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『凍てつく街角』(ミケール・カッツ・クレフェルト/ハヤカワポケットミステリ)


*ネタバレ、結末まで触れています。


『凍てつく街角』(ミケール・カッツ・クレフェルト/ハヤカワポケットミステリ)


2013年。ストックホルム。屑鉄置き場で死体が見つかった。真っ白な彫像の
ように加工され廃棄物の山に突き刺すように遺棄された死体。白い天使と呼ばれる
死体は連続していて、5人目だった。

2010年。コペンハーゲン。マーシャはイゴールと付き合っている。だが、
ギャンブルで多額の借金を作ったイゴールは、マーシャを売り渡した。マーシャは
スラヴロスという恐ろしい男に売り物にされ絶望的な借金返済に酷使される。

2013年。クリスチャンスハウン。トマス・ラウンスホルトは酒に溺れている。
休職中の警官。妻を殺された事件のショックから動けずにいる。だがバーテンダー
のジョンソンに頼まれて、ジョンソンの知人の娘が行方不明になっていることを
調べてみることになった。

時代と場所の異なるエピソードが交互に描かれていて、マーシャがどんどん悲惨な
目にあっていくのが辛い中、早く~早く、トマスってば~早くマーシャを見つけて
くれよ~~とハラハラしながら読みました。
連続殺人犯の子ども時代からの話もあり。
とにかくトマス、ラウンがなかなかしっかりしなくて、悲劇的な事件で、辛いね
とは思うものの、でもしっかりしてくれよ、と思う。

<ラウン捜査官>シリーズってことで本国では続刊出てるそうなので、日本での
続き翻訳出してくれるかなあ。続き出れば読みたい。妻が殺された事件とか後々
またなんかあるんじゃないかな。
この作品が2013年刊で、14年、15年、16年と出てるらしい。
私が読んだこれが2017年2月刊なわけで。でもドイツ語の本を底本とした、
ってことらしく、どーなんでしょうか。ドイツ語にも順次翻訳出てるのかな?
それをまた日本語に? 翻訳大変ですよねえとは思うものの、よくわからない。
デンマーク語とか読めるようになるといいけど、私にはそれは夢すぎる。。。

で、マーシャの時間も進んで2013年に近づいてくるわけだけども、ああでも、
ラウンは間に合うのか、って、こう、時間軸が重なってくる瞬間がぞくぞく
くるタイプのやつですね。

結局犯人はストックホルム警察の中にいるってことでラウンは孤軍奮闘する
ことになる。でも、そうするまでの、頼まれて、やだな、って感じで一応調べて
みて、わかったのはこれだけだから、ってすぐやめようとしちゃったりして。
でもやっぱり力なく泣くマーシャの母を前にすると無下にもできない、っていう、
ほろっとなる加減がよかったな。

犯人像としては、父が剥製づくりが趣味の人で子どもの頃に魅せられた。両親の
不仲から出ていく母を殺してしまう。そして女性不審という感じは、うーん、
ベタかもなあ。悲惨な目にあう娼婦とかも。
なんとか大変な目にあいつつ、ひとまずマーシャを保護して連れて帰ることが
できて、やれやれほっとしたと、残りページわずかの所でまだもうひと騒ぎ
あったりして、あ~こういうの、映画化ドラマ化になってわっとなる感じが
する~と思う。映画化するのかなあ。
著者はデンマークのプロデューサーでテレビドラマの脚本家であるそうで。
なるほどという気がする。

しかし北欧のミステリ読むようになって、ステキデザインのおしゃれ都市、
みたいなイメージばかりではなくて、まあ当たり前ですが複雑な社会情勢、国家
地域による違いや感情のせめぎ合い、みたいなことも、まあ、あるよねえと
思えるようになった。勿論ミステリはフィクションで、でも人が暮らす都市には
いろんな面があるのだ、という当たり前のこと。いつか観光旅行にでも行けると
いいなあ。

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