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映画「アトミック・ブロンド」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「アトミック・ブロンド」


23日に見に行った。

ベルリン、東側で諜報員が殺された。活動中のスパイのリストがKGBに奪われる。
その遺体とリストを回収すべく、現地のパーシヴァルと協力するようにと、
ロレーンはベルリンへと発つ。
到着早々、迎えにきたのは敵側の男たち。一旦は車に乗ったものの、ロレーンは
男たちをぶちのめし、遅れてやってきたパーシヴァルと合流した。


ベルリンの壁崩壊の頃が舞台で、冷戦が終わる、というざわざわした中での
騙し騙され、誰が味方なのか敵なのか、本当の狙いは何なのか、がっつりスパイ合戦
で、おおお??? って一生懸命見たけど、ちゃんと理解できたかどうかは
自信ないなあ。英国の裏切り者サッチェルってロレーンだった、の、か? で、
でも彼女は本当はCIAなのか。ん~。多分、多分、ほんとはCIAってことだと思う。

パーシヴァルがなあ。お前は一体何なんだ。英国諜報員だったのが現地でずぶずぶ
になっていって、って感じなのかなあ。でもあの壊れた感じすごいよかった。
すっごいアクション!!!って感じの宣伝だったけれども、それはもちろん凄かった
けれども、スパイものとして、ポップだな~クールだな~とはいえ、かなり暗い
重い冷たい感触も感じさせてくれて、ル・カレ風味もあるんじゃないの~と私は
勝手に思って、好きだった。
ジェームズ・マカヴォイね。かっこいいなあ。クレイジーなの凄い素敵。

音楽もね! あの頃のヒット曲いっぱい~。知ってるのも知らないのも。すごい
かっこよくって、ずーーーっとこの映画流していたいって感じ。映画館音響で
聞けて良かった。Bowieもあったさーもちろんだな~ベルリンだもんね~。
えーと最初に、ガソリン~なやつ、ラストにアンダープレッシャー。はあ。やっぱ
最高かっこいいわ。

で。
なんといってもアクションが!すっごい!!!
シャーリーズ・セロンが主人公なわけですが。「ジョン・ウィック」のアクション
やった監督?チーム?らしくて、ロレーンの戦いっぷりが、ガッツガッツリアルに
痛そうだしでも強いしかっこいいしすっごい痺れる!!!
私は詳しいことはわかんないながらも、ガッツガッツぶつかり合うし、手近なもの
ぶん投げて殴りかかって、ロープ?つーかホース?でぶんぶんやりあったり、
銃を使えばがっちり弾確認したり取り替えたり、すごい細部までかっこいい。

ロレーンのくるくる変わるファッションもステキだし~。
フランス諜報員な女の子、ソフィア・ブテラって「キングスマン」や「ザ・マミー」
の彼女だよね。彼女とロレーンのビアンなラブラブシーンもすごいよかったし。
全編見どころだらけ。すごい。
ずっと完璧に絵になるシーン。
最初、女性版007みたいな宣伝文句とか、ん~?そそられないなあと思ってたけど、
見に行ってよかった。満足した。

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映画「バリー・シール アメリカをはめた男」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「バリー・シール アメリカをはめた男」


22日の日曜日、かなりの雨~の中衆院選の投票行ってから映画行きました。


1978年から80年代半ばが舞台。
バリー・シールは優秀なパイロット。だが、安定した航空会社勤めにはやや退屈
していて、ちょっとした葉巻の密輸をしていたりした。
ある日、秘密めいたスカウトにあう。かっこいい小さな飛行機を貰って、南米で
写真を撮ってきてくれ、と。CIAだな、と、スリルと好奇心にかられたバリーは
こっそり会社をやめて、求められる写真を撮りまくる。
やがて写真だけでなく荷物運びを請け負うようになり、南米の方からはコカインの
密輸を持ちかけられる。
提示された大金。捕まっても解放されるとまた繰り返す。
逃げて、また秘密の仕事を請け負って。事業は拡大。金は使っても使っても貯金しても
どうしようもないくらい手に入ってくる。庭に埋めたり家じゅうごろごろ札束
たっぷりのバッグで妻に邪魔にされるほどに。
しかしほんとにヤバくなると、CIAには使い捨て。麻薬組織に狙われることになる。


て、実話ベースだそうで、当時の社会情勢とかレーガン大統領の映像とか随時
はさみこまれてくる。
スタイルとしてはバリーが捕まったあと刑務所に入るんじゃなく社会奉仕活動を
命じられて、命の危険を感じながらもこの狂乱の日々を振り返ってセルフビデオ
メッセージを残してる、ということなので、お話の時間はすんなりしてる。
途中ビデオメッセージなんだなっていうのが挟まれるくらい。

全体的にレトロというか、ブラウン管で見る映像っていう感じ。
当時って、子どもだったとはいえ私その時代知ってると思いつつ。そういう、
大昔ってわけじゃない時代の狂騒、すごいよな。もちろん映画に仕立てられてる
とはいえ、こんな男の、こんな人生が、あったのか、と。ただただ凄い。

大金持ちになってバリーはアメリカは偉大な国だぜ、って笑う。そんな男を利用
しつくして、CIAはさっぱり切り捨てる。シェイファーもまた、自分の作戦、
自分の冒険が大事なサイコパスっぽいんだよなあ。
バリーもまた、落ち着いた暮らしが退屈で仕方ない、お金欲しいっていう以上に
危険や冒険が大好きなスリル中毒みたいな感じなんだよなあ。
航空会社の優秀なパイロットだったわけだし、もちろん馬鹿なわけないと思うのに、
なんかただ危険な誘いにすーっと流されていっちゃう。なんも考えてないみたい。
なんで、どこかで立ち止まって、どこかで、もうダメだ、ってならないのか。
奥さんもすごい、よくこんな男と暮らせたなあと思うけど、なんか、毎日って
そういう、なんだかふわふわ、お金あるならいっか、って、過ごしてしまったり
するのかなあ。

妻の弟のJB。おバカな困った坊やで、バイト首になってバリーの所に居候する。
仕事与えてはみたものの、その辺に札束ごろごろしてるのを目にしてしまうので、
まあ、つい、盗んじゃうよね。車かって子どもみたいな若い女と遊ぼうとしちゃう
よね。ほんとダメ坊や。バリーがまともに説教するのがまたもう。
そんなクズ弟殺してやるよ、ってほのめかされて、逃がそうとしたのに、殺されて。
んで、そこは黙って隠滅しちゃうんだよなあ。

バリーって、妻も子どもも大事に思ってるし、いい夫、いいパパであることも
ちゃんとできるんだけど。運び屋やめられないんだよなあ。

最後には妻子は落ち着いた所へ行かせて、自分は毎日違うモーテル泊まり歩き、
社会奉仕をして。車のエンジンかけるたびに、爆弾が仕掛けられているのでは
ないか、と、ドキドキしている。あの、自分はきっと殺される、と思いながらの
日々を、でも、怯えてるというよりはスリルを味わっている、という感じが、
すごい。
結局爆弾じゃなくて銃殺された。
そんな、事実。

トム・クルーズに、まさにお似合いの役。というか、この男、トム・クルーズ
だろうって思ってしまう。もうほとんどなんでもできちゃうくらいに、有能で
金持ちで、でもスリル中毒というか、地に足のついた生活には向かない男。
トムのぷり~っと可愛いお尻見せてくれるサービスも堪能~。
大金持ちだぜ、わはは!ってスカッと、しなくもないけれども、ほんっと、
アメリカの夢、虚無って感じがした。すごくよかった。どんだけ掴んでも掴んでも、
それは夢で、バリーを地上に繋ぎとめる重りにはならなかったのかなあ。

トム、すごいさすがだったよ。パイロットトム最高。サングラストムめっちゃ
かっこいい。真っ白な歯できらっと笑ってるの最高。そして、虚しさも最高。
素晴らしかった。満足~。

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映画「ドリーム」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ドリーム」


原題「Hidden Figures」

邦題が関係ないアポロ計画みたいなのくっつけられててもめてたやつですね。
彼女たちがかかわったのはアポロ計画に繋がる前段階のお話。
1961年。ソ連が宇宙開発、有人飛行の先をいき、成功させつつある中、NASAは
アメリカとして遅れをとるわけにはいかないと、有人飛行へ、月へとむかって
懸命な開発を進めていた。
宇宙飛行士を打ち上げ、地球周回軌道にのせ、そして地上へ無事帰還させること。
あらゆる技術、理論を駆使し、さらに未知なる計算を成し遂げてそのミッションを
成功させるには。


始まりは、黒人の小さな女の子、キャサリンが、その数学の才能を見出されて、
学校の教師たちの後押しを得て、飛び級で進学すべきですって勧められている所。
これ、もう、すごいうるっときてしまう。
子どもがね、ちゃんとまともに大人に大事にされて、才能伸ばすようにちゃんと
導く世界って、ほんとうに素晴らしいと思う。それでも、黒人が行ける中では、
最上の学校です、という勧められ方をするんだよね。
分離政策だとか? 私はアメリカのそういう歴史とかほとんど知らなくて、
キャサリンが歩む道がどれほどの厳しさなのかは、うっすらと想像するしか
ないのだけれども。どんなに優秀でも、厳しいのだろうと思う。

そして、大人になったキャサリン。女性三人が車でNASAへの出勤途中、
エンストしてしまって立ち往生してると、パトカーがやってきて職質みたいな
感じになる。助けにきてくれるんじゃないのね。黒人の女三人、というだけで
まず見くびられ不審に思われる。そういう、世の中。
彼女たちがNASAで働いていると言うと、警官はどうやら認めてくれて、
遅刻しそうなら先導してやるよ。って車を飛ばす。空を見上げて、ソ連に
宇宙をとられるのは嫌だ、って感じ。冷戦期、こういう社会の空気があったんだ
なあとわかる。宇宙開発は夢で、軍事覇権のせめぎ合いで、もっと単純な所では
ソ連に負けるなんてダメだろ、って感じ。

で、NASAの一角には計算係という部署? があって、優秀な数学者たちが
あちこちの部署に派遣されながら働いている。身分は不安定っぽい。
黒人女性ばかりの部署のリーダーであるドロシー。技術開発の部署へ引き抜かれた
メアリー。キャサリンは軌道計算? とかをする部署へ要請されていく。

キャサリンたちの学歴は文句なく優秀、つか、天才レベルなんだけれども、
そもそもNASAで働いて開発してるみんながスーパー有能なんだよね。。。
この映画、うっすらと紹介知った頃には、虐げられる存在であった黒人で女性な
主人公たちがそれでも負けずに宇宙への夢の一端を担った、みたいな、真面目と
いうか、こう、社会問題的なのかなあと勝手に思っていたのだけれども、でも
ともあれすっごい面白いらしい、って感じで見にいってみたら。

これ、おっそろしく天才な人々が宇宙への夢をいかに実現させていくか、
スーパーエリートのスーパー天才の、すさまじくプロフェッショナルな物語だった。
ものすっっっごくかっこいい!!!

なにかにつけて、キャサリンがまともに扱かわれずにぐさっと来るんだけれども、
ここで生きてる彼女たちは、ムカついたりしながらもそこそこトラブルへの
対処もこなしていて、何よりも本人たちの実力、能力、成果を出して見せるという
やり方で自分の道を勝ち取っていく。

今見ると、こんなの酷過ぎるだろ、って思う。カラード用のあれこれ。でもさあ、
賢くエリート様たちであってさえも、なんなら善意で、黒人用も用意してあげたよ、
ってやってるんだろうなあというのが、ほんと。。。コーヒーとかね。
そして、キャサリンが使うトイレが遠い西エリアにしかない、ってことで、
仕事中席をあける時間が長い、ってことを、キャサリン、一度だけ声を荒げて
訴えるの。

ケビン・コスナーが上司役だったんだけど、それがもうほんと、熱い情熱持って
いるけれども極めて冷静、平静、クールでかっこよかったわあ。
キャサリンが有能ってわかれば仕事をちゃんとさせる。
でも数学とか研究開発馬鹿でトイレのことだとかキャサリンが不当に扱われて
いることとか気が付くタイプではないのね。でも、キャサリンが声をあげて、
そのことがわかったら、ちゃんと対処した。
ごめん気づかなかった、じゃあ黒人用トイレを作るよ、ってなるのかと思ったら、
西エリアへいって黒人用っていう表示を壊したんだよね。すごい。
どこのトイレであってもそれはただのトイレ。黒人白人の区別そのものをなくした。
平等ってこういうことなんだなって。
じゃあ君の権利も認めてあげるよ、じゃない。不当な差別区別そのものをなくす。
かっこよかったあ;;

キャサリンのプライベートの、幸せも描かれて、女友達、仲間との関係もすごく
よくって、あー、めっちゃ天才たちの物語だけど、かれらも普通に生活をして
生きているんだと思う。それはちょっとできすぎなくらい素敵な家族であり
友達であり。彼女たちのファッションがカラフルで素敵だったり、街や、空や
きれいな色があふれているの、とてもよかった。
なんか、国が若いっていいなあって思ったり。
これから社会は変わる、よくなっていくはず、という、希望があると思った。

黒人であること、女性であること、それは単なる事実であって、でも変えられない
事実であって、ぱっとみのそれだけのことで見くびられるとか不当に扱われるとか
おかしいことなのに、差別なんかしてないわ、という無自覚さで傷つけられる。
見たくないものは人はほんとに見ないんだなあ。。。私もそうだよな。

キャサリンの能力がわかってきても、むしろ働かせてあげている、って感じ。
前例がないとか規定がないとかで、そこにある才能をないものにされてしまう。
この実話ベースの映画では、問題や苦しみがあることはちゃんと感じさせながら、
でも素晴らしいバランスで明るく仕上げている。
過去は変えられない。黒人や女性への差別は今でもなくなっているわけじゃない。
それでも、彼女たちが成し遂げてきたこと、いろんな人がいて、いろんな人生が
あって、いろんな才能や努力がいろんな風にあることを素晴らしく見せてくれた。


宇宙開発、人間の手動計算なのかよー。とか、IBMのどでかいコンピューターが
ドアから入らなくて入口ぶち壊す、とか。ああでもコンピューターが出来ると
計算係りが不要になるのか。でもでもやっぱり、最終確認は人間じゃなきゃ;;
宇宙飛行士ってやっぱり夢のヒーローだなあかっこいい、とか。
ほんっと、夢とリアルのクールさと、かっこよかった。面白かった。
数学に関しては全然、私はなーーんにもわかんなくて、多少でもわかるともっと
楽しいのかもしれないけど、でもわかんなくてもすっごくよかった。
最上級のエンタテイメント作品だと思う。見に行ってよかった。

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映画「パターソン」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「パターソン」


4日(水曜日)に見に行ってきた。


バス運転手のパターソン。住んでいる街の名前もパターソン。
仲睦まじい妻と犬との暮らし。朝、6時すぎに目をさまし、妻にキスして
一人シリアルを食べて出勤。決まったルートの運転。帰宅して夕食を食べて
犬の散歩の途中にバーで一杯やる。大体同じ毎日の中、パターソンは一人、
秘密のノートに詩を書き綴る。


監督、ジム・ジャームッシュ。名前は知ってるものの、特にファンでもなく、
多分意識して見たこともなく。なんか、オシャレ映画っぽい? というイメージ。
でもちょっとなんかちゃんと見てみたくなったなあ。
今回は主演のアダム・ドライバー目当てで見に行こうと思った。

パターソンの一週間。ということで、毎日は大体同じ。パターソンは穏やかな
性格みたいで、ごく当たり前な地道な生活をささやかに楽しみながら生きている。
軍服姿の写真があるのが映ってたの、あれはパターソンくんなのだろうか。
はっきり見えなかったけどたぶん、そうなんだと思うけど。
軍隊経験あるってことなのかなあ。バーで、失恋のヤケのあげく銃を持ってきた
男、顔見知り、友達っていうほどでもないか、の男の銃を取り上げたりしたのは
そういうことなのかなあ。でも、まあ、それもことさらな感じでは全然ない。

妻が双子の子どもがいる夢を見たの、といって、その後も何度か双子モチーフ
が出てきたり。秘密の、ノートとかパイとか出てきたり。滝とか。
何度か繰り返される小さなモチーフは、ちょっと不思議な気配がする。
韻を踏むとか、そういうことなのかな。この映画全体が詩のようだもんね。

妻、ローラとの暮らしは、らぶらぶ仲良しで、ローラはパターソンの詩は凄い
んだから発表したほうがいい、ってすすめたりする。ローラはちょっとだけ
困ったちゃんというか、やりたいことがいくつもあるとか思いつきをどんどん
始めちゃうとかで、エネルギッシュ。でもまあ家のカーテンや壁にペイント
しまくったり、市場でカップケーキ売って人気出たらカップケーキ屋さんを
やりたいわ、とか、ネットでみつけたギターに一目ぼれして、歌手になるの、
とか、まあ、可愛いといえば可愛い範囲、というか。夫からしたらちょっと
困るけど、反社会的で問題っていうようなことではないし、そうやって
楽しそうに笑う彼女が好きだし、という感じ。
思いつき料理が実は不味いんだな~とか、それでも文句言わず食べるとか、
ほんともう、らぶらぶ夫婦でいいな~って思う。
ローラは圧倒的に絶対的にパターソンにたいして肯定的なんだよね。
自分のやりたいことを楽しみながら、パターソンのことすごく褒め称える。
褒め称えるというか、ん~と、なんていうか。パターソンがうちに帰って
あの妻がいるって思うとしあわせなんだろうなあ、って思う、そういう、肯定と
承認の天使みたいな存在。

マーヴィンという、フレンチブルドック? かなんかの、犬を飼っている。
これたぶん、結婚前からローラが飼ってる犬だったのかなあ。それか、ローラが
犬好きで飼ったのかなあ、という感じがする。ローラとパターソンがキスして
たりするとちょっと吠えたりするのね。パターソンくんがいつも散歩につれて
いくんだけど、ちゃんということきかない感じ。でもバーの外ではおとなしく
待ってる感じ。
いい顔してるし、居眠りしてたりちょっと吠えたり唸ったり、ポストを傾かせ
てる犯人はお前かよ、とか、ほんと名演のわんこで、すごくいい~。

終盤、パターソンの詩をかきとめている大事なノートを、夫婦が留守の間に
嚙みまくってボロボロの破片にしてしまう。
詩を失わせてしまう。
まー、ワンちゃんにはよくあるいたずらって感じなんだけれども、とてつもない
喪失。
それでも、お前が嫌いだ、ってぼそっと言いつつも、ローラがガレージに閉じ
込めたマーヴィンを出してやったりもするんだよねえ。
パターソンくん、ほんと、いいやつ。

バスが電気系統の故障だとかで途中立ち往生してしまったり。
スマホを持ってないパターソンくんに子どもが貸してくれたりする。

ローラが張り切ってたっぷりのカップケーキ作って、売れてよかった!とか。
まだ子どもな女の子、10歳くらいっていう子が街角に一人でいたので、
ちょっと大丈夫かな?って声かけたら詩を書く女の子で、聞かせてくれた詩が
とても素敵だった、とか。

描かれている出来事、毎日の暮らしは、現実の日常生活で起こっても不思議では
ないくらいのちょっとしたこと。パターソンの反応とかも普通な感じ。そういう
現実なリアリティの世界でありながら、全体はふわっとしてて夢の世界のよう
だった。すごい。
この中で愛されてる詩とか詩人とか私は知らなかったんだけど、なんか、すごく、
ものすごくいいものに感じられて。詩っていいなあって思えた。

パターソンが書き綴る詩も、そんなに修辞に凝るって感じではなくて、散文詩って
感じのようなんだけれども。アダム・ドライバーの朗読の声の心地よさとか
すごくよくって、世界が詩的だなあって感じられる。
パターソンが見て、感じて、書き綴る、この毎日、この世界はポエティック。
この、ちゃんと暮らしていながら夢の中にいるみたいな、ひょっとしてほんの
少ししたら、悪夢になってしまうのかも、という、この世界のバランスが
とてもとても素敵だった。

ノートをめちゃめちゃにされたパターソンが一人で散歩に出て、観光客なのか
日本人と出会う。その男もまた詩が好きで、詩人で、彼を会話して、新しい
ノートをもらって、パターソンにまた詩がもたらされる。この男もまた天使
めいているんだよねえ。

こんなに普通に生活してる感じのただの男であるパターソン。でも詩人である
パターソン。アダム・ドライバーほんとすごくよかった。ちょっとぼーっと
してるのも、ささやかなことでほんの少し笑ったり心配したり、そのさり気ない
のもすごく伝わってくるの、凄い。

私は詩人というわけではなく程遠く、でもちょっとだけ一応短歌やってて、歌人
な感じの人とか少しは知っていて、それで余計思い入れ持てたのかもしれない。
なんか地味で退屈みたいな評判もあったけれども、私にとってはとっても好きに
なれた映画で。見にいってよかった。

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映画「亜人」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「亜人」


9月30日の土曜日に見に行ってきた。
私は原作漫画とかアニメ化?等は見たことなく、単純に予告でアクションとか
かっこよさそうだ!と思って、予習もなしで見ました。


「亜人」は26年前に発見された、死なない、人類。
永井圭は、事故にあった時、蘇り、日本で発見された3人目の亜人として政府機関に
保護される。
だが保護とは表向きばかりで、死なない特性をいかして、人体実験を繰り返され、
傷むたびに殺す、リセットされてまた実験台にされた。
そんな保護施設を、日本最初の亜人、佐藤が襲う。永井を助け出す、とやってきた
のだが、楽しむように人を殺しまくる佐藤に永井は反発した。
施設から佐藤から逃げて、永井は山間の家の老婆に助けられる。


お話というか亜人の設定とかはあんまり詳しく語られることなくて、まあなんとなく
死ぬことでリセット、身体治って蘇るんだなーってことと、なんか、スタンド
みたいな幽霊ちゃんを出して戦うことが出来るのねって感じだけ把握。
リセットの方法なんかも工夫凝らしててそうくるか、っていうのがトリックみたい
に行動の謎解きになってきてて、お、お、おお~~って面白かった。

最後の戦いでは、いかに殺すか、いかに生き残るか、で。大きい肉片から再生
するよ、ってんで永井くんはうまく逃げました。
佐藤のハンチングを拾った手があって、あれ、実は佐藤もうまく生き延びた、
ってことなのか、別人なのか。うまくすれば続編作りたいってことなのかなあ。
原作読むとまた違うのかしら。佐藤はあそこで死んだのか生きてるのか。

多分原作よりぎゅっと話を凝縮というかばっさり省いたりしてるんだろうなあとは
思った。登場人物も多分絞られてる?
病気の妹のために医者を目指したお兄ちゃん永井くんは、でも、あんまりそう
優しいって感じではなく、クールで賢く束縛が嫌い、みたいな感じ。でもやっぱ
妹は大事にしてるって感じ。
佐藤は20年殺され続けて精神破綻、なのかなー。とにかく現実を破壊したい、
って感じ。
佐藤が前に救い出した二人目の亜人、田中は佐藤ほどは狂ってないって所か。
政府のえらいさん、ぽいけど実は中間管理職て感じが辛い戸崎。そのガードに
つくお姉さん、下村は亜人なのか~とか。
実は亜人って3人どころかいっぱいいるんだ? ってのを途中びっくりしながら
見た。


ともあれ、アクション!
永井の佐藤健も佐藤の綾野剛もすごくいい体~で、脱いでみせるサービスあり。
で、ほんっとよく動く!かっこいい!
佐藤とSATの戦いは、ガンアクションつーんですが、銃使ってまとめて殺す
やり方とかもいろいろにやってて、おおっ、凄いっ、って感激。
途中、自分を撃ってリセット、するのがねえ。それこそがこの作品なんだけど
やっぱビクッとしてしまう。自分を殺してリセットしながら皆殺しっていう
ワンアイデアが最高だ。

永井と佐藤の最後の対決も、先の先へ手をうってるのが肉弾アクションなおかつ
頭脳戦って感じ、面白かった。

まー途中の、戸崎玉鉄くん、かっこいいんだけど、かっこつけてるの素敵だけど、
下村ちゃんとちょっとだけ胸きゅんな感じ挟んでくるのはこっぱずかしいから
いらん~~~、と、個人的にはかったるく感じて萎えポイントだった。
いやー黒川手袋、スーツ眼鏡エリートな格好の玉鉄はほんとかっこよかったけど。

かっこいいな面白いなって見たけど、正直、ジョン・ウィックだの、キングスマン
だとか、るろ剣の最初を見た時の、ううわ~!!!って感激するほどのインパクト
とは違うかなあ。なんだろうなあ。キャストみんなすごくよく演じててくれた
と思うんだけど。ん~。
役の名前じゃなくて、あ~佐藤健さすが可愛い上にかっこいいとか綾野剛の
あの喋りとかがんばってる~とか、玉鉄~きゃ~、とか、中の人の名前を
思ってしまうのがいけない。やはり日本で暮らして芸能人な彼らを見てしまう
からもう、仕方ないんだけど。

それわかんないな?って思ったりもしたけど、あんまり説明ないのは私はよかった。
がんがんアクションたっぷり見せてくれる方がいい。
楽しみました。

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