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『パリ警視庁迷宮捜査班』 (ソフィー・エナフ/ハヤカワポケットミステリ)

 *ネタバレします。

『パリ警視庁迷宮捜査班』 (ソフィー・エナフ/ハヤカワポケットミステリ)

 フランスの「特捜部Q」ってな宣伝文句につられて読んでみました。

 アンヌ・カペスタンは女性警官として出世頭、将来を期待された警視正。だが、捜査上の過剰防衛とみなされた発砲により、停職中。ついに呼び出しがきて、復帰が言い渡される。一つの班を任せるという。訳アリ、問題アリの警察の中の厄介者を集めた特別班。そこで、資料整理、未解決事件を分類する仕事。
 警視庁の本庁からも離れてあてがわれたアパルトマンがオフィス。ほとんど不用品扱いの備品しかない部屋で、それでも集まってきた問題児たちは、二つの未解決事件に手をつけた。

 てことで、いかにもシリーズの始まりって感じ。本の厚さもさほどないし軽く読める。問題児が古い事件扱ってそれがやがて現在にもつながって、というのは確かに「特捜部Q」と似たスタイルだけど、読んでる感触は全然違う。こっちのほうが軽やか~ですねえ。パリ。いいな~パリ。
 集められたメンバー、名目上は40名近くいるらしいけれども、実際出勤してきたのは数名。そういう勤務でいいんですかパリの警察。よくわからない。けれどもなんか、生きづらさ抱えたみんなが、それでも警官やってて、はみ出し者同士少しずつ協力し、仲間になっていく、って、すごく優しくていいねえ。

 で、今回はそのメンバー紹介もしつつ、って感じ。個性的なキャラ、だけども、それでも人数多いよ私のポンコツ記憶では把握したかどうか曖昧……。

 とはいえ、主人公、リーダーのアンヌ・カペスタンは覚えた。正義感というか怒りを抑えきれず、行動が衝動的だったりもする。
 コンビを組むのは、トレズ。死神のように警察内部でおそれられている。トレズとコンビを組むと、トレズのせいとは言えないのだけれども、事故や怪我、不幸にみまわれてしまうので、トレズはもう誰とも組まないでいた。けど、アンヌは平気よ、って組むことにする。
 ロジエール。ピルーという犬をつれてるおばちゃんって感じ。警察を一時休職して、作家になって、売れっ子になってドラマ化もされて、っていう経歴。休職あけにしてまた警察に戻ってきたけど、彼女の作品のネタにされるのはちょっと、って警察内部から追い払われたっぽい。
 ルブルトン。厳格生真面目に、警察内部調査とかする部署の有能な人物、だけど、ゲイであることを話した途端、すーっと追い払われちゃったみたい。パリでもそういう偏見差別はあるのかあ。警察とか殊更に保守的ってことかな。長く連れ添ったパートナーを亡くして今は一人。
 あと、えーと、内部情報リークしまくりのおじさんとか、ギャンブルにはまりすぎガールとか、スピード狂な子やギーク、ハッキングばしばしできるけど、いまいち的外れ、意思疎通に問題アリな子、とか。けどそのずれっぷりが功を奏するとかもあり。
 名前、覚えきれない。他にもいたかな。ん~。

 まあ。そんなこんなのみんなが、いろいろドタバタしながら事件を捜査。
 この話自体の舞台は2012年8月に始まるけど、途中、1991年だとか古いエピソードが入る。これが実は犯人の動機、背景だったのね。

 海難事故が発端。最初は別々に思えた船員が殺された事件と、老女が強盗に殺された事件とがつながっていき、特捜班が作られた思惑、みたいなのも明らかになっていき。
 上司が、不審に思ってて、だけど自分じゃ捜査しきれなかった事件を、ダメもとで厄介者集団にあたらせてみた、ってことなのねー。
 警察内部に犯人がいたら、未解決事件になっちゃうか。

 メンバーの過去とかここにいるいきさつみたいなの、語られたのはまだ少しだから、これからシリーズ続いていくと、だんだんみんなのことがわかってくるのか。一応一読の感じでは、ルブルトンが好きかなあ。シリーズ続きが出たら、読みたいかなあ。ほどほどに面白く楽しく読めました。

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