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映画 「ある少年の告白」

*ネタバレしています。


映画 「ある少年の告白」


 ジャレットの父は牧師。教会を立派に運営している。母は美しく優しく、父にとって妻も息子も自慢の家族のようだ。
 ジャレットにガールフレンドはいたものの、彼女とは大学入学の時には別れた。大学の寮生活。ランニング友達もできた。だが、親しくなったある日、その彼に襲われる。
 家に戻ったジャレットがホモセクシャルだと知らせるような電話がかかってくる。問い詰める父に、自分は被害者だと訴え、でも、同性愛者であるかもと打ち明けたジャレット。
 しかし父は、教会の長老に相談し、ジャレットに、そんな自分から変わりたいだろう、と、矯正施設を勧める。そして、母に送られて行った施設は、内部での教育は一切他言禁止、グループで語り合い、自分のルーツを見つめ、現在の自分を否定させるものだった。

 実話ベースの映画。ジャレットが施設から離れることができて、大学に戻って4年後に、施設のことを告白記事にして出した、出版したものが原作だそう。
 矯正施設って、実際にあるんだなあ。遠い過去ではなくつい最近。というか今でもあるのか。なんだろうなあ。キリスト教ではやはり罪なのか。子供を愛してるからこそ正しい道に戻れるように、という、気持ち。

 例えば薬物中毒やアルコール中毒のようなものとか。メンタルヘルスな問題とか。そういうことで、生活がままならず治療を、というのはわかる。必要だろうと思う。けれど同性愛は、好きな人の性別、ということを社会が問題視しなければ、別にごく当たり前のことだろう。人に恋する。そばにいたい。セックスしたい。結婚したい。ヘテロなら当たり前のこと、で、別にそれを治療しなくてはなんて誰も思わない。ホモセクシャルであるというだけで何故それを治療しなくては、という方向に思うの。人を好きになる気持ちを、誰かが決めたり認めたりするものじゃない。自分にすらままならないだろう。恋してしまうことは。

 ジャレットは、不安の中で自身もなくて、矯正施設で最初はしたがっている。同じグループでは、まともな男らしいフリをして、したがって演技してうまくやれ、とアドバイスしてくれる子や、とにかく誰とも接触せず、黙々とコースを終えようとするものもいる。
 でも、反省文のようなものを書いて、みんなの前で発表して、指導者サイクスに追い込まれることに耐え切れなくなる。
 規則に違反した、と、葬儀まがいの仕打ちをうけるほかの少年。ジャレットはこの施設がおかしいと、母に助けを求めた。母もまた、ジャレットを受け入れ、彼の味方になる。

 そんなこんなで、ジャレットくんは逃げられてよかった。ジャレットが施設を離れたあと、自殺した少年。そんな風に人を追い込む矯正施設なんて洗脳でしかない。
 指導者、っていってたサイクスはママに何の資格があってあなたは!? と問われて何も答えられなかった。専門家でもなんでもないのか。ただそういう名目で悩む子を集めて、親から金をとって、長く閉じ込めて、儲けようとしているのか。支配欲? 
 後日談的なやつでは、なんとサイクスも同性愛者で今は男性と結婚してるみたいだった?? 自己嫌悪からの行動だったのか。あんまり酷い……。
 
 ジャレットを、なんとか受け入れる努力を父はしたらしい。多分和解してるんだろうなあというような写真が流れた。そして同性婚をして、LGBTの戦いのための活動をしているらしい。
 とてもひどい出来事も。戦うための素晴らしい行動も。あるんだなあ。今もつらいことは世界中でたくさんあって。それでも、世界は少しずつ、よくなる。よくなれると、信じて願っていくよ……。
 キャストみんなの静かな佇まいが素敵で、すごく引き込まれて見ました。見に行けてよかった。

 

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