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『閑閑集』 (紀野恵/沖積舎)

 

『閑閑集』 (紀野恵/沖積舎)

 

 双書 現代女流短歌3 昭和617月刊。て、1986年かな。

 すべて書下ろしの歌集ですって。

 

 春の社

 海へ

 月の雫

 融くる雪

 

 東から吹く風の便り

 紀野恵の多重世界 坂田靖子

 無念の木枯らし

 

 と、春夏秋冬の歌、同人誌「七曜」に連載した散文、坂田靖子による解説、ってえっと~坂田靖子ってあの漫画家の坂田靖子さん?? 「バジル氏の優雅な生活」とかの???? 金沢で会ったとか、紀野さんとどういう感じというかなんで歌集の解説??? 何一つわからないけど、なんか、まあ、そうなのかな。わからない。この時代って感じ??????

 で、後書きとかいらない書きたくない、ってかいてある4行の後書き。不思議な歌集。というか、同時代だったら問答無用うちうちでわかってたような事があるんだろうけど、この本一冊手にしただけではわからないなー、と、思った。

 

 紀野恵さんは1982年、83年に角川、短歌研究で新人賞次席、らしい。古典和歌のようだけど学生さん!?みたいな感じで話題だった、らしい。

 で、このころってあれかサラダ記念日か、とぐぐったら86年が俵万智さん角川受賞の年かな。若い女性歌人だとかがブームってことなのか。よくわからない。若い女性作家ブームとか作ろうとしてた頃なんだっけ。あんまわからないけれども。まー、時代?? 

 

 それはともかく、この、歌集の流麗な歌の数々はやはり凄くて、言葉そのもの、響き、調べ、浮遊感。背景とか作者のこととかよくわからない知らないで読んでも、すごく、うわ凄い、ってなるの、すごいです。アホすぎる感想で申し訳ない……。無理じゃん。こういう歌集の感想とか無理じゃん。はー。

 エッセイというかの、文章のきままな感触も、強かった。面白いです。なんか簡単にさらっと書いてるようで、実際そうなのかなそうなんだろうな、って思う、思うけどわからないけれども。書いてる人つよい、って思わせられる。

 

 いくつか、好きな歌。

 

  あしはらのなかつくになるみづうみにみづあふれつつひかり砕けつ  (p10

 

  物ぐるひの姫きみが吐き散らしたる言が氷れる染井吉野や  (p21

 

  ほんに吾が嫉みごごろのつよきまま夾竹桃の庭にそなたと  (p37

 

  ほの暗う語らはむためたそがれのゆふがほいろの和語を聚めて (ルビ:聚あつ)(p42

 

  くらき壺に孔雀の羽の挿されゐる部屋満たすべき光は有りや  (p60

 

 

 歌のことばって美しいなあとつくづく思う。こういう言葉を自在に使えるの凄いなあと思う。キラキラとしているようでいて、分厚い氷の壁の向こうの世界で絶対手出しできない冷ややかさ、暗さがあるみたい。短歌、かっこいいです。

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