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『喧嘩(すてごろ)』(黒川博行/角川書店)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『喧嘩(すてごろ)』(黒川博行/角川書店)


西山という代議士の私設秘書をしているという長原から二宮は相談事を持ち掛け
られた。たまたま再会した同級生つながりだ。西山事務所に火炎瓶が投げ込まれる
という騒ぎがあった。警察沙汰にはしていない。密かに繋がりのある麒林会との
揉め事だという。二宮が普段請け負うサバキとは勝手が違うが、ヤクザと折り合い
つける仕事ではある。ろくな収入のない二宮はともかくも引き受けた。


てことで、またしてもトラブルが手に負えなくなりそうな所で二宮くんは桑原に
話をふる。前作『破門』で、組から破門されている桑原は一応は今はカタギで
それでも強面、イケイケの度胸は全く変わらない。
話が、最初の単純な揉め事の手打ちのための仲介じゃすまない裏があるとわかって
きて、桑原さんがまたぐいぐいどんどんイケイケで、金ふんだくってやるって
なって、また刺されたりもあって、さすが面白いっ。

前作から半年後くらいの時間かな。二宮くんとの付き合いは5年になる、って
ことらしい。作中時間はそんなもんかあ。二宮くんはこの話終りの時点で40の
誕生日を迎えるところ。桑原さんは41歳らしい。
年やから、といいつつ、バリバリぐいぐい、凄い行動力で話も一気に読めて
すごく面白かった。
政治家やら秘書やら、やってることがえげつないっつーか、利権利権、ごり押し
の秘密の金設けまくりで、こわいわ~。まあもちろんこれは小説ですが。

このシリーズは主役側二人も全く正義の味方みたいなことじゃなくて、ヒドイし
桑原はヤクザでなんだかんだ二宮くんもクズでな~。それがさらに汚いとこから
なんとか金を引っ張り出す。読んでると桑原さんかっこいいわ~二宮くん可愛い~
結局なんだかんだ二人で組んでいっしょ設けたろ、ってのが楽しいんだろーっと
面白いけどねえ。こんなん絶対無理な世界だわ。

で、二蝶会は頭の代替わりになるとのことで。桑原さんの復帰となりそうな終り。
疫病神の復活、ってことで、またシリーズ、新作は出るんだろうなあ。
前、破門になった時にはどうなるんだ、って心配したけど。まあ元気そうで
なにより。二宮くんと桑原さんの会話やっぱめっちゃ面白い。どこまで続くのか、
また新作を楽しみにしよう。

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