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『人魚と十六夜の魔法』(白鷺あおい/創元推理文庫)

 8月はいろいろなことが色々とあり過ぎて日記もすっかりご無沙汰してるな。
一応一段落はして、合間に映画も見てて、感想メモもおいおい書くとして。まずは先日読み終えたこれメモっておく。


*ネタバレ、結末まで触れています。


『人魚と十六夜の魔法』(白鷺あおい/創元推理文庫)


 ぬばたまおろち、しらたまおろち の第二作目ですね。待ってました~。8月の色々を乗り越えたら読もうとお楽しみにしてた。

 ディア―ヌ学院の春。新入生が入学してくる春で始まる。中等部、高等部がある学院。中学一年生の桜子たちに、高等部一年である綾乃たちがオリエンテーションをする所から始まる。
今回、視点が、綾乃だけではなく、その中学一年生たち、景山桜子たちと、前回から引き続き主役ってことかな、「わたし」である綾乃と、変わりながら話が進んでいく。

 登場人物も増えるし話の筋もあちこちいくし、ロシアからの転校生がやってくるしで、すごくたくさんたくさん盛り沢山の要素がもりもりなのに、すいすい読めて凄い。章変わりにお花❁と蛇🐍にょろ~なマークが入ってて、それで区別もつけられる。けど普通に読んでても読みやすいです。楽しい。

 今回はすっかり基本的に学園もの、という感じ。で、日常系ミステリで、妖魅、ファンタジーで、民族学的なこともあり、ロシアや吸血鬼なんて遠い国の妖魅も登場、人魚は小川未明の「赤い蝋燭と人魚」で、でもその解釈を巡ってのあれこれ考察とか、んで、ちょっとほんのり恋とか嫉妬とか、ええと、今こうして書き出していても、そんなに要素いっぱいでいいのかって感じだ。けれども、ちゃんと出来上がりは美味しくいただける一皿でございますという、ほんと、作者の力技なのか。。。面白いです。面白かったです。

 妖魅についての解釈が、ちゃんと今現代の、綾乃とかの目を通じて語られるので、とっても今の普通にわかる感覚としてはこういう解釈かも、という感じが面白い。
 アロウと雪之丞も単に一つになったわけではなく、二重人格的な感じなのかな? その辺とかまた続きが出て読ませて欲しいし~。成長していくにつれて、自分の中の自分に嫉妬とかすっごいややこしそうで気になる。いつまでもプラトニックではいられないのでは、とか、あ~これはよしこまな人間であるワタシが腐ってるせいですごめんなさい。

 ロシアからの転校生を追って、吸血鬼が、とかで、対決というか戦いもあって、それも上手くて面白かった。でも個人的好みだけど、アクションシーンが!もっと欲しい!なんかクライマックスな戦いの肝心な決着の所で光に包まれて場面転換みたいな、低予算映画で本格アクションはCG厳しいのでいい感じにフェイドアウトしました、みたいな肩透かしをくらった気分。
 でもまーこれは私が戦いとか好きだから、そこは殺せ、とか思ってしまうから、な。このお話としては、ここでより優しいというか、まあほんとは優しいわけじゃなくて、生き続けていくのそーとー辛い厳しいことになるよなとは思いつつ、まあ、一応は、生きていく、という道になるというのはわかる。
 そこで殺せよ、っていうのは一時のカタルシスかなあ。ともあれ学園もので彼女らは未成年で、って思うとこっちになって、でも厳しくて、というのもわかる。
 しかしそこ、ハリポタなら対決して死だろ~と思う、と、ハリポタの容赦ない加減もなかなか凄く思える。まあ帯で煽られるけど作品としては全然テイストは違うと思う。

 まだ続くかなあ。続いて欲しいなあ。綾乃がちゃんと成長して学院を出ていく、雪と、という感じで卒業まで描いて欲しいなあ。
 まだ今の所、学院の中の彼女たち生徒たちは勿論子どもで、子どもだからこその、あーもーそこは、自分らが、自分が、一人で勝手になんとかしたいとかじゃなくて、とツッコミたいこと山盛りで、あ~10代の子たちときたら、という感じでそのハラハラがドキドキです。成長していく姿が見たいかなあ。

 ともあれお楽しみを読み終わってしまった。8月が終わる。長い8月だった。暑過ぎる夏がまだ続くかなあ。秋が待ち遠しい。


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