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映画 「ブラック・クランズマン」

*ネタバレしてます。


映画 「ブラック・クランズマン」


 1979年。ロンは最初の黒人警官として採用された。だが、配属されたのは資料室。ファイルを探して取り出すだけ。そして見下す、仲間のはずの警官たち。配属転換を願い出て、次にいったのは潜入捜査。黒人たちを扇動しているらしき集会に紛れ込んでくること。
そこで、集会を開催している学生の会長、パトリスと出会う。

 ロンは、KKKが出している新聞広告に目をとめた。いきなり電話して、黒人が大嫌いな白人のふりをして資料請求。同僚たちとKKKに潜入して危険を探る任務を開始する。


 27日(水)に見に行った。近場でやってない~のでちょっと遠出。

 テーマとしてはとても重い。黒人差別でヘイトで、白人の中でも女性差別でユダヤ人差別に満ちている。この映画の中は70年代終わりのころだけど、それは確かに40年も昔、かもしれないけど、考えてみれば私はもう生まれているし、間違いなく今も生きている人の中にもある、というかトランプ政権でむき出しになっている今も続く価値観の問題。
 たぶん世界は少しずつよくなっているはず。こうして問題が問題だと認識される。だけど、変わったと思ったけど変わってないこともいっぱい。多分差別は消えない。だからこそ、考え続け見直し続けなくちゃ。

 という辛いきつい作品、ではあるのだけれども、ユーモアとかばかばかしさですっごく面白い作品になってるんだよなー。うまい。すごい。面白かった。

 ほんとに、あらゆる差別が描き出されている。黒人差別を筆頭に。妻は男たちから排除され、危険な役割でも与えられて喜ぶ。愛してるよ、と言われながら、男の仲間ではないという感じ。見た目ただ普通に白人だろって感じでも、ユダヤ人じゃないかどうか証明しろ、と迫られたり。仕事で手柄をあげたはずなのに、ちょっと厄介になりそうってなると予算カットだ、と、ばっさりおしまいにされたり。
 差別と偏見に満ち満ちている。けれど当時は、彼らにとっては、ごく普通に当たり前の感情なんだなということが、描かれている。そしてそれは、当時は、ではなく、今であっても、ありそう、ある、という現実を突きつけてくる。エンディングにはトランプの演説だとか2017年に起きた被害(デモかなんかに車つっこんで轢き殺していた)のニュース映像がうつる。過去から続く今の問題。今も自分が見て考えなくちゃいけない。

 重いものを突き付けられるのだけれども。潜入捜査のスリル、と、電話では黒人と知られずにまんまと信頼勝ちとっていくとか、おかしいんだよね~。ほんと、ユーモアのバランス。

 キャストみんなすごいうまい。当たり前か。んで、偏見ひどい役、セリフいっぱいで、演じるのきつかったんだろうなというのもある。けど、もちろんそうは見えないわけで、本当にすごい。

 ロンに巻き込まれるように、見た目側のロンとして潜入するフィリップを演じているのがアダム・ドライバー。すっごいよかった。好き~!
 ユダヤ人だけどそういうことを意識せず育ってきたけれども、潜入してなんだかんだ言われていく中で自分自身を見つめなおすことになる。最初は、仕事だしーと割り切っているようなちょっとだるい感じだったのが、静かに変化していく。すっごくいい。アダム・ドライバー好きなんだけど、ほんと、どの映画でもなんかちょっとぼさーっとしたでっかい男って感じの中に、しっかりとそのキャラクターが生きてる感じが伝わってきて、すごく、見るごとに面白い。かっこいい。すごい、いいなあ。今作でもますます惚れました。好き。

 こんなにすごく面白く、でもがっつり重いものを見せてくれる映画。見に行けてよかった。期待して待ってたけど期待以上に大満足。見て、考え続けるよ。

 

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