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『夫のちんぽが入らない』(こだま/扶桑社)


『夫のちんぽが入らない』(こだま/扶桑社)

 ネットで評判を見たのがきっかけだったかなあ。煽情的なタイトルだけど全くえろくはない。告白小説、というものかな。もとは、文学フリマに出す同人誌に書いたエッセイだったそうです。

 子どもの頃から始まって、大学進学を期に一人暮らし。同じアパートで初対面からなんだかなれなれしい、でもとても自然に一緒にいられる男の人とつきあうようになって結婚しました。と。学校の先生になりました。学級崩壊があって仕事をやめてしまった。夫は理解あって文句を言われるわけでもなく。だが同じく教師の夫も精神的危機はあり、治療を続けている。
 二人はセックスができない。夫のちんぽが入らない。いろいろな努力の結果、裂けて血塗れになりながら、ならば、入る。できる。でもそんなの続けられない。不妊治療を試みたことはある。でもできなかった。
 誰にも言えない事情。どうしようもない出来事。もう少しうまくやれたかもしれなかった事。人には、夫婦には、それぞれが抱える問題があり人生があり、生きてきたのだ。

 他の人相手だと夫も自分もセックスできるんだなあ。でもお互い大切な夫婦であるけれどもセックスがうまくいかない。どういう事情なんだかわからなくて、でもまあわからないというのがこのお話なので、受け止めるしかないか。
 もうちょっとちゃんと医者と相談とか、誰にも言えないって頑なに思いこむのではなくて助けを求めるとかなんか、なんか、もうちょっとなんとかなるんじゃないのか? というつっこみを思ってしまって仕方ないけれども、そういうお話なので仕方ない。どのくらいに事実なのかなんなら100%フィクションなのか、それはどうでもいいんだけど、なんか、なんかもうちょっと、っていう気がしてしまう。

 文章はすいすい読めて、丁寧なんだけれども、えっ、そこはもうちょっと詳しく、って思っても不意に投げ出される感じになったりして、面白かった。著者の感覚がちゃんと文章になってるんだろうなあ。
 悲しいこととか不幸だとか、単純に同情誘うような書きぶりでもなくてちょっとふわーっとしてるのも面白かった。読んでみてよかった。

 あとがき が、別紙、という感じでついている。その途中から手書き文字になっていて、なんでこういう感じにしてるのか謎。同人誌っぽさ? いやあ??? 

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