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映画 「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」

*ネタバレします。

 

 

映画 「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」

 

 

 ドン・キホーテの撮影中の監督、トビー。スケジュールがうまくいかず、現地スタッフといまいち英語が通じ合わず、機材トラブルも頻発。スポンサー、プロデューサーにせかされる中、かつて学生時代に撮った映画のDVDを胡散臭い男から買う。

 10年前、この近くの村で素人を誘って作った映画。それを見直し、トビーは撮影の合間にかつて訪れた村へいってみた。

 寂れた村。昔ドン・キホーテを演じてもらったハビエルという靴職人は、さらに年老いた今も自分をドン・キホーテだと思い込んでいる。トビーをサンチョと呼び、お供に従えて、火事から逃げ出して、混乱は深まっていく。

 

 

 私は、特にテリー・ギリアムのファンではない。「未来世紀ブラジル」はなんかの時にちゃんと映画館で見た、んだけど、なんか、ええと、何? シュールな感じ? あんまり自分はハマれなかった思い出。(そして細部は忘れている)

 今作は、構想から30年だっけ、トラブル続きで撮影が進められなくて、キャストも代わったりで、完成しない映画なのでは、みたいな噂っぽいのは知ってた。けどなんだかよくわからないでいた所、アダム・ドライバーが主演になったらしい、とかで、ついに完成~で、公開になるの楽しみに待ってました。

 

 で。映画を撮る映画。トビーはテリー・ギリアムの姿なのかなあ。ハビエルが思い込むドン・キホーテもテリー・ギリアムのことかなあ。

 かつてトビーが学生映画撮ったことによって、その村の人の人生のいくつかが狂った、と。

 寡黙な靴職人だったハビエルはドン・キホーテの狂気のまま。憧れの姫であった少女は、きっとスターになれるよという無責任なトビーの言葉につられて、都会へ行って夢破れ、今はマフィアかなんかの愛人をやっている。

 映画が人を狂わせる。生活を壊す。これって、この映画そのもののこと、ですか?

 

 シュールな画面が続くし、どんどん混乱とずらしが深まっていって、わからなくなる。どのくらいの気持ちで見ていいのかわからない。どこに軸を置いてみていいのかわからない。そういう狙い? けど、単に破綻してるようにも思える。わからない。

 で、こういうセンスだかなんだかに、はまれると凄い面白いのかも。けど、私何度か一瞬寝ちゃったな、って気を取り直して見る、って感じだった。後半にいってトビーもぐいぐいいくようになってからは面白かったかなあ。

 

 けど、アダム・ドライバー見たくて行ったわけで、その点でいうとめっちゃめちゃよかった! すごい! いろんなアダム・ドライバーの熱演が見られる! ヘンで振り回されてどんどんボロボロになって、でも主役になるアダム・ドライバー、トビー。

 ドン・キホーテに振り回されまくるトビーが、この映画で監督になんか無茶ぶりされまくってるんじゃないのアダム・ドライバー、って感じがしちゃう。面白い。

 見れば見るほど、アダム・ドライバー、いい役者だなあって惚れてしまう。ヘンで面白くて好きだなあ。

 

 ドン・キホーテと思い込むハビエルおじいちゃんを演じる、ジョナサン・プライス。ちゃんと認識してない俳優さんなんだけど、これもよかった。滑稽で悲哀。面白かった。

 「2人のローマ教皇」でアンソニー・ホプキンスと共演なんだっけ。これも早く見なくちゃ。

 

 キャスト、みんなすてきだったなあと思う。思うのに、映画としてはなんか素直によかったとか面白かったとかいう印象じゃないの。長年なかなか完成できなかったとか、なんか映画外でのごちゃごちゃがあるらしいなあ、全然知らないけど、っていう私の先入観とかがあるかなあ。監督のわがままに振り回されながら演じ切るキャスト、みたいに思ってしまうのかも。

 

 最後には、トビーが自分をドン・キホーテと思い込んで去っていくんだよ。まあ、そうなるかあ、と、納得はする。

 この映画が分かった気はしないけど、結構退屈もしたけど、それなりに、いやかなり十分、面白く見た。アダム・ドライバーを見て大満足もした。不思議~。

 

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『怪談 牡丹燈籠』 (三遊亭円朝/岩波文庫)

『怪談 牡丹燈籠』 (三遊亭円朝/岩波文庫)

 

 円朝の創作、怪談噺を書き写したもの、かな。中国の古典に典拠があるようだけれども、それをふまえて円朝が作った、噺。

 って、円朝って、正直私はわからないんだけれども。文久の頃に作られた噺らしいとか、明治に初めて出版されたとか、らしい。

 怪談としての 牡丹燈籠 は、前にも読んだことある。パタリロの漫画の中にあったんだっけ。怪談本で読んだんだっけ。ともあれ、お露という美少女が恋煩いの挙句亡くなって恋い慕う相手のところへやってくる、みたいな。お札はってこもってたのに、朝かと勘違いしてしまってあけるとそれは月光で、まだ夜。翌朝、骸骨に縋りつかれて男も死んでいるのが発見された、とか。

 

 噺を書き写しているわけで、会話のていでぽんぽん展開していく。私が知ってた、お露の怪談部分はあるけれども、それ以前に、お露の父、飯島平太郎、のちに平左衛門となった武士のお家に、因縁めぐってかつて斬り殺した相手の息子が奉公にきて、その敵討ちに殺されてやるとか、わけを知ってもなお忠義の心は同じままで、殿様を裏切った妾と間男を仇と追っていくとか、なんかこう、武家の義理だ忠義だなんだかんだの人情話なんかが長く続く。

 何回にもわたって噺していったものなんだね? 寄席にみんな続きを聞きにいかなくちゃって通ったって感じなのか。わからない、寄席の世界……。

 

 読んでるとなんだかもう、みんなまだろっこしい、じれったい、んも~ってなっちゃう。けどそういう時代でそういう美徳とかそういう愚直とか、だったのかなあ。まあ、作った噺だからひっぱるようにひっぱるように、ずいずい作っていったからじれったいわ、もおーって気を持たせる感じなのかな~。面白かったけど、ああもう~さっさとやっておしまい! とか心の中で突っ込みながら、読みました。

 

 しかしこんな昔の噺がこうして残ってるの、凄いなあ。口語文体のもとってこういう噺の記録がはじまりみたいなものなんだっけか。(文学史の記憶がもう……)今も面白く読めてよかった。

 

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映画 「キャッツ」

*ネタバレです。

 

 

映画 「キャッツ」

 

CATS

 私は舞台を見たことはないのですが。ロングヒットのミュージカル、猫たちの世界、というくらいのことしか知らないまま見てきました。なんだか評判が良くないらしい、なんか異様、みたいなネットコメントをちらっと見てしまったりして、けど、楽しみにしてて。週末は時間なかったので、今日、張り切って行ってきた。

 

 

 ロンドンのゴミ捨て場か。高級車から袋が捨てられる。その中には白い仔猫がいた。名前はヴィクトリア。

 周りには野良猫たちがいっぱい。袋からもがいて出てきた彼女に、猫たちは、選ばれた猫一匹が天上の世界で新しい命を得ることができるという、ジェリクルキャットたちの年に一度の特別な夜のことを歌って聞かせる。長老の到着。集まってくる猫たち。それぞれ得意な歌とダンスで競い合う。

 悪い猫もいる。マキャヴェティという猫は魔法が使えるのかな? ライバル猫をさらって自分を選べと強引に長老に迫る。だが長老は無事また魔法? 手品? で救い出された。

 かつては華やかなスターとしてもてはやされたことがあるものの、老いて街の片隅を隠れ歩いていたグリザベラ。思い出を歌う彼女にひかれたヴィクトリアの後押しで、皆の前で歌った彼女のすばらしさ。天上の世界へ選ばれたジェリクルキャットは、彼女だった。

 猫たちは観客に唄いかける。猫には敬意をもって話しかけてもいいですよ。忘れないで、猫は犬ではない!

 

 

 メモリー の、曲、歌。有名なので曲だけは知ってたのだけど、舞台の中で見ると切なさ倍増で、最初に聞いた時からうるうる涙がこぼれて仕方なかった。そしてもう一度、皆の前で高らかに歌い上げる、その、なんという迫力、強く切なく、魂震える。もーーー私、号泣。マジで。自分でもこんなに泣いてる客が隣にいたらひくわーって思っちゃうほどぼろぼろ泣いてしまった。映画館なのでなんとか声あげないようにがんばったけど、それでも、もう。大声あげて泣きそうなほどに心つかまれて泣いちゃった。マスクしてたけどマスク濡れまくり。

 メモリー。 今は老いの方が近くなって、疲れてる今の私に必要だったのかも。泣いて泣いて涙でデトックスさせてもらったー。

 メモリー。 華やかな思い出と、そこから追われて今は見る影もないという歌。孤独と、それでも気高さのある歌。名曲だなあ。凄い。同じメロディでヴィクトリアが歌うのもまたピュアピュアで切なくていいし。

 メモリー。 あの一曲だけでも途方もない満足感いっぱい。本当に本当に、今日見に行ってよかった。昨日新年会で疲れ果てたものね。映画ってすてきだ。

 

 

 ネットでキモチワルイみたいに言われてた感じは、まあ、そうかなあ。舞台なんだし人間が演じている猫、という前提は当然あって。それをヘンにCGでカワイイ猫チャンたちの世界とかを期待しちゃうと気持ち悪いのかなあ。私は人間の感じはまあ、そういうもんだろと思ってたので別にいいと思う。けどまあ、人間で、体の線がモロにわかるので生生しいよねえ。

 あんまダンスとかわからないけど、モダンとかコンテンポラリーだとかだと、ホントに全裸で踊ったりとかもある、よなあ、ってちょっと思ったり。

 で、そう、生身だなあって思うので、猫たちのじゃれあいとかダンスがとってもエロくてやばいドキドキする~って気恥ずかしい感じもしたりして、困っちゃうね。でもそれもいい~。

 

 で、あとキモチワルイと評判の、ゴキとかネズミとかのシーン。ゴキをつまんで喰っちゃう猫チャンたちな~~~。うへえ、ってあれは思っちゃうね~。けどまあ、コミカルでもあるし、私はそんなリアルにキモチワルイ無理、ってほどではなかった。

 

 ダンス! みんなみんなすっごい素晴らしかった! ヴィクトリアはほんとのバレリーナだそうで、当然素晴らしい。怯えておずおずとしてるところも、みんなにつられてはしゃいでいくのも。よそ者だから、という気遅れや捨てられた不安さ切なさ、なんかも。体全体で表現されてて、動きはとってもきれいだし猫らしく軽やかだし。可愛かった~。

 タップダンスとかもさっすがみせる~! これほんと舞台で生で見られたら最高盛り上がるだろうなあって。パーティシーン最高ですね。舞台だと、長老が攫われていっちゃうとかどうなってんだろうな。映画は映像マジックいっぱいあったけど。

 とにかくずっと歌とダンスとで、楽しめた~~~!

 

 長老がジュディ・デンチでね~。素敵だよもう当然。みんながあがめちゃうのわかるーって思うし。劇場猫、かつての名優というおじいちゃん猫ガスがイアン・マッケランよ。そりゃ~~名優でしょうよ!納得! だし。セクシーな悪い猫がテイラー・スウィフトだったのかな。そして悪い猫マキャヴェティがイドリス・エルバなのね! いや~~~猫になって全裸的に体のラインみせてくれるイドリス・エルバ悪い奴なんてご褒美じゃん!ありがとう!!!ドキドキしちゃった!

 そんなこんなでキャストもすごく楽しませてもらったし。

 

 これといって物語が複雑にあるってわけじゃなくて、それでも猫たちの姿、いろんな猫がいていろんな気ままさがあって、まだ怯える仔猫ちゃんも、年老いていってよろよろしちゃったり、それでも誇り高くあったり、それって人生なんだよねえ。猫たちの世界であり人生のいろんな瞬間なんだよね。たくさんの素晴らしい歌とダンスで楽しく華やかに、熱く切なく見せてくれる。それぞれの居場所をそれぞれにつかみ取っていく。あ~ミュージカル見た~って満足。

 

 猫は犬じゃない! という宣言も、あれは、犬ってなんかこう、多分権力の犬とか、人に従うとかいう感じに暗喩されてるのかな。犬は人間の良きパートナーって大事にもされるけど、人に従うみたいな良くない感じに暗喩されることもあるかーと思う。猫、つまり自由を愛して誰にもこびずに生きていくっていう宣言ね。自由を愛する作品なんだなあ。

 何はともあれほんっと メモリー 最高すぎでよかったし。泣かせてくれてありがとう。見に行ってよかった。よかったよー。

 

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映画 「マリッジ・ストーリー」

*ネタバレです。

 

 

映画 「マリッジ・ストーリー」

 

 

 Netflixで見ました。アカデミー賞にもノミネートがいくつかされてるんだよね。アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンが夫婦だなんてそれだけでもう見応えありまくりだろうとわかってた。わかってた以上に、ほんっとすっごいすっごい見応えありました。

 

 

 ニコールは女優。かつて映画に出てた、今は舞台中心。夫チャーリーが舞台監督。チャーリーの劇団がこの10年で成長し、注目を集め。成功した夫婦生活のはずだった。

 二人の良い所を書きだして、読みあげる。それは離婚調停のためのカウンセリング(?)の最初のステップだった。だが、ニコールはそれを拒否する。

 LA出身で、NYでずっと暮らすつもりではなかったニコール。けれどチャーリーの成功もあって、ずっとNYで舞台生活をしていた。二人の間にはヘンリーという8歳の男の子が一人。ニコールがLAでテレビドラマ出演の話がきて、ヘンリーと共にしばらくLAに滞在することにしていて。

 離婚は円満に。弁護士なしでいい。そのはずだったのに、離れて、自分の中のわだかまりを言葉にしたニコールは、人からの勧めもあって、弁護士を頼んだ。すぐ終わるはずの調停は、しかし親権をめぐって激しいバトルになってしまう。

 ヘンリーを巻き込みたくないはずだった。弁護士たちの煽り対決に苦い思いをする二人。

 チャーリーとようやく二人で本音のぶつけ合いをして。そして。別れた。

 

 出来事としては、夫婦の離婚という、ただそれだけなんだけれども。ニ時間あまり、ぐいぐい引き込まれて見せられる。当然ながら、スカヨハもアダム・ドライバーもうまい。すっごいうまい。スカヨハとアダム・ドライバーだな~と思うのに、ニコールとチャーリーって夫婦で、二人はかつてはすっごいラブラブカップルで、でこぼこ具合がちょうどいい素敵な夫婦で、そんな風に暮らしてきていて、子どもを大事に育てていて、仕事もうまくいって。生活の細部とかもなんかいいなーって、そういう二人なんだなあって思うし、けれど、すれ違いが決定的になっていく、もう駄目だ、という感じも徐々にわかってきて、あーなんかもうほんと駄目だ……と頷いてしまう。

 どっちの言い分もわかるって思っちゃう。家事も出来て仕事での才能も世の中に認められてて、ちょっと頑固だけど素晴らしい理想の夫と最初思えたチャーリーが、モラハラっぽいなあって感じとか。ニコールはチャーリーの妻、というレッテルに耐えられなくて、自分自身のことを尊重されてないと感じて。

 チャーリーは妻の癇癪を適当に受け流して、我慢するという対処しかしてなくて、ニコールの気持ちを考えてない。というか、舞台のこと、劇団を守り育てることでいっぱいいっぱいだったのかなー。妻は大事。子どもも勿論大事。家庭も大事にしてる。ちゃんといい夫でいるつもりだったけど。自分だって我慢してる、と。

 

 LANYという街の違い、みたいなことも体現してるんだろうなあ。LAのみんながやたら、LAは広いし、っていうのがなんか面白かった。NYは舞台の街。LAは映像の街なのかな。車社会と、歩く街と。そういう対比も面白かった。

 

 二人で、最初のカウンセリングかなんかの時、ちゃんとお互いの長所、読み上げていたら、もうちょっとは円満離婚になってたのかなあ。けど、もう無理だよもう駄目だよもう嫌だ!という本音のぶつけ合いを、一度はしたのは、よかったのかもなあ。

 お互い激高して、罵詈雑言ぶつけ合ったとき、お前なんじゃ死んじゃえ!みたいに言っちゃって、言ってしまった自分の言葉、自分自身に傷ついて泣いて床に伏しちゃうの、チャーリーの方が。泣いちゃうんだよなあ、チャーリーが。それをニコールは許すんだなあ。

 チャーリーは育った家庭が結構酷かったみたいだから、もしかしたら、誰かの前で泣いて弱さを見せたことがなかったのかも。チャーリーもやっと、泣けたのかも。

 

 で、親権はニコールの方がちょっと多めな感じで両方が持つ感じ。多分円満離婚、と言える感じで決着したのね。

 

 ニコールが家族の髪を切ってあげてるシーン、可愛くて好きだった。別れるってなった後にも一回切ってあげたりして。離婚の後は散髪屋さんに行くチャーリー。なんだか不慣れというかぎこちない顔してるのがまた可愛かったし。

 NYで劇団仲間とわいわいしてるお店で、一曲歌っちゃうチャーリーもすごくよかった。最初はちょっとなんとなく、って感じだったのだけど、歌に想いがこもっちゃって、しっかり歌い上げちゃったの、すごく素敵だった。アダム・ドライバー最高じゃん。

 

 最後、もう一度ハロウィンの日ね。その前のハロウィンの時、ニコールがDBowieのコスプレ? 仮想してて、似てたしときめいたわ。よかった~。

 で。ヘンリーが寝ちゃって、チャーリーが連れて帰ることにして。ヘンリーを抱っこして歩き出そうとしたチャーリーの靴紐がほどけてるよ、ってニコールが結びなおしてあげる。やっぱりチャーリーの足元をちゃんとニコールは支えてあげてきていたんじゃないか、と、思った。本当に本当に、二人とも子どもを大事にしてるの。ヘンリーが二人の子どもであることは間違いないつながり。

 弁護士とか家族とか、脇のキャラクターたちもすごくよくて、何もかもが上手かった。二人は確かに人生のひと時を過ごして、それはいい時間でもあった。けれどまた別々の道を、それぞれに歩き出す。夫婦の離婚なんて、よくある話し。だけどすっごく、いい映画だった。見てよかった。満足。

 

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 映画 「ダウントン・アビー」

*ネタバレです。

 

 

 映画 「ダウントン・アビー」

 

 1927年、だっけかな。テレビシリーズもNHKでやってたのを熱心に見てました。あの後、なんですね。あの音楽が流れ、あのお城に続く芝生の中の道。ああ~ダウントン・アビーだ~~。と、懐かしくわくわくして始まってすぐ引き込まれました。

 迷ったけど字幕で見た。テレビで吹替えで見てたわけだけども、せっかく映画だし、ハイソな英語を聞いてみたかったし。

 

 今回の大きな物語としては、国王たちが巡幸の途中、ダウントン・アビーに立ち寄って一泊、という知らせから始まる。国王をお迎えするって、たいへん~! てことで、お屋敷の準備、掃除掃除であわただしく。それにパレートもある、その観覧席の準備。もう。あれもこれもたいへん~~~。

 

 女王付の侍女(?)になっている、バイオレットおばあさまの、姉妹なのかな? で、モードの屋敷とか財産の相続を、クローリーにってバイオレット様は考えてて、しかし、とか。

 王室付の従者たち、シェフとか、と、ダウントン・アビーの従者との対立とか。パットモアさんが料理するって張り切ってて、村でも、うちの店から買ったものが王様の晩餐になるのか~とか、みんなうっきうきの大盛り上がりの中、王室のスタッフがすべて仕切りますから! って排除しようとするのね。その、下の階でのバトルも面白かった。

 

 そして、カーソンさんがメアリーの頼みで今回の執事に復帰! トーマスがへそ曲げるだろーと思ったら、ムッとしながらも、では休みをいただきます、って引きさがったわ。

 トーマス、というかバローさんね。ちゃんと執事してるのに。王室の従者のハンサムといつのまにかすっかり仲良し~になってさ。遊びにいって、同性愛者のクラブみたいな所に行って、警察に捕まったり。けど助けてもらったり。

 まだこの当時は同性愛者は捕まってしまうんだよなあ。いつか、未来は変化してるかも、という彼らのつぶやきが切なかったよ。バローさん、友達、友達以上の彼が出来てよかったねっ;;

 

 メアリーは次の領主として期待されてるねえ。タイヘンでもう無理っていう気持ちもわかる。というかほんとツライだろうなあと思う。けど、バイオレット様に頼まれちゃったし、本人もそうはいいつつ誇りと責任しょってくんだろうなあって思う。貴族でいるっていうのがますます厳しく難しくなっていくんだよなあ。それでも、あのあたりの、まさに要、みんなが仰ぎ見るお城だものなあ。やっぱりとっても美しかったよ。

 

 バイオレット様が病気があるって最後にわかって、ああおばあさま、と悲しくなったけど、けど、おばあさま、多分もう十分生きたわ、っていうのも本当だろうし。バイオレット様相変わらずだけど、やっぱり、柔軟に理解あるんだよねえ。素晴らしい。

 

 今回もまた、すっごい登場人物いーっぱいの中、それぞれに見せ場あって素敵だったし、シリーズ見続けてきた期待にしっかり応えてて凄い。よくあんなに沢山のみんないろいろな所描き出してまとめるなあ。ドタバタいっぱいあったのに、ちゃんと爽快に着地したの。お見事。モールズリーさんがまたもうアホ可愛いくやってくれるし。

 うつくしいお城の世界。お貴族さまたちの暮らし。ドレス。料理。社交のめんどくささ。タイヘンだなあ。たいへんたいへん。召使いたち下の世界でも、たいへん。けど、みんな、ダウントン・アビーが自分たちの家、という誇りと愛情持ってるのね。素敵だよー。うっとりでした。最高の娯楽ドラマだ。大満足!^^

 

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『ネクロスコープ』 上下(ブライアン・ラムレイ/創元推理文庫)

*ネタバレです。

 

 

『ネクロスコープ』 上下(ブライアン・ラムレイ/創元推理文庫)

 

 

 死霊見師ハリー・キーオウ

 というシリーズになるのかな。解説によると、全五巻、さらにシリーズがあって全一六巻+αな大シリーズになるそうです。この上下巻はその始まりですか。

 

 1970年代。ソ連には極秘の部署があった。城を本拠地として、ひそかに超能力者が集められて国家のために様々なスパイ活動に従事する。中でも死体に引き裂いて、その肉や脳髄から情報、能力を見つけ引き継ぐネクロマンサー、ボリス・ドラコサニには野心があった。いずれ、自分がここのトップになると。さらに抱えている大きな秘密。故郷ルーマニアで子どもの頃に聞いた頭の中に響く声のこと。おそらく自分は、吸血鬼の血を引くものだ。吸血鬼の秘密、不死者となっている地底のものと、いつか対峙してもっと強大な能力を得るつもりだった。

 

 英国で極平凡な学生と思われていたハリー・キーオウ。だが、ある時、彼に恐ろしいほどの数学の才能があることを、教師が知る。この子の能力はただならぬものなのでは。もっと上級の学校へ、さらに超能力をも開花させる場所へと、ハリーは進む。英国にも超能力者を集めた機関があるのだ。

 ハリーは個人的に、母を殺した継父と対決しなくてはならないと心に決めていた。死者と話せる、死者の能力を受け継ぐことができる、ネクロスコープの能力。霊媒師だった遠いロシアの血を引く母方からの能力が、ハリーの中で殊更強く目覚めたのだった。

 

 ロシアが英国を探り、超能力局の長官を殺す。ハリーはまだそこに勤めていたわけではなかったが、メビウスの輪の仮設から瞬間移動をも身につけて、ドラコサニと対決し、時のルループに封じ滅ぼすのだった。

 

 一応、滅ぼすっていうか、ドラコサニはその前に自分が対峙していたと思われる地底の吸血鬼と同化させられちゃって、って感じかな。この、ループみたいなのが今後破られていくのか。ソ連がこのままやられっぱなしなわけないのか、ハリーはもっとさらなる敵とか冒険とかしちゃうのか。わかんないけど。

 死霊の力を暴き、奪うとか。ソ連と英国のスパイ対決だとか。なんかわくわくする設定山盛りなのでは。と期待して読み始めたのだけれども、なんでかなあ、私にはものすごく読みづらくて、読み終わるのにやたら時間かかってしまった。なんか、まどろっこしいというかー。キャラの魅力が私にはわからなくて、どの人物のことも好きにならず。英国ソ連スパイ対決みたいなことを期待してもあんまそういうのはなく。それはまあ、私が勝手に期待して悪かった……。

 シリーズの始まりってことなのか、とにかく、ドラコサニとハリーがいかに成長し力を得ていくか、みたいなところで、吸血鬼の秘密みたいなのもやたらもったいぶるわりには、なんか。別に。フーン、て感じ。というか、秘密? わかんない。やたらもったいぶって大仰に語り連ねてるわりには、なんか、弱……、あっさり、終わりなの、え? と拍子抜け。うーん。どこをどう面白がればよかったのか私にはわからない。

 死体を引き裂いて血肉をすすって情報を得るとか、おどろおどろしい、のかもしれないけどそれもまあ、まあなるほど、という感じ。もったいぶる文章のことごとくが私には面白く感じられなくて、あーさっさと話し進まないかなあ、と、残りページを確認しながら休みながら読んじゃった。この作者、か、翻訳者か、の、文章とか構成が私には合わないんだろうなあ。

 

 長官の死の混乱の中、副官の人が亡霊のようなホログラムのようなものに話を聞かされる、というつくりなんだけど、それ、そうする意味あんのか、わかんない。今後につながるのかなあ。んー。けどまあ、私はこの先翻訳が出ても読まないなあ。設定的にはすごく面白そう~って思ったけど、なんか、違う期待持ってしまったのかな。悪かった。

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映画 「ジョジョ・ラビット」

*ネタバレです。

 

 

映画 「ジョジョ・ラビット」

 

 

 舞台はドイツ、第二次世界大戦終戦が近い頃。ジョジョは10歳。ナチスの青少年団「ヒトラーユーゲント」に入っていて、訓練キャンプに参加する日。金髪、青い目の少年。だけど少々気弱でなにかとどんくさそう。心の中の親友、アドルフ、アドルフ・ヒトラーが励ましてくれるので、頑張っている。二番目の親友はヨーキー。ちょっと太っちょで眼鏡で、ヨーキーもあんまり優秀な子どもってわけではなさそう。

 

 キャンプでとろくさいジョジョが上級生に目をつけられて、勇敢さを示すためにウサギを殺せ、と命じられる。でもウサギを逃がそうとしてしまうジョジョ。ウサギは上級生に殺され、ジョジョは臆病なウサギめ、と、ジョジョ・ラビットと呼ばれ、からかわれる。

 一度は逃げ出しかけたけれども、アドルフと共に勢いつけて駆け戻って、手榴弾投擲訓練の中へ突進し、手榴弾を投げるジョジョ。しかしそれは木にぶつかって、ジョジョのすぐそばに跳ね返ってきて、爆発した。

 

 病院へ運ばれ、命は助かったジョジョ。しかし足はやや不自由になり、体も顔も傷だらけの跡が残る。こんな醜い僕になっちゃた、けど、ママは生きてれば十分! と明るく励ます。

 ママは、美人で強くて、そしてひそかに反ナチスで、家に、匿われたユダヤ人の少女が、いるのをジョジョは見つけてしまった!

 

 

 タイカ・ワイティティ監督、で、アドルフも演じてて。なんかすごく評判いいよなーというのは知ってて、楽しみに待ってました。

 ほんと、ほんっとーーーに、すっごいよかった!

 いやまあ、反ナチスを子どもの視点からユーモア交えて描き出す、って、まあ、そりゃユーモアといいつつ泣かせるんでしょーなんて思ってたの。それはそうで、やっぱり泣かせるんださ~~~。ほんと、ほんと、泣かせられた。あまりにも素敵で素晴らしくて、切なくて苦しくて、可愛くて可愛くて、しかも最後、Bowieの、「ヒーローズ」の、多分誰かカバーで歌ってる、のが流れてきてさーーーーー。泣くわ。泣くだろ。泣くに決まってる。どーーっと泣いてしまって、凄い、いい映画見た、と言って、傘を忘れそうになったわ。めちゃめちゃいい映画見た;;

 

 

 ジョジョは怪我したし、後遺症あるしで、ナチスの青年としては落伍者になっちゃったのね。それでもビラはりとか、召集令状配れとか、日々の雑用して、青年団として役にたとうとしてる。

 ジョジョが戦うぞ! ハイル・ヒトラー! みたいになってるのは、パパが戦地に行ってるってことにしてるからなんじゃないの。パパのこと大好きなんだものな。あとまあ単純に、戦争ごっこといか兵隊さんかっこいい! みたいなムードを作られてて盲信してるんだよねえ。子どもって危うい。子どもを危うくしちゃうのが、大人なんだぞ……。

 

 ママ、ロージーを演じているのはスカーレット・ヨハンソン。美人なママ! ジョジョを大事にしてて、愛情深い素敵なママ。人としても素晴らしくて、自由を愛してるし反ナチスの活動をひそかにしてるし、ユダヤ人の少女を匿って、生きるのよ、って励ましている。

 パパも、本当は外国で反ナチスの活動してるかなんからしい。ナチスに抵抗するドイツ人もいるのだ、ということね。

 ママがさあ、ほんと素敵で。赤い口紅をしてて、おしゃれな靴を履いてるし、コートは綺麗な青い色だし、ニットなんかも明るい色、柄があって。明らかにママだけがカラフル。

 カラフルというのは、自由、ということに通じているんだよね。規律的な軍服や没個性とはママは浮いている。ママは美人で強気で。でも、だから、殺されてしまう。

 

 あれは、反ナチスの活動仲間がバレたってことなのかなあ。ジョジョが街を歩いてて、縛り首が吊るされているのに突き当たって、その、足の、靴が、あのママの素敵な靴なの。ママが踊ってた足もとの靴。ママはいつも明るくてダンスが好きで。パパの代わりにもなってくれるしジョジョを愛してる。

 

 ジョジョがママの秘密に気づいて、ちょっと反抗的になって、パパがいればよかった、みたいなこと言った時に、パパに会いたい? といって、ママがパパの上着きて暖炉の炭で顔黒くヒゲのつもりにぬって、パパのふりでジョジョを叱ったり諭したりするの、そのシーンのスカヨハ最高ですし可愛いかっこいい、さっすが上手い~。素敵だった。あのご時世、ママ一人で戦って子ども守って、人としてまっとうでいようとするなんて、どれほど大変だかはかり知れない。けど、ママはいつも素敵なの。あれはジョジョには何の心配もかけないように、いつも大丈夫って思わせるように、辛い所はジョジョには決して見せてなかったってことなんだと思う。最高だ。

 

 ジョジョは靴紐がうまく結べなくて、ママにやってもらってたのね。吊るされたママの靴紐を、結んであげようとしてできなくて、足に抱きついて泣いちゃって。でも、どうしようもなくてただただママの死体の前にずーーーーっと座ってた。

 こういう、衝撃と静けさでこんなシーンを見せてくるんだなあ……。凄い。

 

 家に匿われていたユダヤ人の少女、エルサ。ジョジョよりは年上、婚約者がいたとかなので、18歳とかそんな感じなのかな。ジョジョに見つかった時の感じがホラー映画のそれで笑っちゃった。ジョジョに見つかって、怯えるとかじゃなくてむしろジョジョを脅して主導権とる、逞しさかっこいい。

 秘密、ってことで、ママの留守中にだんだん会話するようになっていくジョジョとエルサ。

 ジョジョはユダヤ人なんて化け物、みたいに思い込んでいて、ユダヤ人を見分ける役に立つ本を書くために、ユダヤ人のことをエルサにあれこれ訪ねたりしてる。

 敵は、化け物。そんな教えとか思い込みとか、バカげてる。大真面目にジョジョがノートをとっていくのを、観客である私は笑っちゃうし、苦しくもなる。ねえ結局、おんなじ人間じゃないか。

 

 ジョジョの姉が、いつどうして亡くなったのか、とか、誰にも知られてないとかが、ちょっとよくわからなかったんだけど。でもママはその子の分まで、エルサを大事に思うんだよね。大人の女ってどんなの? なんてエルサに聞かれたら、いろいろ答えてあげるのも、ほんとは娘としたかった会話なんだよなあ。ママ、ほんと切ない。ママ、ほんと、ママ。子どもを守る大人で素敵。

 

 青年団のしどうしゃである大尉は、戦場で片目を失ったので、子どものおもりをしなきゃならん、って、ちょっとやさぐれてる。ちょっとふざけてる。サム・ロックウェルが演じてるの。ちょっとだらっとした感じがすごくかっこよかった。子どものおもりなんて最悪だつまんねえ~って感じだけど、ジョジョの味方になってくれるんだよ。

 ジョジョの家が家宅捜索される所に居合わせて、エルサがジョジョの姉のふりをしたとき、嘘に気づいても見逃してくれた。

 それに、最後、アメリカ軍が進軍してきて敗北した時には、ジョジョが一緒に捕虜になりそうな所を、逃がして、多分あれ、あのあと殺されたんだな。

 大尉、大人だった。ナチスの兵士だったけど、人間だった。

 

 それに多分、大尉、いつも一緒の部下、フィンケルくんと、同性愛関係って感じの匂わせもあったんだよなあ。大尉もやはりナチスの中でいてアウトローな人間だった、ってことか。

 軍服に、なんかオリジナルデザインつけて、派手な飾りとかつけて最後の市街戦やってたの。

 そのデザインやる時に使ってた色鉛筆を、ジョジョがこっそり盗んでエルサに渡してあげて、っていうシーンがあって。大尉もやはり少しカラフルな側の人、って感じ。大尉、ほんと、ダメおっさんな感じからの、泣かせる最後素晴らしかった。

 

 ジョジョの二番目の親友ヨーキー。彼もまたちびっこながらに戦いに参加しようとしてて。ヨーキーとのシーンはとっても可愛くて面白くて最高だった。子ども同士~って。結構なドジっ子のヨーキーも可愛かったよ。名演。主演ジョジョ、ローマン・グリフィス・デイビスくん。みんななんなんだよ子役くんたち。めちゃめちゃ名優だった。

 

 基本的に子どもの世界だから、大人世界で、世界大戦で、何が起きてるかはよくわからない。わからなくて、でも戦闘はやってきて、街で銃弾や砲撃が始まり。

 その市街戦の激しさ恐怖はリアルに描かれてて、物凄く怖かった。怖くて、どうしようもなくて。

 

 その後、ナチスが負けて、街に自由が。ってなった時に、ジョジョは、エルサが自由になったら恋人とパリへ行ってしまうんじゃないか、と、思わず、嘘をつく。ドイツが勝った、と。エルサを愛してるんだよねジョジョ。子ども扱いされるってわかってて、それでも、っての、めっちゃ可愛い。辛い。でも、やっぱり脱出しようって、エルサを連れ出す。外は危険がいっぱいよ、って、かつてママが言ってたセリフそのままに。

 でも、外はもう銃撃はなくて。アメリカの国旗掲げた車が走っていく。

 エルサは、ジョジョに一発ビンタするんだけど、ジョジョにどうする?って聞かれたら。いつか、踊るって言ってたことあって、そうするの。ゆっくりあたりを見回して、外の光を浴びて、最初はゆっくり体を揺らして、リズムになって。

 そこで「ヒーローズ」なんだよ~~~~。踊るの。暗転。ああああああーーーーっ。

 泣くわ。泣くでしょ。どっと涙があふれて止まりませんでした。めちゃめちゃいい映画見た。物凄く上手い。よかった。

 

 最初の、ヒトラーの演説だとかのニュース映像が、ビートルズの音楽のせてなんかおしゃれムービーに見せられてて。もういきなりのド皮肉だなーっていうのを思い知らせるんだよね。

 まあ、西側のすべてが良いもの正しいものとは限らないけれども。でもナチスは非道すぎる。あの時、自由こそもっとも輝くもの、っていうのは言えると思う。とてつもなく皮肉いっぱいの、ユーモアいっぱいの、それでも悲惨さから目をそむけることのない、直球に反戦映画。面白かった。とてもとてもとても。面白かったです。

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映画「アラビアのロレンス 完全版」

*ネタバレします。

 

 

映画「アラビアのロレンス 完全版」

 

 

 午前十時の映画祭で見てきました。1962年公開のものより、20分長い完全版が88年にできたそうで、それですね。上映時間227分らしい。インターミッションで10休憩入りましたから、4時間ほどの上映でした。長かった……。

 

 始まり。序曲、なのね。画面は暗く何もなく、不安になってしまう。昔はこういうものだったのかな。で、ようやく始まった。男とバイク。上から映しているショット。バイクの手入れをして、乗る。走り出して、ようやく男の姿が映る。金髪、スーツ、防風眼鏡。スピードを上げていく。不意に、自転車がいて、避けて道をそれたバイクは横転。

 そして男の葬儀。彼のブロンズの胸像が飾られるほどの盛大な葬儀だった。ロレンス大佐。偉大な人物だった、いやそうでもない、よく知らない。参列者に記者がインタビューしようとするが、人それぞれにいう事は違っていて、わからない。

 そして、アラビアの戦地。地図を描いている気取った男、タバコに火をつけたマッチを手で消して見せるヘンな男、が、ロレンスだ。

 

 

 始まったと思ったらいきなり主人公死んだ?? と、びっくりした。

有名だし傑作だ名作だと言われているし、アラビアで英国兵ながらアラブの人々を率いて戦った強い英雄の映画、かと思ってた。

 違った。変わり者扱いされていたインテリの一人の男が、最初は強気に戦場へ出てゆき、戦いの中で次第に狂気をはらみ、傷つき、苦しみ、これまでの人生や正しさを見失い、失意の中でどこにも居場所を失って、去ってゆく映画だった。

 

 舞台は1916年あたりかな。イギリスはアラブ方面で軍事展開中? 歴史的背景を私は無知でわからなくて、なんの戦いをしてるんだ? といまいち把握しないまま見てしまった。アラブがトルコから独立しようとしてるのかな? 一応かえってググってみたけど、うーんと、なんか、オスマン帝国の支配下からアラブ独立を助けするよという名目でイギリス軍がきてる、みたい。まあ、わかんないけど、まあいっか。というか中東情勢のもめごとってもう大昔からなんだなあという気持ち。

 

 で、ロレンスは、学識豊かなユニークな経歴、語学に堪能、って感じで、アラブの王子にあってきて協力を、みたいなふわっとした感じで赴任していく。最初は一人で、案内人一人だけで、砂漠に進んでいくうちに、井戸の水を勝手に飲んだな、と、なんかの種族の首長に案内人殺されちゃって、けどなんとなくその男と行動を共にすることになって、やがてどんどん仲間がというか、協力してくれる部族ができて、王子に会いに行って、砂漠を超えて、なんか勢いでトルコ領下の街へ攻め込んで。

 なんか、そんな? 一人でふらっと戦闘おっぱじめてぐいぐいいっちゃう感じ?? 兵士だよね? と、いろいろ不思議だったけど。まあ。昔はなんかゆるかったりもしたのかなあ。まあ。うーん。ま、軍事行動とかはわかんなくてもいいか。なんとなくで。ミリタリードキュメントでもないし。

 

 この、最初の井戸で出会ったアリが、ロレンスとその後もずっと一緒にいることになる黒づくめの騎士って感じでかっこいいんだ~。ベドウィンの民。ベドウィン、砂漠を移動している民族がいろいろあって、部族間の対立も複雑そう。けど、アリが味方になってくれるんだよー。

 

 過酷な砂漠越え。次の水場まではラクダも死ぬかもしれない道のり。雄大な砂漠、手率潔太陽、砂漠って、移動するということそのものが試練だなあ。砂漠、とてつもなくうつくしくて、残酷。

 ガジムという男が、砂嵐の中、ラクダから落ちたかなんかでいなくなっていることがわかった。探しに引き返す余裕はない。水場へ向かう一行と、一人ででも探しに戻るロレンス。誰もが無理だと思っていたのに、ロレンスは彼を助けて戻ってきた。

 わー!! ってことでロレンスはベドウィンのみんなに英雄として認められる。運命を自分で切り開くことができる男こそ首長だ、みたいな感じで、一人前どころか尊敬集める立場になる。

 アリが、すっかりツンデレのデレのターンになっちゃって、それまで軍服だったロレンスのくたびれた服を勝手に焼き捨てちゃって、真っ白なアラブの装束を着せちゃうの~~~。な、なにこれ。お気に入りにおめかしドレスアップさせるやつじゃん! しかも自分は真っ黒で、ロレンスは真っ白で。花嫁衣裳。。。って思っちゃったよ~~~。まあなんか首長の服だ、みたいに、なんかとにかくいい服らしいけど。けど~。花嫁じゃん。ロレンスがまたそれ着てちょっと離れたところで、どうかな~似合う~くるくる~とか一人でひっそり喜んでたのが可愛かった~~~~。

 アリの愛が深い。重い。ロレンスの生い立ちみたいな話を聞いて、自分で名前を決められるじゃないか、エル・オレンスが一番いい、って、お気に入りの名前にさせちゃうのとか。愛だなあ愛。

 

 せっかく助けたガジムを部族争いの処罰として自分が殺さなくちゃいけなくなったり。従者にしてた子どもの一人を流砂で目の前で死なせてしまったり。街に攻め込んで勝利をえても、ロレンスは苦悩する。

 ボロボロになってカイロに戻ったら、カイロって大都会……。軍に報告に行けばアラブ服は浮きまくり。昇進を言い渡されても特に嬉しくもなさそうな、ボロボロのロレンス。その差がすごく見ていて辛く刺さった。

 

 インターミッション、10分休憩~。そんでまた次が始まる時にもひとしきり曲が。昔の映画ってこういうもんなんだっけ。

 

 アラブで、列車爆破のテロ的な戦いを重ねているロレンス。だんだん自分は負けない、特別な男なんだ、って高慢さが出てきてる。戦闘というより結構残虐なテロって感じになってたりして、ツライ。

 けれど気まぐれなベドウィンたち。ひとしきり略奪とかして自分の取り分とっちゃったら、冬だしもう帰る~みたいに軍から去ってしまったりする。

 軍隊と言えないほどに仲間が減っていくけど、ロレンスは北進する。

 

 で。ロレンス、トルコ軍に捕まるのね。司令官みたいな男が、退屈してる嫌な奴って感じで、ロレンスの服をばっと脱がせたりして。青い目だ、白い肌だ、と。ロレンスの体をつついたりしてる手つきが、いやらしい!!! あ~これかあ、って震えましたね。これは、やばいっす。撮り方も、明らかに、この美しいロレンスをこの男たちは犯そうとしています、って見せてくる撮り方だよなあ。単に拷問されるんじゃなくて、性的にもやられる、って察したロレンスのあやうさがたまんないっす。ヤバイ。シーンとしてうつったのは細い竹の棒で背中うたれまくる所少しだけだけど、あのあと絶対凌辱されましたねこれは……って感じ。

 アリがそとにいて、ぼろぼろになったロレンスを助ける。

 拷問の名目としては、アラブ軍の情勢情報を教えろってことだったみたい。

 ロレンスが、あやうく口を割る所だったと、落ち込んでたりして。心も体も傷つけられすぎてもう無理、って感じが痛々しい。アリがかいがいしくお世話しちゃうのが悲しくも愛しい。アリ。アリだけが最後までずっとロレンスの味方;;

 

 

 アラブ軍がダマスカスを先に占領するぞー!って戦いに行くも、アラブの人たちはバラバラで、街を統治するとかインフラ整備とかができない。電気がとまる、水道がとまる、電話は通じない。ボロボロ。ロレンスは人々をまとめることができない。ただ人が転がされているだけの病院の惨状を見て、イギリスの軍医に叱り飛ばされて、どうしようもない。

 

 兵士は去り。で、お偉いさんとか王子とかが、今後の方針を話し合って、あとは政治がやりますよ、みたいな感じ。

 戦うだけじゃ自由を得られない。

 ロレンスはさらに昇進して、大佐と呼ばれるも、本国へ帰れ、という扱い。

 もうやっかいものでしかないロレンスがあまりにも切ない。

 それでも、ロレンスを英雄だ、とはしゃいで見つめるものもいる。本国へ帰れるなんて羨ましいです、と、送ってくれる兵士に言われて、何とも言えず危うい、脆い、顔してるのが切なかった。

 

 英雄譚ではなかった。戦争の狂気にはまり、居場所を亡くした傷ついた男の映画だった。一時は殺戮を楽しむようなこともしてた。軽やかに変人として意気揚々としてた最初の頃のロレンスとはすっかり変わって、アラブを去ることになったロレンス。英雄、変人、手柄を自慢する男、寛大な偉大な男。葬儀の時にさまざまに評価が分かれたのは当然か。 

 誰だっていろんな面を抱えてる。単純なヒーローなんて戦争にはいない。どこにもいない。古い映画だけど、全然古臭くなかった。長いなーと躊躇して今までまともに全部見たことなかったけど、見てきてよかった。

 

 あとやっぱり砂漠とか、馬とか駱駝とか、戦闘シーンとか全部リアルに人が演じて実物撮ってるわけだよなあ。当然ながらCGでちょっといい感じに修正~とか描きたし~とかない時代だよねえ。この、これ、本物……すっげー。壮大というか。こんなにどーっと人馬走らせちゃうんだ。

 砂漠に、海辺に、駱駝とロレンスとか。はるばるとした景色も全部、ほんもの。綺麗だった。よくこんなに撮った、こんな、凄い作品つくりあげて。凄い。音楽もたっぷりで素敵ですっごいゴージャス。まあ、凄いって知ってましたけど、わかってなかったねえ。

 最初の方の眠くなる~、を超えて、アリがデレのターンになってくれるとぐいぐいいける。面白かった。ほんと、こういうきっかけでないと見ないままになってたかも。午前十時の映画祭ありがとう。今回で10周年、そして終わる企画だけど、名作をありがとう。

 

 

 

 

 

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映画「マザーレス・ブルックリン」

*ネタバレします。

 

 

映画「マザーレス・ブルックリン」

 

 

 1950年代のニューヨーク。調査会社をやっているフランク・ミナ。その下で働いているライオネル。彼はチック症や、突然叫んでしまったりする障害があるが、記憶力抜群。仲間と共に、フランクのバックアップをするために待機していた。交渉相手ともめたフランク。連れ去られた彼を追ったが、フランクは撃たれて倒れていた。

 フランクの調査していたこと、殺された謎を追って、ライオネルはまず調査対象だったローズという女性を見つけ出す。

 

 

 原作小説があって、それは1999年だかが舞台らしい。けれど、監督脚本主演、製作でもあるエドワード・ノートンは1950年代の、ニューヨークの再開発計画の頃を舞台としたのね。小説も読んでみたいなあと思ったけど、多分ずいぶんアレンジしているんだろうなあ。

 年代的にもクラシカルだし、物語も、クラシカルで。ほんと、探偵小説を読んだみたいな気持ちになる映画だった。渋い。かっこいい。もちろん映画だからこその、素晴らしいビジュアル、すっごいかっこいいジャズが鳴り響く。ファッションや車も、素敵~で。これもとってもとっても夢とロマンの込められた映画だった。

 

 主人公が困った障害がある、って、「ジョーカー」を連想しちゃうけど。この映画では、彼が突然叫んじゃったり、言葉の連想とかちょっと壊れた頭の中が声に出ちゃったりするのを、周りの人は、びっくりしたりしながらも、まあいいけど、って流す。

 特にボスだったフランクは、ライオネルの才能、記憶力やひらめきみたいな所をかっていて、大事にしてくれたみたいだった。フリーク、ってからかわれても、お前はそんなんじゃない、ってちゃんと言ってくれる。

 ライオネルの事務所で働いてるのは、かつて孤児院にいた少年たち、ね。もうみんなすっかりおっさんですが。フランクが救い出してくれた、仕事をくれた、居場所をくれた、そういう感じみたい。特にライオネルは、自分の障害をなんとかうまく扱うよう教わったり助けられたりで、すごくフランクを尊敬してる。

 その死、というトラブルに深入りしたくない同僚たち。けど、一人ででも追い続けるライオネル。そういう、仲間たちの中での微妙な空気とか、それでも仲間っていう感じとか、渋いよなあ。事務所のみんなたち、モブキャラ的だったりなんだけど、それでも彼らには彼らの人生があるって感じ。

 

 敵、というか、黒幕みたいなのは、行政官だかなんだかの、権力者だった。スラムを一掃し、NYに公園を、マンハッタン島に橋を、作って便利で綺麗な街にしよう、とする。市長みたいに表だったりはしない、けれど誰よりも街を仕切る権力を持って離さない男、モー。

 けれど、貧しい黒人たちを別の住宅を世話するといって追い払って、けれどその約束は守られることがない。家を追われ、街から消されてゆくマイノリティ。そこに抗議し、デモする人たちの中に、ローズはいた。

 

 フランクは何故殺されたのか、と。ローズがカギを握っているらしいけれど本人はわかってないみたい、彼女の秘密とは。っていうのが大きなストーリーかな。ローズは、実はモーがかつて手を出した黒人女性の子ども。その出生の秘密の証拠をバラせば、選挙で不利になるだろう、と調べ上げたのがフランクで。証拠の書類をめぐっての殺人だったのね。

 街の再開発を強引に進めさせないためにも、ローズが切り札になるはす。だけど、ローズは傷つくことになる。ともに身寄りのない孤独な二人として心が近づいた二人。ライオネルはローズを守るために、モーの秘密の書類は秘密のままにする、と約束した。ローズに決して手を出すなということで。

 

 権力の腐敗とか、貧しい人々の行く末とか、かなり壮大なトラブルがあきらかになりながらも、結局、ローズを守る、というところに着地して、シンプルな結末だった。

 それでもモーではなく市長の方の不正腐敗の証拠を新聞記者に渡したので、それなりに糾弾はあるだろうなあという所。

 大都会の孤独、とか、欠落を抱えた男と女が出会い、優しい夜をすごすとか、ものすごくクラシカルに夢とロマンだった。クラシカルに、とはいえ、やはり今の映画なので、簡単に寝たりはしない。一緒に寝るけどほんとうにただ、父のように育ててくれた人を殺されたローズを落ち着かせるように、そばにいて、添い寝。

 細やかなあれこれがみんなとてもやさしい映画だった。ライオネルの障害とか、男女の親しみとか、みんな、優しい。殊更なことがなく、ただ、そういうもの、っていう描き方がとても優しいと思った。

 「ジョーカー」のアーサーがここにいたらジョーカーにならなかったのに、って思っちゃうねえ。

 

 ブルース・ウィリスがフランク役。出てきてわりと早々に死ぬんだけど、すっごく渋く素敵で軽やかでもあって、かっこいい、いい役~。そっかーかっこいいんだなブルース・ウィリス、と思う。

 モーと、実は兄弟であるポール、追い出される住民たちの味方で野次ってたりする男、を、ウィリアム・デフォーが演じてて。最初、お、ウィリアム・デフォー。ゴッホだ、と連想しちゃった。貧しくて偏屈みたいな感じで出てきてて。ちょっとしたゲスト登場なのかと思ったら、実はかなり深い兄弟の確執抱えてるみたいな人物で、あーやっぱ重要人物だったのかーとやられた。けど、兄弟の確執が何なのかはいまいちよくわからなかったんだけど。ポール、建築家かなんかなのか? モーの街の再開発計画っていうか、街づくりの計画の理想を作ったりしていたのかなあ。最後に返されてた書類は、何? 計画書かな? なんかあの兄弟すごく業が深い過去とかありそうと思いつつちょっとよくわからなかったのが残念。本読むべきかなあ。

 

 そしてジャズ。私はジャズぜんぜんわかんないけども、ジャズめっちゃかっこいい~すてき~~~とうっとりなってしまうほどに、この映画の中でジャズ、すっごくよかった。ジャズ。これもNYの一部って感じなのかなあ。本当に、ロマンチックでもあり、深くかっこよかった。

 

 あとライオネルが猫飼ってた。孤独には猫だよねえ~可愛い~。出番はちょびっとだったけど、ねこ、可愛い。ライオネル、出ずっぱりになり、ボコられたりもしてて、あんまりちゃんと家に帰れなかったりしてたけど、猫ちゃんのお世話は大丈夫なのかね、ってことがちらっと心配でしたよ。あのあとも猫もいっしょに、暮らしてね。

 

 今作、いまいち話題でもないし、動員数もあがらなさそうだけど、まあ確かにどーんと派手に面白いっ!ってなるものでもないけど、ちゃんと面白いし、渋い、かっこいい、優しい、いい映画だと思う。おしゃれだよー。音楽もいいよー。キャストみんな素敵でうまいかっこいいよー。夢とロマンたっぷりだよ。見に行ってよかったです。

 1/10に公開になった見たい映画が多すぎるよ。もー。

 

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映画 「フォード VS フェラーリ」

*ネタバレしています。

 

 

映画 「フォード VS フェラーリ」

 

 

 これこそIMAXで見るべきだったのでは。けど普通のスクリーンで見ました。けどそれでもやっぱ家庭ではない音響なので、見に行って本当によかった。

 

 1966年の、ル・マン。絶対王者だったフェラーリに挑んだフォードチームの戦い。という実話ベースだそうですが、私はその辺全く知らないしわからないんだけれども、それで、だから、え、どういう結末になるんだ??? と、すっごくドキドキハラハラすべてを面白く見ました! 面白い。すごい面白かった。すっごい上手い映画だった。

 

 ル・マン。そのレースの名前は聞いたことある。F1とは違うんだっけ。24時間耐久レースだから。そんな程度の私が見ても、うううわあああああ~~~~すっごい~~車かっこいいいい~~あ~~レース見たい! って思わせる魅力満点。凄い。すっごいかっこいい。本当に本当の夢とロマンが詰まってる。映画って夢だ。映画って、理想だ。映画って、人を魅了するものだ、って。つくづくこの中の世界が素晴らしくて、美しくてかっこよくて、おかしくて面白くて切なくて崇高だった。素晴らしい夢を見た。上映時間153分? ニ時間半ちょっとかあ。長いけど全然長くない。一緒に夢を見た時間だった。どの人物も、どの車も、最高にかっこよかった。

 

 

 キャロル・シェルビーは、かつてル・マンのレースで勝利したただ一人のアメリカ人。しかし、心臓に病があるとわかり、レーサーとしての道は断たれる。そして、ドライバーとしてではなく、車を作って、売って、ローカルなレースを戦ったりしている。

 ケン・マイルズ。自動車整備の仕事をしながら、レーサーとして活躍してる英国人。性格に問題あり。こだわりと妥協できない短気っぷりで、腕はいいけど扱いづらい問題児で、シェルビーの車でレースに勝つことはあっても、なかなか商売はうまく出来ない。

 整備工場を税務署に差し押さえされ。妻のモリーを嘆かせ、息子ピーターのためにもレースを諦めようとしている。

 フォード社。営業不振続きとはいえ莫大な生産量を持つ自動車メーカー。創業者の孫である二世は会社を立て直ししなくてはいけない。

 誰もが憧れる、スポーツカー、ル・マンで連覇しているフェラーリ社が破産、で、フォードが買収を申し出た。けれど、フェラーリはフォードは車も工場も醜い、社長はしょせん二世だ、と、侮辱的な言葉を投げて別の会社と買収契約を結ぶ。フォードは当て馬にされたのだった。

 フェラーリをル・マンで負かす。そのためのチームが作られることになり、シェルビーに声がかかって、シェルビーはマイルズも引き込んだ。

 

 最高に美しく速い車を作るフェラーリ。けど、敵はそれではない。シェルビーや、企業イメージにあわないマイルズを排除しようとするフォードの偉いさん、副社長の様々な横やり。シェルビーはドライバーを守り、けど守れなかったり、そして自分の車を作り、レースに向かう。一度目のチャレンジは惜しい所。二度目、今度こそ、マイルズをドライバーにして守り、フェラーリに勝つレースに挑んだ。

 

 

 主演の二人。シェルビーのマット・デイモン。ケン・マイルズのクリスチャン・ベイル。二人とも言うまでもなく名優。凄い。すっごいよかったかっこよかったし、ほんっとうまくて、とても演技とは思えないっつーか、もう、なんか、二人長年の友達同士で、お互いがお互いだけわかりあう世界を持ってて、仲良く喧嘩しなって感じだし、二人がなんてことない会話するのも、黙ってるのもぎゃんぎゃんやりあうのも、もうほんっと、すっごく二人はそういう人そのもの、って感じだった。演じてるとは思えない。キャロル・シェルビーとケン・マイルズだった、って、何も知らないのにそう思わせて納得させる素晴らしさだった。

 

 結構ファミリームービーって感じもあって。シェルビーの私生活はほぼなかったけれども、マイルズの方は、理解ある愛する最高にステキな妻がいて、息子ピーターくんはパパがレースで活躍するのが大好き。けど、パパがレースの事故で死ぬのをひそかに畏れてもいて。という、そこはかとない不安が、わりと序盤からあったんだなあ、と、見終わってみると思う。大事な家族。愛する家族。息子との時間、父として男として、かっこいい車に、ビクトリーランの車に、息子を乗せてやるパパ。

 これ、実話ベースなわけで、知ってる人はマイルズは後に事故死する、ってわかってて見るわけでしょう。そりゃあもう途中からうるうるしちゃうだろうなあと思う。

 

 そう本当に。素晴らしい家族。最高の家族。貧乏でどうしようってなったりしながらも、とてつもなく愛ある家族の姿。マイルズの世界がうつくしいのは、優勝を盗まれ、それを晴らす間もなく亡くなった彼への敬意と愛をこめた映画なんだなあと思う。

 私は知らないけど、伝記的なものとかあるのかな。家族や、友人が語ったマイルズの姿みたいなのが、あるのかなあと思う。天才ドライバーだけど扱いづらい問題児。けど、彼に近い親しい周りの人たちから愛されていた男。キャロル・シェルビーと、友達だった。

 

 友達、っていうのがねえ。ほんっとすっごくよかった。シェルビーも天才ドライバーだったわけで、けど病気でその道を諦めて。それでもレースに関わり続けて。車、作って売るっていう。

 ああいうあたりよくわかんないんだけど、アメリカンシェルビー社、という、小さな車メーカー持ってたシェルビーが、フォードと協力、というかフォード傘下でレースに参加、ってことで、フォードチームだけど一台はアメリカンシェルビーフォード、みたいな感じで参加してた、と、いう感じ? マイルズはシェルビー社から参加、マクラーレンというドライバーはフォードから参加っていう感じ、なのかな。多分。なんか、ともあれ、巨大企業と、小さな職人集団、みたいな感じが、下町ロケットだとかいう宣伝文句になったりしてるのかなあ。まーよくわかんないけど。

 

 で、一応は商売やっててビジネスマンとしてなんとかやっていってるシェルビー。けど、レーサーの魂持ってるシェルビー。天才ドライバーマイルズをフォードから守っていこうとするシェルビー。すごいよかった。かっこいい。

 私、マット・デイモン好きな方だけど、でも正直あんまりかっこいい~っきゃーって思ってるわけではないんだよね。勿論すごくかっこいいよマット・デイモン。スターだよ。けど、うまいのはわかってるけど、こんなにもすごいいい男でかっこいい、ってしみじみほれぼれしたのは初めてかも。すごいよかった。すっごくよかった。あーわかってたけどマット・デイモン、めっちゃ上手いんだった。降参。って思ったね。

 

 クリスチャン・ベイル。当然うまい。めちゃめちゃうまい。毎度のなりきりで、困った天才。なんだけど、愛さずにはいられない。パパが息子に語る、ル・マンのコースで、その魅力とか素人の私にもなんだかとても最高にうっとりするものだって、しっかり伝えてくれる。

 この映画、ほんと親切設計。

 車好きじゃなくても好きになっちゃうし、家族愛みたいな所も丁寧だし。マイルズが英国人とのことで、やたらお茶、紅茶だね、飲んでるの面白いし。そういうもんなのか^^

 アメリカ人には英国人の英語って英語じゃないのか??? とか、なんかこう、そういうのわかんないけどそういうのありそうーって思わせてくれるのなー。

 

 そんな二人の喧嘩シーンがめちゃ可愛かった^^ あらあらあの子たちったら。と、妻モリーが喧嘩する二人を眺めに庭に出てきてやれやれ。アホ男子は可愛いな。って呆れてるのもすごく可愛かった。

 ツイった見て気づいたけど、そういえば、バットマンとジェイソン・ボーンの戦いだったのだったw けど、ほんと、ただのおっさん二人がなんの技もなくボカスカぐいぐいやってるだけで、リアル~w 食料品店帰りだったマイルズの荷物がこぼれたのをシェルビーが思わず握って武器にしかけたのが缶詰らしく、あ、缶はマジで武器になるからヤバイ、と一瞬で持ち替えたのがパンで、パンの袋でバットマン殴るジェイソンボーンで、おかしい。

 二人はこれまでにも喧嘩したことはあって、ちょっと殴りあったらもうへろへろで二人ともダウンしちゃうのが可愛い~。あ~普通のおっさん~~~。

 この、喧嘩して許しあう、あーもー。夢とロマンだなっ。可愛かった。ほんと、男同士の友情っていいよな、という理想が詰まってた。

 それで、ブロマンス~ってこっちはまんまともえころげてしまうわけですが(*ノωノ)

 

 ル・マン、本番前日。レースコースのスタート地点に、眠れなくてマイルズが散歩に行くと、そこにはシェルビーがいて、っていう、夜のシーンも美しかった。

 大河の「いだてん」最終回で、開場前の早朝のスタジアムにいたまーちゃんと金栗氏を連想しちゃった。ここまでにかけてきたもの。その本番前。もう待つしかない静かな時間。

 そういう思いを共有しちゃう二人なんだなあ。誰もいない、とお互い思ってて、それでも、そこにシェルビーがいること、マイルズがきたこと、それをわかってる感じ。素敵。

 

 フォードの偉いさんたちの中でもいろいろあるんだろうなーって感じさせてくれてすごく面白かった。シェルビーたちに共感してくれてる人、あくまで企業の中の一部門だろレースだって宣伝のためだ、っていう嫌なやつ副社長。そいつの横やりをかわすため、シェルビーは開発途中の車を視察にきたトップ、二世社長を乗せてコースをぶっとばす。怖くて泣く、じじい、と思いきや、こんな感覚を知らなかった。父を乗せてやりたかった、と、泣くじじい。可愛い。きゅん。二世社長だって、やっぱ車好きだし、自分の会社愛してるし、フェラーリに負けてたまるか、と、すっごく思ってるんだよねー。

 

 フェラーリはフェラーリで、アメリカ人に何ができる。野暮な奴ら。って見下しではあるけど、プライドであって。うつくしい速い車をつくる、という思いは純粋でもあるんだろうなーと思うし。

 アメリカVSヨーロッパ、でもあるんだなあ。アメリカのパワー、勢いを恐れ、同時に見下すヨーロッパと、古臭いくせにと思いつつコンプレックスもあるアメリカ。そんな歴史的背景も思わせる。

 

 レースで、ついにフェラーリがゴールできないとなった後、フォードの3チームで並んで同時ゴール、優勝にしよう、いい宣伝写真になる、っていう、また副社長のろくでもない思い付きに、一度は怒ってしりぞけたシェルビー。けど、それを一応はマイルズに伝えるシェルビー。マイルズがこのままぶっちぎりでもいい。けど、チーム三台で並ぶ、というのも、いいかな、というか、やっぱみんなチームだものな、とか、スポンサーのいう事聞いてやるか、というか。ほんと複雑なマイルズの葛藤がいっぱいいっぱいいっぱいあっての、スローダウン。かっこいい。あーそこで折れちゃうのかーという思いと、フォードというチームで並んでゴールするっていうのは、確かに、仲間といううつくしさが、あるなあと思ったり。

 けど、同時優勝にはならなくて、マクラーレン、マクラーレンって、ドライバー? 別のチーム? の。そっちが優勝でマイルズは同時ってカウントされない、マクラーレンの方がスタートが後方からだったから、みたいなことで。優勝を盗まれた、ってショックがあり。シェルビーは副社長にくってかかるけど。けど、まあそれはいいか、って、自分が優勝ってちゃんとわかってるマイルズがまたかっこいいし。

 

 マイルズが、クリスチャン・ベイルがなんかちょっと猫背でねー。ひょろっとふわっとしてるのがすごくよくてねー。なんかちょっとさえない男、である所のマイルズね。でも最高の男なんだよねえ。

 

 次に向かって、車のテストだか練習だかしてる所。ピーターも見に来てる。レース本番ではないし、もう一回回るか、くらいの走行だったのに、事故が起きる。コースの向こうの方で起きる炎上。駆け出すスタッフ。それを見つめる、ピーター。駆け出して、けれどピーターを振り返るシェルビー。

 ピーターくんが、その前の時にも、パパの事故を心配してたりしてたんだよね。目の前で車が火をふいたこともあった。それでも、耐火スーツがあるし、大丈夫、みたいなこといってたりしたんだけど。

 車から出られなかったら、もう、ダメで。

 

 マイルズの死から半年たっても、まだ立ち直りきってないシェルビー。マイルズの家に、昔彼がキレて投げたレンチもっていった。家に、けれど近づけなかったシェルビー。そこへ、自転車で帰ってきたピーターが声をかける。

 ピーターに、変なごまかしもなにもなく、レンチを渡すシェルビー。

 シェルビーが、誰よりも本当のパパの友達だった、って、わかってるピーターくんが素晴らしかった。友達。うん。友達。

 

 マイルズは殿堂入り。シェルビーはカーデザイナーとしてその後も活躍。

 

 この映画見ると、ドライバーって、運転だけじゃなくてそもそも車に詳しくて大好きで、自分が乗る車開発にがっつり関わる、というか俺が乗りこなしてやるからもっと、もっといけるもっとやれ、もっと工夫してもっと軽く速く凄い車、作ろうぜ! って感じなのかーってびっくりした。ドライバーというか、エンジニアだよなあ。もちろん、レースにはスタッフがついて、チームでやるんだけど。

 レースの世界がすっごくかっこよく思えたし、カーレースの魅力とか、車そのものの魅力とか、わかったような気になるほどに、すごくすごく面白くてよかった。

 優しい映画だった。夢とロマンだった。いい映画見た。大満足。

 

 

 

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映画 「パラサイト 半地下の家族」


*ネタバレしてます。


映画 「パラサイト 半地下の家族」


 先行公開もされてたようだけども、うちの近くでは今日から公開。昼に行ったけれども、かなりお客さん入ってた。さすが注目作品なんだな。いろんなレビューとかうっかり読んだりしないように、頑張って初日に見た。
 というか1/10に見たい映画がいっぱい公開されてる。がんばってやりくりしていかないと。

 キム一家。父、母、息子、娘(妹)の四人で、半地下の部屋で暮らしている。母は砲丸投げだかなんか、陸上で何かメダルとったりしてるみたい。父は職を転々としている。
 息子ギウは兵役を終えたみたい。大学受験に挑むの、4回。合格できてない。友人から、リッチなうちの娘の家庭教師のバイトを紹介される。彼は留学するので、後任に推薦する、と。ダヘというその女の子を真剣に好きだから、学生友達じゃなくて、お前に、頼む、と。
 大学生のふりをして、金持ちの家に踏み込んだギウ。その家の下の子の、芸術的才能を伸ばしたいという母親に、知り合いを紹介する、と話す。今度は妹、キジョンが下の子の家庭教師になる。
 運転手に父が。家政婦に母が。パク社長一家に他人同士のふりをして入り込んだキム一家。

 って感じに始まりはかなりコミカルなコン・ゲームって感じで結構笑っちゃう。
 とはいえ、下層、貧しい暮らしのキム家族、と、対照的に金持ちなパク社長んち。なんか名のある建築家がこだわって作った家は広いし複雑だったりもして、いかにもリッチ。キムたちの暮らす下町とは別世界。
 この、何もかも対比されていく二つの家族。

 これ、基本的にはブラックコメディってことかなあ。終盤のブラックが凄すぎるけど。キム一家は、とても仲良しで、その仲良しっぷりがなんか、もしかして他人同士が家族のふりを? って、「万引き家族」を連想したりしたけど、そういうわけではないみたいだ。字幕の問題なのかな、他人行儀な気がした。
 息子も娘もそれなりに優秀。父も母もそこそこに真面目、けど世渡りとか下手そう。多分運とか悪くて、殊更に酷い家族ってわけではない感じ。貧しいけど、それでも、半地下、という、ぎりぎりの、最低よりはもうちょっとはマシ、くらいの感じか。

 パク社長んち。大学受験する娘の割には、ママ、若いのでは? と思ったけど。パパもかなり若く見えた。下の子は6歳だか7歳だかくらい、だった気がする。二年生なんだっけ、小学二年生って、韓国でも7歳くらい? なので、下の子はあのママの子で納得だけど、もしかしたら娘ちゃんは前妻の、みたいな感じなのかなあ。私が見逃したのか。特に説明はなかった気がするけど。
 ともあれ、娘ちゃん。清純可愛いって感じだけど、ギウとすぐに恋人~って感じになったりして。ギウの友達もこんな風に彼女に夢中になっちゃったんだろうか。まったく。若者たちよ~。

 そしてママは、心配性で疑いを知らない、ちょっとバカかっつーくらい人がいい、簡単にコロコロ思惑にハマっていく。パパも金持ちの嫌味さはありつつも、でも別に極悪人って事じゃないんだよなあ。
 金持ちはただ金持ちであって金持ちらしく優雅に暮らしているだけで貧乏人を傷つけるんだよ。。。

 下の子の誕生日に一家がキャンプへ行く、とのことで、無人になった家に入り込んで金持ち気分を楽しんでいたキム一家。しかし、前の家政婦が忘れ物した、と夜中に訪ねてくる。
 で、驚愕の秘密が明らかに。この家には地下シェルターがあって、そこに、家政婦の夫が隠れ住んでいたのだ! 借金取りから隠れて4年、住んでるらしい。そ、そんなに~~~~。

 半地下、どころかどっぷり地下なのね。。。バトルになるパラサイト家族二つ。こっわ。じわじわと、怖さが増してくるんだよー。
 で、大雨で社長さん一家がキャンプから帰ってくる!? ってんで、みんな隠れてドタバタ。コメディか。なんだけど、激しい暴力とかが半端ないんだよー。すごい。さすが。

 で、社長さんたちの本音みたいなのを聞いてしまう。運転手が臭い、とか言っちゃうんだなあ。本人に聞かせるつもりでもなく、言っちゃうかーまー言っちゃうかもなあ、と思う。
 でも、父の心が凍っていくのがわかる。
 
 金持ちたちが、極悪人なのではない。貧しい階層から見るといけ好かない嫌な奴、であっても、それはそれでそういうものと思う。
 パク社長一家、ほんと、悪い人ってわけでもないんだよなあ。いいとこも嫌なとこもある、普通の人。ナチュラルに人を見下す感じ、とかあるけど。でもなー。

 なんとかうまく家を出て、豪雨の中、キム親子は自分たちの半地下の家へ帰る。下町は水があふれて、災害になっている。
 この、家に帰っていくシーンがねえ。高台、上の方からどんどん降りていく。階段を雨水が滝のように流れ、ずぶ濡れで。この、わかりやすい格差社会の見せ方。
 
 金持ちの暮らしを知ることがなければ。自分たちがどんなに惨めか実感することがなければ。あんな悲劇にはならなかったんだろうか。

 家政婦は地下シェルターで死んでしまい。その夫は狂気に陥る。そりゃそうなるね、と思う……。こわい。
 雨が上がって、眩しい太陽の下、下の子の誕生日祝いに、急遽ガーデンバーティを開いている。親しい友人たち。突然呼ばれてもみんな優雅。ダヘが呼んだギウは自分が場違いじゃない? と聞く。ダヘとキスしておきながら。どうしたらいいのか。
 
 地下シェルターへ様子を見に行ったギウは、反撃されて重傷。地下を出た夫は、無差別殺人。キムがパク社長を殺してしまう。
 物凄い緊迫感あるシーン。怖い。ほんと怖い。

 観客としての私は、キム一家とか、あの家政婦、夫の心情とかに寄り添いたいけど、いきなりあんな無差別殺人とか怖すぎる。それに下の子ちゃんさあ、幽霊みたショック、とかってそれ地下シェルターの彼を見ちゃったってことだし、目の前で殺人だし、トラウマすぎるでしょ……辛い。
 パク社長、臭いの嫌とか、まあそれが最後のトリガーになってしまったけど、それでも、殺されなくちゃならないほどの悪人ではないよなあ。こわい。
 格差社会のせいなのか? どうしたらいいのか。どこで止まれまよかったのか。ギウが家庭教師になりました、ってだけでとまってればよかったのか。妹まで? 運転手はやりすぎだったのか? でも。

 コメディタッチからの、悲劇と狂気への落差が物凄すぎる。どういうことだよ。あの迫力は一体、どうしてあんなに、迫力が出るんだ。こわい……。

 逃亡した父キムは、なんとその家にとどまり地下シェルターに隠れて生きていた。息子が電球でのモールス信号に気づく。
 夢というか、希望というか、金を稼いでいつかあの家を買うから。父さん、それまで生きて、という願い。
 うつくしい夢だなあ。それは、でも、きっと叶わない夢だ。父がそんなずっと生き延びられるだろうか。あの家を買うほどの金が稼げるわけなさそう。世界は悲劇の後にも変わらず続いてる。金持ちは富み、貧乏人は地下で、半地下で、暮らす。
 
 社会問題を、今を描き、深刻さが凄いのに、コメディだしがっつり、エンタメ。見せ方もわかりやすさもすごい上手い。世界に受けるんだなあ。細やかな脚本のうまさとかわかるし、俳優たちが、ほんっと、凄い。こわいわー。迫力。面白かった。

 

 

 

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映画 「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(3回目)

*ネタバレしています。

 

 

映画 「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(3回目)

 

 

 今年の映画館はじめ。三回目行ってきました。今日は2D字幕、IMAXで。

 

 見ればみるほど、カイロ・レン、アダム・ドライバーを好きになってしまう。もうかなり好きでいるんだけど、また見てまた好きだなあって思う。ほんと、カイロ・レン、ベン・ソロがアダム・ドライバーでよかった。

 

 もう、前二回見た時にあれこれ思い付きは書き殴ったので、もうだいぶ穏やかな気持ち。書くことないかなあ。

 

 レイとレン、ベンね、魂の双子というか。対になってパワー倍増、みたいなの。あれ、ルークとレイアが双子で生まれたのが運命の始まりっつーか。アナキンくんのパワーも凄かったけれども、その子が双子だったこと。フォースの力、シスの力でもある、ってことか、んーと、なんか、まあその、力、一人より対になることで強くなる、という感じがあるのかなーって。ルークとレイアが生まれたことが奇跡で。その運命がまためぐる感じにしたのかなあって。実際の兄妹ではないけれども、対になる相手という運命で、精神が繋がりやすかったりしたのかなあと思う。

 だから私は、二人が最後にキスしたのも、やっぱあんまり恋愛的な感じはしなくて、あんな風に命を分け合って抱きしめたらキスまで勢いいっちゃうよなー、うん、その方が自然、と思う。家族のキスは唇じゃないってことかもなんだけども、まあ、あの場は唇でいいでしょうと思う。んー。命を分け合った二人。恋人とか以上じゃないかーと思う。やっちゃったな、とも思うけど、でもあんなの最悪だ、とは私は思わない感じだなあ。魂ごとの愛情だろ。

 

 三度目に見てもやっぱり、盛沢山ですごくて、考えたり立ち止まったりする余韻なく最後まで行く勢いに圧倒される。よくこんなに詰め込みましたね。サービス盛沢山すぎーる~。

 良くも悪くも過去の栄光をなぞる作品で、エンドロールでたっぷり音楽聞いて気持ちよく泣いて、よかったね、なんだけど。

 あまりにも超大ヒット作、って、ファンの思い入れ込みで膨れ上がってるだろうから、やっぱり続編というのは難しいものだなと、つくづく思う。

 難しいんだから、人気作は人気作、古典にしてもうおいとけばいいのになーと思う。

 

 でも今回の3部作でも、ちゃんといいキャラ育ったね、と、私は思うので、よかったけど。

 けど、雑にざっくり殺されたハックス将軍はもったいないっっっ(泣)ほんと、なんか、あー。ファーストオーダーそのものの存在がてきとーな感じにされて辛い。けどまあ~うーん。仕方ないのか。うーん。なんか、うーん。まあいっか……。

 ともあれ、新たな三部作というチャレンジをリアルタイムで見たんだなという満足。EP1~9までだらだらと飲みながらのんびり鑑賞する三日間みたいな遊びをしたいなあ。映画って面白い。今年もいっぱい面白い映画、見よう。

 

 

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2019年のまとめ

 

 明けました。2020年。うわ~。なんか、2020年に生きている自分が不思議だな。

 さて。2019年のまとめ。この読書日記に記録してた本、映画をざっくり数えてみました。

 

 去年、映画館で見たのは85回。

 複数回見に行った作品もあるので、本数としてはちょっと少ない。けど、配信とかテレビで見たりもしているので、見た映画は何本って正確には言えないねえ。ともあれ、85回も映画館行ったのね。楽しかった。よかった。また今年も沢山面白い映画見たい。すでに楽しみに待ってるのもいっぱいあるので、その公開日をニンジンとして生きのびていこう。

 

 本は、56冊ほど、読んだ日記があった。一昨年よりまたちょっと増えて、読書の気力がやや回復。1月に、ためてしまっていた歌集をがっと読んで書いての冊数が多いんだな。

 普通に小説、結構分厚いのも読んで面白かったし。少なくとも月一冊は読んでいた。よかったよかった。今年も面白い本に出会いたい。暇~でぼーっとネット見るより本を読む、という風に習慣変えていきたい。

 

 でも配信のドラマとかももっといっぱい見ちゃう。ゲームもやらないと。せっかくPS4を買ったので……。デスストランディング、まだ終えてないから、まず、それ。それをちゃんとクリアしたい。できるかどうかわかんないけど。ベリーイージーモードのはずなんだけどそれでもなかなか進められないんだよ。ゲームやるのって、こんななんですか。めちゃめちゃメンドクサイよ……。ゲーマーの人たち凄い。一応、まだ、なんとか、続けようという気持ちはあるので、一度は、クリアをめざしていくぞ。がんばれ自分。

 

 2020年も楽しく遊べる毎日でありたい。なるべく。いつも楽しく。世界は不安定で、不穏なニュースが新年早々飛び交い、戦争かもとか、怖いけど。そんなことにはならないでくれ……。良い一年になりますように。

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