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『喪失』(モー・ヘイダー/ハヤカワポケットミステリ)


*ネタバレ、結末まで触れています。


『喪失』(モー・ヘイダー/ハヤカワポケットミステリ)


街角で車が奪われる。単純に行きずりのカージャック事件と当初思われていたが、
後部座席には子どもがいた。
攫われて、だが、やっかいをおそれる犯人は子どもはすぐにどこかで置き去りにする
はずと見込み、キャフェリー警部はマーサの両親にもそう請け合った。
だが、マーサは戻ってこない。
犯人の狙いは最初から女の子だったのでは? 連続誘拐犯の可能性が出てきて、
さらに次の事件が起きて。
キャフェリー警部は重大犯罪捜査班のチームと共に懸命な捜査にあたる。


2012年刊行。しかしこれ、シリーズの途中の作品なのね。あれ、やっぱ、これ、
シリーズか。。。、時々その、多分シリーズ通してのキャラの関係とか背景が
わかんないなあと思いながら読み終えた。
読み終わってから訳者あとがきを読んで、キャフェリー警部の兄が小児性愛者に
攫われた過去があるとか、本書はシリーズの5作目らしいな、って確認。
しかし日本での翻訳出てるのは全部ってわけでもないらしく、出版社も違うらしく、
まー気にしないことにする。

で。
子ども誘拐は実は狙いは親を苦しめるためだ、とか、犯人にせまっていってる、
と思ったらそれは真犯人ではなく。実は警察内部にいたのだーって、その、
プロディ刑事が、警部にちょっと八つ当たり的なのされたりする、でも被害者に
親身になったりする、いいやつっぽいけど、けど、お前かーっっていうハラハラ
はとっても面白かった。
かなり最後の方まで、こいつ、いいやつ?ミスリード?でもやっぱり?って
決めかねて読んだワタシ。
水辺のトンネルの中に閉じ込められる潜水捜索隊のフリーの行動が、なーんか
ちょっと、うーん。どうにも思い入れの出来ないキャラで、お前なーって気が、
どうしてもしてしまって。
弟の交通事故を庇って隠して女性の死体を隠したらしいな?というのがあって、
多分前の方の作品で描かれてるんだろうけど、それを隠し続けてるのか
キャフェリーと仲良くやってたっぽいけどキャフェリーがそれに気づきながら
やっぱ黙ってるみたいだとか、その辺のモヤモヤがどうにも腑に落ちずに、
フリー、大丈夫、がんばれ、って感じには思えず、フリーのシーン大体において
ふーん、って低いテンションでしか読めなかった。シリーズちゃんと読み続けて
いたらもっとフリーにもいい印象持てるのかなあ。んー。

しかし、一応いろいろ疑問持ちつつ今作での事件は面白く読み終えたものの、
でも、この作者の他の、シリーズの続きとか前とかにはあんまり読みたい気持ちが
起きない。多分文体とかが好みじゃない。一作だけ、途中の一作だけ読んで
決めるのもどうかとは思うけど、なんかな~~~。
精神力が通じてひらめきが訪れるみたいな、刑事の勘とか以上にスピリチュアル
っぽいようなのが決め手となって攫われた女の子たちの発見にいたるのは、
ちょっと私は、えー、そんなのありか~ありな作者なのか~という気がして
しまって、だいぶ冷めた。
シーンが細切れすぎて、読者を焦らしていく感じも、なんか、もうちょっと
じっくり描いてくれるほうが私は好きで、多分作者とあわないんじゃないかな~
と思ってしまう。
いずれ気が向いたら何か読むかな。うーん。でも久しぶりにミステリ読んで
面白かった。よかった。

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