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映画 「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」

*ネタバレしてます。

映画 「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」

23日初日! 3D、字幕、IMAXで見てきました。


 予告やなんだかんだでもういっぱい見た気分になったりしつつ、けれど見に行くとやっぱり、やっぱり! 凄いかっこいいっ! 映像のあらゆる細部までかっこいいっ! 迫力は勿論、衣装とか~小物とか~全部隅々まで素敵。とても全部見きれたわけじゃないけどいちいちかっこいい可愛い素敵あああ~ってなる~。

 始まりは、グリンデルバルドの逃亡。アメリカからヨーロッパへ身柄を移すみたいなことで、しっかり拘束して移送するはずが、まんまと逃亡されてしまう。
 私がハンニバル大好きビジョンなもので、この囚われのグリンデルバルド、口先だけで何人も騙すとか、なんなら見つめただけで虜にするみたいなのってハンニバル~と連想。というかまあ、天才クレイジー犯人が収監されてると大体ハンニバルだよね……。
 それはともかく、この冒頭からしてもう、かっこいい映像世界に痺れる。馬車をひく飛ぶ馬。雨の中、水の中。グリンデルバルドがなんか、鍵みたいなやつを、大事に持ってく感じが、あれは何だろうと思っていたら、終盤分かる。ダンブルドアとの血の誓いとゆーのをして、決して互いに争わない、と約束してるらしく。その血を閉じ込めているものなんだね……。あんな大事そうに。戦えない、と、ダンブルドアも言ってたのは、その誓いのせい?
 やっぱこのシリーズは、グリンデルバルドとダンブルドアの戦いの物語になるんだろうなあと思う。凄い、業が深い感じ。もえる。

 で、まあ。主人公ニュート、です、ね。イギリスへ、クイニーとジェイコブがやってくる。二人はラブラブ。記憶を消す魔法をかけたはずだけど、あれは辛い記憶を消すものだった、の? そしてジェイコブは辛いことよりわくわくばっかりだったみたいな感じで、大体の記憶はあるらしい。そして二人はラブラブ~結婚したいの、みたいなクイニーちゃん。でもジェイコブの様子がおかしい、とニュートが魔法を解くと、クイニーは結婚したいけどアメリカではノー・マジの人間との結婚なんて即投獄、みたいなことらしく、そんなことできないよ、というジェイコブ。お互い大好きで、愛してるのは本当なのに、すれ違う二人。クイニーはイギリスの魔法省なら結婚できるかもって感じでやってきてたけど、喧嘩して、ティナが今いるパリへ向かってしまう。

 んで、そんで、って話追っていってもきりがない。ともあれ、ティナを追ってニュートたちもパリへ。グリンデルバルドもパリへきていた。パリのサーカスにクリーデンスも身を隠していた。
 あれは、なんだろう。グリンデルバルドの差し金? なんでサーカスにいるんだろうってちょっとわかんなかったんだけど。ともあれ、グリンデルバルドは、純血な仲間を集めて、人間界を支配しようとしている。そのために邪魔者は排除しようとしている。信奉者が集まり、魔法界に革命を起こそうとしている。

 グリンデルバルドの、人たらしって、ほんと、相手の欲しいものを囁き、心の隙間に入り込んでいくんだなあ。単純に恐怖や暴力だけじゃなくて。終盤の集会での演説シーンも、なんか、そう、そうかも、一理ある、みたいに思い込みそうな勢いと上手さと怖さの魅力が凄かった。ジョニデ~素晴らしいじゃないか~~。
 人間が嫌いなわけじゃない。彼らには別の価値がある、とかいうのも。嘘じゃん。嫌いじゃん。嫌いだけどそこは言わず、別の価値とは、自分たち素晴らしく優れた魔法使いのためになる、役立つ奴隷としてならば、みたいな感じなんだろー。こういう感じ、ナチス的な感じ。選民思想とかの感じ。
 クイニーちゃんは、ジェイコブと一緒になるために、今の魔法界が変わって欲しくて、そのためにグリンデルバルドの言葉が魅力的に思えてしまう。自分の思いを誰もわかってくれない苦しさ、寂しさのあまり、そもそもジェイコブとの愛のためだったはずなのに、ジェイコブの制止も聞けずグリンデルバルドの方へいってしまう。辛い……。

 クリーデンスは、自分の本当のルーツが知りたくて、心のよりどころが欲しくて、ということなんだと思うけれども、自分の過去を、本当の名前を教えようというグリンデルバルドについていってしまう。サーカスで友達になったのであろうナギニの手を離して。
 こ、この、その、クリーデンスくんの素性ってのが~~~グリンデルバルドが明かした所によると、ダンブルドアの一族だってゆーの、びっくり! というか、ええ?? 兄弟??? だいぶ年離れてる兄弟?? 異母兄弟みたいな感じ?? これ、ハリポタ読んだらいいの??? と、ワタシ大混乱。

 クリーデンスくんがダンブルドアって存在っていうのはこのシリーズでみんなびっくりしたってことらしいので、このシリーズでやっぱキーマンとして描かれていくんだろうなあ。ああ~さすがエズラ・ミラーがキャスティングされただけのことはある!

 というか、やっぱ、グレイブスさん、前作でグリンデルバルドが化けてた、その本物のほうのグレイブスさんは死んじゃってるのか? 生死不明のままだっけ……。しかしグリンデルバルドの描写としては、何の罪もない可愛い幼子でも邪魔なら殺す、って感じなので、グレイブスさんを生かしてはいないかなあ……。わからない……。

 グリンデルバルドにとって一番邪魔なのは、偉大な魔法使いダンブルドアであるのは間違いないようで、ダンブルドアを殺すためにクリーデンスが必要、って感じだった。
 それはやっぱ魔法界でダンブルドアの名声みたいなのがあの時点で凄いみたいで、それってなんで? よくわかんないんだけど。まあともかく、偉大な魔法使いであるダンブルドアって、畏れてというかなんていうか、生真面目な純血の仲間たちには殺せない、みたいな感じかー。まあそもそも魔力でも全然かなわないってことなんだろうけど。そしてグリンデルバルドも戦えない? 血の誓いしたから????? 自分では戦えない、ってお互い言ってるのか……愛が深い……。
 で、でもグリンデルバルドはダンブルドアが邪魔。殺したい。ってことで、クリーデンスくんを使うつもりみたい~。辛い;; クリーデンスくんの魔力も桁違いに凄いっぽいものね。ダンブルドア家の力みたいなことかーああ~;;;;
 グリンデルバルドがクリーデンスくんをマイボーイ、って呼ぶのがさああ~~たまんないよね……。クリーデンス、前作で、自分を利用するために騙したな!?って怒ってたのに、その怒りは一旦収まってるってことなのかなあ。どうなっちゃうんだクリーデンス……。

 ダンブルドアがジュード・ロウでセクシーでゴージャスでなおかつお茶目で素晴らしい訳ですが。クリーデンスくんが弟かもってことを知ってるのかどうかわかんないなあ。
 前作、ニュートをアメリカへ誘導したのもダンブルドアっぽいし、今回パリへというのもダンブルドアの頼みで、一度は断るけどまあ結局はパリへ行くことになる。ニュートがピュアで、権力を求めたりしない、という所をかってるらしいけれど、ニュートくんとしてはとばっちりかなあ。けど、ニュート自身の望みとかに合致してしまうわけで、まあ、まあ、そうじゃないと話がすすまないか。

 ダンブルドアは戦えないといいつつもやがてグリンデルバルドと決闘することになるんだろうけれど、どうその道へ進むのか、ほんと今はわからない。クリーデンスくんと、戦うんだろうか。クリーデンスくんがやっぱり心を変えてダンブルドアと共闘してグリンデルバルドを倒すんだろうか。どうなるの。
 にしても今後も絶対ジュード・ロウダンブルドアが活躍するんだろうねというのは、すごく、楽しみ。
 若きダンブルドアってことだけど、もっと若い頃のダンブルドアとグリンデルバルドも、描かれるだろうか。すごく、すごく楽しみ。ダンブルドアの恋と失意。その果ての決闘とか、すっごい、すっごい楽しみ……。どんな悲劇になるんだ;;

 ニュートの兄、テセウス。その婚約者、リタ・レストレンジ。前作でも名前は出ていた彼らが実際に登場。ニュートの学生時代のことが出てきて、リタははみ出し者で、でもニュートとは友達になった感じ。けれどリタの心の苦しみは、ずっと誰にも言えなかったこと。子どもの頃、アメリカへ渡る船で泣き続ける弟を、別の赤ちゃんと置き換えたこと。ちょっとの間だけ五月蝿さから離れたかった、という子どものふるまいが、その直後の船の事故で、弟は死んでしまうことになった。取り替えた赤ん坊が、クリーデンスくんだったわけで。
 クリーデンスくんがレストレンジ家の子ども、かと思いきや、というミスリードになってて。
リタはその罪の意識を背負い続けていた。テセウスとどういう風に婚約までいったのかわからないけど、ピュアすぎるニュートでは無理だ、という感じもわかる。そして最後にはスキャマンダー兄弟を逃がすべく自分は犠牲になる。今作だけという登場の短さだけど、スキャマンダー兄弟にとってすごく重要なキャラだった感じ。

 レストレンジって、ハリポタで悪い方の家系らしく。その辺がハリポタ、うっすらした感じでしかわかってない私はすぐにピンとはこなかったんだけど。あれだ。ヘレナボナムカーターが演じてたクレイジーな感じの魔女のファミリーネームがレストレンジなのね。
 リタが、実は闇堕ちするんじゃないかとにおわせておきながら、自己犠牲で消えるの、なかなか辛い。テセウスはそーとー辛いよねえ。
 
 ニュートの方がリタと婚約した、って新聞で誤報されて、ティナはショックで、別の男とつきあってるらしいような。その恋人のことは名前しか出なかったけど、どーなの。今後変な三角関係になるのか。あっさり別れてちゃんとティナとニュートがくっつくのか。その辺も描かれるんだろうけど。
 でもまずはクイニーちゃんでしょ……。クイニーちゃんを取り戻さないと自分の恋愛どころではないだろうなあティナ。どうなるの。

 あと~魔法動物たちね。今回は、ニフラーも小枝ちゃんもすごくお役立ちだった。ニフラーにベビーが生まれててそいつらも可愛かった。
 サーカスから逃げ出した感じの、中国の妖怪? ズーウーってのが、猫っぽくて可愛かった!千里を駆けるとかってかっこいいし。河童も登場。サーカスで見世物に飼われてる感じ。登場は一瞬だったけど、かなり不気味怖い感じだった~~~。まあそっか。そうかもね。

 そんなこんなで、グリンデルバルドの演説は純血たちの心をつかみ、なんか彼らなりの正義!みたいな感じで仲間は集まってる感じ。今後どうなるかなあ。とはいえ、ハリポタすでに結果だけはわかってるんだよね。ダンブルドアに負けるんでしょう? でも、その決着がつくまでに、どんな犠牲が出るのか……クリーデンスくんが、どうなるのか……。ハラハラする。こわい。すごい楽しみ。

 まだ一回しか見てないのでともかく明日もう一回は見に行く。そして早く続きが見たいよ~。

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『夜明けのロボット』上下(アイザック・アシモフ/ハヤカワ文庫)

*ネタバレします。


『夜明けのロボット』上下(アイザック・アシモフ/ハヤカワ文庫)


 ベイリのシリーズ三作目。
 イライジャ・ベイリはシティの「外」へ出るという試みを息子や幾人かの仲間と行うようになっている。そこへ、突然の呼び出し。惑星オーロラでロボットが殺されるという事件が起きた。その捜査に、ベイリが呼ばれたのだ。

 てことで実際作品が書かれたのは前作から26年くらい経って1983年だそうですが、作中の時間は前作から二年後かな。ベイリは45歳ってなってたと思う。
 つくづく、スペーサーの世界には警察がいないのかいらないのか、なんでやねんとは思いつつ、ベイリがファストルフ博士と関わりがあり、オーロラでの事件が変化のきっかけとなり、ベイリも宇宙へ飛び出したい、人類は宇宙へゆくべきだ、という志があり、と、いろいろな要素がそれなりにちゃんとうまく働き合って話が成立してて、上手いなあというか面白いというか。シリーズとしてあるんだなあ。
 この前に、短編があるみたい。「ミラー・イメージ」か。最初の方で、ベイリとダニールが再会して、この前ちょっとした事件があったみたいなこといってたのはその短編かな。探してみよう。

 で、オーロラでのファストルフ博士の権力争いからのなんだかんだに係ることになるベイリくん。タイヘンね。そしてオーロラにはヴァジリアがいる。『はだかの太陽』の時、ソラリアから移住した彼女との出来事は、なんか、ハイパーウェブのドラマとやらで全宇宙が知ってるらしい。
 こういう、ハイパーウェブでのドラマみたいなのも、今読むと単純にテレビじゃなくてネット配信みたいなイメージがくるので、すごくなるほどね~という気がする。ネット配信は国があんまり関係なくなる感じ。

 ベイリくんはやはり全然未知の国で、文化の中で、屋外恐怖みたいなのとも戦って、何もかも不利な状況の中、関係者に話を聞く、そして推理、っていうアクティブな安楽椅子探偵みたいなことであぶなっかしくもなんとか事件の説明をつけ、ファストルフ博士に罪はないという結論をつける。

 最初読み始めた時には、ああ~またもう~ダニールとベイリの愛~~ってもえたけど、ちょっと途中で止まってしまった。でも下巻にとりかかると大きな展開もあって一気読み。ファストルフ博士に次ぐロボット工学博士、アマディロが、ヒューマンタイプのロボットが欲しくて、ベイリやダニールに害をなそうとするとか、おお~ほんとの事件っぽい、ってなった。
 大体スペーサーの世界って長命で高度な文明の中にあって、ロボット使役しまくってて、人間が会う事自体少ない、争うとかありえない、みたいな感じで、ベイリくんがちょっと尋問というか質問して回るだけでみんな動揺しちゃって、ベイリくんは結局特になんの証拠をつかむでもないのに、それぞれとの会話からほころびを見つけて、論破、みたいな感じなんだよね。コロンボ的、かなあ。
 証拠とかあんま問題にされないんだあ、って思う。科捜研みたいな世界じゃないのね。高度に文明発達してれば科学捜査とかすごいことになりそうなのに、警察そのものがないみたいな世界となると、もうそういうことはしないのか。古風な探偵ものっぽい。
 ミステリってわけじゃないのか。SFってことか。ん~。まあジャンルとかは気にしないかな。

 一旦、アマディロの強引なジャンダーへの干渉が彼の機能を壊す確率を高めたのだ、みたいなことで決着としたけれども、終りには、性能が劣るタイプのロボットと思われていたジスカルドが、本当の犯人ともいうべきロボットだった、と。
 読心術とか人間の心にちょっとした暗示を送ることができるとか、超能力持ったロボット、というの、不思議だし面白かった。ちょっと神に近い。ジャンダーを機能停止へ追い込んだのも、ベイリが呼ばれるように仕組んだのもジズカルド。ジャンダーを殺したのはアマディロがジャンダーを利用しようとしていたので止めなくては、ということけど、そこから計算して地球人というものを調べてみたかった、ってさー。

 そして、ファウンデーションシリーズというのに繋がるとかなんとか。そっち、知らないので、いつか、いずれ、読む、かなあ。んん~~。まあ。ぼちぼち。
 今作から作中時間で200年後とかいう、『ロボットと帝国』は読むつもり。壮大だなあ。

 今作ではダニールとベイリの愛がますます深い絆となっていてもえころげました……。美しい……。ヴァジリアとか妻とかの関係よりうつくしく描かれていると思うなあ。特に、ロボットであるところのダニールに、ベイリへの感情があるかのように、けれども、そうはいってもベイリの思い込みだろうが、みたいなことがあるんだけど、でもやっぱり、ダニールのベイリへの言葉には感情があるかのよう。いいねえ。好き。


 「 ベイリは顔があからむのを感じた。「きみは腹をたてないのか、ぼくのために命をなげださねばならないような情況におかれていることに?」
「そうプログラムされていますから、パートナー・イライジャ」声がやさしくなったように思われた、「しかしどういうわけか、たとえそうプログラムされていないとしても、あなたを救うためにわたしの存在の消滅をもたらすことは、はなはだ軽微なことのように思われます」
 ベイリは思わず手を伸ばし、ダニールの手をかたく握りしめた。「ありがとう、パートナー・ダニール、だがどうかそんなことにならないように頼むよ。きみを失いたくない。ぼくの命は、そうまでして守ってもらうには価しないような気がする」
 自分が本気でそう言っているのに気づいてベイリは愕然とした。ロボットのために自分の命を危険にさらすこともいとわない自分にかすかな恐怖を感じた。――いや、ロボットのためじゃない。ダニールのためなのだ。」 (p92)


 この言葉どおり、終盤、アマディロの追手からダニールを逃がそうと、ベイリは自分を残して逃げろとダニールたちに命令する。嵐の中に取り残されるというベイリにとっての恐怖以上に、ダニールを守らなくては、というの~いい~。
 次作ではベイリが死んだあと、で。ダニールがなんていってるのか楽しみだ。

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「前衛短歌が忘れたもの」永田和宏×三枝昂之

今更の日記。10/29日(月曜日)に、日本歌人クラブ創立70周年 記念シンポジウム―歌の力を次の地平へ というのに行ってきました。@中野サンプラザ。13時~17時。+懇親会。
 お話聞いてすごく面白かった。自分の覚書メモ。でももうだいぶ忘れてるかもだしそもそも個人的主観メモなので、発言等勝手に思い違いしているかもしれません。ごめん。

 日本歌人クラブ、東京ブロック優良歌集表彰式、というのが第一の目的。本多真弓さんの『猫は踏まずに』が受賞されたののお祝いに。おめでとうございます^^

 そして 対談「前衛短歌が忘れたもの」永田和宏×三枝昂之 

 まずはこのお二人が、長年の友である、というお話など。永田さんは京都、三枝さんは関東で学生時代から同人誌等で短歌活動していてそれぞれに主張があって、対決しよう!みたいなこともあったらしい。別に対決はしなかったようだけれども。
 戦後、短歌俳句は第二芸術論にいかに対抗するか、で試行錯誤していた。戦後の、伝統否定な政策の中、短歌は生き延びられるのか。あの時、滅びてもよかったかもしれない、短歌。

 ちょうど前衛短歌が勢いあった頃、お二人もそんなこんなをやってたけれども、それはやがて勢いを失い。なんか、短歌の総合誌が前衛一色みたいな頃から、編集長が変わったりしたりかなんかで、ぱたっと紙面の様子が変わったりしたらしい。
 前衛短歌は、虚構、というか、生活のリアルをおいといて、思想運動だったような感じかなあ。
 そして歳月は流れ、今、お二人はそれぞれに、家族や生活を歌ったりしている。
 歌集が編年体で出ることとか、そういうのに、いろんな背景の意味があるんだなあと思う。編年体もいいものですよ、みたいに言うようになってる感じがふふって面白かった。

 前衛短歌流行りのリアルタイムに直面していた人のお話を聞けて面白かったし。お二人の話で聞く塚本や岡井隆の様子って、なんだか新鮮なような気がする。
 私はあんまり短歌の会とか不勉強で出かけていったりしてなくて、未来じゃない人の、もちろん本人でもない人の語る、岡井隆の感じとか、新鮮~へ~~、ってすごく面白かったなあ。岡井さんはばりばり社会詠の左翼っぽいばかりじゃなくて、不意に自分の中の右翼みたいな歌も出して、なんだこれこいつ!?みたいに思ったりだとか。偏らないバランスというか俯瞰的なものあった感じか。
 そして、ずっとずっと長く友である相手がいるっていうの、すごく素敵だ。お互い、あいつが俺の歌を読むだろう、と、信頼している感じ、とてもいい。羨ましいし。お二人の本をもっと読んでみよう。こんな機会に行けてよかった。ありがとうございました。

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特別展「寺山修司展 ひとりぼっちのあなたに」

今更の日記。11/3日(土曜日)に、神奈川近代文学館行ってきました。

「特別展「寺山修司展 ひとりぼっちのあなたに」」(2018/9/29~2018/11/25)

 イベント企画など遅ればせながら知って、ああ~~見たかった聞きたかった、というのがありつつ、ともあれ展示を見ておこうと思って。
 展示の見せ方、というか、会場が面白かったです。パネル、フラッグ? 舞台や映画写真プリントした布が吊り下げられていて、寺山修司がつくった世界をめくっていくような感じ。ことばもあちこちちりばめられていて、言葉だけではない、映像だけではない、そんな雰囲気を満喫できた。

 最初に、寺山のパスポートやコート、スーツの展示があり、ああ、現実に、リアルに、生きていた人なのか、という生々しさと、でもそれもすべて良く出来た小道具なのではという感じもして、眺めても眺めても、嘘みたい、という気持ちがする。

 最初はまだ中学生くらい? 離れている母へのハガキがある。学生の頃作った俳句同人誌がある。もちろん全て手書き。寺山の文字って一文字ずつきちんと、それがもうフォントみたいだよねえ。もちろん当時パソコンもワープロもなく、手書き当たり前なんだけれども、こういう、これ、手書きかあ、と感慨がある。
 手紙やハガキ、出したのも送られてきたのも、親密さがあってすごくいい。素敵。見せてもらってごめん、ありがとうと思う。寺山の手紙とかってすごく甘え上手というかお願い上手というか、なんか、すごく、甘えて見せる感じが、なんだろう~~~この、この子、この人、人たらしなんだろうなあと、思う。わからないけど。
 塚本のお見舞いハガキや、岡井隆の名前出ることにもえもえ。好き。すごい、ほんとこういう繋がり最高ステキ。

 演劇にも進出してって、ポスターやなんかもう凄い、あの辺のあの時代の感じの一端を見る。舞台って消えていくもので、ナマものってその場その時でならでは、なので。何が起きていたんだろうなあこの頃、って、いろいろ見聞きしてはうっすらと想像する。なんかとてつもなくエネルギーはあったんだなと思う。そんな舞台の観客に私はなりたくないな~と思うし、けどこれ体験したらすごいんだろうなとも思う。うーん。わからない……。

 寺山修司(1935~1983)、47歳で没。早すぎる、若すぎると思う。私今彼の享年と同い年かあ。彼の残した世界、言葉は圧倒的で、今読んでも強い魅力がある。私が親しみを持つのは短歌を通じてという所が大きいけれど、なんか、ほんと、こういう人がいて、あんなこんないろんなこと、やってたんだなって、とても不思議。

 しばらく前に世田谷文学館でも寺山修司の、あったよね。それを見に行った時に、寺山の手紙の魅力に撃ち抜かれて激モエして、展示ケースにはりついて眺めて読んで興奮のあまり手帳に書き写したりしたけど。今回の展示はあの時ほどではないかなあ。けど、やっぱりとってもよくって、見に行っておいてよかった。

 場所が港の見える丘公園続きで、文学館の外にもことばのオブジェがあるとのことでした。私はちょっとあんまり元気がなくなってた時なので、全部探すほどの気力はないまでも、一応、ローズガーデンで3つ、発見。最初全然わからなくて、ん~~?? まあ薔薇綺麗だしそれでいっか、とひとしきり歩いだのだけど、見つけた時に、あっ!ってすごく嬉しくなった。野外演劇みたいな雰囲気をほんのすこ~~~し、ささやか~~に感じた気がする。いい場所だな、と、改めて感じました。

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映画 「ボヘミアン・ラプソディ」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ボヘミアン・ラプソディ」


12日(月)に、IMAXで見てきた。

 その前11日の日曜日に、「ヴェノム」二回目を、3D、IMAXで見て、あ~やっぱクリアな映像、いい音、面白い~って漫喫して楽しみました。で、その時に翌日のチケットも買っておこうとして、中央のいい席がかなり売れてる、と驚いた。しまった。平日と思ってなめてた……。

 で。でもともあれちゃんと気合いれて月曜日の朝から見に行ったわけです。

 始まりの、20世紀フォックスのファンファーレがギターの音だ!?と、も~~最初っからドキドキに掴まれてしまうよね……。そして、ライブエイドのステージへフレディが向かう所、という始まり。うわ。ボウイがいるのでは。とか、そのほんっとチラっと、その、ボウイが、名前だけとか影だけな感じで、本編中にチラッとだけ、で、しかし当然同時代のスターだったわけで一緒にやってもいるし。「アンダープレッシャー」

 そして、フレディが飛行場で働いてるとか、移民で、家族にはふらふらしてるってよく思われてないとか、でも夜な夜なライブ見に行ってるんだな~とか。
 小さな店のライブのバックステージで、ボーカルが抜けたバンドに自分を売り込むフレディ。
 そこで出会った運命の人、メアリーにメイクを教えてもらったりとか。

物語そのものは、正直よくあるドラマ、かもしれない。若き日々、バンド仲間が出来て、なんとか金を都合して自主製作しようとしているレコーディングスタジオでプロの目にとまって。成功、アメリカや、世界ツアー。バンド仲間は多少の喧嘩はあっても、音楽を一緒に始めればやっぱり最高のプレイができる仲間。俺達は家族だ、という深いつながり。

 けれど、メアリーとずっといっしょに生きよう、と言ったのに、フレディは、自分はバイなのだと思う。というかメアリーにあなたはゲイよ、と言われてしまう。大事な人だからこそ、悲しい。それでも、大事な人として、友情はあって。
 フレディ自身の転落、フレディをひっぱり、独占するかのようなマネージャーの卑劣さ。バンド活動から離れてソロになるものの、フレディの心は満たされない。
 
 ライブ・エイドという、前代未聞のチャリティーコンサートの企画があって、クイーンも出演者に、という話がある中、迷走しているフレディに必要なのは、やはりメアリーでありバンドの仲間で、友達を作れよ、といってくれた男だった。

 物語そのものは、駆け足のようで、安易なようで、でも、疾走し続けるバンドとか、満たされないフレディとか、マスコミのハイエナっぷりとか、ほんと、もうすごい。すごい、凄く、彼らが彼らであることが奇跡のようだった。
 何より、この映画の中で鳴り響くのはクイーンの音楽だから。こんなスペシャルなことってない。

 あの名曲はどのように生まれたか、という風な楽しさがある。そして演奏され歌われる名曲名曲名曲たち。傑作。マスターピース。
 何も言えないというか、何も言わなくても、ただ、彼らの物語を見て、そして彼らの音楽を聞いて。

 狂騒に溺れ病に怯え、フレディを演じているラミ・マレックね、終盤どんどん光に透き通っていくみたいだった。なんという目をしてみせてくれるんだろう。素晴らしかった。
 もう私は、この映画を見ている観客は、やがてフレディは死ぬ、45歳という早すぎる死が待っていると、知っている。その中で演じられる、クイーンの、フレディの物語。切なくて苦しくて、あまりにもカリスマで。天に召されてしまう彼の、力強さがありながらも透き通ってしまう儚さが、本当に見事に演じきられていた。凄かった。

 映画のクライマックスは冒頭に戻って、ライブ・エイド。1985年。再現のパフォーマンスは素晴らしくて、ここまでのドラマを見て途中でも何度も涙が出てて、私、マジ泣き。声出さないようにがんばって我慢したけど、一緒に心の中で歌いながらひっくひっく涙ぐしゃぐしゃになる。予告見てた時からこんなん絶対泣くやろ……と思ってたけど、自分で思ってた以上にめちゃめちゃ泣かされた。タオルハンカチ必須……。

 そしてフレディは1991年、没。
 私はそのニュースを覚えている。エイズ騒動の頃とか、を。

 多分、本当にクイーン大ファンで大好き!という詳しいファンだったら、いろいろと、あれ? とか、ええ? とか気になったり、自分の思いと違う、ということがあってむしろ泣けないとかこんなの嫌だとかあるのかもしれない。
 私は、勿論好きだけれども、凄く詳しいとか凄く大ファンで思い入れ強いとかというわけではなくて、ただシンプルに、クイーンの楽曲を堪能したし、みんなの姿を憧れの気持ちで眺めて、圧倒的なコンサートシーンに酔いしれました。

 んで、やはり、ちょっと、うう。ボウイのことを思ってしまって。嗚呼もしかしてというか、多分、いつか、もしも、多分、嗚呼もしも、ボウイの映画がつくられたりしたら……と勝手に連想して泣いた。私が生きているうちにもしも映画がつくられたりしたら……見たいのかな。いやでもボウイの映画なんて誰も出来ないよな。見たくないというか見られないだろう。けど、けど、嗚呼……。と、全然いらぬ心配を一人で勝手にして、泣いた。

 フレディは猫ちゃん大好きなんだねえ。猫がたくさんいて、猫ちゃんたちもまた素晴らしい名演で、すっごい可愛かったしすっごくすっごく、よかった。

 この映画、評論家の評判はいまいち、みたいなのをちょっと読んだりもしたけど。ドラマが浅い、みたいな感じか? でもドキュメンタリーを作りたいわけではなかったのだろうっていうのはすごくわかるし。クイーンのメンバーがかなり製作にかかわってるのかな。よく知らないけど。けどつまり、この映画もクイーンのアルバムのような、作品だと思うんだよ。セリフとかシーンとか以上に、クイーンの楽曲が物語っている。クイーンの音楽に、私は無茶苦茶ろっくゆーされまくりで揺さぶられまくったので、十分に、たまらなく存分に、この映画を見て最高って思った。
 IMAXで見てよかった。ほんとうにほんとうに。


YouTubeメモ。
https://www.youtube.com/watch?v=A22oy8dFjqc
ライブ・エイド

https://www.youtube.com/watch?v=XwD5OtrM3VA
Queen - Live at Wembley Stadium 1986 Full Concert

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映画 「ヴェノム」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「ヴェノム」


11/2(金)昨日、初日に見に行きました!字幕版。
 最近、初日に行かないとネタバレくらう、という悲しみが。。。まあ、うーん。まあ、絶対見るって決めてて楽しみにしてて、ネタバレが早々にガンガンきそうなのはなるべく、出来るだけ、初日に見に行きたい……。

 で。
 トム・ハーディ主演! リズ・アーメッドが敵役! ってことですっごくすっごく楽しみにしてました待ってました見たい見たい見た~い!
 主演とか敵とかいっても、ダークヒーローというか、主演というか主役というかの、ヴェノムそのものが悪、凶悪、最悪、ってことですよね。
 私はアメコミ界隈、コミック誌のことは全然知らず。ヴェノムがスパイダーマンの宿敵、とかなんとからしい、というのもよくわからないのですが。そういえばスパイダーマンが真っ黒になったりしてた映画があったな、と思い出したけど、それがシンビオートだったったけどうだっけ、と、思い出せない。

 で。
 それはともかく。
 始まりはライフ財団という、天才青年が起業した金持ち財団が宇宙探査をしていて、彗星から謎の生命体を持ち帰ったこと。黒く、うねうねとしたアメーバ―状のそれはシンビオートと呼ばれる。
 地球に帰還の時に墜落してしまった宇宙船。そこから逃げ出したそれ。ライフ財団に無事届けられたそれ。それを研究し、哺乳類に寄生することによって生き延びるシンビオートとうまく融合できれば、人類は宇宙を新天地とすることができるのではないか。
 ライフ財団創始者の天才、まだ若きカールトン・ドレイクは人体実験を進めさせる。
 財団のやり方に疑問を持った医師が、いろいろ問題を起こして今は落ちぶれている記者、エディ・ブロックに内部情報リークを持ちかける。
 一度は、厄介事を断るエディだったが、ライフ財団を見過ごすことはできず、内部にもぐりこんで、シンビオートに寄生される羽目に陥る。

 そんなこんな。ヴェノム、というのは固有名詞、あのエディに寄生したシンビオートの名前なのね? シンビオートは種族名って感じか。リズに寄生した、地球にやってきたチームのリーダーの名前は、ライオットだって。

 ヴェノムはなんでエディに寄生しつくしてのっとってしまわないんだ、とか、あんまりよくはわからない。ヴェノムがいかにして地球に留まりエディと共生していくか、という始まりの物語なんですねー。謎めいた感じとかはそのうちわかるのかもしれないし、まあ細かいことはいいんだよ、って感じかもしれない。
 そもそも原作のコミックではお馴染みの悪役らしいし、いろいろ話が続いてたりするみたいだな。けどまあそこは私は追いきれないし映画は映画単体としてしか見られない。
 
 何より! トム・ハーディが~素敵~!可愛い~~~!きゃ~~~!!!
 最悪、凶悪、ダークヒーロー、みたいに煽っていたけれども、見ればとっても可愛くて、あ~漫画だな~って感じはあるし、ユーモアっぽさもたっぷり。くす、って笑っちゃうシーンいっぱい。
 ヴェノム、ちゃんと聞き分けいいもんねえ。ヴェノムに怯え、苦しみ、混乱した挙句の、仲良くなってく感じすっごい面白かった。トムハのいろんな姿が見られてすっごいすっごいよかった~!よく一人であんだけ演じきれるよねえ。

 ドレイクは人類の未来のためにだかなんだか、というか多分自分の思い付き最高って奴で、今現在の目の前の人、に関しては無能は死ね、せめて俺様の研究の役にたって死ね、というクールな天才傲慢っぷり。リズ・アーメッドのひょろっと、けどしなやかな感じ、そして大きな目が絶対零度で見下す様が、素晴らしく最高でほんっと悪い奴の役見られて幸せだった~。

 エディと付き合っていた、けれどエディの好奇心正義感にとばっちりをくらった元彼女のアン。しっかり次の彼氏を作っていて、医者で。その彼氏、ちゃんとまともにいい医者で、エディを助けてくれようとしてたのがすごい、いいねえ。まともな人だ。巻き込まれてタイヘンでしたね。
 アンも、巻き込まれただけなのに、でも自分でどんどん行動しちゃう、きゃ~とか悲鳴あげたりもしつつ、ちゃんと有能な彼女、ねー。
 エディが未練たらたらだから、ヴェノムちゃんが恋愛アドバイスしてくれたりするの、可愛すぎか。なんでそう、宇宙から寄生しにきてるのに恋バナで有効なアドバイスとかできるのよ~。こわ~w
 
 「ヴェノム」予告きた頃から、これ、触手プレイ。。。としか思えない腐った頭でごめん。だったけど、ヴェノムちゃんが地球に残るとか、ライオットに比べて自分は負け犬だとかこじらせてて、エディに共感して、気に行って、自分はエディの側にいよう~ってなっちゃうの、可愛いがすぎる。お前は俺のものだ。なんて言ってましたし。触手プレイ待ったなしでしょう。公式、えろす……。
 
 エンドロール後にも映像が。のやつですけど、厳重に閉ざされ警備されて囚われている囚人に、エディが面会にいって。伝記を書く仕事をするらしいけど、その猟奇犯みたいなやつ、は、誰なんですか。。。コミック読んでたりするとわかるのかなあ。
 まあ、ともあれ、これは続編作りたい作りますよ、ってことなのかしら。あんまり長く映画で続く続くってやられると疲れちゃうのだけれども、トムハエディもっと見られるなら大歓迎~。続編も作ってほしい。。。
 
 トムハ、リズくんの魅力漫喫~。すっごい楽しみました。悪いやつがさらに悪いやつをやっつける、ねー。もっとトムハエディが見たい。それにスパイダーマンと絡むならぜひ~見たい~! 共演、いつかなるかなあ。ともあれまずは、今作、すっごい楽しみました。好き。

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