映画 「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」
*ネタバレ、結末まで触れています。
映画 「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」
舞台はアムステルダム。まだ珍しい、うつくしい花、チューリップが大人気で、球根を先物取引? かなんだか、とにかく投機しまくっているチューリップバブルの熱狂がある時代。
ソフィアは修道院で育った。コルネリスという夫を得て、奥様として暮らしている。だが、やや老いた夫は毎晩積極的ではあるものの、子どもには恵まれない。スパイス商売で裕福であるサンツフォールト家。コルネリスは肖像画を描かせることを思いたち、若い、才気の見込まれる画家、ヤンがやってくる。
ソフィアを描くうちに恋してしまうヤン。見つめられているうちに恋してしまうソフィア。二人は密会を重ねるようになった。
画面がほんとうにすっかり絵画の世界で、フェルメールだとか、デルフト派だとか? そういう美術展覧会を眺めているような気分。素晴らしくみんな絵の中の人物みたいで見惚れる。肖像画のモデルをしている時のソフィアの青いドレス。真珠の飾り。日常の時のスタイル、レースなんかも、こういう絵見たことあるような、という気持ちになる。アリシア・ヴィキャンデル、(ヴィカンダー?名前がなんか安定しない)ほんっと絵に描いたように綺麗で可愛くて、あ~夫も若い画家も夢中になっちゃうよねえと納得する~。無垢なる少女のよう。でも大胆にもなれる。目が可愛いし目で語れる顔。声もすごく好き。落ち着いて少し低くて掠れがあって、聞いていたい声。好きだなあ。
クリストフ・ヴァルツなんですねえ、夫よ。妻よりずっと年上。でも過去には、子どもと妻を亡くした辛い思いがあって、今、ソフィアを大事に思っている気持ちは本当で、悪人ではないんだよなあ。妻に裏切られて、悲しい。
ソフィアは三年たっても子どもが出来なくて悩んでた所。ヤンとの逢瀬が侍女のマリアにバレて、マリアの恋人はなんか酒場でせっかくチューリップ投機で儲けたお金をとられてやけ酒の喧嘩のあげく、海軍に連れていかれる。海軍??? あんな風にマジで軍人徴兵したりするものなのかなあ。まあ全然わかんないけど。
で、マリアは妊娠してて、仕事をクビにするならバラす、って言われて。ソフィアは自分が妊娠したことにして、赤ちゃんを産ませる。自分は死んだことにして、この家にはマリアと赤ちゃんを残していく、という計画を思いついて、実行する。
実行しちゃうんだよ。医者とか産婆さんとか、いろいろ手配よくて、ソフィア、か弱い奥様ってわけじゃないんだな、すごい。まあ元々は修道院育ちで、マリアに代わって家事やったりするのもできないわけないかって思うけど。いろいろどうにか都合よく進んで、マリアは出産。ソフィアは柩に入って家を出る。
そこで残されてた夫が、切なかった。マリアの恋人が帰ってきて、事情を説明してるのを聞いてしまって、怒るでもなくただただ、佇むんだよ。その、姿が、さすがヴァルツさん。とてもとても切なく、よかった。
一度は逃げ出したものの、ようやく、そこまでやっておきながら、ようやく、ソフィアは酷いことをしてしまった、と、思い直して、家に戻りかけるけどもう戻れない。ヤンの所へも行かない。行けない。
ヤンは、チューリップの球根でいろんな借金チャラにしようとしていたけど、友達? のヘマで球根はなくなり、(玉ねぎと間違えて食べるか??そんなんありかよ~)インドへ旅立つはずがどうしようもなくなり、ソフィアとも会えず。彼女は死んだと思う。
そして8年後。修道院でシスターになっているソフィア。修道院の絵を直しにきたヤンと、再会。けどまあその後どうしたかはわかりません、って感じ。
マリアは、コルネリスに家をもらってて、無事子だくさんな幸せな家庭を持っている。このマリアの回想の語りの映画でした。
コルネリスもインドに旅立って、新たな家庭を得た、みたいな感じ。
ラストはみんな、いろいろあったけど今はなんとかやってます、という感じで、優しい映画だった。とにかくフェルメール的な絵の世界を映画にしたよって感じかなあ。ベストセラーな原作小説があるらしい。『チューリップ熱』(デボラ・モガー/白水社)か。2001年刊行ですね。ん~ま~本は読まない。
予告が過激でどーのこーのって評判があった気がする。まあ確かにせっくすシーンはそこそこがっつりありました~。いろいろバリエーションあってよかった。
デイン・デハーンの目こそがウルトラマリン最高に高価で美しい宝石だよ~と思う。アホ可愛い役だったなあ。可愛かった、けども、けども、けどなんかもったいない感じ。もうちょっと何かくせがあってもいいのでは。けどまああの役柄としてはああいうものか。うん。相変わらず綺麗な目を見られてよかった。
しかしチューリップバブルみたいなの凄まじい。ああいう感じってリアルなのかなあ。まあ今でもいろいろ品を変えてあるもの、なのかなあ。縁遠過ぎてわからない。そういう歴史の感じもちょっと面白かった。
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