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映画 「暗数殺人」

 

 やっと、映画館へ映画を見に行ける日がきた;;
 
*ネタバレします。

映画 「暗数殺人」

 刑事であるキムは情報屋の紹介で、死体を運んだことがあるという男の話を聞いていた。
 しかしそこに他の刑事が踏み込んできて、その男カン・テオは恋人殺しの容疑で逮捕された。
 しばらく後、キムにテオから電話がかかってくる。警察の証拠は捏造だ。本当の証拠は別の場所にあるから、という話を聞かされて、キムが言われた場所に行くと、殺された女の服などを発見する。
 警察仲間からは嫌がられながら、キムはテオが7人殺したと自白した話の捜査を進める。実際、切断された人体の白骨を掘り出したが、テオは供述を強要されたものだといい、容疑を否定する。
 テオは何故キム刑事に話続けるのか。告白を引き出すために差し入れや金を渡してまで捜査を続けるキム。過去の事件を追うにも決め手となる証拠はなく、テオに翻弄されるばかり。キムはそれでも、諦めなかった。

 これは4/3日が公開日だった。映画館に行くの、いいのかなどうしようかなと思ってると緊急事態宣言になって、見逃してしまったーと思っていたんだよね。やってくれてよかった。

 刑事さん、実家が金持ちで、刑事として必死っていう感じがなくて、淡々としてるのが良い。評価や昇進求めないからこそこの事件にのめり込んでいけた、というのはなんとなく皮肉。金持ちだから目をつけられて、話と交換に金銭要求しちゃおーってされたんだろう。しかし犯人も殺された人たちも、貧しい暮らしをしてる層。あまり交わることのないはずの二人が、殺人事件によって出会う。
 テオは多分最悪な家庭に生まれ育ち、ある時たぶん父を殺した。それが最初の殺人で、その後も逃げ延びてしまった。賢くしたたかなサイコパス。一般的な倫理観ゼロ。
 これ、実際の事件がベースとのこと。2017年に捕まったとからしく。それって韓国ではあの事件の映画だ!ってすぐわかる感じなんだろう。そんなすぐ映画化しちゃう??? 
 犯人は、獄中自殺したそうだ。だから映画化できたのかな。けれど、キム刑事はまだ、テオの告白した事件の被害者の捜査を諦めていない、らしい。重い……。

 犯人やってるのがチェ・ジフン。「神と共に」のヘウォンメクだよね。黒金星も見たぞ。あの人が。こんなにも本当に本当に厭な奴、こわい奴になってるー。と、演技力に参る。背が高いのねー。ヘウォンメクの時にはいかにもすらりとかっこよくって最高のコート姿だったな! この作中ではその背の高さが厭な迫力で威圧感で、もっさりしてるけど強烈で。頭よくてけど思いやりとかゼロで話通じない。人を弄び、人の運命を変える男だった。こわい。
 刑事に話したい感じとか、刑事をコントロールしようとしてたのが逆に過去、犯行を暴かれていくのを聞かされてる時の冷え切ったひかりのない目が凄かった。
 
 最初は翻弄されるばかりだった刑事さんが、地道な捜査続けて、なんとか主導権とろうとするのとか、一見正義感とかなさそうで、やる気もそんなにあるわけじゃなさそうなのに、じりじりと粘り強くあるのが凄い。テオとのやりとり、駆け引きも凄く面白かった。
 実話ベースってことで、簡単に面白かったとか言っちゃいけないなと苦しいんだけど。でも凄い、面白い映画だよ。
 
 子犬一匹いなくなっただけでも大騒ぎする人がたくさんいる世の中で、人知れず殺され、埋められ朽ち果てていく被害者がいることを見過ごせない、って語ったキム刑事の静かな深い怒り。
 行方不明のままの人。事件と認識されないこと。迷宮入り。殺人事件にカウントされない暗数。多分韓国だけじゃなく、どこの社会にもあるんだろう。テオの本当っていうのはわからない。殺したのが7人というのが本当なのか嘘なのか。何故殺したのか。わからない。それでも、こうして声を探そうとする刑事がいるのは、救いが少しは、あるのかもしれない。


 久しぶりに映画館で映画をみられてよかった。しかも面白かった。見たかった映画をちゃんと映画館で見られるしあわせ。ありがとう映画館。
 コロナ対策で、入り口で検温とか、チケット発券にも人との距離とってとか、入場するまでにこれまでよりずっと時間がかかる。あちこちに消毒液置いてて。座席も市松模様状態の制限。でも隣に人がこないんだなって思えるのは安心快適。でも映画館的には席数半減だからツライですよね。ごめんなさいありがとうございます。
 なるべく当分は定価払って行こうかなと思う。けど。やっぱサービスデーも利用させてください~。ごめんなさいありがとうございます。今月はやっぱり見たい映画の公開日が重なる、嬉しいけど、ちょっと困る。でもでも、見に行くー。まずは自分自身の体調管理、健康に十分気を付けていこう。もうコロナ感染広がりませんように……。

 

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