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映画 「ボヘミアン・ラプソディ」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ボヘミアン・ラプソディ」


12日(月)に、IMAXで見てきた。

 その前11日の日曜日に、「ヴェノム」二回目を、3D、IMAXで見て、あ~やっぱクリアな映像、いい音、面白い~って漫喫して楽しみました。で、その時に翌日のチケットも買っておこうとして、中央のいい席がかなり売れてる、と驚いた。しまった。平日と思ってなめてた……。

 で。でもともあれちゃんと気合いれて月曜日の朝から見に行ったわけです。

 始まりの、20世紀フォックスのファンファーレがギターの音だ!?と、も~~最初っからドキドキに掴まれてしまうよね……。そして、ライブエイドのステージへフレディが向かう所、という始まり。うわ。ボウイがいるのでは。とか、そのほんっとチラっと、その、ボウイが、名前だけとか影だけな感じで、本編中にチラッとだけ、で、しかし当然同時代のスターだったわけで一緒にやってもいるし。「アンダープレッシャー」

 そして、フレディが飛行場で働いてるとか、移民で、家族にはふらふらしてるってよく思われてないとか、でも夜な夜なライブ見に行ってるんだな~とか。
 小さな店のライブのバックステージで、ボーカルが抜けたバンドに自分を売り込むフレディ。
 そこで出会った運命の人、メアリーにメイクを教えてもらったりとか。

物語そのものは、正直よくあるドラマ、かもしれない。若き日々、バンド仲間が出来て、なんとか金を都合して自主製作しようとしているレコーディングスタジオでプロの目にとまって。成功、アメリカや、世界ツアー。バンド仲間は多少の喧嘩はあっても、音楽を一緒に始めればやっぱり最高のプレイができる仲間。俺達は家族だ、という深いつながり。

 けれど、メアリーとずっといっしょに生きよう、と言ったのに、フレディは、自分はバイなのだと思う。というかメアリーにあなたはゲイよ、と言われてしまう。大事な人だからこそ、悲しい。それでも、大事な人として、友情はあって。
 フレディ自身の転落、フレディをひっぱり、独占するかのようなマネージャーの卑劣さ。バンド活動から離れてソロになるものの、フレディの心は満たされない。
 
 ライブ・エイドという、前代未聞のチャリティーコンサートの企画があって、クイーンも出演者に、という話がある中、迷走しているフレディに必要なのは、やはりメアリーでありバンドの仲間で、友達を作れよ、といってくれた男だった。

 物語そのものは、駆け足のようで、安易なようで、でも、疾走し続けるバンドとか、満たされないフレディとか、マスコミのハイエナっぷりとか、ほんと、もうすごい。すごい、凄く、彼らが彼らであることが奇跡のようだった。
 何より、この映画の中で鳴り響くのはクイーンの音楽だから。こんなスペシャルなことってない。

 あの名曲はどのように生まれたか、という風な楽しさがある。そして演奏され歌われる名曲名曲名曲たち。傑作。マスターピース。
 何も言えないというか、何も言わなくても、ただ、彼らの物語を見て、そして彼らの音楽を聞いて。

 狂騒に溺れ病に怯え、フレディを演じているラミ・マレックね、終盤どんどん光に透き通っていくみたいだった。なんという目をしてみせてくれるんだろう。素晴らしかった。
 もう私は、この映画を見ている観客は、やがてフレディは死ぬ、45歳という早すぎる死が待っていると、知っている。その中で演じられる、クイーンの、フレディの物語。切なくて苦しくて、あまりにもカリスマで。天に召されてしまう彼の、力強さがありながらも透き通ってしまう儚さが、本当に見事に演じきられていた。凄かった。

 映画のクライマックスは冒頭に戻って、ライブ・エイド。1985年。再現のパフォーマンスは素晴らしくて、ここまでのドラマを見て途中でも何度も涙が出てて、私、マジ泣き。声出さないようにがんばって我慢したけど、一緒に心の中で歌いながらひっくひっく涙ぐしゃぐしゃになる。予告見てた時からこんなん絶対泣くやろ……と思ってたけど、自分で思ってた以上にめちゃめちゃ泣かされた。タオルハンカチ必須……。

 そしてフレディは1991年、没。
 私はそのニュースを覚えている。エイズ騒動の頃とか、を。

 多分、本当にクイーン大ファンで大好き!という詳しいファンだったら、いろいろと、あれ? とか、ええ? とか気になったり、自分の思いと違う、ということがあってむしろ泣けないとかこんなの嫌だとかあるのかもしれない。
 私は、勿論好きだけれども、凄く詳しいとか凄く大ファンで思い入れ強いとかというわけではなくて、ただシンプルに、クイーンの楽曲を堪能したし、みんなの姿を憧れの気持ちで眺めて、圧倒的なコンサートシーンに酔いしれました。

 んで、やはり、ちょっと、うう。ボウイのことを思ってしまって。嗚呼もしかしてというか、多分、いつか、もしも、多分、嗚呼もしも、ボウイの映画がつくられたりしたら……と勝手に連想して泣いた。私が生きているうちにもしも映画がつくられたりしたら……見たいのかな。いやでもボウイの映画なんて誰も出来ないよな。見たくないというか見られないだろう。けど、けど、嗚呼……。と、全然いらぬ心配を一人で勝手にして、泣いた。

 フレディは猫ちゃん大好きなんだねえ。猫がたくさんいて、猫ちゃんたちもまた素晴らしい名演で、すっごい可愛かったしすっごくすっごく、よかった。

 この映画、評論家の評判はいまいち、みたいなのをちょっと読んだりもしたけど。ドラマが浅い、みたいな感じか? でもドキュメンタリーを作りたいわけではなかったのだろうっていうのはすごくわかるし。クイーンのメンバーがかなり製作にかかわってるのかな。よく知らないけど。けどつまり、この映画もクイーンのアルバムのような、作品だと思うんだよ。セリフとかシーンとか以上に、クイーンの楽曲が物語っている。クイーンの音楽に、私は無茶苦茶ろっくゆーされまくりで揺さぶられまくったので、十分に、たまらなく存分に、この映画を見て最高って思った。
 IMAXで見てよかった。ほんとうにほんとうに。


YouTubeメモ。
https://www.youtube.com/watch?v=A22oy8dFjqc
ライブ・エイド

https://www.youtube.com/watch?v=XwD5OtrM3VA
Queen - Live at Wembley Stadium 1986 Full Concert

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