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映画 「1917 命をかけた伝令」

*ネタバレしてます。

 

 

映画 「1917 命をかけた伝令」

 

 昨日18日(日)にIMAXで見てきました。

 

 1917年。第一次世界大戦中。46日。(だったかな?)休憩中だったブレイクは将軍に会うよう、呼ばれる。もう一人選んで一緒に、と言われ、近くで一緒に休んでいたスコフィールドと行く。

 電話線がすべて切断された、とのことで伝令の命を受ける。ドイツ軍が一時撤退したのを追討しようとしている部隊に、それは罠だ、攻撃をしてはいけないという命令を伝えなくてはいけない。翌朝予定の出撃までに。さもないとその部隊1600名は待ち構えるドイツ軍の餌食になるばかりだ。

 前線を超えて撤退したはずの敵地を超えて、伝令のために二人は走る。

 

 全編ワンカット! としきりに宣伝されていたけど、あくまでワンカット風、だよね。けど本当にずーーーっと、ずーーーーーーーーーーーーーーっとカメラはスコフィールドたちにそっていくので、一緒に歩くというか、一緒に進んで景色を見て、疲労や爆撃や炎を感じていく。すっごい緊張感。ぐったりするー。ただ私は映画を見ていただけで、体験ではないのだけれども、この、どうしようもない疲労感。すごい。

 

 途中、文字通り死体を踏み越えていくシーンが何度かある。ネズミが死体を食べてまるまるしてたり。ネズミのせいでドイツ軍の塹壕の罠が爆発して生き埋めになりかけたり。

 戦闘機が空中戦してるのを眺めてたら、墜落したドイツ軍機がこっちに落ちてきて。パイロットを助け出すんだけど、ちょっとした隙にブレイクが刺されてしまう。スコフィールドはすぐ敵を撃ち殺してやるけど、ブレイクは息絶えてしまった。中止命令を伝えるのは兄がいる部隊。兄を探してくれ、と言い残して。

 

 私、伝令二人がなんとか助け合い励ましあいしていくバディムービー的なものを勝手に想像してたので、こんなわりと最初の方で一人になってしまうのかとびっくりした。

 助けた敵パイロットに、ちょっと情けをかけてしまったばっかりに、死んでしまうなんて辛い……。そしてわりとその直後くらいに、味方がトラック移動してて寄ってくれて、あーこの味方がくるのがほんの少し前だったら、ブレイクは死んでなかったかも、と、ほんと、辛い。

 

 トラックでちょっと送ってくれるんだよー。けど、そこに乗ってる兵士たちと、スコとでは温度差が。スコは明日の朝までに行かなきゃ、と必死で。それを兵士たちがちょっとわかってくれたのが、ぐっとくる。

 けれどあくまで通りすがり。橋が落とされていたので、スコは一人トラックをおりて歩いて渡る。

 

 途中敵兵に撃たれてショックで階段から落ちて気を失うとかあって。夜に、目的地近くの村で隠れていた赤ちゃんと女とに出会ったりもして。親子ではないみたいだけど、そんな風に助けるしかないんだなーと。

 赤ちゃんに、ミルク、って、昼間、あの、ブレイクを亡くした農家でとったミルクを出納にいれてたのをあげたりして。

 それはむしろお腹壊したりしない?? と心配しちゃったけど。それにミルク、すぐなくなるでしょ。どうなんだろう、あの一夜をやりすごせば、彼女たちは逃げ延びていけるのかなあ。わからない。

 

 そんな風に、出会う人とはすぐに別れ、スコは進み続ける。崩壊した村。踏み越える死体。味方も敵も、通り過ぎていくしかない。目的地まで。

 

 それでも、朝になってしまって、もう間に合わないのかと思ったけど、なんとか森で部隊の最後尾に落ちあうことができた。

 森で、出発前に歌ってたよ。歌の上手いやつがいたんだね。戦地でもなんとか慰めと楽しみを見出して。みんな人間だもの……。

 

 第一波は戦闘初めていて、それでも塹壕の中、その上を、走って走って、スコは命令を伝えることができた。

 第二陣は攻撃中止。攻撃中止になって、負傷兵の手当てを始める。

 

 ブレイクの兄は生きていた。ブレイクの死を伝えて、スコはまたやっと、一休みできた。

 

 これは戦争という非日常の中のある日常の一日の物語。戦局の中の小さな出来事。その時の無駄死を最小限にとどめることができた。とはいえ、またすぐ別の命令が下る。

 一兵卒というのは、こんなにもわけのわからない中で、命令に従って行動するしかないんだなあと、本当に辛くなる。けれど、命令だから、命令があるから、進む。

 あんなの動けないよ。逃げ出したいよ。無理だよー、と、見ている私は思う。けれど、戦争中だから。戦争に行っているから。隣にいた友達が次の瞬間には死ぬかもしれない日々だから。戦う。走る。やるしかない。戦争……。

 

 豪華キャストで、出番ちょびっとのすれ違う人が素敵だったりする。みんな現場にいる兵士だー。コリン・ファースが一番偉いさんだったのかな。将軍。命令を下す。まさに、命令を「下す」って感じだった。さすが。

 

 前線のちょいやさぐれなかっこいい中尉、中尉だっけ、わかんないけど、が、アンドリュー・スコットでこれも似合ってたなあ。すてき。

 途中、トラックで助けてくれるのがマーク・ストロングで、かーっこいい~~。ああ~~あと少し早くきてくれていたら~。マーク・ストロングなら絶対助けてくれただろうに、と、泣ける。かっこいいわ。

 命令伝えに行く先の大佐、だっけ、が、ベネディクト・カンバーバッチ。相変わらずいい声。ちょっとだけ頑なで、戦闘に疲れながらも、やるしかない、って覚悟はある感じ。

 多分他にも私が気づかないキャストもいるんだろうな。渋い。豪華なちょい役だった。さすがの存在感ありで、いい。

 

 これは、監督、サム・メンデスの祖父が話してくれたことがベースだそう。サム・メンデスのおじいちゃんが第一次世界大戦いってた感じ?? サム・メンデスは55歳くらいじゃない? けどまあ、そーなのかなあ。ちょっとわかんないけど。

 そういう、戦争、国家みたいな大局ではなく、一人の物語、という感じがよかった。

 春で、自然がうつくしくて。花がさいて、丘は緑で、森は新緑があって。けれど川を流れて倒木の所に死体が水膨れになって白く、浮かんでる。たぶんそれは、リアル。

 面白かった、というにはぐったりしてしまいすぎる、辛い映画で、でも、ほんと映画館で見てよかった。良かったです。

 

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