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『三体』 (劉慈欣/早川書房)

*ネタバレしてます。


『三体』 (劉慈欣/早川書房)


 中国のSF、ついに日本上陸! みたいなことで、発売前からめちゃくちゃすごい、すっごいぞすごいすごい、と、ツイッターですっかりあおられまくっていたので、なんだか、もう、乗るしかないなこのビッグウェーブ、と思って、まんまと発売日に買いに行きました。7月4日だったかな。しかし一番近所の書店には入荷がないとのことで。うっ。早川。あんなに煽っておきながら配本行き渡らないとかどういうことだよ。と思いつつ仕方ないので翌日もうちょっと大きな駅近くへ行くついでに買いました。その後バンバン刷ったようで、今はけっこうどっかんと積み上げられてるみたい。けど小さい本屋にも回してよ……もう回ったのかな……。7/14日に読み終わり。


 それはともかく。
 凄い凄いと煽られまくっていて、本編の中の短編というか掌編(?)「円」がネットで丸ごとアップされたりもしていて、この掌編がSF作品の中にどう、本編として入っているのか?? とそんなこんなも気になって、読みました。本当に私も面白いって思えるかなあどうかなあと思いつつ。私、あまりSFに詳しいわけではないし、ハイテクとかこんぴゅーたーとかわかりませんし~。

 始まりは1967年、中国。文革の嵐の中、大学教授で理論物理学者のである葉の父は、つるし上げられた挙句死亡。それを目の当たりにしていた娘、葉文潔もまた、囚われ、辺境での労働につくことになった。
 やがて、彼女自身の天体物理学者としての見込みが認められ、紅岸基地へ赴任を命じられる。周囲と隔絶し、巨大なアンテナを空に向けたその基地は、宇宙との交信をはかる基地だった。

 と、そんなこんなの過去の所と、現在、であるところは2000年代ってことかな。ナノテク研究している王淼の目に謎のカウントダウンの数字が見え始める。秘密裡に軍事会議らしき所へ呼ばれ、不可知の戦争が進んでいるらしいことを知る。
 そして謎のゲーム、「三体」へのログイン。人類の太古からの歴史、文明の興亡を見つつ、その世界の謎の気候、世界のありようを探るゲームだった。人類の、とはいえ、ひどい気候の頃には人々は脱水、といって、すっかり水のぬけた皮の巻物のようになって保存され、その世界の王だけが巨大なピラミッドや地中深くで、天体観測をしたりしている。王淼はここには三つの太陽がある、その引力、接近によって世界は極寒から灼熱、あけない夜などの乱期と比較的温厚な恒期があるのだと見抜く。
 そして、三体の謎を知ったものだけが集められ、人類はもう駄目だ、三体世界から、高度な文明を持つ彼らを招き入れ、地球を守ろう、みたいな組織を知る。

 ん~~と。話し壮大なので、あらすじ書ききれない。あちこち、あれこれ展開していく。けどまあ筋がわからないってことはない。主役的なのは、葉文潔、現代だとおばあちゃんになっている彼女と、王淼かな。学者であり行動する人である。お気に入りキャラとしては、史強かなあ。警察官で上からはうとまれているけど現場に強い直感とか根性とかある、したたかおっさんキャラ。
 けどまあ、いろいろいっぱい話広がるし、人物も多いですし。ちゃんと把握できているかどうか自分でわかんないなあ。多分一応、ちゃんと読めた、気はする。どんどん広がる話に、えっ、そう?? とびっくりしながら。

 葉が、太陽を反射板に宇宙へメッセージを送ってみた、そして返事がきた。人類への警告だったのに、人類に絶望しちゃってる葉は、人類を滅ぼしにきて!って返信を一人勝手にすぐさま送ってしまう。

 文革とか、過激過酷な時、人生を生きてきたとは思うけど、おおお~~~お前の一存で人類滅亡ですか????? って、すごくびっくりした。世界に、未来に、良いものも幸せなこともあるだろうに。葉の知らない世界があるだろうに。考慮ゼロ??????????????
 そんだけ彼女の絶望が深かった、と思わなくちゃいけないのかもだけれども、あまりにも視野狭窄。一応その時彼女は中国以外の世界もあるとか、それなりに知識教養深めているはずなのに。怖い……。まあ私は中国の事をほとんどわかっていない。けど。映画なんかで見てる感じの感触しかわからない、けど。

 連想したのが「ゴジラ キング・オブ・モンスター」で、あれもさー。息子失った母の暴走で、古代の怪獣呼び起こす、みたいな感じだったなーと。人類なんてもう駄目よ、みたいな。いやいやあなたの一存で。あなたが子どもを失った悲しみ苦しみを世界中に広げていいわけ? 同じ苦しみを人類全体が味わえってわけ?? と、思ったり。まあ彼女は人類滅亡させるつもりじゃないって感じだけどさあ。
 どいつもこいつもサノスかよ!?? なんで自分の一存で。嗚呼。と、つい、マーベル世界まで思いが広がって泣いてしまうぜ。

 ともあれ。なんかいつの間にか地球は三体世界に侵略されるかもね、ってことになってる。大変だ。人類は虫けらだ。だが、虫けらを絶滅させるなんてことは、簡単じゃない。
 てな感じの、一応生き残る希望を抱く感じで一巻、終わり。三部作だそうなので、続きがもっとすごいとかまたもう煽られまくってますが、続き、早く~。2020年に出るらしい。早く……。

 いろんなテクノロジーのお話は、まあ私は多分ちっとも理解はできてないです。なんかそういう理屈があるのですか、へぇ……ってくらいで読みました。わかる人が読んだらもっと面白いのかなあ。
 この壮大な広げっぷりがどうなっていくのか、どう決着するのか、楽しみです。

 

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