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『短歌こぼれ話』 (大島史洋/ながらみ書房)

 『短歌こぼれ話』 (大島史洋/ながらみ書房)


 2017年10月15日刊。
 「短歌往来」の2008年1月号から2016年12月号まで9年間の連載の「落書帖」から95話を選んで収めたものだそうです。


 雑誌連載ってことで一つ一つ、本だと見開き2ページ余りの短い読み物。大島さんの声が聞こえてくるような文章で軽妙っていうのか、切れ味がお見事で、リズムよく読める。いろんな知らないこと、大島さんが読んだこととか思い出話を教えてくれるという感じですごく面白かった。

 大島さん、ほんっといろんな本読んでるんだなあ。古い本も今の本も。そして、お、これ面白いってことを書いてくれてるから、面白いの間違いない。そして、お、これなんだ? と思ったことを調べてみた、って書いてくれてるから、へ~って思う事いっぱい。よくこんなに知ってるなあとか、知らないからって調べてみるもんなんだなあとか、思考の断片を読ませてくれるから、すごい一緒になってその本を読んだり調べてみたりする気持ちになる。気持ちになるだけで、大島さんがすべて教えてくれてるわけですが。博識とか教養とか、大島さんならではの交友とか長い時を持ってる思い出とか、すごいよねえ。

 子規とか茂吉とか、土屋文明、近藤芳美という有名どころのお話。もっとマイナーというか、すみません私が全然知らないだけでほんとは有名なのかもしれない歌人のエピソードいっぱい。こんなに毎月よくネタがあるなあって感動する。

 若い頃の思い出話で、近藤さんちから原稿諸々預かって帰る途中、電車に忘れたのを、近藤夫人からの電話で知らされた話とか。若き大島史洋さん、どんなに可愛かったでしょうね、と勝手な想像をしてふふってなったりした。しかし、想像するだに恐ろしいわ~~未来のあの原稿歌稿を置き忘れるとか。今、私も未来の割付のお手伝いしてるので。人の原稿の重みとか、思うと、いや~~~っ……こわい。

 大島さんの文章は本当に喋ってる感じがすごくする。私は未来のあれこれの選考会でテープ起こしをさせてもらっていて、その時にも思うのだけど、ちゃんと文章で喋れるんだよねえ。すごい。この本読みながらも、大島さんの声や喋る感じがすごく聞こえる気がして楽しかった。なんでしょうね。文章のリズム感みたいなの鍛えまくってて洗練されまくってるんだろうなあ。多分大島さんを知らなくてもこれは軽やかに読める文だろうなと思う。内容も、知らない人にでも優しくて、教えてくれてるけど全然エラソウじゃなくて、楽しそうにしてる感じがわかるので、読みやすい。
 これはぱらぱらひとつひとつ、ゆっくりと読みました。表紙のフクロウも可愛くてよくって、すごくいい本だった。


 てことで、今月個人的に短歌関係読書強化月間達成しました。……本をためるのはやめようと、反省。

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