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映画 「ビューティフル・ボーイ」

*ネタバレしています。


映画 「ビューティフル・ボーイ」


 ニックはデヴィッドの息子。18歳になる。優秀で大学に6つも合格。書くことが好き。仲のいい親子だった。ちょっとした息抜きにドラッグをやると知って、気をつけろよ、と釘をさすものの、みんなやってるよ、と笑うばかりのニック。
 次第に、もっと刺激の強い薬に手を出し、自分のコントロールを失っていくニック。デヴィッドはニックのために何ができるのか。できることすべてやる、と、専門家に助けを求めた。


 ティモシー・シャラメが息子くん。スティーブ・カレルが父。そりゃ美しい少年だなってことだけど、美しいというか、素晴らしいって感じなんだろう。仲良し親子で、自慢の息子。父の期待に応える優秀な息子。多分本当にみんなやってる軽い気晴らし、ってことがスタートで、そこから溺れていくことになったのは、ニックの弱さなのかなんなのか。

 実話ベースとのこと。父はジャーナリスト、息子くんは脚本家? この酷い状態の時から8年、か、9年を経て、父も息子もそれぞれに本を出したそう。そしてベストセラーになったのだって。映画のプレミアとか記事で、ご本人たちもきていてキャストと一緒に喋ったりしてた。
 薬物依存って、終わりがない。
 映画の終わりにも、ニックは多くの支援者の支えで、8年間クリーンである、と出ていたけれど、その、クリーンである日々を積み重ねていくしかない。

 ニックをつれて、四週間の療養施設へ行ったり。そこから逃げ出した彼を探しに行ったり。何度も何度もデヴィッドは息子を理解しようと、救いたいと、愛していると、手を差し伸べる。ニックが小さいころに離婚したんだね。夏休みとか? 母のところへ送り出す空港で、どんなにパパがお前を愛してるかわかるか、どんな言葉にもできない、すべてだ、すべてよりもっと愛してる、とハグして別れるの。
 それからずっと、大きくなっても、すべて、といってハグするのが親子の習わしなんだよ。
 小さいころのニック、シャラメたんによく似てる子だった~可愛い。
 
 デヴィッドは再婚をして、弟、妹がいるニック。家族の仲はいい。弟たちをすごくかわいがってる。だけども、ニックの満たされない気持ち、というのはあるんだな。自分でもどうしようもない心の穴。

 映画は、説明ほとんどなくて、俳優たちの姿で伝えてくる。こまごましたことはわからないんだけれども、まだ危うい脆い十代の息子のゆらぎを、ティモシー・シャラメはほんとうに繊細に演じて見せてくれる。にこやかに元気な時。ドラッグに溺れてうつろになる時。ハイになるとき。落ち着きなく怒りっぽくなる時。嫌いにならないで、と泣く時。助けてと甘える時。金をくれよと必死な時。自分でももうやめる、立ち直る、立ち直れたはず、というところから、一度落ちるとまた際限なくなってしまう。

 シャラメたん~~可愛いきれい~。もともと細いのにもっと痩せてて、ほんとうに危うくて、きれいで、そこにいるだけで見てるこっちの心臓つかむよね~。
 元気に自転車こいでたけども、ほっそい腰、ああああ~~。やばい(*ノωノ) 可愛かった……。あんな息子がいたらたまらんな。タイヘンすぎる。

 デヴィッドは何度も助けたいと願い。でももう疲れた、と、あきらめそうにもなる。母も助けようとした。依存から助け合うためのミーティングに、ニックも、親も、参加する。
 誰もが、ふとしたはずみで転がり落ちるかもしれない依存の道。

 時間軸がゆらぐというか、時々これはいつの場面なんだ? と悩んじゃうシーンの断片が重なってて、ちょっとわかんない感じもあったけど。ニックは結局大学卒業したの? したかったなみたいな思い描いたシーン? まあいっか。
 たぶん本を読めばあの時どうだったこうだったとかは書いているのかなあ。

 本人だけじゃなくて、家族も友人もみんな泣いて泣いて。辛い。死にかけて、でも助かって、ニックはクリーンな日を今も積み重ねているんだろう。それはもう大丈夫、って油断をしてはいけない危うさを秘めた毎日なんだろう。
 映画は終わるけど、本当は終わりはない。いつか、だれでも、人生が終わる日まで、ほんとうのもう大丈夫、は、ないんだ。切なかった。

 景色も、キャストみんなも、とてもとても美しかった。苦しくて、優しい映画だった。

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