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『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』 (アンドリュー・メイン/ハヤカワ文庫)

*ネタバレしてます。

 

『生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者』 (アンドリュー・メイン/ハヤカワ文庫)

 

 

 セオ・クレイは科学者だ。生物学。生物情報工学。主に情報、環境の計算をしてる感じかな。で、カエルの原型を調査するフィールドワークにきていた所、警察に尋問されることになった。かつての教え子、ジェニパーが近くで殺されたらしい。殺人と疑われたものの、実は熊に襲撃された事不幸な事故死、ということでクレイは解放される。しかし、たまたまサンプルを盗んでしまったクレイは、遺伝子検査を頼んで警察たちが、間違った熊を殺したこと、本当は熊に襲われたのではなく、巧妙に仕組まれた殺人なのではと疑いを抱く。

 独自の推論とシュミレーションを重ねて、クレイはモンタナを縄張りにしているらしき、連続殺人犯の存在を掴む。ハドソン・クリークという寂れた街での行方不明事件に目を付けたクレイは、隠されていた遺体を発見。犯人の行動パターンを掴んだが警察に信用されない。そしてクレイは独自に次々とこれまで隠されていた遺体を見つけだし、犯人を追い詰める。

 だがついに、犯人から脅迫の電話がかかってきて、クレイ自身が追い詰められてしまう。

 

 てことで、シリーズ第一作、2019年四月刊行。で、もう二作目翻訳が出て、(本国では3作目も出てるみたい)面白そうかも、と思って読んでみた。

 

 セオ・クレイは生物情報工学を駆使して犯人を捕食者としてパターンを見つけ出し、事件を解決! 天才教授、らしい。そういう感じでシリーズ続くのかな?

 この一作目読んだところ、その、犯人を生物学的に捕食者として考え、パターンをさぐる、と、このパターンはホオジロザメの行動パターンだ、ってなったのは、おお~なんかすごい、と感心して面白かった。けど、その、パターンで割り出してここに遺体が隠されている、ってクレイくんが遺体どんどん見つけ出しちゃう、っていうのは、そんなに都合よくいくか~~??? と、ちょっとひく。まあ、そんだけ見つけ出せちゃうほど犯人が殺しまくっていたのだ、って感じだけど、けど、そうかな~~~~。まあ、小説ですし、そうかもね、でいいけど。それに誰にも疑われず気づかれず、延々と殺しまくってる犯人がいるかもね、というのは否定できない……。

 

 そして犯人に脅されて、ちょっと恋してしまった彼女とか巻き込みたくない、大事な家族を殺されるかも、って畏れたとはいえ、犯人に自殺しろよと脅されて、じゃあ、って検視局から遺体盗んで、自分が自殺したように偽装して、時間稼ぎをして犯人を追い詰める、っていうのは、そこまでやる~~~???? やれる~~~??????? と、けっこうひく。クレイくんは救急隊員やってたこともあるよ、とか。生物学者で医学的知識もあって、とか、で、最後の犯人との対決の時も、負傷しながら救急車にある薬品で一時的トーピングってゆーか一瞬超人になる、みたいな展開が、ええ~~~~???? と、ひく。けどまあ、なんか、超人漫画みたいなもんかな、ということで、まあ、小説ですし。まあいいか。

 

 小説を読んでいる時、特に現代で今自分が住んでる世界と地続きな感じで読んでいるとき、やっぱちょっとリアリティのラインが、一応は自分がわかるって思える範囲であることを、私は設定してるんだな。海外のものだとその国の事情とかわかんないし、実際どうこうがわかるものではないんだけれども。まあ、日本が舞台であったところで、実際どうこうっていうのがわかるものでもない、けども。なんとなく、なんとなーく、自分が思う常識の範囲っていうのがあって、その枠外はなんかトンデモみたいな気がする。けど、その自分の持つ枠っていうのは別に個人的で小さなものでしかない、よなあ。

 最初からファンタジーとか、時代が全然違うよとかだと、その自分の持つ枠みたいなのを最初から考えない、そう書かれてるならそう読むだけ、なんだけど。けどまあ、たとえ舞台が現代で今のアメリカ、だろうがなんだろうが、まあ、そこにそう書かれてるならそう読むだけでしかないよね、小説なんだし。

 

 というわけで、結構クレイくんの行動には私はついていけないわーと思いながらも、なんか、そうか、と、面白く読んだ。

 でも、一応事件の決着はついた、とはいえ。クレイくんと彼女はなんとか犯人を倒した、とはいえ、意識を失っていくところで終わりなのは、やっぱ、そこはなんかエピローグつけてくれよ~~~と思った。基本「わたし」クレイくんの一人称なので、クレイが意識失っちゃうとわかんなくなっちゃうよね。それはそうなんだけど。エピローグでさー、病院で気が付いて後始末を聞くとか、ジリアンとどうなったのかなーとか、大学の学期開始を大幅に連絡もなしにサボったけどクビになったのかなあ、特別にちゃんとまた復帰したのかなーとか、なんかこう、気になる所すっきりさせてほしかった。次作読んだらなんか書いてあるのかなあ。まー、事件は一応終わったからその後とか気にしなくていいのか。でも~。エピローグつけてくれよ。最初のとこには、事件の始まりみたいな感じの話がついてるのにさ。

 まあ、第二弾も読みたいです。そう思えるほどには面白かった。

 

 

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