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映画 「ドクター・スリープ」


*ネタバレしてます。

映画「ドクター・スリープ」

 

 あの「シャイニング」の続編! と大々的に宣伝されてまして、どうしたって期待高まる中、見ました。
 映画化のニュースを知った時に本を読んだんだよなあ。面白かったけど、なんか、あんまりホラー的に怖いとかいう話ではないんだな、と思った。本の細部までちゃんと覚えているわけじゃないんだけれども、映画見ながら、えっと~なんか違う風にしてて、んっと~、そうか映画の「シャイニング」とキング原作をこう、すり合わせていってんだなあ、とか、メタ的な余計な事を考えてしまった。映画見てから本読めばよかった。

 始まりは、まだあの事件からほどない時で、ちびっこなダニー。そしてママ。この、再現はどうしたの? またCG? とか、そんな余計なことも考えてしまう。ともあれ、まだ幼いダニーに、あのホテルから追いかけてきたのか、不気味な霊? の姿が見える。
 だが、ダニーの守護霊? イマジナリーフレンド? になってくれているハロランさんが、それへの対処、“シャイニング”の能力をコントロールするべく、やり方を教えてくれる。いつか、きみが他の誰かに教える時がくるかもな、と。

 大人になったダニーは、ダンと名乗り、アル中で、一所に落ち着くことが出来ず、ぼろぼろになりながら小さな町にたどり着いた。そこでようやく、立ち直っていく。ホスピスで患者の看取りをして、静かに眠らせるようになった。

 アブラという女の子、誕生日パーティでマジックを見せてもらって、私もできる! はしゃいだ。両親がキッチンへ行くと、さっき見たマジックのように、スプーンやフォークがばら撒かれ天上にくっついている。驚愕する両親。にこにこしているアブラ。彼女にも強い“シャイニング”があるのだ。

 ローズ率いる、トレーラーハウスや車で移動している一族。真の絆、トゥルーノットの一族。人、とくにまだピュアな子どもの持つ“シャイニング”を餌に長く長く生き続けている一族。野球少年を捕まえて餌食にしている所を、アブラが夢で察知して、悲鳴をあげる。ローズもまた、アブラが見ていたことに気づいた。そのかつて見たことないほど強い能力を餌食にすれば、彼らの命はさらに長らえる。

 アブラはダニーと夢で接触し、ローズたちのことを告げる。魔の手から救い出し、立ち向かっていくために、ダニーはアブラと共にローズたちに罠をしかける。


 と。なんか超能力バトルみたいなことになるんだよね。序盤は、あ~なるほど原作通り、という感じ。でも映画版「シャイニング」との融合をはかっていくわけで、まだ廃墟として残っているオーバールックホテルを、決戦の場に選んで、ダニーはそこで悪霊みたいなやつら、心の箱に封じてきたやつらを解放していく。そこで、父とも再会する。

 これがまた、えっと~ナニコレ、ジャック・ニコルソンのCGですか? とか、なんか余計なこと考えてしまうんだ~~~。物凄く映画「シャイニング」によっかかってる、よっかかりすぎなんじゃないですか? と思ってしまう。
 つい先日、BSプレミアムでやってた「シャイニング」を見たの。だからほんと、あー、すごいこの、セットとかシーンの再現、とか思ったりしてしまうの。うーむ~。
 これは、ファンなら大喜びのシーンなのかな? あんまり私はキューブリック大ファンってわけでもないし、うーん。そんなにやらなくても、と思ってしまった。

 けれど、父との和解、みたいな所もやりたかったのかなあとも思う。けど、父の亡霊はやっぱ悪霊で嫌な対面だったじゃん。アルコール依存症助け合い集会でしたスピーチだけでよかったのでは。ん~~~。あのさりげないスピーチ、すごくよかったのに。

 そーなんだよ。ユアン・マクレガー演じるダニーはすごくよくて、彼の弱弱しいダメダメながら回復していく中年って感じのシーンの方がもっと見たかった。けどまあそれじゃホラーでもアクションでもなくなるけど。けどな~。

 そして終盤は、ローズを出し抜き、罠にかけ、っていうバトル。アブラが凄く強いのはわかる。けど、ダニーももうちょっとバシッとかっこよく見せ場あってもいいのでは。あったか。あったな。銃撃で一族をかなり消滅させてた。
 けど、人生を助けてくれた親友を巻き込んでしまい、あっけなく死なせてしまって。あのあっさりさが、辛い。え~~もうちょっと、なんかもうせっかくやっと親友で一緒にきてくれたのに、あのあっさりさは辛かった……。

 最後はホテルで。ローズを悪霊(?)たちに食わせてやった。しかしダニーも憑りつかれかけて、危なくなって。けど、なんとかアブラのことは逃がすことができた。
 そして、ボイラーの爆発ねー! ここでやっとキング原作通りにホテルを滅ぼすことができたわけですか。
 だけど、ダニーもまた、母の面影と共に亡くなってしまった……。
 やだー。ダニーが死んで終わりなんてヤダ~~~;;

 死は終わりじゃない。静かに眠るだけ。そして、アブラのもとに、かつてハロランさんがきてくれていたように、彼女が大人になるまで守っていく存在として、ダニーはあり続けるんだろう。
 この死は穏やかな必然、って感じかなあ。

 でもなー。やだ。ダニーにももっと穏やかに生き続ける未来を、ねえ。うーん。まあ、あの状況にしてしまったら、もうあそこでともに爆発ってことになるのかなあ。けど、母よ。そこはダニーに逃げろ、って、後押しするべきだったのでは~~。ツライ……。なんか、この映画私にとっては解釈違いという感じ……。

 ユアン・マクレガー目当て~って部分はとっても大満足。いろんな 普通の男 の姿が見られてよかった。字幕には出なかったけど、ローズに「ハンサムさん」って呼びかけられてたよね? わかる~だよね~ハンサムさんだものね~~。

 ローズたち一族とか随分説明も人物描写もなくて、まあ、ローズ一人にくらいしか時間さけないかな~と思ったり。ローズすごくよかった。
 アブラの父も随分さっぱり死んでて、なんだかな~という気もする。あんま情緒的な描き方はしないってことかねえ。時間ないか。とはいえ上映時間152分だから長い方だけど。まー要素いっぱいあるし仕方ないのか。ん~。

 ラスト、アブラのところにバスタブの女がきてて、うわ、って思うけど、ローズはダニーに対処方法をもうちゃんと学んでるってことだな。アブラがバスルームの扉を閉めて、終わり。うーむ。
 ホテルは爆発して燃え上がり、火がすべてを浄化した、みたいに言ってたけど、滅亡してないじゃん? それはまた別の悪霊なのか?? けどまあ、アブラはもう大丈夫そう、ってことで、いいのかな。んん~。

 ともあれ、映画化楽しみに待っていたので、見に行けて満足。いろいろなんか違うとか思いつつも、不満って言いたいほどでもなく。いろんな工夫してるんだな~。楽しめました。
 

 

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