『グッド・オーメンズ』上・下(ニール・ゲイマン/テリー・プラチット/角川書店)
*ネタバレ、結末まで触れています。
『グッド・オーメンズ』上・下(ニール・ゲイマン/テリー・プラチット/角川書店)
1990年刊の作品、で、この翻訳2007年刊。来年、2019年にアマゾンプライムでドラマ化らしく、その天使と悪魔のおっさんたち(?)のビジュアルが素敵で、どんななんだろう?と思って読んでみた。世紀末ものなんだなあ。そっか1990年刊か。2000年問題どうなるんだとかいろいろあったな~と思う。
グッド・オーメンズ―よき兆し。
人間界に天使のアジラフェール、人間の姿としては古書店経営、と、悪魔クロウリー、人間としてはベントレーが愛車、オシャレマンションに住んでいる二人がいた。六千年もともにいれば天使と悪魔といえども仲良くなろうというもの。しかしついに、反キリストとなる赤ん坊が使わされ、クロウリーは人間の赤ん坊と取りかえて地上で育てさせる。
しかし取りかえる家庭を間違えるというミスが発生。反キリスト、世界を終わらせ天使と悪魔の戦いを始めさせるはずの子どもは、極めて普通の男の子として11歳になる。ついに世界を滅亡させる時、彼の本性は目覚めるのか。天使と悪魔はどうする?
これは、コメディ、ってことか。ドタバタ劇か。世紀末で、終末戦争で、世界滅亡しそうなんだけれども、軽やか。というか、11歳の男の子アダムくんが、友達同士で悪だくみ、くらいのノリに世界存亡の危機が~。天使と悪魔もなんだか人間界に情がうつって、なんとなく仲間気分で。ド派手なことになりそうなんだけれども、軽くかわしてる感じ。楽しかった。でも多分これイギリスの地理感覚とかあるほうがもっと楽しそう。まー仕方ないけどな。脚注も沢山ついているんだけれども、その脚注ネタの面白さがいまいちピンとこない。ま~~仕方ない。
子どもたちパート、天使悪魔パートが終盤にはクロスして魔王だとか神そのものとかすこ~しチラ見せされてる感じ。結局神のてのひらの上なのか。ま~いっか。
で、アダムくんが子どもらしく自分の世界は自分の身の回りのこの世界で、このままでいいから、って言うわけで、世界は現状維持。魔女や魔女退治軍もみんな、ほどほどに良い関係、いい感じにめでたしめでたしでした。アダムが普通に男の子して地獄の犬も普通に犬で、ちょっとほろっとなってしまった。全然そんなでもないのに、うまいバランスなんだなと思う。楽しみました。
あと、この、ニール・ゲイマンて、『アメリカン・ゴッズ』書いた人なんだと後で知る。アマゾンプライムのドラマ見たよ~。あれもなんだか凄かった。というかそれは翻訳まだなのか。ちょっと、他の著作も読もうかどうしようか迷うなあ。うーん。
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