« 映画「ハートストーン」 | Main | ドラマ「ナイト・マネジャー」 »

『弟の夫』1~4巻(田亀源五郎/双葉社 アクションコミックス)

*ネタバレ、かな?


『弟の夫』1~4巻(田亀源五郎/双葉社 アクションコミックス)

いろいろ評判いいのは見てて気になってて、4巻で完結とのことで、1~4電書
でまとめ買いしてみた。

両親を事故でなくしているヤイチ。双子の弟がいたけれど、弟はアメリカに
渡って10年。その弟が亡くなり、弟と結婚していた「夫」、マイクが日本にきた。
離婚して小学生の娘の夏菜と二人で暮らしている家に、マイクがしばらく滞在
することになる。

ってことで、多分ごく普通の男としてのヤイチが、「弟の夫」とどう接していい
のか、どう認識を改めていくのか、が、とてもとても丁寧に、一つ一つの疑問に
立ち止まり考えていくお話。
最初は、おかしいだろ、変だろ、いや別に差別とかじゃないけどなんか違うだろ、
みたいな所にいたヤイチが、無自覚だった差別意識に気が付いていく。

全体通して、本当に丁寧に描かれていて、どうして、何が、おかしいと思うのか、
それは本当に自分の考えなのか、ただなんとなく世間みたいな曖昧なものの
思い込みなんじゃないのか、無理な押しつけではなく静かに問いかける感じ。

人が出会って一緒にいたくて結婚して家族になっていく。
そこに性別へのこだわりは本当に必要ですか。人と人との関わりに性別という
要素についてことさらに不必要に過剰反応しなくてもいいんじゃないの。

実はゲイかもと思って悩んでる子とか、ずっとカミングアウトはせずに隠してる
人とか、子どもを心配するという中で悪影響とか悪気ないつもりで言っちゃう人
とか。いろいろな要素が描かれながらも、ちゃんとわかりあっていける人達が
いるという、希望と願いの漫画だと思う。

個人的には、夏菜ちゃんとか~別れた元妻とか~、お話に都合いい無邪気なフラット
な存在、疑問を呈する人とか理想の理解者って役割キャラという気がしたけどなあ。
子供らしさの概念って気が。
でもまあ私も実際リアルに子どもを知ってるかというと、まあ知らないし
わかんないんだけどね。

Twitterでの感想リツイとか眺めていると、教科書にして読ませたい
みたいなのもあったと思うけど、ほんと、そう。そういう理想的なところが
あって、でもそれが必要っていう気がするなあ。
無自覚だったり自分のこととは思わなかったり、というのが日本の社会、という、
イメージ。うーん。どうなのかな。あんまり、わかんないけど。。。

田亀源五郎さんの漫画とかわりとがっつりハード目な方、って思ってたけど
たぶんだいぶマイルドにしてるのかな。それでもちゃんとしっかり筋肉~だし
毛ももじゃもじゃもあるよ、ってのが素敵でした^^

LGBTブームみたいなことじゃなくて、こういう静かな丁寧な漫画があって、
たぶん評判も良くて、って、いいなと思う。私もすごく、なんかいろいろ無自覚で
駄目なことが、ほんと気づかずにあるんだろうし気づいていきたいと思った。

好きで一緒にいる、家族になる、ってことを、誰でもが、他人に強制されるとか
禁じられるとか、逆に奨励されるとかではなくて、自由でいられるようになると
いいのにね。


|

« 映画「ハートストーン」 | Main | ドラマ「ナイト・マネジャー」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事