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映画「ANNA アナ」


*ネタバレします。

 

映画「ANNA アナ」


 始まりは1985年。ロシアに潜入していたCIAのエージェントが見つかり、首だけになってCIAへ送られてきた。
 それから五年。
 市場でマトリョーシカの売店の店番をしていたアナは、フランスのモデル事務所のスカウトを受ける。パリへ渡った彼女は事務所の寮でモデル仲間のモードと付き合い、忙しく仕事をこなし、事務所の共同経営者の誘いに付き合っていた。貿易商でもある彼が、ひそかに武器輸出にもかかわっていることを聞き出すと、アナは男を撃ち殺した。
 三年前、アナはホームレス生活から拾われて、どうしようもない男と付き合っていた。儲け話、といって犯罪に手を出す男に巻き込まれボロボロになっていた所、KGBのスカウトを受けた。五年働けば、自由を得られるはずだった。


 公開、待ってましたっ。ほんとは5/8に、クワイエットプレイス2と同じ時で、勝手にキリアン祭りと楽しみにしていたのに;;でも無事公開されてよかった。待ってましたすごく待ってましたっ。世界じゃ2019年にとっくに公開になってたのにね。見たかったよー。

 リュック・ベッソン監督。「ニキータ」や「レオン」と同じく、きれいな女が殺し屋になってバンバン殺す、それを支える男というスタイル。おなじみの、って感じの世界で、でも、今の映画だな~とアップデートされてる感はあった。雑だなーとも思ったけどさ。

 時間が前後しまくり。二回目は、ん? どこ起点で半年前ってこと? とちょっとだけ戸惑ったけど、まあ、わりとすぐなれる。ノーラン監督ほど複雑な感じはない。アナがモデルやっててつきあう相手が女の子だったり。同性愛要素も入れましたよ、って感じか。「ニキータ」だと普通に出会った男とラブラブしてたもんね。アナは、KGBの男、CIAの男とさっくり寝るし、最初付き合ってたダメ男とのセックスはひどそうだったけど、その後はほどほどセックスも楽しんでた。「ニキータ」の頃の、泣き虫な殺し屋、という風情ではなく、自分の自由のためにしたたかに立ち回ることのできる女だったー。

 キリアン・マーフィとルーク・エヴァンスが出てるんだよー。なんてゴージャス。ヘレン・ミレンも。

 ルクエヴァがアナをKGBにスカウトして、多分教育係もしたのかな、そして恋人、恋人かなあ、まあ、仲良くなるアレックス。アレクセイ、と字幕出るんだけどアレックスっていってたよねえ。あれなんで。アレクセイのほうがロシアっぽくてわかりやすいでしょうという親切字幕なんだろうか。けど聞こえてくるのと読むのが違って混乱するっちゅーねん。

 キリアンはCIA。レナード・ミラー。ロシア担当で、五年前に部下を殺された報復を狙っているって感じ。アナをダブルスパイに勧誘。勢いでというか、流れでというか、アナと寝るようになる。恋愛というほどの甘さはないけど、たぶんたっぷり情はわいてて、アナを自由にしようという約束は本気だったんだろう。

 ヘレン・ミレンはKGBの、アレックスより上の人、オルガ。アナの最初の実践投入の時に、弾の入ってない銃を渡しちゃう人。ひっど~。けど、アナの二重スパイのことを知った後、さらにそれを利用して、自分がKGB長官になっちゃう人。強い。したたか。つかKGB長官、CIAはもとより、内部でも人望なかったんだろうな~。オルガが脚のこと、って話したエピソードは何なんだ。訓練の時、オオカミの罠にはまっても三日歩き続けてサバイバル、みたいな感じの話。それだけ私はタフに生き抜いてきたのだ、みたいなことなのかな。わからん。一見もっさりした寒がりのおばさん、て感じだけど、KGBでしっかり昇進して生き延びてきてる、てことは、キレキレに違いないんだよねえ。オルガはオルガなりに、あの場で自分の自由を手に入れたんだと思う。自由、権力の頂点にいくこと、かな。

 結局最後にアナが信じて賭けたのはオルガのカードで、女たちの共闘にちょっとアナに恋しちゃったピュアさ甘さのある男は翻弄されちゃうんだよね。ベッソン監督の好みの様式なんだろうねえ。いい。いいです。

 主役のアナは元モデルのサッシャ・ルス。しっかりトレーニング積んだそうで、まあもちろんスタントダブルなんだろうけど、でもアクションすっごくよかった。かっこいいー! 銃は当然ながら、手あたり次第なんでも使ってバンバン戦う。かっこいい。当然スタイル抜群で、昼はモデル、夜は殺し屋っていう役、似合いまくり。モデルやるので衣装もメイクもたっぷりあれこれあれこれ変わってすっごく綺麗。殺し屋スタイルも、変装したりでいろんな姿を見せてくれる。いい。すごくいい。見た目がいいって素晴らしい。変装の時、「レオン」のマチルダ風なのもあったなあ。監督、好きなスタイルがブレないのねえ。

 殺伐と殺しばかりでもなく、ユーモア~って思う所もあった。時間がどんどん変わるので、まったく飽きずに、お、お? おお、お。なんてぐいぐい引き込まれました。

 KGBの殺し屋、スパイとして働き、けれどある時CIAに先回りされて捕まり、二重スパイになれば自由と保護を約束する、と言われて、アナは情報を流すようになる。そして、ついにはKGBの長官を殺せば、すぐに自由を約束すると言われた。
 KGBの長官とのチェス対戦もするアナだから、接近できる。
 でも、なんかすごく計画練った、ってミラーは言ってたけど、そうか? アナに頑張ってこいってだけじゃないのか? 武器隠しておいたこと?? まあ、ま、いっか。

 で、アナはなんとか長官殺して逃げ延びました。
 アレックスとミラーと呼び出して、もう私にかまわないでね、って約束させて、去る。オルガは許さないわ、とかいって殺す。けど、それは打ち合わせ済みの事で。死体入れ替わり。あの入れ替わりの死体はどこから調達してきたの。オルガが手をまわした? でもそれKGBにバレないのかなあ。まあいくらでも伝手はあるのかなあ。

 ともあれ。アナは死んだ。てことで、自由を手にいれたんだ。
 死体入れ替わりして、また変装して地下道? 下水道か? から、ひかりさす表に出ていくとき。「レオン」を連想した。あの、レオンの最期。あと数歩、もう少しで出ていけるはずだったひかりの道。レオンはあの時死んだけれど、アナは、出ていけたんだね。うるっとしてしまった。ベッソン監督。ついに殺し屋を運命からひかりへ、解放してあげたのか;;

 アナは、モードと付き合うけど、一緒にバケーション行くけど、全然一言も話を聞いてない、とか。モードちゃん、すごく可愛くてアナと付き合って浮かれてるのに可哀相。巻き込まれてというか、ミラーにちょっと尋問されたりの時の反応も可愛かった。ベリーショートの髪、似合ってて。アナ~。もっとモードちゃんを大事にすればいいのに。けどまあ、ほんとにシリアスに付き合うと巻き込んで不幸にしちゃうかなあ。難しい。
 アナは情に溺れない。アレックスのこともミラーのことも、家族よ、とかいっちゃってたけど、そんな風でもなかったじゃん?? どっちかというとアレックスとはまあラブラブだったのかなあ。まあ、ま、いっか。

 
 ルクエヴァはワイルド系、キリアンはクールビューティ。と、タイプの違うハンサムとの接近、セックス、で。乙女ゲーですかっ、きゃ~っ。いい男も堪能できて素晴らしい。かっこいいな~。二人とも、それぞれの組織でちゃんと有能そうで凄く良かった。
 最後に二人対峙するシーン、予告でもちらっと見てたけど。私の好きな二人の共演。きゃ~。かっこいい~ステキー!

 二人とも、勿論背後には部下っつーか同僚っつーか、まあ、組織ですから、バックアップがいるわけで。それでアナが去ったあとのじりじりした対峙がすっごくよかった。仲間に囲まれて離脱していくの。も~~~特にミラーが、特殊部隊? がっつり装備の黒づくめに囲まれて隠されて撤退していくのがまさに甲冑の兵士に守られていくお姫様みたいでさーーっ。ああ~。好き。キリアン素敵すぎる。可愛い。すごい。いい。もえました。

 ミラーはアナに接近して、バカンス先にもこっそりついてって。あれは一応、急に遠出したから、なんだろ、逃げるか? って一応心配してきたのかな?? わかんないけど、けどまあ。接近して二人の横顔ドアップでの会話シーンが結構長くてドキドキした~。二人とも、綺麗。サッシャ・ルスもきれいな青い目してるんだよねえ。あーあのシーンはほぼシルエットだったけど、二人の目の色をもっとうつしてほしかったな~。
 ディナーの約束をさ~。何度か言うミラー。結局果たされないけど。ベッドにはアナのほうから襲う感じで、ミラー受けかよ~~~。と、それももえました。可愛い。

 ミラーはしょっぱなの、生首送られてきた箱をあけて、ビビッてしまうのもめっちゃよかった。サスペンダー姿をいきなり見せてもらってありがとう(*ノωノ) 有能、優秀、だけどちょっとヘタレだったり。ちょっと優しかったりするミラー。好き。いい。
 映画館音響でキリアンの声を聞けて幸せだった。好き。最高~~~(*ノωノ)

 少なくとももう一回は見に行こう。時間前後がもっとわかるから、フックになるシーンがもっとわかってもっと楽しめる気がする。スパイもの、裏切り、駆け引き。まーやっぱ漫画みたい~と思うけど、だからこそわかりやすくて面白くて、見せるシーンのかっこよさは最高ですし。私がこれまで読み込んだスパイ小説のどろどろを勝手に背後に妄想して楽しめますし。
 また似たような映画ですか、と、ちょっと思ってしまってたけど、キャストの良さに期待、と思って見に行って、でも話も十分面白かったです。満足。

 正直、ベッソン監督もMe tooの時に、なんかすぐ女優に手を出す系かとか、なんかちょっとヤバイかもって、うーん、でもあんまりよくわかんないんだけど、素直に好きって言えなくなってる。けど、やっぱり。「レオン」は私にとって生涯のベストに絶対入る映画で、監督、やっぱ好きかも、と、思ってしまう。わからない。どうしたもんだか。うーん。でも好きをやめることはできないな……。
 ともあれ、今作、思った以上に楽しんでしまいました。好きです。

 

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