである必要あるのかな?? けどノーラン監督のお気に入りってことでいいのかな? 不思議~、と、楽しかった。このキツイ映画の中の数少ない癒し。あ、アルフレッドももちろん癒し。でもレイチェルの手紙、ブルース坊ちゃまに知らせずに燃やしちゃってもううううう。辛いね……。


 
 と、こう、映画メモ書いてる今日、岡井隆の訃報を知ったのでした。10日に亡くなられたそうです。岡井先生……。泣く。
 岡井隆に毎月、短いお手紙と、歌を出す日々が、終わったのか……。ありがとうございました。

 

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