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『混沌の叫び2 問う者、答える者』上下(パトリック・ネス/東京創元社)

*ネタバレ、結末まで触れています。

『混沌の叫び2 問う者、答える者』上下(パトリック・ネス/東京創元社)


三部作の二作目。

ヘイヴンを支配し始めるプレンティス首長。
傷を負ったヴァイオラと引き離されたトッドは首長の元で与えられた仕事につく
しかなかった。
ヴァイオラは治療院で回復したものの、やはり自由はなく、トッドに会えない
日々が続く。
一見平和的に新たな統治者となろうとしているプレンティス。だが、男と女を
引き離し、女たちは自由を奪われたことに抵抗しようとしていた。


一部の終りでどうなるんだーっと思った所で、今度は二人が引き離された中で、
互いを本当に信じあえるか、という試練になるのねえ。
プレンティス首長が一見穏やかで、でもがっつり抑圧的で酷い。

ヘイヴンはニュー・プレンティスタウンと名前を変えられる。ここにはノイズを
抑制?除去?できる薬が開発されてあったんだけど、その薬を取り上げて管理
することで男たちへの支配を強め、そもそも薬関係ない女たちは隔離していって。
スパクルが奴隷として、でもまあそこそこ友好的に?奴隷として町にいたよう
なんだけど、スパクルも隔離して酷い環境で肉体労働させたりして。
その管理をトッドと、首長の息子であるデイヴィとにやらせて。
いろいろと試すんだよなー。
出来の悪い息子より、トッドのほうに素質があるとみて、首長はトッドを自分に
取り込もうとする。

二部ではヴァイオラは離れてるので、トッドの一人称だけじゃなくてヴァイオラ
視点の話も交互に描かれる。
酷い目に合わされている女たちの中、ヴァイオラは、なんとか入植を待っている
はずの宇宙船へ通信を送りたい。トッドに会いたい。

女たちはテロを起こして、プレンティス首長たちの軍隊へダメージを与え、
囚われている女たちを救い、街を自分たちで取り戻そうとする。

この、平和的にただただしたがってなんとかやり過ごしたい、という住民たちと、
そんな支配下の平和は平和じゃない、って自由を求めてテロを繰り返すアスク隊と。
何が正義か。何が正解か、ものすごい、わからない。

トッドとヴァイオラも、離れて別の立場に身を置いて。互いを信じるのか、
信じていいのか、何故、って苦しむことになる。
過酷。。。

スパクルの大量虐殺でトッドは心閉ざしてしまうんだけれども、でもこれは
多分首長の仕業、なん、だよな?? ちょっと私はっきりしない。
ヴァイオラをも利用するアスク隊のやり方はキツイなと思うけど、かといって
首長のいいなりになってていいわけないし。

物凄く大変だったけどヘイヴンという希望目指してトッドとヴァイオラ、二人で
逃げてくだけだった一部がまだ平和だったな、って思っちゃう。政治というか
支配と自由というか、なんかもう、ほんと、正解が単純に出る話じゃない。
でもとにかく、トッドとヴァイオラは二人で戦うぞ、プレンティス首長とも
アスク隊とも妥協しない、って感じか。

空から入植者がくる、というタイムリミットみたいなのがありながらの緊迫感も
あって、二部はぐっと面白く読んだ。
で、ついに首長を追いつめた、って所で新たな脅威がやってくる。
人間とは距離をおいていたはずのスパクルの大軍が攻めてくる。
それに勝てるのはプレンティス首長しかない。って感じで、「戦争だ」
って所で終わる。

ええーっ。どうなるのーっ。と、ここでもひっぱられて、三部をすぐに読まねば、
ってなるよねー。

プレンティス首長の出番がいっぱいで、すごい悪の魅力って感じでいい~。
ノイズを武器のように操れる、とか、外連味もたっぷり。でも主人公たちには
負けるか~って所で、いやまだだ、って感じで、三部ではどうなんだろうって
すっごく気になる。
面白い。
三部はまだ順番待ち。

映画化だと、どうなるのかなあ。三部作まとめて一本の映画?一部だけ??
でもそれだけだとちょっとつまんなくないかなあ?ノイズとかどうするんだろう。
映画出来たらぜひ見たい。


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