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映画 「パラサイト 半地下の家族」


*ネタバレしてます。


映画 「パラサイト 半地下の家族」


 先行公開もされてたようだけども、うちの近くでは今日から公開。昼に行ったけれども、かなりお客さん入ってた。さすが注目作品なんだな。いろんなレビューとかうっかり読んだりしないように、頑張って初日に見た。
 というか1/10に見たい映画がいっぱい公開されてる。がんばってやりくりしていかないと。

 キム一家。父、母、息子、娘(妹)の四人で、半地下の部屋で暮らしている。母は砲丸投げだかなんか、陸上で何かメダルとったりしてるみたい。父は職を転々としている。
 息子ギウは兵役を終えたみたい。大学受験に挑むの、4回。合格できてない。友人から、リッチなうちの娘の家庭教師のバイトを紹介される。彼は留学するので、後任に推薦する、と。ダヘというその女の子を真剣に好きだから、学生友達じゃなくて、お前に、頼む、と。
 大学生のふりをして、金持ちの家に踏み込んだギウ。その家の下の子の、芸術的才能を伸ばしたいという母親に、知り合いを紹介する、と話す。今度は妹、キジョンが下の子の家庭教師になる。
 運転手に父が。家政婦に母が。パク社長一家に他人同士のふりをして入り込んだキム一家。

 って感じに始まりはかなりコミカルなコン・ゲームって感じで結構笑っちゃう。
 とはいえ、下層、貧しい暮らしのキム家族、と、対照的に金持ちなパク社長んち。なんか名のある建築家がこだわって作った家は広いし複雑だったりもして、いかにもリッチ。キムたちの暮らす下町とは別世界。
 この、何もかも対比されていく二つの家族。

 これ、基本的にはブラックコメディってことかなあ。終盤のブラックが凄すぎるけど。キム一家は、とても仲良しで、その仲良しっぷりがなんか、もしかして他人同士が家族のふりを? って、「万引き家族」を連想したりしたけど、そういうわけではないみたいだ。字幕の問題なのかな、他人行儀な気がした。
 息子も娘もそれなりに優秀。父も母もそこそこに真面目、けど世渡りとか下手そう。多分運とか悪くて、殊更に酷い家族ってわけではない感じ。貧しいけど、それでも、半地下、という、ぎりぎりの、最低よりはもうちょっとはマシ、くらいの感じか。

 パク社長んち。大学受験する娘の割には、ママ、若いのでは? と思ったけど。パパもかなり若く見えた。下の子は6歳だか7歳だかくらい、だった気がする。二年生なんだっけ、小学二年生って、韓国でも7歳くらい? なので、下の子はあのママの子で納得だけど、もしかしたら娘ちゃんは前妻の、みたいな感じなのかなあ。私が見逃したのか。特に説明はなかった気がするけど。
 ともあれ、娘ちゃん。清純可愛いって感じだけど、ギウとすぐに恋人~って感じになったりして。ギウの友達もこんな風に彼女に夢中になっちゃったんだろうか。まったく。若者たちよ~。

 そしてママは、心配性で疑いを知らない、ちょっとバカかっつーくらい人がいい、簡単にコロコロ思惑にハマっていく。パパも金持ちの嫌味さはありつつも、でも別に極悪人って事じゃないんだよなあ。
 金持ちはただ金持ちであって金持ちらしく優雅に暮らしているだけで貧乏人を傷つけるんだよ。。。

 下の子の誕生日に一家がキャンプへ行く、とのことで、無人になった家に入り込んで金持ち気分を楽しんでいたキム一家。しかし、前の家政婦が忘れ物した、と夜中に訪ねてくる。
 で、驚愕の秘密が明らかに。この家には地下シェルターがあって、そこに、家政婦の夫が隠れ住んでいたのだ! 借金取りから隠れて4年、住んでるらしい。そ、そんなに~~~~。

 半地下、どころかどっぷり地下なのね。。。バトルになるパラサイト家族二つ。こっわ。じわじわと、怖さが増してくるんだよー。
 で、大雨で社長さん一家がキャンプから帰ってくる!? ってんで、みんな隠れてドタバタ。コメディか。なんだけど、激しい暴力とかが半端ないんだよー。すごい。さすが。

 で、社長さんたちの本音みたいなのを聞いてしまう。運転手が臭い、とか言っちゃうんだなあ。本人に聞かせるつもりでもなく、言っちゃうかーまー言っちゃうかもなあ、と思う。
 でも、父の心が凍っていくのがわかる。
 
 金持ちたちが、極悪人なのではない。貧しい階層から見るといけ好かない嫌な奴、であっても、それはそれでそういうものと思う。
 パク社長一家、ほんと、悪い人ってわけでもないんだよなあ。いいとこも嫌なとこもある、普通の人。ナチュラルに人を見下す感じ、とかあるけど。でもなー。

 なんとかうまく家を出て、豪雨の中、キム親子は自分たちの半地下の家へ帰る。下町は水があふれて、災害になっている。
 この、家に帰っていくシーンがねえ。高台、上の方からどんどん降りていく。階段を雨水が滝のように流れ、ずぶ濡れで。この、わかりやすい格差社会の見せ方。
 
 金持ちの暮らしを知ることがなければ。自分たちがどんなに惨めか実感することがなければ。あんな悲劇にはならなかったんだろうか。

 家政婦は地下シェルターで死んでしまい。その夫は狂気に陥る。そりゃそうなるね、と思う……。こわい。
 雨が上がって、眩しい太陽の下、下の子の誕生日祝いに、急遽ガーデンバーティを開いている。親しい友人たち。突然呼ばれてもみんな優雅。ダヘが呼んだギウは自分が場違いじゃない? と聞く。ダヘとキスしておきながら。どうしたらいいのか。
 
 地下シェルターへ様子を見に行ったギウは、反撃されて重傷。地下を出た夫は、無差別殺人。キムがパク社長を殺してしまう。
 物凄い緊迫感あるシーン。怖い。ほんと怖い。

 観客としての私は、キム一家とか、あの家政婦、夫の心情とかに寄り添いたいけど、いきなりあんな無差別殺人とか怖すぎる。それに下の子ちゃんさあ、幽霊みたショック、とかってそれ地下シェルターの彼を見ちゃったってことだし、目の前で殺人だし、トラウマすぎるでしょ……辛い。
 パク社長、臭いの嫌とか、まあそれが最後のトリガーになってしまったけど、それでも、殺されなくちゃならないほどの悪人ではないよなあ。こわい。
 格差社会のせいなのか? どうしたらいいのか。どこで止まれまよかったのか。ギウが家庭教師になりました、ってだけでとまってればよかったのか。妹まで? 運転手はやりすぎだったのか? でも。

 コメディタッチからの、悲劇と狂気への落差が物凄すぎる。どういうことだよ。あの迫力は一体、どうしてあんなに、迫力が出るんだ。こわい……。

 逃亡した父キムは、なんとその家にとどまり地下シェルターに隠れて生きていた。息子が電球でのモールス信号に気づく。
 夢というか、希望というか、金を稼いでいつかあの家を買うから。父さん、それまで生きて、という願い。
 うつくしい夢だなあ。それは、でも、きっと叶わない夢だ。父がそんなずっと生き延びられるだろうか。あの家を買うほどの金が稼げるわけなさそう。世界は悲劇の後にも変わらず続いてる。金持ちは富み、貧乏人は地下で、半地下で、暮らす。
 
 社会問題を、今を描き、深刻さが凄いのに、コメディだしがっつり、エンタメ。見せ方もわかりやすさもすごい上手い。世界に受けるんだなあ。細やかな脚本のうまさとかわかるし、俳優たちが、ほんっと、凄い。こわいわー。迫力。面白かった。

 

 

 

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