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映画 「The Crossing ザ・クロッシング」パート1、2

*ネタバレしてます。


映画 「The Crossing ザ・クロッシング」パート1、2

 昨日見に行きました。続けて二本。5時間近くの映画ってことですねえ。大河ドラマだった。
 監督、ジョン・ウー! 金城武、長澤まさみも出てる、ってことなのに、なかなか日本で公開されてなくて、なんでだろうと思ってた。2015年製作ですね。とはいえ、ついに公開になったのかーと思ったけど、近くではやってないし、二本分、うーむ。と見るかどうか迷っていたけれども。けど、見に行ってよかった! 思ってたよりずっと面白かった^^

 舞台は第二次世界大戦の終わりのころ。奉天で日本軍と戦う中国。勇敢な司令官、雷は自ら先頭に立って戦いに突き進んだ。負傷しつつ功をあげ、戦場を離れるとすっかり有名人。
 パーティで、美しい娘と出会い、奔放さにひかれる。ダンスをして、恋におちて、幸せな結婚をした。
 だが、今度は内戦に赴くことになる雷。身重の妻は、不穏な本土を離れて、台湾で暮らすようにと逃がす。きっとすぐに自分も行くからと約束をして。
 激化する戦い。国民党は追い詰められ、支援もなくなり、寒い戦地で動けなくなっていく。敵側へ投降していく味方も多くなるが、雷は最後まで戦い、散るのだった。

 小さな村から上海へ出てきたユイ・チェン。幼馴染の恋人が兵士になり、行方がわからなくなってしまった。看護師として働きながら、軍人に彼のことを訪ねるも、わからない。傷兵は台湾へ送られたらしいという噂があって、なんとか、台湾行の船に乗りたい。だが、切符の値段は毎日高騰していく。娼婦として街に立つようにもなりながら、絶対に生き抜くチェン。仲間から切符を譲ってもらうことができて、台湾へ向かう。

 家族手当の配給をもらうために、赤の他人のユイ・チェンに依頼して家族写真を撮ったトン・ターチン。一度食事をしただけだったが、その写真と思い出が兵としてのターチンを支える。何も知らない相手のことを村で一緒だったと仲間に語り、肌身離さず写真を持っている。通信兵として、雷の部隊で戦い、雷の最期の願い、彼の手帖を妻へ届ける任務をもって、負傷しながら帰還。ユイ・チェンと奇跡的に台湾行の船で再会し、諦めることなく生き抜く。

 台湾で、医者であるイェン・ザークン。日本兵として従軍していた。父や兄を裏切り者扱いで亡くし、家を支えなくてはならない。彼は、戦争へ行く前の学生のころ、日本人の雅子と恋をしていた。忘れられない恋。家のために、日本人の娘なんか忘れろ、寡婦となった兄嫁と結婚をしろ、と、母に強制される。弟は共産主義を信じて家を出てしまう。嘆きふせる母のために、上海へ弟を連れ戻しに行くザークン。一度は説得できたが、弟はやはり船には乗らなかった。そして、運命の船は、夜間衝突事故を起こし、沈んでいく。

 一応ざっくりいうと、この辺が主要人物。戦争、内戦という背景の中、それぞれに生きてゆこうとする市井の人々。舞台がそういう時代っていうせい、なんだろうけれども、なんだかとっても、ノリというか、セリフとかシーンとか、展開とか、大仰で、ベタに、ああこうなるんだろうなあっていうのがわかるぞ、という、半世紀前のなつかしさ、みたいな感じだった。2015年に作られたとは思えないような~。けども、戦闘のリアルとかはすごい大迫力だったし、がっつり見応えはある。なるほどこう来ますね、というわかりやすい展開なので、物足りない、と、思うかもという気もするけど、そう思いつつも、この長大さなら、安定の展開で親切かなあと思う。もうね、じっと座ってるだけで疲れちゃうお年頃なんだなワタシ……。
 
 金城くんは、長澤まさみ演じる雅子と恋しちゃう学生時代もがんばって演じていて、いや~~~学生さんか~~~。と思っちゃうね^^可愛い。40過ぎでしょう? けど、やっぱ大きな目が可愛くて、きれいで。戦場での汚れた軍服、白衣姿、ちゃんと大人になってからはクラシカルなスーツ姿と、どのシーンでも素敵でした。眼福。ありがとう。涙流すシーンいっぱいでしたよ。うつくしく泣く男、金城武。見応え~。
 船の事故で、助かるのは34名だった、というのが最初にナレーションされるわけなんだけど、金城くんは助かる中に入るかな、と、それは本当にドキドキした。精一杯に人を助けて、そして、なんと助かるために人も子どもも浮いてる板から引きずり降ろそうとするやつにナイフで刺されてしまったのだったよ。酷い。一度は、あ、ちゃんとあいつに勝ったのねよかった、と思わせておいて。血が;; そして幻想シーンになって、雅子が迎えにきてました。うつくしく沈む男、金城武;;

 長澤まさみが、なんか、せっかくなのに、なんかちょっとどうにも残念な役柄でもったいなかったなあ。もうちょっとちゃんといい着物を着せてやって……。おかっぱ頭にするにしても、なんかもうちょっと、いいカツラをつけてやって……。つか普通に彼女なら自分の髪ばっさりとかやってくれるでしょうに。なんだかなあ。それでもやっぱり綺麗で可愛いんだけれども、ちょっとな~。割と早々にいなくなった彼女、なので、お手紙とか日記とかを読み上げる程度だったりして。恋する時の思い出、とか、キスとかラブシーンはあったけれども、なんかもうちょっと、彼女はできる女優さんなのに、と思う。まあ、その後もどんどんうまいすごい女優さんとしてキャリア重ねてるからいいか……。

 雷将軍、司令官? が、ベタに絵にかいたようにかっこいいステキ軍人さんで、かっこよかった~!^^ 有能なのに無能な上部のせいで部下に苦労をかけることに。飢えを少しでもましに、と、軍馬を殺す。その、大事な馬を自ら殺す。その苦悩がとてもとても、辛い。でもいつも、ちゃんと彼は自分が行動する男なんだよねー。かっこいい。多分理想の軍人というか、ちょっとチャラっとヘラっとする色気ありつつ高潔な英雄っていう姿なんだと思う。
 最初は日本軍との戦闘。次は国民党として共産軍との戦い? その内戦の感じっていうのが私があまり中国近代史をちゃんとわかってなくって、なんか大変だな内戦、ってくらいしか理解できず申し訳ない。一応映画で十分に、なんか大変だすごく大変だ、というのはわかる。台湾との感じもなんとなく、わかった気がする。
 戦場のシーンがすごくがっつりたっぷり。雷将軍はかっこいい英雄なんだけれども、けれども一般的にみんなは普通に辛い兵隊さんたちで、そんな中での激戦っぷりがこんなにずっしり描かれてるの、ちょっとイメージしてなかったです。厳しい世界……。
 一瞬だけふふって笑えたのは、偵察してて、敵の偵察の兵(たぶん)と遭遇!撃ち合うか!? という緊迫感のあと、パッと切り替わって、その時狩ってたウサギを一緒に焼いて食う、ってなってた所。人間味っていうかなあ。軍で、兵で、コマのように動かされて戦争に駆り出されてるけど、それぞれに一人の人間で、敵といえども人間で、という感じ。当たり前なんだけどさ。あー。けどその後の裏切りに繋がったりするわけかなあ、というのもなかなか切ない。
 戦場なんて、最悪だよ……。

 チャン・ツィイーが、街娼になってまで、でもそれでもピュアに美しいんだよ。ユイ・チェン、人を信じてしまう女。あんなに探してた最初の恋人とは結局すれ違い。たまたまの縁の写真で家族を演じた男と、ともに生きることになる。運命というか、縁、ですね。本当に弱くどうしようもない立場の人の役で、それでも彼女が生き延びてよかった。
 女たちの物語だったよなあ。思ってたよりずっと。男たちが戦争へいってしまって、女たちは弱く、それでもしたたかに、それでも生きていく、という物語だった。ささやかな縁を重ね合わせて。意地悪や偏見差別もありながら、それでも、助け合う人もいる。根本的な善良さ、みたいなのがすごくこまやかに丁寧に描かれていた。
 船の中で、結局は追い出されるようになった下宿先の奥さんと再会したときに、パッと駆け寄って、よかった、と互いに手をとるの素敵だったなあ。そんな素直な善良さがある人たち。
 生き延びて、生き残って、新たな命の誕生があって。助け合って生きていく。
 壮大な大河ロマンで、生きていく人たちの姿だった。
 見るの大変だな~と思うけど、見ごたえ十分~。面白かったです。金城武を見られて幸せだよ。

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