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映画 「母との約束、250通の手紙」


*ネタバレします。


映画 「母との約束、250通の手紙」

 2/5(水曜日)に見に行きました。

 小さな男の子、ロマン。母は昔ロシアで女優をしていた。今は帽子を売ってかつかつの暮らしをしている。
 寒い冬。周囲の人々から浮いた存在の一家。母は息子を溺愛し、いつかこの子はフランスの外交官になる、士官になる、作家になる、立派になると信じて育て上げた。

 二人はフランスへ移住し、ロマンは勉強して大学へ。短編小説が新聞に載って作家としての一歩を進む。けれど、その後はなかなかうまくいかず。軍に入ったものの、士官になるには、ユダヤ系で帰化して間もないということでいったん見送られる。それでも、戦いに向かい、フランスが占領された後にはイギリスへ渡って戦功をあげて、勲章を受けることができた。戦時下でも書き続けた小説が出版もされた。
 入院中のはずの母の所へ帰ったロマンはしかし、母がすでに他界していたことを知る。ずっと届いていた手紙は、母が書き残したものを、少しずつ友人が送ってくれていたのだった。
 母に、母の願いのように、晴れがましい姿である自分を見せたかったロマン。誰よりも深く愛した母と息子の世界だった。


 フランスの文豪、ロマン・ガリ。自伝的な物語なんですね。私、恥ずかしながらロマン・ガリって誰だか知らず……。
 映画紹介によると、
  「外交官や映画監督、そして「勝手にしやがれ」の女優ジーン・セバーグの夫としての顔も持ち、1980年に拳銃自殺で最期を遂げたフランスの伝説的文豪ロマン・ギャリーの自伝小説「夜明けの約束」を、シャルロット・ゲンズブールと「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネの共演で映画化。」
 とのことで。

 ほんとーに外交官になったり、作家として名声を得ていたり、世界一の美女がよってくるわよ、とか言われてたように、女優と結婚して。映画監督もしてたのかー。マジか。無茶ぶりすぎる母の願いって思ってたけど実現したのか息子よ……。すごい。

 本当に強烈な母の愛で、重すぎるんだけど。けど、戦争の頃で、母一人で、誇り高く生きねば、ってんで、詐欺まがいの事したりしてでもって、あのくらいパワフルじゃないのやってけないってことかなあと思う。息子くんの視点側なので、ママがどれほどの事をして生き抜いたか、真実はわからないけれども。
 浮き沈み激しいなーという中で、それでも息子が一番って、凄くて。
 
 あんな期待重圧かけられて、ふつう子ども側としてはもう無理とか潰されてしまいそうな気がするけど、そこはさすがあの母の息子ってことなのか、生き抜くんだなあ。
 反抗期っぽいことはあっても、それでも母の期待にこたえるという思いは変わらずに成長していくの凄い。
 母の自慢の息子であること。
 で、実際それを実現していくのすさまじいな。

 戦争映画でもある。けど、大局ではなくて、あくまでそこに生きた個人って描き方だった。一歩間違えば死ぬ。次の瞬間には死ぬかも。それでも、その時できる精一杯で、生きる。
 信念の強さなのかなあ。ずっと書き続けていたのも、人を助けたりするのも、その時の精一杯。ロマンくん、すごく魅力的だった。

 ピエール・ニネが~相変わらず麗しく素敵で、素っ裸になったりもあったり、女ともいっぱいやっちゃってたり、青年期から壮年の頃までかな、素晴らしく熱演で、うまくて、モノローグで声もたっぷり聴けて、すごくよかった。いろんな姿を見られて眼福。よかった~。
 強烈な母と息子の物語。ニネくん目当てで一応見るか、ってくらいで行ったけど、見ごたえあって面白くて、見に行けてよかったよ。いつか本も読んでみるべきだろうか。ロマン・ガリ、すごい人生なんだなあ。

 

 

 

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