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映画「オリエント急行殺人事件」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「オリエント急行殺人事件」


8日(金)に見に行きました。字幕。

ケネス・ブラナーの製作・監督・主演、さらに豪華オールスターキャストってことで。
すごく楽しみに待ってました。

私はクリスティをほとんど読んできてない。古い映画も見てない。テレビドラマ
では見たかなあ。さすがに有名すぎて犯人のネタは知ってしまっていました。
でもそこはあんまり気にならない。この有名作品、古典的作品を今どういう映画に
するんだろう。予告の感じめっちゃかっこよさそう~。

始まりは嘆きの壁。それもまたタイムリーでびびる。トランプ大統領のせいで
今また最も危険なことになってる感じだよね。こういう、狙って得られるわけじゃ
ないタイミングを得るっていうのは強いなあ。

ポワロの口髭が、テレビドラマで馴染んでるデヴィッド・スーシェよりもずっと、
古い映画よりもずっと大きくていっそ滑稽なほどなのに、見てるとちゃんと馴染む
ので凄い。
バランスにこだわり、正義には白か黒かしかなく、美食家。ディケンズを読んで
大笑いしちゃったりするケネス・ブラナーのポワロは変人だということを強く
印象付ける。始まりからなんか先読みして事件解決する、ポワロという人物を
紹介し押し通す始まりで、結構コミカルだなあと思った。

そしてオリエント急行へ乗り込むことになったポワロ。シーズンオフなのに満室です、
とはいえ、なんか鉄道関係の偉い人の口利きで列車に乗り込むポワロ。
それぞれ乗客たちの紹介というか、人間模様を映し出しつつ列車は動き出す。


あらすじで言えば、かつて幼い女の子を殺した男が逃げて正体を隠していたのを
見つかって、その被害者一家に関わりある人々に復讐され殺される。完全犯罪と
なるはずだった、一見バラバラ無関係に見える乗客全員による犯行。
たまたま居合わせてしまった名探偵ポワロ。
雪で立ち往生となった豪華列車の中で、推理に苦しみ、乗客の素性を知るに至り、
殺された男が殺されて当然の男だったという事実と、しかし殺人という犯罪、
に板挟みになるポワロ。
善と悪二つしかなく、その中間はない、と冒頭断言していたポワロ。
警察に適当な見通しを話して乗客たちを見逃すか、告発するか。
その、苦悩。

基本的には密室劇でしょうと思っていたのだけれども、カメラワークとかすごい
凝ってるし、豪華列車が動き出し、街並みや壮大な雪山の中とロケーションも次々
変わる。ケネス・ブラナーポワロはちょっとしたアクションもこなす。
それでいて、乗客それぞれと対峙する会話劇でもある。
飽きさせない工夫とか今の映画であるテンポとか、とても面白かった。

セルゲイ・ポルーニンが出てる、って知って楽しみに見にいった。
妻を愛する喧嘩っぱやい伯爵なのね~。出番は多くないけど、登場が派手だった!
すごい華麗な飛び回し蹴りっつーの、あれ、すごいよね~。さすがジャンプが
得意なダンサー!かっこい~美しい~!きゃ~^^

容疑者乗客ずらり、と集まった画面の見栄えが物凄くて、ああ、この豪華さ、
豪華列車、それでもただただ愚かで深い悲しみの人間、という画面の圧が凄い。
豪華キャストでよかったね、と思う。
過剰さもこの作品ならではと思う。

翌日に、テレビで1974年の映画をやってて、それも見た。同じ話でも違うなあ、
と見比べられてよかったな。そのうち本も読もう。

ケネス・ブラナーポワロはまだ続くようで、次は「ナイルに死す」らしい。
そこへ続くのね、って感じの終りだったので、最初から複数やるぞーってこと
だったのかね。クラシカルに正統派、かつ現代風味、監督の個性で蘇るクリスティ、
って感じなのか。多分次作の方が紹介的なもの済ませたってことでもっと面白く
なるんじゃないかなあと期待する。


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