« 映画 「コリーニ事件」 | Main | 映画 「エジソンズ・ゲーム」 »

『約束』(ロバート・クレイス/創元推理文庫)


*ネタバレします。

『約束』(ロバート・クレイス/創元推理文庫)


 ロスの私立探偵であるエルヴィス・コールは、メリル・ローレンスという女性から、同僚、というか部下だったかな、エイミー・ブレスリンを探して欲しいと依頼を受ける。エイミーは息子ジェイコブをテロで亡くしていた。メリルから得た情報をもとに、コールはまずトマス・ラーナーというジェイコブの友人らしい男の家を訪ねてみた。

 その家は、ロリンズ氏という偽名を使う男が、犯罪組織との取引に使う家だった。エイミーは爆弾を作る材料をロリンズ氏を介してアルカイダに売ろうとしていた。ロリンズ氏の家に、チンピラが使いっぱしりにやってくる。警察に追われながら。
 ロリンズは厄介を避けてパシリの男を殺した。そこへ、警察犬マギーをつれたスコット・ジェイムズが来る。いったんはごまかしたものの、スコットに顔を見られたロリンズ氏は、彼を始末しなければならない。ロリンズ氏は、自分のルールを守って慎重にずっと隠れてうまくやってきたのだから。


 そんなこんなで、私立探偵のエルヴィス・コールと相棒ジョー・パイクのシリーズ、に、『容疑者』でコンビになったスコットと警察犬マギーが登場してきて、成り行き上コールに協力することになって、警察組織との板挟みでたいへんだったりする話。スコットとマギーはシリーズってほどではなく、これは一応、『容疑者』の続編ってことかな。2017年、刊。本国では2015年か。
 相変わらず、マギーの内心描写が可愛くて美しくて参る。犬よ。純粋に賢く仲間への愛情あふれる犬よ。今回もマギーは素晴らしい能力発揮してスコットを守っていてとってもとっても可愛かった。

 やはり前半は、コールは手掛かりを求めてあちこちうろうろしたり電話したりでエミリーのあとをおう。今回びっくりなのは、依頼人メリルがメリルじゃなくて実は国土安全保障省の主任捜査官なんだ、ってわかったあたり。ジャネット・ヘスがホントの名前。最後にはコールと仲良くなっていくのかな~ってとこ。
 『指名手配』はこのあと。らしく。コールってヘスと付き合ってたっけ。女の名前まで覚えてないわ……。

 コールとジョー・パイクだけじゃなくて、ジョン・ストーンという傭兵、凄腕の傭兵が出てきた。一見チャラそうな感じみたい。だけど有能で忍耐強く、兵士としての心意気が強くある感じ。かっこよかった。ジョー・パイクとは仲間って感じ。コールのことは、何だあいつ、くらいに思ってるけど、しっかり協力してた。

 エイミー。息子をテロで亡くした母親。傭兵であるジョン・ストーンは彼女の悲しみが誰よりもよくわかる。
 息子の敵を、なんとか知りたい、殺してやりたい。と、願い狂気し、粘り強く自分でやり遂げようとする能力のある母親。コールたちは途中からエイリーを助ける、という方に舵を切って、協力していく。

 スコットくんは、たまたま犯人の顔を見てしまった男、で、警察には当然協力するけれども、ロリンズ氏に狙われることになって、マギーの命まで狙われて静かにキレる。自分が狙われるのは勿論許せないし、大事な大事な大事なパートナーであるマギーを殺そうとするなんて、絶対に絶対に許せない。犬とパートナーな絆が今作でもほんっとよかった。

 メリルになりすましていたヘスは、内部犯がいるんじゃないかと思ってて、組織と無関係のコールに依頼という捜査を行った。案の定、ミッチェルという捜査官がロリンズ氏と繋がってて、エイミーの爆薬を、エイミーの願いどおりのアルカイダじゃなくて、犯罪者に売り渡す手はずだった。
 
 エイミーがしっかりした母ですごくよかった。ジョン・ストーンとどんな話をしたのかとか書かれてないんだけど、なんかそれもすごくよかった。安易な心情吐露とかより深いと思う。最後、ジョン・ストーンは彼女の願いを叶えたのかもしれない。

 スコットはまた狙われたけどロリンズ氏を返り討ちにしたし。マギーはスコットを守ろうとしてかっこよかった。

 

 主要人物が多いな~~~てなるけど、随時、中心人物の名前でエピソードが重なっていくので、まあ、混乱はしなかった。
 これって、一応シリーズもの人物の話だけど、事件はそれぞれに解決していってるから、ほぼ単発で読んでもいける感じだったかな。前後の小説の細かい内容とか覚えてないけど、十分楽しかった。

 『指名手配』(2019年)の時に、『容疑者』とつづく三部作!みたいにしてたけど、そんな三部作っていうほど深くつながってはいないよね? 登場人物それぞれの続きみたいなことはあるけど。三部作とか言わないでほしいなあ。気になっちゃう。というか気になるように煽りでやってんだろうけど。出版社への不信感。。。

 コールの猫と、マギーとちょっとご対面だったの面白かったな。可愛いな~。
 終盤は面白くなってきてぐっと一気読みだった。作品、人物に私が読み馴染んできたのかな。でもやっぱ、話のひっぱり、人物の魅力、読者の焦らし方が上手いんだと思う。満足した。

 

 

|

« 映画 「コリーニ事件」 | Main | 映画 「エジソンズ・ゲーム」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事