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映画 「トム・オブ・フィンランド」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画 「トム・オブ・フィンランド」


昨日、13日見に行ってきました。ほんとは田亀源五郎さんのトークショー
の時に行きたかったけどなあ。
トーキョー ノーザンライツフェスティバル2018 でのジャパンプレミア。

Tom of Finland
監督:ドメ・カルコスキ Dome Karukoski / 2017年 /
フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、アメリカ


トウコ・ラークソネン。フィンランドで兵士として第二次世界大戦を戦った
後、戦争の悪夢に悩まされていた。
絵を描きたい。ピアノを弾きたいという望みはあるが、なかなかままならない。
妹と暮らし、商業デザイン?の仕事につく。

彼はゲイだった。同性愛が罪として追われる社会の中、ひっそりと出会いを
求めていた。そして夢想する男たちの姿を描き続けていく。

部屋を貸すことになった青年ニパとの恋。妹も彼のこと好きだったみたい
なんだけど、結局トウコとニパが恋人同士に。
妹ちゃん、お兄ちゃんの支えになってあげてたりなのに、なかなか、辛い。

ドイツで絵を売ろうとしたら悪いやつにひっかかって盗難にあったり、
でもなんとか兵隊時代のつてで窮地を脱したり。
密やかなパーティ。
逮捕されると強制施設に入れられるのかな? 治療してもらう、という
かつての上官も、辛い。

アメリカに絵を送ってみると、雑誌の表紙に採用された。
警官や軍人等の制服姿や、レザーを来たがっちりとして髭面の逞しい男たち。
むき出しの性器と笑顔。トウコではなく、トム、トム・オブ・フィンランド
というペンネームで彼の絵は世界中で大人気となる。

フィンランドからLAへ、個展を開くってことで出かけていった時の、
LAのあの明るさ、享楽的世界のあまりの違いが凄い。

フィンランドの歴史とかについて、私は何も知らないなと思う。
そっか、大戦でソ連と戦ってたのか、とか。まあそりゃそうかと思うけど
フィンランドの歴史についてあまり考えたことはなかった。
同性愛弾圧も、北欧って、今はいろいろと開放的というか公正というか、
ひらけている国のイメージだけれども、昔はやはりそういうものだったの
かなあ、そっかそういうものか、と、思ったり。

映画は映画なので、ドラマに仕上がっているけれども、当たり前だけど
複雑な歴史がいろいろあってからの、今、であり、世界を少しずつでも
よりよく、という人々の働きかけがあってこそなんだよなあ。


この人の絵、見たことはあって、あの、ゲイアート? 昔は髭も筋肉も
がっつりしてるのも好きではない方だったけれども、この頃はもうすっかり
そういうのむしろ歓迎~好き~ってなってる。この絵の感じもすごい、
はまる。トウコの夢想しつつ絵を描くシーンなんかで、おお~絵の実写化~
って、絵のまんまの俳優たちが取り巻いてるのとか眼福~。

けど、作者のことを考えてみたことなかったなあ。
こんな風に絵を描いてきて、生きていて。亡くなったのは1991年だって。

エイズでのバッシングの時期、画集を自分たちで出すシーンがあった。
悪質な安っぽい読み捨てられる雑誌ではなく、ちゃんと上質な絵として、
画集を出す。
小さな印刷屋さん、うちは宗教書専門だよ、っていう小さな印刷屋さんが
引き受けてくれて出すことができる。
その時に、自分たちにとって神聖だから、っていうんだよ。
同性愛者であることは間違いじゃない。病気じゃない。不自然じゃない。
それは自分にとって自然な事。こういう男たちの絵を大事に思うことは
自然なこと。
あの絵があることで、ものすごい肯定感を得られたんじゃないかなあと思う。
世界中で、こういう絵が大好きってなったファンたちにとって、自分の好き
なことを肯定できる、大事な機会だったんだと思う。

同性愛は不自然じゃない。異常じゃない。ヘテロがノーマルとかいうの
ほんとうんざりする。

好きなものと好きでいたい。好きなものを好きでいるために戦わなくちゃ
いけない方が間違ってる。好きな格好して、好きな人と手をつないで、
好きなように生きていけたらいい。

もっとらぶらぶシーンあるかなと期待しちゃったけど、そこは上品でした。
キスからなだれこんでくのとかすごいドキドキでステキだった~。
裸男子もけっこういて、眼福~^^ よかった。

かっこいい、美しい映画でした。見に行けてよかった。

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