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鈴木美紀子歌集『風のアンダースタディ』を語る会


14日の土曜日、行きました。

鈴木美紀子歌集『風のアンダースタディ』を語る会 @中野サンプラザ。

(あくまで単なる参加者の個人的主観の日記感想メモです。私が発言や様子を
勘違いしているかも)

受付後会場に入ると、資料が置いてありました。レジュメだけでなく、
「風のアンダースタディ以降のわたし」という、印象的な赤いスカートや靴の
ちょっとこわい写真の小冊子「迷宮へ」があって、短歌だけでなく、詩もあり。
ますます表現の世界を広げてらっしゃるんですねえ。


第一部:対談 穂村弘×文月悠光

穂村さんは鈴木さんの歌を早くから天才と見出して推してる、という感じ、
文月さんは詩人で、鈴木さんは文月さんの詩の講座に参加されてるそうです。
そんなお二人の対談楽しみでした。

レジュメに歌集からの10首選があり、それにそったりそわなかったりで
対談が進む。二人が選んでるので重なってるのは2首かな。評価受けて
代表歌っていえそうなのがちゃんとある歌集って素晴らしいなあと思う。

一首で成立してる歌が多い、というのも納得。、新聞とか雑誌に投稿してる
からかなあと思う。そこで勝負して勝ってきてるんですよね鈴木さん。凄いな。

「成仏できない魂」というフレーズで語られてた。タイトルの「アンダースタディ」
のように、今ここ、ではないどこか、「あなた」は決して手の届かない人、
身近にいる「あなた」はこれじゃない感が凄い、みたいなこと。
無力感がとてもあるけれども諦念ではないバランス、アンバランス。
強烈な相聞のようにも、相聞と限らず、パラレルワールド的な、ありえた
かもしれない別世界への希求のようにも、とれる「あなた」。

この歌集を読んで、うんうんわかる気がする、と思っていた感じ、でも
私はさらっと読んでいた歌の奥の奥底の怖さみたいなことを、お二人の
対談で深く広くひらいてもらったなあと思いました。面白かったです。


休憩後、パネルディスカッション。

天野慶、伊波真人、岡崎裕美子、司会:朽木祐

最初に伊波さん。
・メタ視点 ・「役者」である作中主体 ・夢というモチーフ 
・生活の中で目にするフレーズの引用 ・句読点の多用
と歌をひいてきてのコメント。私、個人的にはそのメタ視点って把握は
なんかチガウんじゃないのかと思ったけれども、他はまあなるほどと
聞きました。

次、岡崎さん。(だったと思う)
自己愛、という点からの読み解き、だったと思う。自己愛、がある、自分を
愛したい、けれども否定してる、でも、という、せめぎ合いのバランスが
歌をよくしているという感じ。
「アンダースタディ」というと、裏方っぽいようでもあるけれど、でも、
出番がある方なんだ、というのは、あ~そうだなってとってもはっとした
指摘でした。

天野さん。
演劇経験があるそうで、そういう面からもこの歌集の関心ポイントを見て
読まれたようです。「本当の私」はまるでもうこの世にいないみたい、な
魂の距離感。「切ない」ことの距離感が独特な歌集だと。死との断絶が
ないみたいな。

一通りそれぞれの発表のあとディスカッション。
ちょっとなかなかかみ合わない感じが見ててハラハラしたけど、まあそれぞれ
いろいろに、歌を読んでいる感じが面白かったです。上手い、こわい、
言葉や距離感のバランスのよさなど改めて確認できた感じでした。


それから会場発言。
みなさまのあれこれ、なるほどと聞きました。

やっぱり批評会に行くと、自分の読みは全然浅かったなあとか、そういう
読み方があるのか、するのか、とか。自分とは違うなあとか、いろんな
見方を知ることができて面白いです。
参加させてもらってよかった。
鈴木さんこれからもますますのご活躍を。
スタッフ皆様ありがとうございました。


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