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映画 「マリッジ・ストーリー」

*ネタバレです。

 

 

映画 「マリッジ・ストーリー」

 

 

 Netflixで見ました。アカデミー賞にもノミネートがいくつかされてるんだよね。アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが夫婦だなんてそれだけでもう見応えありまくりだろうとわかってた。わかってた以上に、ほんっとすっごいすっごい見応えありました。

 

 

 ニコールは女優。かつて映画に出てた、今は舞台中心。夫チャーリーが舞台監督。チャーリーの劇団がこの10年で成長し、注目を集め。成功した夫婦生活のはずだった。

 二人の良い所を書きだして、読みあげる。それは離婚調停のためのカウンセリング(?)の最初のステップだった。だが、ニコールはそれを拒否する。

 LA出身で、NYでずっと暮らすつもりではなかったニコール。けれどチャーリーの成功もあって、ずっとNYで舞台生活をしていた。二人の間にはヘンリーという8歳の男の子が一人。ニコールがLAでテレビドラマ出演の話がきて、ヘンリーと共にしばらくLAに滞在することにしていて。

 離婚は円満に。弁護士なしでいい。そのはずだったのに、離れて、自分の中のわだかまりを言葉にしたニコールは、人からの勧めもあって、弁護士を頼んだ。すぐ終わるはずの調停は、しかし親権をめぐって激しいバトルになってしまう。

 ヘンリーを巻き込みたくないはずだった。弁護士たちの煽り対決に苦い思いをする二人。

 チャーリーとようやく二人で本音のぶつけ合いをして。そして。別れた。

 

 出来事としては、夫婦の離婚という、ただそれだけなんだけれども。ニ時間あまり、ぐいぐい引き込まれて見せられる。当然ながら、スカヨハもアダム・ドライバーもうまい。すっごいうまい。スカヨハとアダム・ドライバーだな~と思うのに、ニコールとチャーリーって夫婦で、二人はかつてはすっごいラブラブカップルで、でこぼこ具合がちょうどいい素敵な夫婦で、そんな風に暮らしてきていて、子どもを大事に育てていて、仕事もうまくいって。生活の細部とかもなんかいいなーって、そういう二人なんだなあって思うし、けれど、すれ違いが決定的になっていく、もう駄目だ、という感じも徐々にわかってきて、あーなんかもうほんと駄目だ……と頷いてしまう。

 どっちの言い分もわかるって思っちゃう。家事も出来て仕事での才能も世の中に認められてて、ちょっと頑固だけど素晴らしい理想の夫と最初思えたチャーリーが、モラハラっぽいなあって感じとか。ニコールはチャーリーの妻、というレッテルに耐えられなくて、自分自身のことを尊重されてないと感じて。

 チャーリーは妻の癇癪を適当に受け流して、我慢するという対処しかしてなくて、ニコールの気持ちを考えてない。というか、舞台のこと、劇団を守り育てることでいっぱいいっぱいだったのかなー。妻は大事。子どもも勿論大事。家庭も大事にしてる。ちゃんといい夫でいるつもりだったけど。自分だって我慢してる、と。

 

 LANYという街の違い、みたいなことも体現してるんだろうなあ。LAのみんながやたら、LAは広いし、っていうのがなんか面白かった。NYは舞台の街。LAは映像の街なのかな。車社会と、歩く街と。そういう対比も面白かった。

 

 二人で、最初のカウンセリングかなんかの時、ちゃんとお互いの長所、読み上げていたら、もうちょっとは円満離婚になってたのかなあ。けど、もう無理だよもう駄目だよもう嫌だ!という本音のぶつけ合いを、一度はしたのは、よかったのかもなあ。

 お互い激高して、罵詈雑言ぶつけ合ったとき、お前なんじゃ死んじゃえ!みたいに言っちゃって、言ってしまった自分の言葉、自分自身に傷ついて泣いて床に伏しちゃうの、チャーリーの方が。泣いちゃうんだよなあ、チャーリーが。それをニコールは許すんだなあ。

 チャーリーは育った家庭が結構酷かったみたいだから、もしかしたら、誰かの前で泣いて弱さを見せたことがなかったのかも。チャーリーもやっと、泣けたのかも。

 

 で、親権はニコールの方がちょっと多めな感じで両方が持つ感じ。多分円満離婚、と言える感じで決着したのね。

 

 ニコールが家族の髪を切ってあげてるシーン、可愛くて好きだった。別れるってなった後にも一回切ってあげたりして。離婚の後は散髪屋さんに行くチャーリー。なんだか不慣れというかぎこちない顔してるのがまた可愛かったし。

 NYで劇団仲間とわいわいしてるお店で、一曲歌っちゃうチャーリーもすごくよかった。最初はちょっとなんとなく、って感じだったのだけど、歌に想いがこもっちゃって、しっかり歌い上げちゃったの、すごく素敵だった。アダム・ドライバー最高じゃん。

 

 最後、もう一度ハロウィンの日ね。その前のハロウィンの時、ニコールがDBowieのコスプレ? 仮想してて、似てたしときめいたわ。よかった~。

 で。ヘンリーが寝ちゃって、チャーリーが連れて帰ることにして。ヘンリーを抱っこして歩き出そうとしたチャーリーの靴紐がほどけてるよ、ってニコールが結びなおしてあげる。やっぱりチャーリーの足元をちゃんとニコールは支えてあげてきていたんじゃないか、と、思った。本当に本当に、二人とも子どもを大事にしてるの。ヘンリーが二人の子どもであることは間違いないつながり。

 弁護士とか家族とか、脇のキャラクターたちもすごくよくて、何もかもが上手かった。二人は確かに人生のひと時を過ごして、それはいい時間でもあった。けれどまた別々の道を、それぞれに歩き出す。夫婦の離婚なんて、よくある話し。だけどすっごく、いい映画だった。見てよかった。満足。

 

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