« 『ジャコメッティの肖像』(ジェイムズ・ロード/みすず書房) | Main | 映画 「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」 »

映画 「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」


*ネタバレしてます。


映画 「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」


3/31(土曜日)に見に行きました。

1971年。
ワシントン・ポスト紙は株式上場しようとしている所。社主のキャサリンは
経営者一族。夫の死後仕事を引き継いだものの、周りからは軽く扱われていた。
編集長のベン・ブラッドリーは報道と正義、特種を求める男。

NYタイムズがベトナム戦争に関して長年政府が嘘をついている、という
大スクープを掲載した朝、ワシントン・ポストは大統領の娘の結婚式が
トップ記事だった。
遅れをとってはならないと、記者たちに葉っぱかけるベン。
そして、政府からの圧力でNYタイムズが発行差し止めになった時、機密文書の
コピーが手に入る。
この秘密を、記事にして発行するのか、どうか。
国家機密を漏らす、法廷侮辱になる、さまざまな罪に問われる可能性が高い
そのリスクに、キャサリンの決断が問われる。


スピルバーグ監督。主演はメリル・ストリープにトム・ハンクス。
報道の自由。権力の乱用、告発。
んもう絶対上手い、すごい、渋いかっこいい面白いに決まってる。と思って
見に行って、ほんっとにやっぱり上手くて凄くて感動した。手堅いわ。

ベトナム戦争に勝ち目がない、戦果が上がらないということがわかって
いながら、アメリカが負ける撤退するという不名誉を認められない政府が、
大統領たちが戦争を長引かせ泥沼になっている。ということをジャーナリスト
が暴く。

家族経営のポスト、ローカル新聞って感じだったらしいポスト、が一気に
名を上げるってことで、実話ベース、で、アメリカだったらもっといろいろ
わかる~みたいな話かなと思う。私はすみません、あんまりよく知らない。
けど、この映画の最後の、あらあらあれなんだっけ、ウォーターゲート事件?
ってそれもちゃんとは知らないけど、みたいな感じが。
アメリカにもっと詳しければもっとぐいぐいくるんだろうなあと思う。

それでも、メリル・ストリープがねえ、演じる、キャサリン、ケイがほんと、
ほんっと単に生真面目に普通に上流階級の奥様、って感じがすごくて。
株公開のための準備したりスピーチしたり。
ダークスーツ着たおっさんたちの中へ一人で入っていく感じ、すごい。
ほんっと、ああいうおっさんたちの世界の中に、ひとりふわっと入って
いかなくちゃいけない感じ。

それでも、家族の、自分の「新聞社」を大事にしている。
それでも、その全てを失うかもしれない決断を、する。
素晴らしかった。

結果、ポストもNYタイムズも勝つし、他の報道も続くし、権力を見張る
ジャーナリズム、っていう構造があって、かっこいい。
でもほんと、よくそんな決断したよなあと、リアルタイムでそんな場に
立つことを思うと震えるしかない。すごいよねえ。

過去であり実話ベースでも映画であり、でもこれ、今の現実のアメリカ、
へと突きつける映画なんだよなー。
こういうのほんっとさすが。
メリル・ストリープがスピーチしてたこととか、ハリウッドのいろいろな
反応とかそれぞれの主張とか、なんか、いろいろとあるけど。
作品としてこういうの作り上げてる、ほんと凄いなと、圧倒される。

これは今見てももちろん凄いけど、10年後20年後、50年後とかに、
社会情勢と合わせて語られる映画になるんだろうなあ。
ほんとにほんとに、さすがです。

|

« 『ジャコメッティの肖像』(ジェイムズ・ロード/みすず書房) | Main | 映画 「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事