« 映画 「X-MEN:ダーク・フェニックス」 | Main | 映画 「パピヨン」 »

映画 「ゴールデン・リバー」

*ネタバレしてます。

 

 

映画 「ゴールデン・リバー」
 21日(金)に、フランス映画祭 2019横浜 というので見てきました。公開は7/5~。
 映画祭での上映とはいえ、この回は、トークだとかゲストだとかもなく、普通に先行上映で見られるわーい、って感じ。公開館が少なめみたいなのでそこそこ近いとこで見られてラッキー。

 

 原題は「The Sisters Brothers」。原作の本も『シスターズ・ブラザーズ』で出てるのに、邦題タイトルもまんまにしてほしかったなあ。まあ、ゴールド・ラッシュの頃が舞台ってことで、こうしたのかしら。けど、あんまり別にわかりやすくなったという気はしないけれどな。まあいっか。

 

 原作を、この映画化のニュースを知ってから読みました。兄弟、兄と弟っていうのが逆になっててちょっと戸惑う。キャスティングの関係なのかな。まあ、そこは本を気にしないようにして見る。

 

 シスターズ兄弟は殺し屋。提督の指示で殺しをこなしていく。今度のターゲットは、ウォームという山師。モリスという案内役が、その男を見つけ出しす。そして兄弟が殺す。
 イーライは、殺し屋から引退したいと考えていた。いつまでも若くはない。だが、チャーリーの方は殺し屋稼業でもっと上を目指そうとしていた。どこか素朴で気のいい感じのイーライ。酒におぼれがちなチャーリー。二人は先をゆくモリスのあとを追って西部の町から町へ馬にのって野宿を重ねながら旅をする。
 モリスは、教養ある男という感じ。気取った手紙や日記を書いている。だが本当は自由を求めていた。ウォームは科学者。川に沈む黄金を見つけだせる薬品を作り出していた。その秘密を提督は狙っているのだ。ウォームを追って、警戒心をといてともに旅するようになったモリスは、ウォームの理想の社会を作りたいという夢に共感する。
 金を見つけ出す川。そこで一緒になって別の敵との戦いをした四人は、黄金を見つけて山分けにするという話をつける。そして薬品を川に流すと、沈んだ黄金が輝きだす。

 

 

 お話は、本で読んでいたのとほぼ同じく。本の方が寄り道とかなんかこう、それぞれの人物の境遇とか丁寧。映画でさっくり進む、実際景色が広がり、目に見えるっていうのはとっても素晴らしい。馬の旅のかっこよさもある。暗闇の中の銃撃のスパーク。焚火。
 馬ちゃんのことは、映画だけ見てるとあんまり、どうなんだろう。私は心の中で、あああ~馬ちゃん、辛いよねとか感情移入しまくりで見たけど。

 

 イーライが歯磨きを知って、なんか不慣れな感じで歯磨きするのを見てやっぱり可愛かった。本で読んだ時から、歯磨きにこんなに描写が。となんだかステキだったので。モリスと出会った時に、モリスも歯磨きしてて、なんとなく、うん、って通じ合う感じだったのもすごくよかった。別に実にさりげないシーンだったけど、好き、ってなったところ。

 

 基本的には兄弟の物語で、なんかこう男兄弟だなー、ふざけあったり無口だったりお互い無愛想だけど、兄弟だもんな、って感じ。イーライの方が兄、ということになってて、父を殺したのが弟チャーリーで。自分がやらなきゃいけなかった、お兄ちゃんなのにな、ってぼそっと言う感じすごくよかった。
 イーライが素朴で不器用で善良そうだったりもするんだけど、躊躇なく撃ち殺したりもするんだよなあ。チャーリーはマッチョイムズって感じ。けど、酒におぼれて弱い感じ。殺し屋引退したいイーライと、じゃあもういい別の相棒探す、とか言ってたけど、他にいい相棒なんていないんだよ。チャーリーが右腕切断になって、結局、イーライが彼を守る。
 提督はあっさり勝手に死亡してて、そっかーと思ったのも面白かった。ケレン味の少ない映画だ。不思議な上品さだった。ワイルド西部なのに。

 

 モリスとウォームの、ちょっと浮世離れした、理想目指しちゃう初めての仲間、みたいな関係もよかった。ウォームを演じてるのがリズ・アーメットで、なんかすごくよかった。タイヘンな人生やってきたはずなのに、理想を見る綺麗な目をしている感じ。そういうふわっとした感じがすごく、よかった。モリスを演じてるのがジェイク・ギレンホールで、なんだろうな~、心のうちになんかありそうだけど何にも言わないわからない感じの男、よかったなあ。
 兄弟、仲間の四人。無口で粗野で無骨で不器用な、なんもスマートじゃない西部開拓時代の男って感じ。馬が大事で、野宿当たり前で。


 西部劇的なのを見るたびに、自分の身を守るには自分だけが頼り、銃を持つべき、という過酷さがすごくて、生きるだけでハードモード。今、一応法秩序のある時代、場所に生まれてよかったと思ってしまう。タイヘンすぎるでしょ。ラスト、兄弟が母親のいる自分たちの家に帰るんだけど、まず母は銃を構えて出てくるし、追手から逃げてるんだったらうちには入れない、という構えなんだよねー。違うよ、ただ疲れて帰ってきただけだよ、っていうと、やっと受け入れてくれる。実の息子だろ~と甘くないんだな~~。すごい。でも迎えたあとは、実はちゃんと部屋がきれいに用意されてたり、ご飯お食べとかお風呂入れとかいう感じで、それはまったく普通に親子なのだった。ほっとする。

 

 黄金を見つける薬品は劇薬で、川で薄まるから大丈夫かと思った、のに、結局その薬のせいでモリスとウォームは命を落とす。まー、欲出したチャーリーのバカのせいなんだけど。チャーリーもそれで右腕なくすことになるんだけど。
 その薬品とかってファンタジーでしょ~?と思ってて、映画でどうするのかと思ってたけど、なんか、まあそういうものだ、と、さらっとしてて、その塩梅もよかったなあ。

 

 不思議と、本当に、リアリティ重いけどファンタジーな感じがする映画だった。ガンガン人殺すし死ぬけど、湿っぽさはない。過酷だけど優しい。
 シスターズ兄弟、イーライがジョン・C・ライリー、チャーリーがホアキン・フェニックス。お互い髪切ってあげたりの日常の感じよかった。
 こういう男たちが生きてる。おかしかったり、切なかったり。大満足でした。

 

 なんでフランス映画祭でやるんだろう? 舞台はアメリカ、言語も英語。と思ったら、監督ジャック・オーディアールって、フランスの巨匠って感じですか。無知でごめんなさい。これまでの作品名みると、いくつか、あーこれちょっと見たいとか思ったことあるな~というのがあったり。これからは名前覚えておきましょう、自分。

 

 

 

|

« 映画 「X-MEN:ダーク・フェニックス」 | Main | 映画 「パピヨン」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事