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映画 「やっぱり契約破棄していいですか」

*ネタバレしています。


昨日、映画の日なので2本見に行った、二本目。

映画 「やっぱり契約破棄していいですか」

 橋から飛び込み自殺をしようとしている青年。なかなか飛び降りられずにいるところに、声をかけた老人。自殺をとめるでもなく、ただ手伝ってほしかったら連絡を、と名刺を渡して去る。やがてついに決心して飛び降りたものの、ちょうどその下を通りかかったクルーズ船に着地してしまい、ちょっとした骨折程度ですんでしまった青年。ウィリアム。
 何度も未遂も含めて10回自殺しようとして助かってしまうウィリアム。作家目指して原稿を送るも、返却されてばかり。プールの監視員の仕事もクビになったところで、コートのポケットからあの時の名刺が出てきて、見ると、暗殺者の肩書。連絡して、自分を殺すよう依頼する。
 だが、一週間以内に殺されるはずのところ、原稿に興味を示してくれた編集者と会うことに。エミリーという若い女性編集者は、手首に傷はあるし両親を亡くしている。共感し、人生捨てたもんじゃないと思い始めたウィリアムは殺害の取り消しを頼むが、殺し屋もまた、殺しのノルマ達成に切羽詰まっていて、あと一人殺さなくては引退させられてしまう瀬戸際だった。

 イギリスらしいブラックコメディって感じかな~。90分、さくっと仕上がったすごく上手い映画だった。楽しい。
 ぽいぽい人は死ぬし結構残酷、ぐっちゃ~ってなったりもするんだけど、まあ、まあまあそれは私は大丈夫。それよりクスって笑えるのいっぱいで、二本目に見たのがこっちでよかったってすごく満足して映画館を出ることができた。

 アイナリン・バーナードがウィリアムで、死ねない自殺者のおかしさ繊細さすごくよかった。
 殺し屋の方は、淡々とした一見まったく普通にいいおじいちゃん。妻は手芸、刺繍クッションのコンテストに燃えている。そして引退したら一緒に世界一周クルーズ旅行をしましょう、と楽しみにしている。仲良し老夫婦。殺し屋であることは生きがい。妻もそれは了解。
 で、暗殺者組合? にはノルマがあって、そのノルマ達成できないんじゃ引退してもらうしかないね、もうあんたもいい年だ、とかボスに言われてるの。
 引退記念に素敵な置時計をくれようとしたり。

 自殺志願者と殺し屋、というちょうどいい組み合わせ。しかし人生次の瞬間には何が起こるかわからないという映画。
 何もかもわかってる妻が実は一番凄いな~とか、機転きく彼女すごいな~とか。なんか丸め込まれて、でもお互い納得でうまく収まる、と思った所で、ラスト、車にひかれそうだった子どもを助けて身代わりに跳ね飛ばされるウィリアム。
 彼女に涙ながらにすがられて、見ていた人たちからは立派な行いに拍手が起きて、救急車のサイレンが。暗殺頼んだ時に、英雄的死のオプションとして憧れた状況。料金が高すぎて諦めたはずの状況。ついに彼は、死んでしまう?? かどうかははっきりとは描かれなくて、まあ、せっかく生きることに前向きになったここで死んだーというブラックさでもあるし、やっぱり救急車がちゃんと間に合って助かった、って想像してもいいような。
 
 妻が刺繍してたクッションとか、念のための包丁とか。自殺のための関係のはずが次の作品のアイデアになったりとか。
 小道具というか、話の見せ方、効果、伏線とか、そういうのすごくうまくて、可笑しい面白い。大作じゃなくてちょっとヘンな小さな世界の話、すごくいいバランス。登場人物みんないいキャラだな~って思った。つまりとても好き。うまいなあ、好きだなあって思えるのはしあわせだな~。見に行ってよかった。


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