« 映画 「エジソンズ・ゲーム」 | Main | 映画 「ドクター・ドリトル」 »

『三体 Ⅱ 黒暗森林』上下(劉慈欣/早川書房)


*ネタバレします。

 

『三体 Ⅱ 黒暗森林』上下(劉慈欣/早川書房)

 三体世界からの攻撃がくる。と知った人類は、何とか対抗手段を探る。
 あらゆる情報が筒抜けの中、三体人には人間の心が読めない。世界は、面壁者という、誰にも何も言わずただその人の頭の中でだけ作戦を立てる四人の人間を選ぶ。彼らは人類を救えるのか。

 て感じで、三体からの艦隊がやってくる四百年の間に、なんとか、人類が勝利して生き延びる道を探るべく、面壁人があれこれがんばる話、かなーこの第二部は。

 正直、第一部のことをあんまり覚えていなくて。冒頭の葉文潔、あの文革を生き延びて宇宙にメッセージおくっちゃった彼女のこと、は、覚えてる。けど。あと、大史だーしー、史強ね、タフな刑事。だーしーは今回もわりと出番あって、好きなキャラで認識してる。
 けどな~。
 
 すっごく壮大な思考シミュレーション、もしも他の文明がせめてきたらどうする、というのは、すっごい、凄いなあとは思うけど、登場人物に思い入れがまったく持てず。
 まー正直私の記憶力がダメすぎて、誰が誰とかなんだっけとかすんなり読めなかったりしたせいでしょう

 特に、一応多分メイン、主役の羅ジー(漢字が出せないごめんなさい)の思考が気持ち悪くて。以前作家の彼女がいたとかで、自分でキャラクター生み出してみなさいよ、みたいにすすめられて、理想の彼女を考えだしていくんだけど。で、面壁者に選ばれた特権で、夢の彼女そっくりさんを探してだしてもらって、一緒に暮らすし結婚して娘もできちゃうと。

 ……。いやまあ、作家個人の妄想ですしフィクションですし、いいんだけど。ラオジーくん、一応大学で教えてるとかだから、まあ、いい歳じゃん。いくら若手だとしても30代かな。んで、理想の彼女、学校でたばかり、って、まー二十代前半でしょ、そういう夢の女の子連れてきてもらって、幸せになりなさい、とかって、見つめあって恋に落ちて。って。そういう過程がかなり丁寧に描写されてて、そ、それ大事なとこ????? って、どうにも気持ち悪かった。
 まあ、いいんですけどね。。。

 でも一応、途中お手軽に冬眠とかしちゃってるし、二百年とか過ぎてる未来、結局かいまみえる社会において、女性っていうのが、ぼくのさいこうのりそうの彼女。とか、父の娘。あたりの主体性しかなさそーな社会でしかないなんて。人類滅びちゃえば? と思う。
 今の時点で見てもこの社会80年代くらいの感じ~と思うのに未来って感じに描かれてもなあ。まあ。個人の妄想でしょうからいいけどね。女の主体性とかありえないんですよこの未来では。という世界であっても別にまあ。そうなんですねというしかない。
 途中文明崩壊に近いような、暗黒時代もあったりしたようですし。人類、人口半分になってるらしいし。また原初な社会からやりなおしたのだーってことかもしれないし。と、思ってみても、やっぱ全然この世界にいい意味見られない。私の好みの問題かね。

 それに主眼は三体人が攻めて来る、どうする!? って話だからまあ、まあね。ラオジーくんに理想の彼女がいて娘までできちゃったからこそ、生きる希望、執着になるでしょー。ってことかなあ。けどなー。まあ。私個人的にはドン引き。

 宇宙艦隊が、三体からの探索機一機、水滴と呼ぶ、小さな一機でまたたくまに壊滅状態に追い込まれ、とかの終盤は面白かった。
 そして、人類は負ける。地球は終わりだ、と思って、宇宙艦船に今いる自分たちこそが人類の最後の希望、と、宇宙の彼方へ新天地求めて旅へ、というのも面白かった。ひとまずの目的地までにでも、燃料が足りない、と、5隻残ってたうちで、行動を起こして自分たち一隻だけでも、と、他の艦船を攻撃してエネルギーと予備パーツ、って奪還していく、暗黒の選択もよかった。
 三部ではこの星の戦艦の話も出てくるのかな。どうなるんだろう彼らは。

 ラオジーくんが、ついに三体人を欺ききって、交渉に持ち込んで、人類は攻撃されなくなった。
 宇宙の資源には限りがあるから。文明がある星は自分たちの存在を隠す。他の文明を見つけると先制攻撃以外にはありえない、という説も面白かった。

 壮大だな~。三部では人類と三体世界はどうなってるんだろうな~。と。一応、三部も出たら読むつもりではある。

 でもなんか。これ、ひょっとしてもしかして、リング的なオチだったらヤダな、という気持ち。この小説丸ごとコンピューターシミュレーションなんだよ、異星人が攻めて来たら困るね怖いね、みたいになったりしませんように……。
 お気軽に冬眠に入っちゃうし、夢の女がそっくりそのまま見つかって、見つめあうだけで恋におちて、とか、なんか、てきとうに都合よく進みすぎなんだよなあ。三体人もラオジーくんとの交渉がやけにあっさりしてるし。
 三体人はすべて心の裡を隠さず読みあう人たちらしく。『混沌の叫び』的なモノかなと想像。それかテレパシー全員あるのがあたりまえみたいな? だから人類が陰謀とか隠し事とかするのが理解できない。怖い。みたいな朴訥さがあるよ、ってことだけど。そーなの~~???

 ま、読んじゃってるので三部も楽しみにお待ちします。けど、なー。期待はしないでおこう。期待が裏切られることを期待……。

 

|

« 映画 「エジソンズ・ゲーム」 | Main | 映画 「ドクター・ドリトル」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事