« 『追いつめられた天使』(ロバート・クレイス/新潮文庫) | Main | 映画 「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」 »

映画 「神と共に 第二章 因と縁」

*ネタバレしてます。


映画 「神と共に 第二章 因と縁」

 昨日、初日に見てきました!

 第一章の終わり、えっと、なんか、冥界でバトルおっぱじめるぞ!って所だったな。で、なんだか大軍に立ち向かっていくカンニムとヘウォンメク! って派手に始まりました!
 戦いの中で、過去、生きていたころの断片を思い出したりするカンニム。
 だが争いは止められ、カンニムたちは、一度は怨霊となったスホン(弟くん)が、たんなる誤射事故の死ではなく、無念の死であることを明らかにして、生まれ変わりの道を得られるよう、裁判を求める。そんなのダメダメ、という判官たち。でも裁判で負けたら自分たちの生まれ変わりを諦めるとまで言い切るカンニム。
 裁判をひらく条件の一つとして、地上で寿命が尽きているのに、屋敷神ソンジュ神が使者を追い返して守っているせいで生き続けている老人をつれてこい、と命じられる。ヘウォンメクとドクチュンは地上へその老人を迎えに。カンニムはスホンを守って地獄裁判めぐり(でも4つまではとばす)をする。期限は49日間。

 地上で、ソンジュ神と対決にいったヘウォンメクたち。だがその老人は孫を育てていて、せめてその孫が小学校へいくまでは、という願いを屋敷神はかなえようとしているのだった。入学式まで40日。裁判の期限には間に合うから、と、ヘウォンメクたちも地上にとどまる。
ソンジュ神は実はヘウォンメクたちが死んだ時に迎えにきた使者だった。記憶を取り戻したい二人に、過去を話して聞かせる。かつて、高麗の武人だったヘウォンメク。戦乱に巻き込まれた村で子供たちを守っていたドクチュン。
 地獄では、別に生まれ変わりたくなんかないというスホンに、カンニムは自分の過去を話す。カンニムは記憶を失っていなかったのだ。

 そんなこんなで、スホンの無念の死を明らかにする、使者三人の過去とは? おじいちゃんと孫とソンジュ神、その三本立ての話がくるくると少しずつ描かれていく。話の筋が一本道じゃないよーって感じは、今の映画だなあって感じ。めまぐるしい、けど、ちゃんと切り替わる展開はわかりやすいので、混乱はしない。まったく飽きる暇がない、すごいサービス満点のエンタメだった~! 面白かった! 第一章でいまいちとか思ったけども、第二章の予告がステキで、期待して見て、期待よりずっとずっと面白かった!

 まずやっぱ気になる三人の使者の過去。カンニムはかっこいい武人だったみたいだな~というのはちらっとあったんだけど、語られるのは、立派な将軍の父の一人息子としてがんばってきたのに、父が保護した孤児がだんだん優秀さを発揮し、父の教育もあって自分を負かすようになってくる脅威に苦悩するただの男の物語なんですよ。まさかの兄弟もえ話だったー! 多分すっごく父を尊敬して、自分も父に認められるよう立派になるぞってすっごくがんばってきたと思うんだよ~。なのに目をかけられる孤児の弟に、追いつかれる、追い越される、という恐怖。でもそんなの自分で認められるわけはなく。誰にも相談もできなかったんだろうな。自分が一番強く立派であらなくては、って、弟に負けるなんて自分自身が一番認められない。弟は、静かに強くなっていく。
 そして、兄は道を踏み外す。
 戦いに弟を連れて行った父は命を落とす。そしてその責任を、兄は弟にかぶせて北方へ追い落とすのだった。

 ヘウォンメクはかつて「白い山猫」と呼ばれ敵に恐れられていた凄腕の持ち主。だが、身寄りをなくした子供たちには優しくできる男。
 ってな感じで、ヘウォンメクが、自分の過去の話を聞かされて、おっと~俺むかしから超強くてめっちゃかっこいいな、フッ、みたいにしてるのがめちゃめちゃおかしくてかわいくてたまんなかった~。ドクチュンは子どもを守る優しい子。
 そんなこんなの二人と、カンニムの過去が。カンニムの排除したかった弟がヘウォンメクだったんだよ。彼がひそかに敵の子どもたちを助けていた事は軍への裏切りだ、と、粛清しにきたカンニム。そして三人ともに命を落とす……。

 この、カンニムの名前が、悪い上司の名前として語られていた所から、逆に読むんだよってわかった時の感じが、あ~ハングル文字が読めればな~~って自分が残念だった。
 
 三人の使者として。カンニムをリーダーとして、千年一緒にやってきたチームなのに。自分を殺した相手こそがカンニムだったとわかった、ヘウォンメクとドクチュン。
 ショック……。
 それなのに。
 地獄で、スホンの裁判をしているカンニムが語ることに耳を傾け。カンニムは実は記憶を失っていなくて、この千年、自分が殺した相手とわかっていながら。一人苦悩を抱え続けてきたこと。許しを言い出すことができない孤独と苦しみを、ヘウォンメクとドクチュンはわかってあげるんだなあ。凄い。

 スホンの無念の死を明らかに、っていうの、どんな秘密が!? と思ってたら、あ、あの二人が埋めた時、スホンにまだ息があることを知っていたんだということを、認めさせるということだったんだなあ。なんだ。なんかもっとすごいことがあるのかと。でも、そうして、罪を隠して抱えることがどれほど酷い苦しみか、カンニムはわかっていて、スホンのためというか、加害者の方のため、許しを得る機会を作ってあげたんだよねえ。それはほんの少しだけ自分の救いでもあるんだろう。

 スホンくんの、なんかカラッと明るい弟キャラなのも救いだった。裏切られたとか、本当は見殺しにされたとか、多分うっすらわかっていたのに、いいって、最初から許すって感じなってるのなー。生まれ変わりたくない、っていうのも、現世が苦しかったんだな、とちょっとしみじみしちゃう。けど、また一からやり直しとかめんどくせ~~~って感じなのも、本音って感じが面白い。

 あと、怖いものを思い出しちゃう時、「ジュラシックパーク」の、恐竜……しかもラプトルだ! っていうの可笑しかった。わかる~~!嫌だよね~ラプトルの群れに襲われるとか一番嫌だよね~~~っw あの辺のジュラシックネタはおっけーなんでしょうか。笑っちゃった。
 最後の最後には閻魔さまにスカウトされてた。一応弁護士目指してたから、使者に向いてるのかね~。がんばれ~。

 おじいちゃんちで居座るソンジュ神。おじいちゃんちは立ち退きせまられて、立ち退き料もらっちゃってるのに、ソンジュ神てばファンドにつぎこんで70%も損失出したらしいぞ。アホかw 投資は無茶やってー。そんなこんなの、地上でのドタバタはかなり笑っちゃう感じ。けど、生活保護もままならない、孤児になったらこの子は。海外養子縁組の提案おとかされちゃって、そんなのダメだとか、けど最悪を避けるにはそれしなかないだろ、とか。貧困の悩ましさとか笑いごとじゃないんだけどさ。

 ソンジュ神が、マ・ドンソクなのです。その辺の俳優に詳しくない私でもわかる。彼はごつい。がっつり筋肉アクション強い強い人だと。ソンジュ神が強すぎて使者たちが追い返されまくっておじいちゃんを冥界につれていけないんだから、ってヘウォンメクとドクチュンが来たはずなのに、なんかもういきなり弱い! 
 神様、現身してるんだけど、人間には手出しできないお約束なんですね。だから金貸しの取り立てとか来ても、あっスイマセン待ってください待ってください、って感じでまったく弱い!全然なんもできずつっころばされて弱い! ヘウォンメクが助けるはめになる。
 あのごっついマ・ドンソクがヨワヨワなだけでもうすでにすごくおもしろい。笑ってしまう~。ファンドで失敗してるし。借金つくったのお前のせいじゃーん。ダメダメ。そんなこんなの三人でのやりとりがおかしかった。笑わせてもらった。

 そしてだんだん孫ちゃんに情はうつるわけで。
 ソンジュの壺というのが、神様の本体ってことなのかな? 地上げ屋たちが三人が留守の時にやってきて暴れていったせいで、壺が壊れ、ソンジュ神は消えてしまう。
 いよいよ、おじいちゃんを冥界へつれていく、ということでカンニムたち三人で、その名前を呼ぶ、という時に。
 場面が転換すると、孫ちゃんは小学校へ。おじいちゃんは生きてる。そしてついに株があがったらしいぞ!よかったね。
 あれ、カンニムが、ぎりぎりで、保留ってしたんだろう。子どもを助けなくては。守らなくては。すっかり情がうつってるヘウォンメクとドクチュンを思って。
 
 それで、おじいちゃん、孫が卒業するまでは猶予だってしたから、三人での使者をまだ続けるということになって。ついに、カンニムが、実は、と告白しようとしたときに、ヘウォンメクとドクチュンは顔を見合わせて、みなまで言わせずにいいから次の死者を迎えにいくよーって明るく流す。
 私、ヘウォンメクとドクチュンはカンニムが孫ちゃんのために、と猶予を選んだことでもう許す、っていう気持ちになったんだと思う。千年前のことはすんだこと。千年前死んだ自分は今の自分ではない、と。
 カンニムとやってきた千年はなんだかんだうまくやってきたんだろう。
 カンニムはまた言えなかった、って悩んじゃうだろうけど、二人がもっともっと仲良く一緒に笑っていけるようにするんだろう。

 カンニムが本当にどうしても許しを得ることができない、と思っているのは父のこともあって、父が戦死、と思ったけど、その死体の山の中で、本当はまだ息がある、というのをわかっていながら、見殺しにしてしまった、ということなんだよね。
 だから、生き埋めにされたスホンの事件を見過ごせなかった。

 そしてなんと、終わりかあと思った所で、父が亡くなった時、閻魔様が迎えにいってて、次の千年、閻魔の役職引き継いでくれないか、とスカウトにきてたんだよー。なんてこった。
 閻魔様が、なにかとカンニムを気にしてる風だったのは。カンニムだけに記憶を残すという過酷な罰を与えていたのは。父よあなたなのかーっ。
 父もまた、自分がカンニムと弟とにしてきたことのせいで、多分よかれと思って教育し育ててきたのに、兄にばかり我慢を強いていたということを悔いて。生まれ変わりの道を捨てて閻魔を引き受けます、ということにした、のかなあ。

 それにしてもカンニムの千年を思うと。辛いでしょ。ひどいでしょ父よ~~。でも、なんか、育ちをなくして何者でもない三人でいて、なんか仲良しでやってるなっていうことも間違いなくあったんだろうから。ヘウォンメクが、過去の過酷さがなければ、強いけどへろっとしたおバカなチャラ男で、かわいいなーみたいなのも、よかったんじゃないかなあ。

 そして、カンニムは、苦しみながらも、結局大事な時にはヘウォンメクを呼んじゃうとか。第二章のあとに、第一章のあれこれを思い返すと、すごい、あああああ~~~っと感慨深い。エモい。エモい、っていうんでしょうこんな時。という気持ち。

 面白かった。すっごいサービス満点のエンタメ大作だ。楽しかった。かっこよかった。ドクチュンちゃん、過去の三つ編み姿のほうが可愛いよ~と思ったりで、好きになった。全部見終わるとみんなのこと好きになれた。よかったなあ。見逃さなくてよかった。ありがとう~!


|

« 『追いつめられた天使』(ロバート・クレイス/新潮文庫) | Main | 映画 「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事