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映画「夜に生きる」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「夜に生きる」


戦争帰りのジョー・コフリン。もう命令されるのは嫌だ。人殺しは嫌だ、と、
ギャング組織からは距離をおいて強盗を繰り返している。
だが、恋に落ちた相手エマはギャングの情婦だった。

製作、監督、脚本、主演ベン・アフレックとゆー。ベンアフのベンアフによる
ベンアフのための映画だ。

原作が評判よかったんだっけ。いつか読もうリストに入れてるけどまだ読んで
ないです。本だともうちょっとじっくり描かれているのかな。わりとさくさく、
モノローグだけであっさり場面転換して時間が進んでいく。エピソードの印象的な
シーンの断片だけなのでその背後というか行間を読むという感じがする。
でもそのそっけなく、静かに淡淡とした積み重なりが私は好きだった。
禁酒法時代。レトロな衣装とかクラシックな車とか、スクリーンの中の世界が
うつくしくて、余計な説明いらないかと飲み込めてしまう。
かっこいんだもん。

ジョーの父は警察の偉いさんなのかあ、とわかる、エマとの食事中にやってくる
シーン。エマに失礼な発言する父へ怒るでもなく「アハハ」って感情ゼロな
笑い声たてるベンアフ~。すごくいい。なんだそれ。
そう、まだ最初の頃は坊やだからさってな感じに可愛くて、もっさりもっさり
したベンアフがすごくいい。

人殺しが嫌いなギャング。
エマに裏切られ、一人でやってくなんてできなくなって、殺されたエマの復讐の
ためにも、敵対するイタリア系ギャング、マフィア? につくジョー。
密造酒づくりのためにタンパへ行けと言われる。
ジョーはうまくやっていったが、やがてボスと対立。ボスたちを殺し、頂点に
立ったところで、相棒にすべてを譲り、夜の世界からは身を引いた。
だが、いつか必ず報いがくる、と、かつて父に言われたように、愛する妻を
失ってしまう。まだ幼い息子と二人で生きていく。

第一次世界大戦と第二次世界大戦の隙間って時代。
ものすごい、男の夢とロマンのギャング映画だなあと思った。
人殺しとか嫌い。女を大事にするし薬に手を出すこともない。クールなギャング。
長年にわたって相棒いるし、愛する女に愛されるし。父に愛されていた。息子を
授かった。頂点にたったところで身を引く潔さかっこよさ。悲劇はあるけれど
乗り越えていく。
ジョー、かっこいいもんな~~。

エル・ファニングが女優を夢見る女の子、で、あっ「ネオン・デーモン」って
連想しちゃった。ここでもすごく可愛くて、でも夢破れて薬漬けになってたのを
助け出されって感じで戻ってくるんだけど、次には狂信的に演説して神の名の
もとに結果ジョーの邪魔しちゃう女の子を演じてて、とってもとっても綺麗で
よかった。ものすごくきれいな目で、壊れてる感じが素晴らしかった。

ジョーが二人目に恋した女、グラシエラをやってたのがゾーイ・サルダナ。
なんとなく顔知ってるような気が、と思ったら、「ガーディアンズ・オブ・
ギャラクシー」に出てるって、あ~ガモーラか、と、帰ってぐぐってから気づく。
彼女も強くて綺麗だった。けどちょっと男の夢の女って感じかな~~。
最後儚く殺されてしまうための愛する女。本で読むと違うのかなあ。ん~。
本を読んでみようかなという気になってきた。

うまくかっこよく一人の男の半生を見た。良作というか佳作というか、満足です。
ベンアフ監督、いい映画じっくりたっぷり作って欲しいね。

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