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『楽園の世捨て人』(トーマス・リュダール/ハヤカワポケットミステリ)


*ネタバレ、結末まで触れています。


『楽園の世捨て人』(トーマス・リュダール/ハヤカワポケットミステリ)

(2017年1月刊)

エアハートはタクシー運転手。ピアノ調律師。67歳。デンマーク人だが国から
離れて17年ほど。スペインのカナリア諸島で世捨て人と呼ばれながら暮らして
いる。別れた故郷の妻アネッテに仕送りを続けている。
島で友人といえる人は少ない。ラウールという金持ちの道楽息子とその恋人と
酔っ払い、雷見物に行った時、海辺で発見された車の中に男の子の赤ん坊が
捨てられている騒ぎに遭遇した。
警察はその赤ん坊に関する捜査を早々に切り上げようとしていた。
エアハートは見過ごすことができず、一人、調べ始める。


老人素人探偵の登場、ってことなんだけども、颯爽とって感じはなくて、正直、
なかなか面白く読めなくてすごく時間がかかってしまった。
エアハートがどういう人物なのかなかなかつかめない。
なんでそんなことするの??? って不思議で仕方ない。

エアハートは指を一本なくしてるんだけども、それが何故なのかとかは不明。
でも欠けた指に思う所は深いらしく、事故った車、亡くなった人から指を
貰って帰って自分の指にくっつけてみたりする。もちろんくっつくわけじゃない。
指はやがて腐り干からびる。なんで。何やってんのエアハートじーさん??

恋人が欲しい。って、娘みたいな女と付き合う妄想してたり。
ラウールんちで飲んだくれた後、目が覚めるとラウールがいなくなってて、恋人
ベアトリスも頭殴られて意識不明、ってなってて。それでもベアトリスが
「私を隠して」という声を聴いた、と、思い込み、思い込みなんだろうかなあ、
多分。で、病院に連れて行くのではなくうちでこっそり寝かせておくことに
したり。知り合いの医者に脅しをかけて協力してもらって。

タクシー運転手であり、調律師ってことで島の人間のうちに入り込んだりしてる
うちになんとなく人の弱み、秘密を握ってるんだねー。
別に普通に暮らしている間にはただなんでもなく見過ごしたけど、こう切羽詰まって
じわっと脅したりする。
エアハート自身は、死んだ赤ん坊のためになんとかしなくちゃ、って突き動かされて
いるんだけど、その衝動っつーか情熱というか、なんでそこまでその事に
首突っ込みまくってんだか、なんで??? って不思議だった。
最後まで読んでも、なんでだよ、って思いは残る。。。
なんでそんなに頑張っちゃったんだよエアハート。

素人なりにあれこれ聞きまわって、数少ない友人知人と思ってたちょい悪な
金持ち、エマヌエル・パラブラスがちょい悪どころじゃないのか!ってなったり、
でもでも実はラウールなのかよ!?ってなったり。
その最後も、逃げようとして海へ沈んだ、とか、うーん。
まあ、素人のおじいちゃんが華麗なアクションで追いつめたりできるもんじゃ
ないもんねえ。そういうぜいぜいもう駄目無理ってしんどい感じはリアルで
辛かった。まあそれでもおじいちゃんすごいタフにがんばってたけど。
そしておじいちゃんってか、中年くらいな感じ? 女とやることにもそこそこに
熱心だったりして、枯れた渋み探偵ってわけでもない。


作者は2014年、この作品でデビュー、北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」を
得た、ってあったけど、そんなにすごい面白いだろうか? というのが私には
わからなかった。。。文化の差なのか私の理解力がダメダメだからか。。。
エアハート何やってんの? なんで?? という面白さでがんばってずっと
読みました。てことはキャラの魅力あるってことなのかなあ。
三部作構想らしくて、2016年に二作目出てるらしい。三部作全部翻訳出るかなあ。
出たとして読むかなあ私。わからない。でも読みたい気もする。わからないな~。
一応読んだぞという満足はあります。

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